判例検索β > 令和2年(ワ)第5616号
特許権
事件番号令和2(ワ)5616
裁判年月日令和4年1月25日
法廷名東京地方裁判所
全文全文
最高裁判所〒102-8651 東京都千代田区隼町4番2号 Map
裁判日:西暦2022-01-25
情報公開日2022-03-25 04:00:28
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令和4年1月25日判決言渡
令和2年(ワ)第5616号
口頭弁論終結日

同日原本領収

裁判所書記官

特許権侵害損害賠償請求事件

令和3年10月27日
判決原告
株式会社DAPリアライズ

被告
シャープ株式会社

同訴訟代理人弁護士

生田哲郎同佐野辰巳主文12
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由

第1

請求
被告は,原告に対し,3000万円及びこれに対する令和2年3月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2

事案の概要

1
事案の要旨
本件は,発明の名称を携帯情報通信装置及び携帯情報通信装置を使用したパーソナルコンピュータシステムとする特許第4555901号の特許(以下本件特許という。
)に係る特許権(以下本件特許権という。
)の特許

権者である原告が,別紙被告製品目録記載の各製品(以下,併せて被告各製品という。)が本件特許の特許請求の範囲の請求項1記載の発明(以下本件発明という。)の技術的範囲に属するものであり,被告による被告各製品の製
造販売が本件特許権の侵害に当たると主張して,不法行為による損害賠償請求権に基づき,被告各製品の実施料相当額(特許法102条3項)の合計6億4000万円の一部として,3000万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である令和2年3月31日から支払済みまで平成29年法律第44号による改
正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。2
前提事実(当事者間に争いがない事実並びに後掲の証拠(以下,書証番号は特記しない限り枝番を含む。
)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)

(1)

当事者

原告
原告は,各種情報処理・通信システムの考案・開発等を目的とする株式会社である。


被告
被告は,電機メーカーであり,スマートフォンを始めとする携帯情報通信装置の企画,製造,販売等を行っている株式会社である。

(2)

本件特許

原告は,平成17年12月21日(優先日平成16年12月24日及び平成17年7月28日,優先権主張国日本)を出願日とする特許出願(特願2005-367373号)の一部を分割して出願した特許出願(特願2006-277062号)の一部を更に分割して,平成20年6月23
日,
新たに本件特許の特許出願
(特願2008-162678号。
以下
本件出願
という。をし,

平成22年7月30日,
本件特許権の設定登録
(請
求項の数4)を受けた(甲1ないし3)


原告は,平成28年5月19日,本件出願の願書に添付した特許請求の範囲を訂正することを求める旨の訂正審判請求(訂正2016-390069号事件)をしたところ,特許庁は,同年10月17日,上記特許請求の範囲の請求項2ないし4について訂正することを認める一方,同請求項1に係る訂正についての審判請求は成り立たない旨の審決を受けた。そこで原告は,同年11月29日,審決取消訴訟(知的財産高等裁判所平成28年(行ケ)第10257号事件)を提起したが,同裁判所は,平成29年10月19日,原告の請求を棄却する判決をし,上記審決は同年11月
7日確定した(甲1,22)


原告は,平成30年4月9日,前記イの特許請求の範囲を本件特許の特許請求の範囲のとおり訂正すること(以下本件訂正という。
)を求める
旨の訂正審判請求(訂正2018-390070号事件)をしたところ,特許庁は,同年7月25日,本件訂正を認める旨の審決をし,同審決は,
同年8月2日確定した(以下本件訂正審判という。審決確定後の請求項の数1。甲1,3)


本件特許の訂正請求
被告は,本件特許について無効審判を請求したところ(無効2020-
800032)
,原告は,令和3年3月22日付で,請求項1を次のとおり
訂正することを求める訂正請求を行った(甲24)
。そして,特許庁は,同
年10月12日,同訂正請求をいずれも認めた上,無効審判請求を不成立とする旨の審決をした(甲31)

(ア)

訂正事項1
を備える携帯情報通信装置において,
とあるのを,
を備え,前記無線通信手段が「本来解像度が前記ディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像データを伝達する無線信号を受信してデジタル信号
に変換の上,前記中央演算回路に送信し,前記中央演算回路が該デジタル信号を受信して,該デジタル信号が伝達する画像データを処理し,前記グラフィックコントローラが,該中央演算回路の処理結果に基づき,前記単一のVRAMに対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行い,該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号を前記ディスプレイ制御手段又は前記インターフェース手段に送信して,前記ディスプレイ手段又は前記外部ディスプレイ手段に画像を表示する機能(以下,「高解像度画像受信・処理・表示機能と略記する)を有する,携帯情報通信装置において,

と訂正する。
(イ)

訂正事項2
前記グラフィックコントローラは,前記携帯情報通信装置が「本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像データを処理して画像を表示する場合に,

とあるのを,
前記グラフィックコントローラは,前記携帯情報通信装置が前記高解像度画像受信・処理・表示機能を実現する場合に,と訂正する。
(3)

特許請求の範囲
本件特許の特許請求の範囲の請求項1(本件訂正後のもの)は,別紙特許請求の範囲記載のとおりである。

(4)

本件発明の構成要件の分説
本件発明は,
次のとおり,
構成要件AないしKに分説することができる
(以
下,
分説に係る各構成要件については頭書の符号に対応させて
構成要件A
などという。。


A
ユーザーがマニュアル操作によってデータを入力し,該入力データを後記中央演算回路へ送信する入力手段と;
B
無線信号を受信してデジタル信号に変換の上,後記中央演算回路に送信するとともに,後記中央演算回路から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と;

C
後記中央演算回路を動作させるプログラムと後記中央演算回路で処理可能なデータファイルとを格納する記憶手段と;

D
前記入力手段から受信したデータと前記記憶手段に格納されたプログラムとに基づき,前記無線通信手段から受信したデジタル信号に必要な処理を行い,リアルタイムでデジタル表示信号を生成するか,又は,自らが処理可能なデータファイルとして前記記憶手段に一旦格納し,その後読み出した上で処理する中央演算回路と,該中央演算回路の処理結果に基づき,
単一のVRAMに対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行い,
該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号
を生
成し,該デジタル表示信号を後記ディスプレイ制御手段又は後記インターフェース手段に送信するグラフィックコントローラと,から構成されるデータ処理手段と;

E
画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパネルと,前記グラフィックコントローラから受信したデジタル表示信号に基づき前記ディスプレイパネルの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段とから構成されるディスプレイ手段と;

F
外部ディスプレイ手段を備えるか,又は,外部ディスプレイ手段を接続するかする周辺装置を接続し,該周辺装置に対して,前記グラフィックコントローラから受信したデジタル表示信号に基づき,外部表示信号を送信するインターフェース手段と;

G
を備える携帯情報通信装置において,

H
前記グラフィックコントローラは,前記携帯情報通信装置が本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像データを処理して画像を表示する場合に,前記単一のVRAMから前記ディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像のビットマップデータを読み出し,
該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号

