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損害賠償請求控訴事件 特許権 民事訴訟
事件番号令和1(ネ)10081
事件名損害賠償請求控訴事件
裁判年月日令和2年11月25日
裁判所名知的財産高等裁判所
権利種別特許権
訴訟類型民事訴訟
裁判日:西暦2020-11-25
情報公開日2020-11-30 16:00:48
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令和2年11月25日判決言渡
令和元年(ネ)第10081号

損害賠償請求控訴事件

(原審・東京地方裁判所平成30年(ワ)第8302号)
口頭弁論終結日

令和2年9月2日
判控被訴控決人人訴
株式会社コアアプリ

シャープ株式会社

訴訟代理人弁護士

鳥同長
訴訟代理人弁理士

渡主山谷半六川葵邊一文1
本件控訴を棄却する

2
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由

第1控訴の趣旨
1
原判決を取り消す。

2
被控訴人は,控訴人に対し,456万円及びこれに対する平成28年8月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2事案の概要(略称は,特に断りのない限り原判決に従う。)
本件は,発明の名称を入力支援コンピュータプログラム,入力支援コンピュータシステムとする特許(特許第4611388号。以下,この特許を本件特許といい,本件特許に係る特許権を本件特許権という。)の特許権者である控訴人が,被控訴人によるスマートフォンAQUOSSERIESHV32(以下被告製品という。)の製造及び販売が本件特許権の侵害に当たる旨主張して,被控訴人に対し,本件特許権侵害の不法行為に基づく損害賠償の一部請求として456万円及びこれに対する平成28年8月11日(不法行為の後)から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。原審は,被告製品及び被告製品にインストールされているソフトウェア(以下本件ホームアプリという。)は,本件特許の特許請求の範囲の請求項3及び4に係る各発明(以下,請求項3に係る発明を本件発明3,請求項4に係る発明を本件発明4といい,これらを併せて本件各発明という。)の技術的範囲に属さないとして,控訴人の請求を棄却した。
控訴人は,原判決を不服として本件控訴を提起した。
1
前提事実
以下のとおり訂正するほか,原判決事実及び理由の第2の1記載のとおりであるから,これを引用する。
(1)原判決2頁12行目から22行目までを次のとおり改める。⑵本件特許ア控訴人は,発明の名称を「入力支援コンピュータプログラム,入力支援コンピュータシステムとする発明について,平成17年11月30日を国際出願日とする特許出願(特願2007-547822。以下本件出願という。)をし,平成22年10月22日,本件特
許権の設定登録(請求項の数5)を受けた(甲1,2)。


本件特許の特許請求の範囲の請求項3及び4の記載は,次のとおりである(甲2)。
【請求項3】
情報を記憶する記憶手段と,情報を処理する処理手段と,利用者に情報を表示する出力手段と,利用者からの命令を受け付ける入力手段とを備えたコンピュータシステムにおけるコンピュータプログラムであって,
利用者が前記入力手段を使用してデータ入力を行う際に実行される入力支援コンピュータプログラムであり,
前記記憶手段は,
ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データである操作メニュー情報と,当該操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令と,を関連付けた操作情報を1以上記憶し,
当該操作情報は,前記記憶手段に記憶されているデータの状態を表す情報であるデータ状態情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されており,
前記処理手段に,
(1)前記入力手段を介して,前記入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令を受信した後から,利用者によって当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を受信するまでにおいて,以下の(2)及び(3)を行うこと,
(2)前記入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すると,当該受信した際の前記記憶手段に記憶されているデータの状態を特定し,当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に関連付いている前記操作情報を特定し,当該特定した操作情報における操作メニュー情報を,前記記憶手段から読み出して前記出力手段に表示すること,
(3)前記入力手段を介して,当該出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されると,当該ポインタにより指定された操作メニュー情報に関連付いている命令を,前記記憶手段から読み出して実行し,当該出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されなくなるまで当該実行を継続すること,
当該命令の実行により変化した前記記憶手段に記憶されているデータの状態を特定し,当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に関連付いている前記操作情報を特定し,当該特定した操作情報における前記操作メニュー情報を,前記記憶手段から読み出して前記出力手段に表示すること,
(4)
前記入力手段を介して,
前記開始動作命令の受信に対応する,
前記命令ボタンが利用者によって離されたことによる終了動作命令を受信すると,前記出力手段へ表示している前記メニュー情報の表示を終了すること,
を実行させることを特徴とする入力支援コンピュータプログラム。【請求項4】
情報を記憶する記憶手段と,情報を処理する処理手段と,利用者に情報を表示する出力手段と,利用者からの命令を受け付ける入力手段とを備えたコンピュータシステムであって,
前記記憶手段が,請求項1乃至3のいずれか1記載の入力支援コンピュータプログラムを記憶し,前記処理手段が前記各処理を行うことを特徴とする入力支援システム。」
(2)

