破棄
判示要旨:被告人が、生後2か月の孫の頭部に強い衝撃を与える暴行を加えて急性硬膜下血腫等の傷害を負わせ、同傷害に起因する脳機能不全により死亡させたとして起訴された傷害致死の事案。同児の症状の原因は、内因性の脳静脈洞血栓症とDICであった可能性が否定できず、原判決が外力によると認定した根拠についても、そのように認定できるだけの基礎的事情を認めることはできず、被告人が同児の死亡に結びつくような暴行を加えたことを積極的に推認できるような状況も見当たらないとし、被告人を有罪と認めた原判決には判決に影響を及ぼす事実誤認があるとして、被告人を懲役5年6月に処した原判決を破棄した上、被告人に無罪を言い渡した事例