生成し,該デジタル表示信号を前記ディスプレイ制御手段に送信する機能と,前記単一のVRAMから前記ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータを読み出し,
該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号を生成し,該デジタル表示信号を前記インターフェース手段に送信する機能と,を実現し,I
前記インターフェース手段は,前記グラフィックコントローラから受信したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号を,デジタルR
GB,TMDS,LVDS(又はLDI)及びGVIFのうちのいずれかの伝送方式で伝送されるデジタル外部表示信号に変換して,該デジタル外部表示信号を前記周辺装置に送信する機能を有する,
J
ことにより,
前記外部ディスプレイ手段に,
前記ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像を表示できるようにした,K
(5)

ことを特徴とする携帯情報通信装置。
被告各製品の構成
被告各製品は,
いずれも,
別紙
被告各製品の本件発明に対応する構成(原告の主張)記載の構成(以下,符号に対応させて構成aなどという。)
のうち,構成a,b,c,d(第3段落(
また,以下の部分)を除く。,

e,f,g(
以上を備えるの部分を除く。,i,j(

以上により,の部
分を除く。,kを備えており,構成要件A,B,C,E,F,G()
を備える
の部分を除く。,I,J(

ことにより,の部分を除く。,Kを充足する(弁


論の全趣旨)

また,構成dについては,上記の構成に加え,次の構成を有する(弁論の全趣旨)

CPUが無線通信手段から受信した信号(圧縮した通信信号)をデコードして画像データを展開し,拡大/縮小(補間/間引き)を適宜行って内蔵用表示データ及び外部用表示データを生成し,生成した表示データをCPUに接続されたSDRAMに書き込み/読み出しを行い,その内蔵用表示データ及び外部用表示データを液晶コントローラに送信する。液晶コントローラには6個の2Mビット(256kバイト)DRAMが内蔵されているが,これは外部表示用のラインバッファ(20ライン分)であり,画像全体を書き込み/読み出しするためのものではない。(6)

被告による被告各製品の製造販売
被告は,平成22年11月から平成25年1月頃の間に,被告各製品を製造,販売した。

3
争点

(1)

被告各製品の20ライン分のラインバッファは,
単一のVRAM
を充足
するか(構成要件D及びHの充足性)
(争点1)

(2)

無効の抗弁(特許法104条の3第1項)の成否(争点2)

乙1発明を主引例とする新規性欠如(無効理由1)


乙1発明を主引例とし,乙5発明を副引例とする進歩性欠如(無効理由2)


乙5発明を主引例とし,乙1発明を副引例とする進歩性欠如(無効理由3)


乙5発明を主引例とし,乙6発明を副引例とする進歩性欠如(無効理由4)


単一のVRAMなる語句の意義が不明瞭であることによる明確性要件違反(無効理由5)


本件明細書に単一のVRAMとしたことの作用効果の記載がないことによるサポート要件違反(無効理由6)

訂正要件違反(無効理由7)


本件明細書に適切に処理する以外の処理が記載されていないことによるサポート要件違反(無効理由8)

(3)

訂正の対抗主張の可否(争点3)

(4)

原告における損害の発生の有無及びその額(争点4)

第3
1
争点に関する当事者の主張
争点1(被告各製品の20ライン分のラインバッファは,
単一のVRAM
を充足するか(構成要件D及びHの充足性)
)について

(原告の主張)
被告各製品の液晶コントローラは,
外部表示データのラインバッファに用いるDRAM
を内蔵しており,
この液晶コントローラが内蔵するDRAMは,
構成要件D,Hの単一のVRAMに相当するから,被告各製品は,構成要件D,Hを充足する。

被告は,液晶コントローラが内蔵するDRAMはラインバッファであって,フレームバッファではないからVRAMではないと主張している可能性があるが,フレームバッファはあくまでもVRAMの一種であり,フレームバッファでないからと言ってVRAMではないということにはならない。また,被告は,ビットマップデータの読み出しについて,例えば,480×854画素のビットマップデータを一挙に読み出す
といった特定の方法を暗
黙のうちに想定しているものと思われるが,本件発明の構成要件Hは,ビットマップデータの読み出しの具体的な方法について,何らの特定も行っていないのであるから,上記主張には理由がなく,失当である。
(被告の主張)

原告の上記主張は,争う。
構成要件D,Hの単一のVRAMの用語の意義解釈では,本件明細書の段落【0115】【0117】及び【0127】の記載を考慮すべきであり,,
これによれば,構成要件D及びHの単一のVRAMは,仮想画面におけるビットマップデータの書き込みを行うこと,並びに,内部ディスプレイ及び外部ディスプレイ装置の画面解像度と同じ解像度を有する画像を記述するビットマップデータを切り出すこと,を行うVRAMの意義であると解される。
しかして,被告各製品の液晶コントローラに内蔵されたDRAMは,外部用表示データのラインバッファ(20ライン分)であり,画像全体を書き込み/読み出しするメモリではないから,構成要件D,Hの単一のVRAMに相当するとはいえず,被告各製品は,構成要件D,Hを充足しない。すなわち,被告各製品に備えられた液晶コントローラに内蔵されたDRAMではディスプレイパネルの画面解像度(480×854画素)と同じ解像度を有する画像のビットマップデータを書き込み/読み出しを行うことができず,ましてやディスプレイパネルの画像解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータを書き込み/読み出しを行うことはできない。2
争点2-1(乙1発明を主引例とする新規性欠如)
(無効理由1)について
(被告の主張)
本件発明は,次のとおり,乙1発明(特開2000-66649号公報)と同一であるから,本件発明に係る本件特許は,特許無効審判により無効とされるべきものである。

(1)

本件発明と乙1発明の対比
本件発明と乙1発明
(特開2000-66649号公報に記載された発明)
とを本件発明の構成要件ごとに対比すれば,両者の異同は次のようになる。構成要件A,CないしF,H,Jについてはいずれも一致する。
構成要件Bについては,乙1発明には無線通信手段が明示されていない点
で,本件発明と形式的に相違する(相違点1)

構成要件Gについては,乙1発明は携帯情報処理装置であるのに対し,本件発明は携帯情報通信装置である点で,形式的に相違する(相違点2)。
構成要件Iについては,乙1発明ではデジタル外部表示信号の伝送方式が限定されていないが,本件発明では,デジタルRGB,TMDS,LVDS(又はLDI)及びGVIFのうちのいずれかの伝送方式に限定されている点で形式的に相違する(相違点3)


構成要件Kについては,乙1発明は携帯情報処理装置であるのに,本件発明は携帯情報通信装置である点で形式的に相違する(相違点4)

(2)