原判決4頁25行目の被告製品の次に(甲4,5)を加え,5頁

5行目末尾に行を改めて次のとおり加える。
別紙「乙2の2説明図の図1ないし図16は,被告製品をタッチパネ
ルで操作した場合の画面の表示の例である(乙2の2)。図6ないし図15は,縮小モードの状態の画面であり,図6の上方に表示されたページの一部が,原判決別紙被告製品の構成記載の上ページ一部表示,下方に表示されたページの一部が同別紙記載の下ページ一部表示である。」
2
争点
以下のとおり訂正するほか,原判決事実及び理由の第2の2記載のとおりであるから,これを引用する。
(1)原判決5頁19行目の構成要件Aを構成要件A1と改める
(2)原判決5頁21行目の本件特許は特許無効審判により無効にされるべきものか否かを無効の抗弁(特許法104条の3第1項)の成否と改める。

3
争点に関する当事者の主張
以下のとおり訂正し,当審における当事者の補充主張を付加するほか,原判決事実及び理由の第2の3記載のとおりであるから,これを引用する。(1)原判決の訂正

原判決6頁3行目の本件明細書を本件出願の願書に添付した明細書(以下,図面を含めて「本件明細書という。甲2)」と,同行目,21行目及び24行目,7頁9行目の各本件発明をいずれも本件各発明と改める。

原判決10頁7行目の次の(ア)及び(イ)のとおり,を次のとおり,と,同11頁18行目の左下領域
が一致するはずであるが,
を「左下領域の範囲は不動のはずであるが,」と改める。


原判決12頁1行目冒頭のウから4行目の「相当する。」までを次のとおり改める。
(ウ)以上によれば,「左下領域及び右下領域の画像も,画面表

示に影響しない余白を含んだだけの下ページ一部表示と認識でき
るから,操作メニュー情報に相当する。同様に,左上領域及
び右上領域の画像も,上ページ一部表示と認識できるから,
操作メニュー情報に相当する。」

原判決12頁10行目の「下ページ一部表示は,」の次に別紙「乙2の2の説明図に示すように,」を加え,同頁15行目のなお,をまた,原告が主張すると改める。


原判決13頁19行目の本件発明を本件各発明と改める。


原判決21頁11行目の構成要件Aを構成要件A1と改める。


原判決22頁5行目の平成9年から6行目の公然知られていた
までを本件出願前に頒布された刊行物であると改め,同頁14行目の本件各発明の特許出願前にを削り,同頁17行目,末行及び23頁3行目の各本件発明をいずれも本件各発明と改める。


原判決23頁24行目の受けるべき金銭の額の次に(特許法102条3項)を加える。
(2)当審における当事者の補充主張
(控訴人の主張)

