判例検索β > 令和3年(受)第1463号
親子関係不存在確認請求事件
事件番号令和3(受)1463
事件名親子関係不存在確認請求事件
裁判年月日令和4年6月24日
法廷名最高裁判所第二小法廷
裁判種別判決
結果破棄自判
原審裁判所名福岡高等裁判所  宮崎支部
原審事件番号令和2(ネ)172
原審裁判年月日令和3年6月2日
判示事項親子関係不存在確認の訴えについて確認の利益があるとされた事例
全文全文
最高裁判所〒102-8651 東京都千代田区隼町4番2号 Map
裁判日:西暦2022-06-24
情報公開日2022-06-25 04:00:04
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令和3年(受)第1463号
令和4年6月24日

親子関係不存在確認請求事件

第二小法廷判決

主文
原判決を破棄し、第1審判決を取り消す。
本件を鹿児島家庭裁判所に差し戻す。
理由
上告代理人藤岡諒の上告受理申立て理由について
1
原審の確定した事実関係等の概要は、次のとおりである。
亡A及び亡Bは、亡Cと亡Dとの間の子であり、亡Eは、戸籍上亡Cと亡D
との間の子とされている者である。
亡Aは昭和25年に、亡Eは平成14年に、亡Bは平成29年に、それぞれ死亡した。亡Bの戸籍上の法定相続人は、亡Aの子である上告人外1名及び亡Eの子ら3名である。
2
本件は、上告人が、検察官に対し、亡Eと亡C及び亡Dとの間の各親子関係
(以下本件各親子関係という。)の不存在の確認を求める事案である。3
原審は、上記事実関係等の下において、上告人は、本件各親子関係が不存在
であることにより自己の身分法上の地位に直接影響を受けることはないから、本件訴えにつき法律上の利益を有しないと判断して、これを却下すべきものとした。4
しかしながら、原審の上記判断は是認することができない。その理由は、次
のとおりである。
前記事実関係等によれば、上告人は、亡C及び亡Dの孫であり、亡Eの戸籍上の甥であって、亡Bの法定相続人であるところ、本件各親子関係が不存在であるとすれば、亡Bの相続において、亡Eの子らは法定相続人とならないことになり、本件各親子関係の存否により上告人の法定相続分に差異が生ずることになる。親子関係の不存在の確認の訴えを提起する者が当該訴えにつき法律上の利益を有するというためには、当該親子関係が不存在であることにより自己の身分関係に関する地位に直接影響を受けることを要すると解されるところ(最高裁昭和59年(オ)第236号同63年3月1日第三小法廷判決・民集42巻3号157頁参照)、法定相続人たる地位は身分関係に関するものであって、上告人は、その法定相続分に上記の差異が生ずることにより、自己の身分関係に関する地位に直接影響を受けるということができる。
以上によれば、上告人は、本件訴えにつき法律上の利益を有するというべきである。
5
これと異なる見解の下に、本件訴えを却下すべきものとした原審の判断に
は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨はこの趣旨をいうものとして理由があり、原判決は破棄を免れない。そして、第1審判決を取り消し、更に審理を尽くさせるため、本件を第1審に差し戻すべきである。よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官

岡村和美

裁判官

菅野博之

草野耕一)
裁判官

三浦


裁判官

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