上記相違点は実質的な相違点ではないこと

相違点1,2及び4は実質的な相違点ではないこと
相違点1,2及び4は,要するに,本件発明は通信手段が明示された携
帯情報通信装置であるのに対し,乙1発明は通信手段が明示されていない携帯情報処理装置である,というものである。しかし,乙1公報の図面に通信手段が明示的に記載されていないとしても,特許公報に掲載された図面は,製品設計図とは異なり,発明を説明するために必要な情報が記載されているものであって,当該図面に明示的に図示されていない構成が存在
しないということにはならない。また,乙1の段落【0103】には,…通信媒体を介してプログラムを受信し…と記載されている。これらによれば,相違点1,2,4は,通信手段が明示的に記載されているか否かという点で形式的に相違しているだけであり,実質的な相違点であるとはいえない。


相違点3は実質的な相違点ではないこと
相違点3は,本件特許の優先日当時に周知技術であった伝送方式が単に列挙されているだけに過ぎず,実質的な相違点であるとはいえない。
(3)
小括
したがって,本件発明は乙1発明と実質的に同一であるから,本件発明に係る本件特許は,特許無効審判により無効とされるべきものである。(原告の主張)
被告の上記主張は,争う。
本件発明の携帯情報通信装置のグラフィックコントローラは,
前記携帯情報通信装置が『本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像データ』を処理して画像を表示する場合に,前記単一のVRAMから『前記デ
ィスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像のビットマップデータ』を読み出し,
『該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信
号』
を生成し,
該デジタル表示信号を前記ディスプレイ制御手段に送信する機能
と,前記単一のVRAMから『前記ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータ』を読み出し,
『該読み出したビット

マップデータを伝達するデジタル表示信号』を生成し,
該デジタル表示信号を前
記インターフェース手段に送信する機能と,を実現する」のに対して,乙1発明の携帯機器2は,
『本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像データ』を処理して画像を表示するとされていないだけでなく,
そもそも『画
像データ』を処理して画像を表示するともされていない点は,実質的な相違点
であり,本件発明は乙1発明と実質的に同一であるとはいえない。3
争点2-2(乙1発明を主引例とし,乙5発明を副引例とする進歩性欠如)(無効理由2)について
(被告の主張)
本件発明は,次のとおり,乙1発明に基づき当業者(その発明の属する技術
の分野における通常の知識を有する者)が容易に発明をすることができたものであるから,本件発明に係る本件特許は,特許無効審判により無効とされるべきものである。
(1)

本件発明と乙1発明の対比
上記2で主張したとおりである。

(2)

上記相違点はいずれも本件優先日前に当業者が容易に想到できたことア
相違点1,2,4は当業者が容易に想到できたものであること
相違点1,
2及び4が仮に実質的な相違点であるとしても,
乙1発明は,
外部表示出力の制御方法に特徴を有する発明であって,通信手段に特徴を有する発明ではないのであるから,通信手段に関する相違点1,2,4には,乙5発明(特開2004-214766号公報に記載された発明)の
携帯電話機を組み合わせることができるというべきである。
この点,外部表示出力の制御方法と通信手段には,相互作用や一方が他方の制約条件となる等の有機的関連性はないから,携帯情報通信装置を適用することを阻害する事由はない。また,携帯情報通信装置と携帯情報処理装置はいずれも外部表示出力の制御方法についての課題が共通してい
るから動機付けがあるといえる。
したがって,当業者は,乙1発明に,乙5発明に記載された携帯電話機を適用することにより,本件優先日に周知技術であった携帯情報通信装置にも照らし,上記相違点を想到できたというべきである。

相違点3は当業者が容易に想到できたものであること
相違点3は,本件特許の優先日当時に周知技術であった伝送方式が単に列挙されているだけに過ぎず,本件特許の優先日前に当業者が容易に想到できたことである。

(原告の主張)
被告の主張は,争う。
本件発明は,構成要件B,G,Kからも明らかなとおり,
無線通信手段を有する携帯情報通信装置に係る発明であり,本件明細書においても,一貫して携帯情報通信装置や携帯電話機という用語を使用している。また,構成要件Hから明らかな通り,
本件発明に係る
携帯情報通信装置/携帯電話機

は画像データの処理機能を必須の要件としている。したがって,本件発明の技術分野は『画像データの処理機能』
を有する携帯情報通信装置/携帯電話機であるということになる。他方で,乙1発明の携帯機器2は,構成要件B,G,Kに係る無線通信手段も,構成要件Hに係る画像データの処理機能も有さない,単なる携帯機器(携帯情報処理装置)に過ぎないから,乙1発明は,
本件発明とは技術分野が大
きく異なるというべきである。
したがって,
仮に,
乙1発明を主引用発明として,

本件発明の容易想到性を主張しようとするのであれば,
慎重な論理付け(例えば,
主引用発明に副引用発明を適用するに当たり十分に動機付けとなる事情が存在するのか否かの検討)が要求されるが,
被告の主張する事情はいずれも十分
な動機付けとなる事情とはいえない。
したがって,
本件発明と乙1発明との間の相違点について,
本件優先日前に当

業者が容易に想到できたとはいえない。
4
争点2-3(乙5発明を主引例とし,乙1発明を副引例とする進歩性欠如)(無効理由3)について
(被告の主張)
本件発明は,次のとおり,乙5発明に基づき,当業者が容易に発明をするこ
とができたものであるから,本件発明に係る本件特許は,特許無効審判により無効とされるべきものである。
(1)

本件発明と乙5発明の対比
本件発明と乙5発明を構成要件ごとに対比すれば,両者の異同は次のよう
になる。
構成要件AないしC,F,G,J,Kについては一致する。
構成要件Dについては,乙5発明では表示部12(内部表示装置)及び外部表示装置2にデジタル表示信号を送信するのが単に制御部10としか記載されていないのに対し,本件発明は,中央演算回路の処理結果に基づ
き,グラフィックコントローラが,単一のVRAMに対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行い,読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号を生成し,当該デジタル表示信号をディスプレイ制御手段(内部表示装置用の制御手段)とインターフェース手段(外部表示装置用のデータ送信手段)に送信する,と具体的に記載されている点で相違する(相違点5)

構成要件Eについては,本件発明はデジタル信号がグラフィックコントローラからと特定されているのに対し,乙5発明では単に制御部10と記載されている点で両者は相違する(相違点6)

構成要件Hについては,本件発明は,グラフィックコントローラが,単一のVRAMからディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像のビットマップデータを読み出して,デジタル表示信号を生成してディスプレイ制御手段に送信する機能ディスプレイパネルの画面解像度より大と,きい解像度を有する画像のビットマップデータを読み出して,デジタル表示信号を生成してインターフェース手段に送信する機能とを有するのに対し,
乙5発明では,制御部10と表示部12が接続されていること」乙5図1)(及び「制御部10は……所望のWebコンテンツ情報を取得して画像出力部に送出しと記載されているに留まる点で相違する(相違点7)。
構成要件Iについては,本件発明では,デジタル外部表示信号の伝送方式がデジタルRGB,TMDS,LVDS(又はLDI)及びGVIFのうちのいずれかに限定されているのに対し,乙5発明では限定されていない点で相違する(相違点8)


