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閲覧謄写申立て却下決定に対する抗告却下審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
事件番号令和3(許)13
事件名閲覧謄写申立て却下決定に対する抗告却下審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
裁判年月日令和4年6月20日
法廷名最高裁判所第一小法廷
裁判種別決定
結果棄却
原審裁判所名東京高等裁判所
原審事件番号令和3(ラ)942
原審裁判年月日令和3年6月23日
判示事項保佐開始の審判事件を本案とする保全処分の事件において選任された財産の管理者が家庭裁判所に提出した財産目録及び財産の状況についての報告書は、上記保全処分の事件の記録には当たらない。
全文全文
最高裁判所〒102-8651 東京都千代田区隼町4番2号 Map
裁判日:西暦2022-06-20
情報公開日2022-06-24 04:00:03
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令和3年(許)第13号

閲覧謄写申立て却下決定に対する抗告却下審判に対する

抗告棄却決定に対する許可抗告事件
令和4年6月20日

第一小法廷決定
主文
本件抗告を棄却する
抗告費用は抗告人の負担とする。
理由
抗告代理人横井快太の抗告理由について
1
本件は、保佐開始の審判事件を本案とする財産の管理者の選任等の保全処分
を申し立てた抗告人が、上記保全処分の事件において選任された財産の管理者から家庭裁判所に提出された書面の謄写の許可を申し立てた事案である。2
記録によれば、本件の経緯は次のとおりである。
抗告人は、令和2年10月、千葉家庭裁判所に対し、実母について後見開始
の審判を申し立て、同年11月、申立ての趣旨を保佐開始に変更するとともに、保佐開始の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、財産の管理者を選任すること等を求める審判前の保全処分を申し立てた。
上記裁判所は、同月、上記保佐開始の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、A弁護士(以下本件管理者という。)を財産の管理者に選任し、上記実母の民法13条1項に規定する財産上の行為につき本件管理者の保佐を受けることを命ずる審判をし、同審判は、同年12月、その効力を生じた。
その後、本件管理者は、その管理すべき財産の目録及び財産の状況についての報告書を上記裁判所に提出した。
抗告人は、令和3年3月、上記裁判所に対し、本件管理者が提出した書面一式について、その謄写の許可の申立て(以下本件申立てという。)をしたが、本件申立ては却下され、抗告人は即時抗告をした。
上記裁判所は、抗告人は当事者に該当せず、第三者からされた記録の謄写の許可の申立てを却下した裁判に対しては即時抗告をすることができないから、抗告人の上記即時抗告は不適法でその不備を補正することができないことが明らかであるとして、これを却下した。
抗告人は、これを不服として即時抗告をしたが、原審はこれを棄却した。3
所論は、保佐開始の審判事件を本案とする保全処分の事件において選任され
た財産の管理者が家庭裁判所に提出した書面は、上記保全処分の事件の記録に当たるから、上記保全処分の申立人は、当事者としてその謄写等の許可を申し立て、これを却下した裁判に対しては適法に即時抗告をすることができるにもかかわらず、本件申立ては第三者からの申立てであるとして、これを却下した裁判に対する抗告人の即時抗告を不適法であるとした原審の判断には、家事事件手続法(以下法という。)47条3項、8項の解釈適用の誤りがある旨をいうものである。4
保佐開始の審判事件を本案とする財産の管理者の選任及び保佐命令の保全処
分(法134条1項、2項、126条1項)は、保佐開始の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、財産の管理者を選任するなどして暫定的に法律関係を形成し、もって被保佐人となるべき者の保護を図ることを目的とするものであると解される。そうすると、上記保全処分を命ずる審判が効力を生じた後は、保佐開始の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、財産の管理者による財産の管理及び代理権の行使等を通じて、被保佐人となるべき者の保護が図られることになるのであるから(法134条5項、6項、民法28条)、上記保全処分の事件は、財産の管理者の選任等の保全処分を命ずる審判の確定により終了するというべきである。上記保全処分の事件において選任された財産の管理者は、その管理すべき財産の目録を作成し、これを家庭裁判所に提出しなければならず(法134条6項、民法27条1項、家事事件手続規則85条、82条1項)、また、家庭裁判所に命ぜられて財産の状況についての報告書を提出する(法134条6項、125条2項)が、これらの書面は、財産の管理者の選任後における財産管理事務の適正を期することを目的として提出を求められるものであるから、上記保全処分の事件についての裁判所及び当事者の共通の資料となり得るものではない。以上によれば、保佐開始の審判事件を本案とする保全処分の事件において選任された財産の管理者が家庭裁判所に提出したその管理すべき財産の目録及び財産の状況についての報告書は、上記保全処分の事件の記録には当たらないというべきである。
前記事実関係によれば、本件申立ての対象となる書面は、抗告人を当事者とする審判前の保全処分の事件の記録には当たらず、抗告人を当事者としない別個の手続の資料として提出されたものであるから、本件申立ては第三者からの申立てであり、これを却下した裁判に対する抗告人の即時抗告は不適法である。所論の点に関する原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は採用することができない。
よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官

正晶

山口

裁判官

堺厚
裁判官

深山卓也

徹)
裁判官

安浪亮介

裁判官

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