争点1-3(操作メニュー情報(構成要件B,E,F,G)の該当性)について
原判決は,構成要件B,E,F及びGの操作メニュー情報とは,利用者が,その表示の有無を視覚的に認識でき,その表示内容から,所望の命令を実行した結果についても理解できるような,画像データである必要があるものと解するのが相当であるとした上で,①被告製品の本件ホームアプリにおける上ページ一部表示及び下ページ一部表示
(以下上ページ一部表示等という。)については,画像データであり,その内容や表示位置からすれば,これを見た利用者は上ページ又は下ページにスクロールする結果を理解できるといえるから,利用者が,その表示の有無を視覚的に認識でき,その表示内容から,所望の命令を実行した結果についても理解できるような,
画像データに当たるものというべきであって,
操作メニュー情報を充足するものと認められる,②原告の主張する左上領域右上領域又は左下領域右下領域(以下左上領域等という。)については,特定の座標位置で囲まれた領域にすぎず,利用者が,その表示の有無を視覚的に認識でき,その表示内容から,所望の命令を実行した結果についても理解できるような,画像データに当たるものとは認められず,操作メニュー情報に該当しない旨判断したが,以下に述べるとおり,①の判断は正当であるが,②の判断は誤りである。(ア)

別紙参考図の図1は,被告製品の上ページ一部表示の画像(緑

色の点線部分)を表示したものであり,左上領域(左側の赤色の点線枠内)には,上ページ一部表示が重なった範囲である左上領域内上ページ一部表示領域(左上(X:179,Y:75),右下(X:460,Y:138)の長方形・水色の斜線枠内)が含まれており,右上領域(右側の赤色の点線枠内)には,上ページ一部表示が重なった範囲である右上領域内上ページ一部表示領域
(左上(X:616,
Y:75),右下(X:956,Y:138)の長方形・水色の斜線枠内)が含まれている。
次に,別紙参考図の図2は,被告製品の下ページ一部表示の画像
(緑色の点線部分)を表示したものであり,左下領域(左側の赤色の点線枠内)には,下ページ一部表示が重なった範囲である左下領域内下ページ一部表示領域(左上(X:123,Y:1528),右下(X:460,Y:1598)の長方形・水色の斜線枠内)が含まれており,右下領域(右側の赤色の点線枠内)には,下ページ一部表示が重なった範囲である右下領域内下ページ一部表示領域(左上(X:616,Y:1528),右下(X:956,Y:1598)の長方形・水色の斜線枠内)が含まれている。
そして,別紙参考図の図3のAは,下ページ一部表示の画像だけ
を取り出した画像であり,図3のBは,左下領域及び右下領域
だけを取り出した画像である。
(イ)

本件明細書の【0012】には,操作メニュー情報に関し,デ

ータ形式や,表示内容についての言及はあるが,画像データの形状及び領域については限定されていない。つまり,操作メニュー情報は,別紙参考図の図3のBのように,離れた2つの長方形の範囲から構成される画像データであってもよいと解すべきである。
図3のAの下ページ一部表示の画像のうち,左上角及び右上角に
ある円弧状の余白となっている部分は,余白による細い境界線と認識できる。
一方,図3のBの画像は,左下領域の画像及び右下領域の画
像から構成されるところ,それぞれの画像の長方形の範囲のうち,3辺を余白による太目の境界線によって囲った画像であることを認識できるから,利用者が,その表示の有無を視覚的に認識できる画像であるといえる。
そして,図3のBの画像は,図3のAの画像の81%を含むから,利用者は,図3のBの画像は,図3のAの画像と同じ内容であると理解できる。
そうすると,図3のBの画像は,利用者が,その表示の有無を視覚的に認識できる画像であって,その表示内容から,所望の命令を実行した結果についても理解できるといえるから,左下領域及び
右下領域は,構成要件B,E,F及びGの操作メニュー情報に相当する。左上領域及び右上領域についても,これと同様である。
したがって,左上領域等は,操作メニュー情報に該当しない
とした原判決の判断は誤りである。