(2)

上記相違点は本件特許優先日前に当業者が容易に想到できたこと

相違点5,6,7は当業者が容易に想到できたこと
乙5発明には制御部10が内部表示装置及び外部表示装置に表示させることしか記載されておらず,その具体的な制御機構が限定されていな
い点で本件発明と相違するが,当業者は,乙5発明に,乙1発明に記載された表示コントローラ20に関する技術的事項を適用することによって,前記相違点を容易に想到できたといえる。

相違点8は当業者が容易に想到できたこと
相違点8は,本件特許の優先日前に周知技術であった伝送方式が単に列挙されているだけに過ぎず,当業者が容易に想到できたことである。
(3)

小括
したがって,本件発明は,乙5発明に乙1発明を適用することにより当業者が容易に発明できたものである。

(原告の主張)
被告の上記主張は,争う。
本件発明の課題を解決するために乙5発明(主引例)に乙1発明(副引例)
を適用することには動機付けがなく,むしろ,阻害要因がある。
すなわち,本件明細書の記載及び乙5発明が課題解決に関連して有している機能からすると,本件発明の課題を解決するために,当業者が乙5発明に対して他の技術を適用するとするならば,当該技術は,当然,
Webコンテンツに類する画像データを処理する機能を有する携帯情報処理装置に係る技術であ
るべきである。しかるに,乙1発明の携帯機器2は,
Webコンテンツを閲覧する機能はおろか,乙5発明の携帯電話機1が有するような通信手段すら有しておらず,さらには,『画像データ』を処理する」という構成自体を欠いている。したがって,本件発明の課題を解決するために,乙5発明に対して当業者が乙1発明を適用することには,動機付けが存在しないというべきである。また,上記に照らせば,少なくとも,本件発明と乙5発明との間の相違点のうち,「構成要件Dについての相違点5に係る構成及び構成要件Hについての相違点7に係る構成については,仮に,乙5発明に乙1発明を適用したとしても,当業者がこれを容易に想到することはできないというべきである。
5
争点2-4(乙5発明を主引例とし,乙6発明を副引例とする進歩性欠如)(無効理由4)について
(被告の主張)
本件発明と乙5発明との対比及び相違点は上記4で主張したとおりであり,かかる相違点は本件特許の優先日前に当業者が容易に想到できたといえる。すなわち,相違点5,6,7は,乙5発明に乙6発明(特開平9-9091
9公報に記載された発明)を適用することにより当業者が容易に想到できたことであり,相違点8は,本件特許の優先日前に周知技術であった伝送方式が単に列挙されているだけに過ぎず,当業者が容易に想到できたことである。(原告の主張)
被告の上記主張は,争う。

本件発明と乙5発明との間の構成要件D,E及びHに関する各相違点は,乙6発明を考慮したとしても,当業者が想到することは困難というべきである。6
争点2-5単一のVRAM

なる語句の意義が不明瞭であることによる明
確性要件違反)
(無効理由5)について

(被告の主張)
本件明細書の発明の詳細な説明には単一のVRAMなる語句は存在せず,その語句の意義を解釈するための基準が示されていないから,本件特許には明確性違反の無効理由があるというべきである。
仮に,
単一のVRAMが『物体として分離している複数の部品』から構成していないの意義であるとしても,『物体として分離している複数の部品』
の意義が不明確である。例えば,メモリを構成する半導体が単一の結晶からなるのであれば,確かにそのメモリは物体として分離していないといえるが,メモリが複数の結晶からなる半導体から構成している場合は,そのメモリが物体として分離している複数の部品と解釈することが可能であるし,他方で,同じ
マザーボードに接合したメモリは,はんだ等でマザーボードと結合しているため物体として分離していないと解釈することも可能である。そして,本件明細書には『物体として分離している複数の部品』の解釈基準が示されていないから,
『物体として分離している複数の部品』の意義が不明確であり,その不明確な語句を用いて解釈されている単一のVRAMの意義も不明確になる。(原告の主張)
被告の上記主張は,争う。

単一のVRAMの意義は,
VRAMが『物体として分離している複数の部品』から構成していないというものであることが明確である。7
争点2-6(本件明細書に単一のVRAMとしたことの作用効果の記載がないことによるサポート要件違反)
(無効理由6)について
(被告の主張)

本件明細書には単一のVRAMなる用語は記載されておらず,
単一のVRAMとすることによる作用効果も記載されていない。そのため,本件明細書には単一のVRAMを構成要素とする本件発明の作用効果を当業者が理解できるような記載がなく,本件特許にはサポート要件違反の無効理由があるというべきである。

(原告の主張)
被告の上記主張は争う。仮に本件明細書に単一のVRAMなる用語が記載されていないとしても,本件発明は,
VRAMが単一であることによっ
て初めてその作用効果が生じるものであり,本件明細書には,そのような,本件発明の構成要件D,Hにおいて単一のVRAMとしたことの作用効果が
記載されているものである。
8
争点2-7(訂正要件違反)
(無効理由7)について
(被告の主張)
本件訂正審判に係る訂正事項4及び7においては,構成要件D及びHに単一のVRAMという語句を追加している。しかし,本件特許の願書に最初に添付された明細書,特許請求の範囲又は図面には単一のVRAMという文言はなく,また単一のVRAMという技術的事項は明細書,特許請求の範囲又は図面のすべての記載を総合することによっても導かれる技術的事項ではないから,特許請求の範囲の記載に単一のVRAMという文言を追加した訂正事項4及び7に係る訂正は,特許法126条5項の要件を満たさない訂正である。

(原告の主張)
被告の上記主張は,争う。
特許請求の範囲において,
装置に内蔵される部品や要素について単一
という語が使用される場合には,特段の積極的な意味を込めずに,数が複数ではなく一つであるという意味で使用されるものであり,本件発明も同様
である。被告の上記主張は,
VRAMが単一であると限定することの積極的な
意義
(作用効果等)
が明細書等に記載されていなければならないという前提に立つ
ものであり,誤っている。
9
争点2-8(本件明細書に適切に処理する以外の処理が記載されていないことによるサポート要件違反)
(無効理由8)について
(被告の主張)
原告は,当裁判所平成30年(ワ)第36690号事件(第2訴訟)において,構成要件Dの処理の意義解釈について,
信号を別の信号へと変換する信号処理,又は,データの別の形式のデータへと変換するデータ処理である
と主張した(以下,原告が主張する処理を広義の処理という。。

