判例検索β > 令和3特年(わ)第3064号
貸金業法違反
事件番号令和3特(わ)3064
事件名貸金業法違反
裁判年月日令和4年6月10日
法廷名東京地方裁判所
全文全文
最高裁判所〒102-8651 東京都千代田区隼町4番2号 Map
裁判日:西暦2022-06-10
情報公開日2022-08-06 04:00:09
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令和4年6月10日
令和3年特

東京地方裁判所刑事第16部宣告

第3064号

貸金業法違反被告事件
主文
被告人を懲役2年及び罰金200万円に処する
その罰金を完納することができないときは、金1万円を1日に
換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判が確定した日から3年間その懲役刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は、Aと共謀の上、内閣総理大臣又は東京都知事等の登録を受けないで、業として、別表(添付省略)記載のとおり、令和2年4月10日頃から令和3年1月12日頃までの間、29回にわたり、東京都内又はその周辺において、B株式会社(令和2年8月4日、株式会社Cに商号変更)ほか27の法人又は個人が株式会社D公庫から貸付けを受けるに際し、それらの法人又は個人の貸付け希望を前記株式会社D公庫に伝えるとともに、前記株式会社D公庫の支店融資課長等の役職者をそれらの法人又は個人に紹介するなどして金銭の貸借の媒介をし、もって貸金業を営んだ。(量刑の理由)
本件は、国会議員であった共犯者(以下元議員という。)と共謀の上、貸金業の登録を受けずに、D公庫(以下公庫という。)による融資の媒介をし、もって貸金業を営んだというものである。
被告人は、元議員と近しい関係にあったことを活用し、公庫による融資を希望していた顧問先等を、公庫が通常案件とは異なる迅速な融資をしていた国会議員紹介案件として取り扱わせるため、元議員の指示を受けた秘書等を通じ、判示の媒介を行なった。被告人らが媒介した件数等は、約9か月間において、27の法人又は個人につき合計29回と多数回、貸付け額も合計7億円余りと多額に上る。さらに、被告人は、本件犯行に及ぶにあたり元議員に働きかけて本件犯行を主導し、ほとんどの場合手数料を徴収し、自ら合計2600万円を超える利益を得ていたというのであり、営利性ないし不透明性が強く、貸金業を営む者の業務の適正な運営の確保及び資金需要者等の利益の保護を図った貸金業法の趣旨に正に反する行為を行なったといえる。
以上によれば、被告人の刑事責任は軽いものではないが、被告人には、量刑上重視すべき前科前歴はなく、捜査段階から一貫して事実を認めて反省の言葉を述べている。また、被告人の娘が今後の支援等を誓っている。そこで、それらを考慮し、主文のとおりの懲役刑を科した上で、その執行は猶予することが相当であるが、被告人が多額の利益を得ていたこと等を勘案し、この種事犯が経済的に割りに合わないことを示すため、主文のとおりの罰金刑を併科することが相当である。
(求刑

懲役2年、罰金200万円)

令和4年6月10日
東京地方裁判所刑事第16部
裁判長裁判官

安永健次
裁判官

向井志穂
裁判官

足立洋平
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