判例検索β > 令和3特年(わ)第3065号
貸金業法違反
事件番号令和3特(わ)3065
事件名貸金業法違反
裁判年月日令和4年5月24日
法廷名東京地方裁判所
全文全文
最高裁判所〒102-8651 東京都千代田区隼町4番2号 Map
裁判日:西暦2022-05-24
情報公開日2022-08-06 04:00:11
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令和4年5月24日

東京地方裁判所刑事第3部宣告

令和3年特(わ)第3065号

貸金業法違反被告事件

主文
被告人Aを懲役2年及び罰金200万円に、被告人Bを懲役2年及び罰金100万円に処する
被告人両名においてその罰金を完納することができないときは、それぞれ1万円を1日に換算した期間、その被告人を労役場に留置する。
被告人両名に対し、この裁判が確定した日から3年間、それぞれその懲役刑の執行を猶予する。
理由
【罪となるべき事実】
被告人両名は、共謀の上、内閣総理大臣又は東京都知事等の登録を受けないで、業として、別表記載のとおり、令和元年6月19日頃から令和3年4月19日頃までの間、87回にわたり、東京都内又はその周辺において、株式会社Cほか83の法人又は個人が株式会社D公庫から貸付けを受けるに際し、それらの法人又は個人の貸付け希望を前記株式会社D公庫に伝えるとともに、前記株式会社D公庫の支店融資課長等の役職者をそれらの法人又は個人に紹介するなどして金銭の貸借の媒介をし、もって貸金業を営んだ。
【量刑の理由】
本件は、被告人両名が共謀の上、貸金業の登録を受けないで、約1年10か月間に合計87回にわたり、公庫による融資の媒介をし、もって貸金業を営んだという事案である。
その態様は、被告人Aが自ら又は紹介者を介して幅広く公庫融資を希望する事業者を募り、それらを取りまとめて、国会議員の秘書を務めていた被告人Bに公庫への口利きを依頼し、被告人Bが議員による紹介案件の名目で公庫に窓口の紹介を申し入れるという定型的な手順・分担によって媒介行為を繰り返したというもので、その成約額は23億円余りに上る。しかも、融資が実行された場合には、事業者から少なからぬ額の手数料が支払われていたのであって、資金需要者の利益も現実に害されている。これらによれば、本件は極めて大規模な職業的犯行であり、資金需要者の保護等のために媒介行為をも登録制とした貸金業法の趣旨を没却するものといわなければならない。
被告人Aは、手数料目当てで公庫融資の口利きをビジネス化し、受領した手数料の分配を行って合計2800万円余もの不当な利益を貪ったのであって、本件の主犯というべきである。被告人Bも、被告人Aからの依頼に応じてのこととはいえ、国会議員の秘書としての立場を悪用することで犯行に不可欠な役割を果たし、合計1000万円余もの分配に与ったのであるから、その刑責は被告人Aを大きく下回るものではない。
以上によると、被告人両名の刑責はいずれも軽くないが、両名ともみるべき前科がなく、事実を認めて反省の態度を示していることを踏まえると、いずれも懲役刑を科した上でその執行を猶予するのが相当である。さらに、本件の性質や各自の利得額等に照らし、主文の罰金刑を併科することとした。
(検察官德永国大・三尾有加子、被告人Aの私選弁護人E(主任)・F、被告人Bの私選弁護人G
(求刑

各出席)

被告人Aにつき懲役2年及び罰金200万円、被告人Bにつき懲役2年及
び罰金100万円)
令和4年5月24日
東京地方裁判所刑事第3部


裁判長裁判官

羽敏彦
裁判官

長池健司
裁判官

佐藤有紀
(別表省略)

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