しかし,本件明細書には,デジタル表示信号の処理について,
【0032】に
おける
適切な処理具体的にはデータ処理手段が画像データファイルについ,
て,物理的な現実化にあたって画素数を間引いて表示画像の画素数を少なくしたり,画素を補完して表示画像の画素数を多くしたりといったことをしない処
理しか記載されていない。すなわち,本件明細書には,広義の処理のうち,【0
032】における適切な処理以外の処理,例えば表示信号の画素を補完して表示画像の画素数を多くする処理は記載されていない。このため,構成要件Dの処理を原告が第2訴訟で主張するような広義の処理と解すると,本件発明は発明の詳細な説明に記載された発明の範囲を超えることになり,サポート要件を満たさない。
したがって,発明の詳細な説明に適切な処理以外の処理が記載されてお
らず,
適切な処理以外の処理を含む本件発明はサポート要件を満たさないから,本件特許にはサポート要件違反の無効理由があるというべきである。(原告の主張)
被告の上記主張は,争う。
そもそも,本件明細書には,
中央演算回路が適切な処理を行うとの記載は

なく,反対に,
中央演算回路は(適切な処理ではない)広義の処理を行うと
の記載が多数含まれるのであるから,被告の上記主張は成り立たない。10

争点3(訂正の対抗主張の可否)について

(原告の主張)
原告は,前記前提事実のとおり,特許請求の範囲の請求項1の各記載を訂正事項1及び2のとおり訂正することを内容とする訂正を行った。
上記の適法な訂正により無効理由は解消し,また,被告各製品は同訂正後の発明の技術的範囲に属するから,原告による訂正の対抗主張は理由があるとされるべきである。

(被告の主張)
原告の上記主張は,争う。
上記訂正後の請求項1記載の発明は,願書に最初に添付された明細書,特許請求の範囲及び図面に記載された事項の範囲内ではないので,上記訂正は特許法134条の2第9項で準用する同法126条第5項の訂正要件を充たさない。
また,上記訂正によって乙1発明を主引例とする進歩性欠如の無効理由,乙5発明を主引例とする進歩性欠如の無効理由のほか,本件訴訟における無効理由4ないし7が解消するものではなく,さらに,被告各製品は,訂正後の請求項1の発明の技術的範囲に属するものではない。
11

争点4(原告における損害の発生の有無及びその額)について
(原告の主張)

(1)

イ号製品の実施料相当額
被告は,遅くとも平成22年11月19日から令和2年3月2日までの間に,イ号製品を平均単価5万円で少なくとも50万個販売した。
上記について,実施料率は少なくとも1%が相当であり,原告がその実施に対して受けるべき金銭の額は,2億5000万円を下らない。

(2)

ハ号製品の実施料相当額
被告は,
遅くとも平成23年1月27日から令和2年3月2日までの間に,ハ号製品を平均単価5万円で少なくとも5万個販売した。
上記について,実施料率は少なくとも1%が相当であり,原告がその実施に対して受けるべき金銭の額は,2500万円を下らない。

(3)

ニ号製品の実施料相当額
被告は,
遅くとも平成23年3月11日から令和2年3月2日までの間に,ニ号製品を平均単価6万円で少なくとも5万個販売した。
上記について,実施料率は少なくとも1%が相当であり,原告がその実施に対して受けるべき金銭の額は,3000万円を下らない。

(4)

ホ号製品の実施料相当額
被告は,
遅くとも平成23年5月27日から令和2年3月2日までの間に,ホ号製品を平均単価5万円で少なくとも30万個販売した。
上記について,実施料率は少なくとも1%が相当であり,原告がその実施に対して受けるべき金銭の額は,1億5000万円を下らない。

(5)

ヘ号製品の実施料相当額
被告は,遅くとも平成23年12月10日から令和2年3月2日までの間に,ヘ号製品を平均単価5万円で少なくとも5万個販売した。
上記について,実施料率は少なくとも1%が相当であり,原告がその実施に対して受けるべき金銭の額は,2500万円を下らない。
(6)

まとめ
以上から,被告が原告に対して賠償すべき損害額は,特許法102条3項
により,上記(1)ないし(5)の実施料相当額の合計である4億8000万円を下らないこととなるが,
原告は,
その一部として金3000万円を請求する。
(被告の主張)
原告の上記主張は,争う。
第4

当裁判所の判断

1
本件明細書の記載等
本件発明に係る特許請求の範囲の記載は,前記第2の2の前提事実の(3)のとおりであるところ,本件明細書(甲2)には,次のような記載がある。
(1)

【技術分野】
【0001】

本発明は,携帯電話機などの携帯情報通信装置,携帯情報通信装置とともに用いる接続ユニット,及び携帯情報通信装置とともに用いる外部入出力ユニットに関する。
(2)
【背景技術】
【0004】
このような事情により,携帯電話機を中心とする携帯情報通信装置において,文字や映像を含む画像の表示機能は,今後,ますます重要性を増していくものと考えられる。ところが,携帯電話機をはじめとする携帯情報通信装置においては,その携帯性が重視されるため大きいサイズのディス
プレイを付属させることができない。
(以下略)
【0010】
(略)このため,データ通信やデータ処理のニーズが電子メールの送受信やウェブページの閲覧等に限られるような多数のユーザーにとって,上記のように,長文の電子メールを読んだり,パソコン向けウェブページを閲覧したりする際の,付属ディスプレイの画面サイズ・解像度が小さいことに起因する不便さを解消するためだけに別途パソコンを所有することは,経済的に不合理である。
(中略)パソコンと携帯情報通信装置との使い分けを行うとすれば,同種のものに二重投資を行うことになり,結果として少なくとも一方の稼働率の低下をもたらすため,資源の効率的な利用の観点からも好ましくない。
【0013】
このような事情から,携帯情報通信装置の携帯性を損なわないために付属ディスプレイのサイズを現状通りに維持したままで,しかもパソコンを併用することなく,長文の電子メールやパソコン向けウェブページ,娯楽性の高いゲーム,さらにはテレビ番組の映像などを大きな画面で表示する
こと,特に,長文の電子メールについては,垂直スクロールを繰り返すことなく読めること,パソコン向けウェブページについては,パソコンでの画面イメージに近いレイアウトで表示し,しかも水平スクロールを繰り返すことなく閲覧できること,テレビ番組については,テレビ放送における本来画像を全画面表示することが課題とされている。

【0014】
このような課題を解決するため,携帯情報通信装置に,該携帯情報通信装置の付属ディスプレイよりも画面が大きい外部ディスプレイ装置(以下,大画面外部ディスプレイ装置と略称する)を接続することにより,大画面外部ディスプレイ装置で画像を表示する技術がいくつか開示されており,
そして,それらの技術は,以下の3つのタイプに分類される。
第一種:携帯情報通信装置と大画面外部ディスプレイ装置を何らかの接続ユニットを介して接続するタイプ
第二種:携帯情報通信装置と大画面外部ディスプレイ装置は直接的に接続されるが,その代わり,大画面外部ディスプレイ装置としては,携帯情報通信装置から受信した表示データに各種の処理を施す機能を有する画像表示装置が使用されるタイプ
第三種:携帯情報通信装置と大画面外部ディスプレイ装置は直接的に接続され,しかも,大画面外部ディスプレイ装置としては,携帯情報通信装置との間での何らかのインターフェース手段は備えていることを除けば,テレビモニタ等の汎用的なディスプレイが用いられるタイプ

