判例検索β > 令和3年(わ)第2061号
出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律違反
事件番号令和3(わ)2061
事件名出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律違反
裁判年月日令和4年3月29日
法廷名名古屋地方裁判所
全文全文
最高裁判所〒102-8651 東京都千代田区隼町4番2号 Map
裁判日:西暦2022-03-29
情報公開日2022-06-04 04:00:09
裁判所の詳細 / 戻る / PDF版
主文
被告人を懲役1年及び罰金50万円に処する
その罰金を完納することができないときは,5000円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判が確定した日から3年間その懲役刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人,A,B及びCは,株式会社D(以下Dという。)の青果物等の販売代理契約に係る保証金の名目で同社に金銭を支払うよう不特定かつ多数の者を勧誘していたものであるが,いずれも法定の除外事由がないのに,同社の実質的経営者であるE及び同社の本部長であるFと共謀の上,別表(添付省略)記載のとおり,平成30年12月11日から同月26日までの間,3回にわたり,岡山県赤磐市ab番地cの株式会社G銀行H支店に開設されたD名義の普通預金口座に振込入金させる方法により,不特定かつ多数の相手方であるIほか1名から,同名目で支払を受ける金銭の金額に相当する元本を保証するとともに月利2ないし3.3パーセントの金銭を支払うことを約して,合計700万円を受け入れ,もって業として預り金をした。
(量刑の理由)
1
本件は,Dが行う事業の一環として行われた,組織性・計画性の高い犯行である。預り金の合計額も少額ではなく,犯行後,Dが破産したこともあり,預り金の返金は円滑に進んでおらず,一般大衆の財産を保護し,社会の信用制度等を維持しようとした出資法2条の趣旨が現実にも損なわれている。
そして,被告人は,1名の被害者に対し,預り金の拠出を直接勧誘しており,その責任は決して軽いものではない。もっとも,被告人は,他の共犯者からDへの出資を勧誘され,自らも出資することでDと関わるようになったものであり,自らスキームを考案したわけでもなく,その責任は首謀者らに比べれば軽いものにとどまる。
なお,被告人は,本件行為が違法なものとは知らなかったと供述する。被告人が自ら出資したものと同じスキームの出資の勧誘をしていたことや,被告人が会社員であり副業としてDの勧誘を行っていたことからすれば,被告人の上記供述を虚偽として排斥することは困難である。しかし,被告人は単に法律知識に乏しかっただけに過ぎず,そのことをもって被告人の責任を軽減させる事情とはいえない。
2
一方,被告人には,事実を認め反省の態度を示していること,前科がないことなど,被告人にとって有利に考慮すべき事情も認められる。
そこで,これらの事情も考慮し,被告人を主文の刑に処した上,その懲役刑については執行を猶予することとする。

(求刑

懲役1年,罰金50万円)

令和4年3月30日
名古屋地方裁判所刑事第2部

裁判官

棚村治邦
トップに戻る

saiban.in