【0015】
このうち,第一種の技術は,例えば,特許文献1,特許文献2,特許文献3及び特許文献4において開示されている。これらの特許文献で開示される技術においては,携帯情報通信装置とは別にパソコンを用いる必要はないが,その代わりに,別途,プロセサ(特許文献1の場合)
,CPU(特

許文献2の場合)
,読出制御回路(特許文献3の場合)
,表示制御手段(特
許文献4の場合)といった,何らかの表示データ処理手段を備えた接続ユニットが必要である。
(以下略)
【0017】
一方,第二種の技術は,例えば,特許文献5,特許文献6,特許文献7,
特許文献8及び特許文献9において開示されている。このタイプの技術においては,パソコンやそれに準ずるような接続ユニットは不要であるが,今度は,大画面外部ディスプレイ装置として,テレビ受像機のような汎用的なディスプレイ装置をそのままでは使用できず,制御系(マイクロコンピュータ)
(特許文献5の場合)
,制御部15(特許文献6の場合。無線電

話機側の制御部10とは別)高精細変換部や表示処理部

(特許文献7の場
合)
,拡大回路や表示回路(特許文献8の場合)あるいやCPU(特許文献9の場合)といった表示データ処理手段を備えた画像表示装置を使用しなければならない。
(以下略)
【0019】
それに対して,第三種の技術は,接続ユニットや特殊な画像処理装置を使用せず,携帯情報通信装置と汎用的な大画面外部ディスプレイ装置だけで構成される。このため,一般的にいって,
不合理な二重投資や非効率な資源利用の問題が,少なくとも第一種の技術や第二種の技術よりは少ないと考えられる。
【0020】

この第三種の技術として既に実用化されているものに,いわゆるテレビ(TV)出力機能又はAV出力機能を有する携帯電話機がある。このような携帯電話機においては,携帯電話機とテレビモニタを,携帯電話機側は携帯電話機に固有の接続端子とし,テレビモニタ側はビデオ端子とするケーブルで接続することにより,該携帯電話機に付属するデジタル
カメラ機能を用いて撮影した静止画や動画,あるいは一部のゲームを,携帯電話機の付属ディスプレイよりも大画面であるテレビモニタに表示することができる。しかし,その場合にテレビモニタに表示される画像の解像度は,付属ディスプレイの画面解像度(最大でもQVGA)と同じであるため,該画像は,テレビモニタの中央部に小さく表示されるか,画質の
粗い拡大画像が全画面に表示されるかのいずれかである。
【0022】
したがって,上記の課題を解決するためには,
TV出力機能又はAV出力機能を有する携帯電話機のように,ただ単に付属ディスプレイに表示される画像を大画面外部ディスプレイ装置に拡大表示するという機
能を有するに留まらず,付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を大画面外部ディスプレイ装置に表示する機能を有する携帯情報通信装置を提供することが必要である。
(以下略)
(3)【発明が解決しようとする課題】
【0031】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,携帯電話機やPDAをはじめとする携帯情報通信装置に大画面外部ディスプレイ装置を接続することにより,より一般的には,携帯情報通信装置に大画面ディスプレイ手段を含む周辺装置,及び/又は,大画面ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続することにより,該大画面外部ディスプレイ手段において,付属ディスプレイの画面解像度よりも解
像度が大きい画像を表示すること,特に,長文の電子メールについては,垂直スクロールを繰り返すことなく読めること,パソコン向けウェブページについては,パソコンでの画面イメージに近いレイアウトで表示し,しかも水平スクロールを繰り返すことなく閲覧できること,テレビ番組については,テレビ放送における本来画像を表示することを,該大画面外部デ
ィスプレイ手段向けの専用の表示データ生成手段を,付属ディスプレイに画像を表示するためにもともと必要である表示データ生成手段(以下,付属表示データ生成手段と略記する)とは別個に使用することなく,大画面ディスプレイ手段を含む周辺装置,及び/又は,大画面ディスプレイ手段が接続される周辺装置と間のインターフェース手段の追加と,付属表示デ
ータ生成手段への若干の機能追加だけで実現する携帯情報通信装置を提供する点にある。また,携帯情報通信装置及び大画面外部ディスプレイ装置とともに用いられ,該大画面外部ディスプレイ装置の画面に,付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示するための接続ユニットを提供する点にある。さらに,携帯情報通信装置とともに用いら
れ,自らに付属する大画面外部ディスプレイパネルに,該携帯情報通信装置の付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示する外部入出力ユニットを提供する点にある。
(4)

【課題を解決するための手段】
【0041】
また,携帯情報通信装置に係る第10の発明は,第7乃至第9のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置において,前記データ処理手段は,後記
グラフィックコントローラ1に対して,仮想画面におけるビットマップデータを生成するように命令する描画命令と,前記送信先指定手段の指定に基づき,該ビットマップデータから必要な部分を切り出して前記ディスプレイ制御手段Aと前記インターフェース手段A1の少なくとも一方に送信するように命令する送信命令とを与える中央演算回路1と,前記描画命
令に基づき仮想画面におけるビットマップデータを生成して後記ビットマップメモリ1に書き込むとともに,前記送信命令がビットマップデータを前記ディスプレイ制御手段Aに送信するように命じる場合には,後記ビットマップメモリ1から該ディスプレイパネルAに表示される画像に対応する部分だけを切り出して前記ディスプレイ制御手段Aに送信し,前記
送信命令がビットマップデータを前記インターフェース手段A1に送信するように命じる場合には,後記ビットマップメモリ1から周辺装置における外部ディスプレイ手段の画面に表示される高解像度画像に対応する部分だけを切り出して前記インターフェース手段A1に送信するグラフィックコントローラ1と,前記グラフィックコントローラ1で生成された
仮想画面におけるビットマップデータを保持するビットマップメモリ1とを備えるようにしたものである。
(5)

【発明の効果】
【0078】

第1乃至第15の発明の携帯情報通信装置においては,携帯情報通信装置のインターフェース手段A1に高解像度外部ディスプレイ手段を含む周辺装置,及び/又は,外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続して高解像度外部表示信号を送信することにより,該高解像度外部ディスプレイ手段の画面において,携帯情報通信装置に付属するディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する高解像度画像を表示することができる。
(中略)

しかも,
(中略)従来の技術のように,携帯情報通信装置に備えられた表
示データ処理手段とは別に,外部ディスプレイ手段を含む周辺装置向けの専用の表示データ生成手段を設ける必要はなく,
不合理な二重投資や
非効率な資源利用の問題は回避できる。
(6)

【発明を実施するための最良の形態】
【0115】
(略)グラフィックコントローラ1_10Bは,該描画命令に基づき,あらかじめ十分な大きさ(以下では,QUXGA
ltra

XGA

Wide(Quad

U
Wide)サイズ(水平画素数×垂直画素数=384

0×2400画素)として説明する)の論理解像度を有するように設定された仮想画面におけるビットマップデータを生成し,必要に応じてVRAM
(Video

RAM)
1_10Cへの書き込み/読み出しを行いつつ,

該ビットマップデータをLCDドライバ15Bに送信する。なお、VRAM1_10Cは、
[特許請求の範囲]でいうところのビットマップメモリ1に
あたる。
(以下略)
【0117】
特に,携帯電話機1が,インターネットに接続したウェブサイトにアクセスし,該ウェブサイトを構成するウェブページを閲覧している場合には,中央演算回路1_10A1は,フラッシュメモリ14Aに格納されたブラ
ウザプログラムに従って,通信用アンテナ111A,RF送受信部111B,ベースバンドプロセッサ11及びバス19を経由して,ウェブページを構成するマークアップ文書ファイル及びそのリンクファイルを取得し,ウェブページのレイアウト形式に応じて以下のように描画命令を生成・送信する。すなわち,ウェブページがリキッドレイアウト,又はLCDパネル15Aの画面水平解像度(240画素)よりも狭い固定幅レイアウトを採用していれば,LCDパネル15Aの画面水平解像度と同じ水平画素数を有するページ画像の描画命令を,ウェブページがLCDパネル15Aの画面水平解像度よりも広い固定幅レイアウトを採用していれば,該固定幅と同じ水平画素数を有するページ画像の描画命令を,それぞれ生成し,該描画命令をグラフィックコントローラ1_10Bに送信する。

グラフィックコントローラ1_10Bは,該描画命令に基づき仮想画面におけるビットマップデータを生成しVRAM1_10Cに書き込むとともに,LCDパネル15Aに表示され,LCDパネル15Aの画面解像度と同じ解像度を有する画像を記述するビットマップデータをVRAM1_10Cから切り出してLCDドライバ15Bに送信する。
(以下略)

【0127】
グラフィックコントローラ1_10Bは,中央演算回路1_10A1から受信した描画命令に基づき,あらかじめ設定された仮想画面上においてビットマップデータを生成し,VRAM1_10Cに書き込む。さらに,グラフィックコントローラ1_10Bは,中央演算回路1_10A1から
入手した外部ディスプレイ装置5の画面解像度データに基づき,外部ディスプレイ装置5の画面解像度と同じ解像度を有し,外部ディスプレイ装置5の画面に表示される画像を記述するビットマップデータをVRAM1_10Cから切り出す。その上で,中央演算回路1_10A1から受信した送信命令に基づき,該ビットマップデータをTMDSトランスミッタ1
3Aに送信し,TMDSトランスミッタ13Aは,該ビットマップデータを,外部接続端子部A_13Dを経由して接続ユニット3のインターフェース部B_33にTMDS伝送方式で送信する。
2
争点1(被告各製品の20ライン分のラインバッファは,
単一のVRAM
を充足するか(構成要件D及びHの充足性)
)について

(1)
単一のVRAMの意義

本件特許の特許請求の範囲における構成要件Dにおいては,
グラフィックコントローラが,
該中央演算回路の処理結果に基づき,単一のVRAMに対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行い,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号を生成」すると規定されている。
また,構成要件Hにおいては,
グラフィックコントローラが,
前記単一のVRAMから「前記ディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像のビットマップデータを読み出し,
該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号を生成」すること及び前記単一のVRAMから「前記ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータを読み出し,
該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号を生成」することが規定されている
(なお,
構成要件Hにおける
前記単一のVRAM
との文言から,
構成要件Dと構成要件Hの単一のVRAMは同一の意義を持つものと解される。。


さらに,構成要件F,H,Jによると,
ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータ外部ディスは,プレイ手段に表示するためのものであるといる。これらの記載によれば,構成要件D及びHの単一のVRAMは,
グラフィックコントローラ
により,
ビットマップデータの書き込み/読み出し
がされるものであって,
外部ディスプレイ手段に表示するための
ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータの書き込み/読み出しがされるものであり,前記ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータの全体を記憶することが可能なものと解するのが相当である。そして,
前記1に認定した本件明細書の記載
(特に段落
【0115】

【0
117】【0127】

)も,その記載内容に照らせば,構成要件D及びHの

単一のVRAMディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像が,度を有する画像のビットマップデータの全体を記憶することが可能なものであるとの上記クレーム解釈に整合しており,同解釈を裏付けるものと評価することができる。

原告は,構成要件Hは,ビットマップデータの読み出しの具体的な方法について何らの特定もしておらず,ディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像のビットマップデータを一挙に読み出すことを規定したものとは解されない旨を主張する。
しかし,
特許請求の範囲の記載,
明細書の記載を検討すると,
上記アに説示したとおり,
単一のVRAM
は,
ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータの全体を記憶することが可能なものと認めるのが相当である。原告の上記主張は採用することができない。
(2)

単一のVRAMの充足性
以上のクレーム解釈を前提に,被告各製品が,構成要件D,Hの単一のVRAMを充足するかについて検討する。前記前提事実のとおり,
被告各製品は,
データ処理手段としてのCPU
(中
央演算回路)及び液晶コントローラ(グラフィックコントローラ)を備えるものであるところ,このCPU(中央演算回路)は,無線通信手段から受信した信号(圧縮した通信信号)をデコードして画像データを展開し,拡大/
縮小(補間/間引き)を適宜行って内蔵用表示データ及び外部用表示データを生成し,生成した表示データを同CPU(中央演算回路)に接続されたSDRAMに書き込み/読み出しを行い,その内蔵用表示データ及び外部用表示データを液晶コントローラ(グラフィックコントローラ)に送信する構成を有している。しかして,この液晶コントローラ(グラフィックコントローラ)には,6個の2Mビット(256kバイト)DRAMが内蔵されているところ,これは,外部表示用のラインバッファ(20ライン分)であり,画
像全体を書き込み/読み出しするためのものではないというのである(被告各製品の構成d)

しかして,このような,被告各製品の液晶コントローラ(グラフィックコントローラ)が内蔵するDRAMは,少なくとも外部表示用にはラインバッファ(外部表示手段に表示するための画像全体を書き込み/読み出しするた
めのものではない)として用いられるものであるから外部表示手段に表示するためのディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータの全体を記憶するものではないことは明らかであるというほかない。
そうすると,被告各製品における上記DRAM(20ライン分のラインバ
ッファ)は,
単一のVRAMとの文言を充足するものとは認められず,被
告各製品が,構成要件D及びHを充足するものとは認められない。3
結論
以上によれば,被告各製品は,本件発明の技術的範囲に属するものではない
というべきであるから,その余の争点について判断するまでもなく,被告による本件特許権の侵害は認められず,原告の請求は理由がない。
よって,原告の請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第47部
裁判長裁判官
田中孝一小口五大稲垣雄大
裁判官

裁判官

別紙
被告製品目録

1
イ号製品
携帯電話機docomo2seriesSH-01C

ロ号製品(欠番)

3
PRIME

ハ号製品
携帯電話機docomo4PROseriesSH-05C

ニ号製品
携帯電話機SH-09C

5
ホ号製品
携帯電話機docomo6PRIMEseriesSH-10C

STYLE

series

SH-03D」

ヘ号製品
携帯電話機docomo以上別紙特許請求の範囲【請求項1】ユーザーがマニュアル操作によってデータを入力し,該入力データを後記中央演算回路へ送信する入力手段と;無線信号を受信してデジタル信号に変換の上,後記中央演算回路に送信するとともに,後記中央演算回路から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と;後記中央演算回路を動作させるプログラムと後記中央演算回路で処理可能なデータファイルとを格納する記憶手段と;前記入力手段から受信したデータと前記記憶手段に格納されたプログラムとに基づき,前記無線通信手段から受信したデジタル信号に必要な処理を行い,リアルタイムでデジタル表示信号を生成するか,又は,自らが処理可能なデータファイルとして前記記憶手段に一旦格納し,その後読み出した上で処理する中央演算回路と,該中央演算回路の処理結果に基づき,単一のVRAMに対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行い,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号を生成し,該デジタル表示信号を後記ディスプレイ制御手段又は後記インターフェース手段に送信するグラフィックコントローラと,から構成される
データ処理手段と;
画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパネルと,前記グラフィックコントローラから受信したデジタル表示信号に基づき前記ディスプレイパネルの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段とから構成されるディスプレイ手段と;

外部ディスプレイ手段を備えるか,又は,外部ディスプレイ手段を接続するかする周辺装置を接続し,該周辺装置に対して,前記グラフィックコントローラから受信したデジタル表示信号に基づき,外部表示信号を送信するインターフェース手段と;
を備える携帯情報通信装置において,
前記グラフィックコントローラは,前記携帯情報通信装置が本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像データを処理して画像を表示する場合に,前記単一のVRAMから前記ディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像のビットマップデータを読み出し,
該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号を生成し,該デジタル表示信号を前記ディスプレイ制御手段に送信する機能と,前記単一のVRAMから前記ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータを読み出し,
該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号を生成し,該デジタル表示信号を前記インターフェース手段に送信する機能と,を実現し,前記インターフェース手段は,前記グラフィックコントローラから受信したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号を,デジタルRGB,TMDS,
LVDS(又はLDI)及びGVIFのうちのいずれかの伝送方式で伝送されるデジタル外部表示信号に変換して,該デジタル外部表示信号を前記周辺装置に送信する機能を有する,
ことにより,
前記外部ディスプレイ手段に,
前記ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像を表示できるようにした,ことを特徴とする携帯情報通信装置。
以上

別紙
被告各製品の本件発明に対応する構成(原告の主張)

被告各製品の構成を,本件発明の構成要件に対応させて表現すれば,次のとおりになる。
a
入力手段としての,キー操作部を備える。
そして,このキー操作部は,ユーザーがマニュアル操作によって入力したデータを,中央演算回路であるCPUに送信する。

b
無線通信手段としての,無線通信用メインアンテナ及び無線送受信用ICを備える。

そして,この無線通信用メインアンテナ及び無線送受信用ICは,無線信号を受信してデジタル信号に変換の上,CPU(中央演算回路)に送信するとともに,CPU(中央演算回路)から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する。
c
記憶手段としての,内部メモリ及び外部メモリであるmicroSDカードを備える。
そして,この内部メモリは,CPU(中央演算回路)を動作させるプログラムを格納する。
また,このmicroSDカードは,CPU(中央演算回路)で処理可能なデータファイルを格納する。

d
データ処理手段としての,CPU(中央演算回路)及び液晶コントローラ(グラフィックコントローラ)を備える。
そして,このCPUは,キー操作部(入力手段)から受信したデータと内部メモリ(記憶手段)に格納されたプログラムとに基づき,無線通信用メイ
ンアンテナ及び無線送受信用IC(無線通信手段)から受信したデジタル信号に必要な処理を行い,リアルタイムでデジタル表示信号を生成するか,又は,自らが処理可能なデータファイルとしてmicroSDカード(記憶手段)に一旦格納し,その後読み出した上で処理する。
また,この液晶コントローラは,単一のVRAMを内蔵しており,CPU(中央演算回路)の処理結果に基づき,前記VRAMに対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行い,
該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号を生成し,該デジタル表示信号を,ディスプレイ制御手段である液晶ドライバ又はインターフェース手段であるHDMIトランスミッタに送信する。
e
ディスプレイ手段としての,液晶ディスプレイパネル(ディスプレイパネル)と液晶ドライバ(ディスプレイ制御手段)を備える。

そして,この液晶ディスプレイパネルは,画面解像度が480×854画素であり,画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示する。また,この液晶ドライバは,液晶コントローラ(グラフィックコントローラ)から受信したデジタル表示信号に基づき液晶ディスプレイパネル(ディスプレイパネル)の各々の画素を駆動する。

f
インターフェース手段としての,HDMIトランスミッタ及びmicroHDMI端子を備える。
そして,このmicroHDMI端子は,外部ディスプレイ手段を備える周辺装置を接続することができる。
また,HDMIトランスミッタは,液晶コントローラ(グラフィックコン
トローラ)から受信したデジタル表示信号に基づき,外部表示信号をmicroHDMI端子を介して周辺装置に送信する。
g
h
以上を備えるフィーチャーフォン(携帯情報通信装置)である。
液晶コントローラ(グラフィックコントローラ)は,被告各製品(携帯情報通信装置)が本来解像度が1920×1080画素である(ディスプレイパネルの画面解像度より大きい)画像データを処理して画像を表示する場合に,内蔵するVRAMから,
480×854画素である(ディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する)画像のビットマップデータを読み出し,
該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号
を生成し,該デジタル表示信号を液晶ドライバ(ディスプレイ制御手段)に送信する機能と,
内蔵するVRAMから
1920×1080画素である(ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する)画像のビットマップデータを読み出し,
該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号
を生成し,
該デジタル表示信号をHDMIトランスミッタ
(イ
ンターフェース手段)に送信する機能と,を実現する。
i
HDMIトランスミッタ(インターフェース手段)は,液晶コントローラ(グラフィックコントローラ)から受信したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号を,HDMI信号(TMDS方式で伝送されるデジタル外部表示信号)に変換し,該HDMI信号をmicroHDMI端子(インターフェース手段)を介して周辺装置に送信する。

j
以上により,
周辺装置に備えられる外部ディスプレイ手段に,
1920×1080画素である(ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する)画像を表示できるようにした,
k
フィーチャーフォン(携帯情報通信装置)である。
以上

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