争点1-6(被告製品において操作メニュー情報がポインタにより指定されると操作メニュー情報に関連付いている命令を実行するか否か,及び操作メニュー情報がポインタにより指定されなくなるまで当該実行を継続する(構成要件F)か否か)について原判決は,①構成要件Fの操作メニュー情報がポインタにより指定されると,当該ポインタにより指定された操作メニュー情報に関連付いている命令を実行する(以下,この構成を構成要件Fの前段という場合がある。)とは,画面上に表示された画像データである操作メニュー情報が占める座標位置の範囲に,ポインタの座標位置が入った場合に,特定の命令を実行し,構成要件Fの操作メニュー情報がポインタにより指定されなくなるまで当該実行を継続する(以下,この構成を構成要件Fの後段という場合がある。)とは,操作メニュー情報が占める座標位置の範囲に,
ポインタの座標位置が入らなくなるまで当該実行が継続され,
入らなくなった場合には,当該実行が継続されないことを意味し,かかる動作状況を満たす命令であることをもって,構成要件Fの操作メニュー情報に関連付いている命令に当たるものと解するのが相当である,②被告製品において,操作メニュー情報に該当するのは上ページ一部表示等であるところ,上ページ一部表示等が占める座標位置の範囲と左上領域等の占める座標位置の範囲とは必ずしも一致せず,上ページ一部表示等は,左上領域等と一部重なる座標位置に表示されているにすぎないとした上で,被告製品においては,指等及びマウスカーソルの先端の座標位置が,偶々,上ページ一部表示等と左上領域等が
重なる部分の占める座標位置の範囲に入った場合に限って,ページスクロール命令が実行・継続されているにすぎないことに照らせば,ページスクロール命令については,飽くまで利用者が視覚的に認識できない左上領域等の範囲において実行・継続されるものであって,上ページ一部表示等の範囲において実行・継続されるものではないのであるから,上ページ一部表示等に,ページスクロール命令が関連付いているとまでは認めるに足りないというほかないから,被告製品の構成は,構成要件Fの前段及び後段を充足するとは認められない旨判断したが,以下のとおり,原判決の判断は誤りである。
(ア)

被告製品の左上領域等
の画像が構成要件B,E,F及びGの操作メニュー情報に相当することは,前記アのとおりであるから,原判決の判断(②の判断)は,その前提において誤りがある。そして,
別紙参考図の図3のBの画像データは,
下ページ一部表示
の画像であって,当該画像が占める座標位置の範囲が下ページ一部表示領域(=左下領域及び右下領域)であり,また,図3のBの画像データの範囲と下ページ一部表示領域が一致するため,左下領域及び右下領域にポインタの位置が入ると実行される下ページスクロールプログラム(命令)は,操作メニューに関連付いている命令(構成要件F)に相当する。同様に,左上領域及び右上領域にポインタの位置が入ると実行される上ページスクロールプログラム(命令)も,操作メニューに関連付いている命令(構成要件F)に該当する。
(イ)

また,仮に被告製品の左上領域等の画像が操作メニュー情報

に該当しないとしても,被告製品の構成エ(ウ)及びオ(ウ)によれば,本件ホームアプリは,ショートカットアイコンをドラッグしているマウスカーソルの先端の位置,あるいは指等のタッチパネル上の位置が,IGZO液晶ディスプレイに表示された上ページ一部表示が占める座標位置の範囲である左上領域内上ページ一部表示領域又は右上領域内上ページ一部表示領域の座標位置の範囲に入った場合,上ページスクロールプログラムを実行し,この座標位置の範囲に入っている場合,上ページスクロールプログラムの実行が繰り返され,また,ショートカットアイコンをドラッグしているマウスカーソルの先端の位置,あるいは指等のタッチパネル上の位置が,上ページ一部表示を含まないページスクロール条件外ページ一部表示外の領域の範囲に入った場合,上ページスクロールプログラムを新たに実行しなくなることからすると,ショートカットアイコンをドラッグしているマウスカーソルの先端の位置,あるいは指等のタッチパネル上の位置がポインタの座標位置に相当し,IGZO液晶ディスプレイが画面上に相当し,上ページ一部表示が操作メニュー情報に相当し,左上領域内上ページ一部表示領域及び,右上領域内上ページ一部表示領域の座標位置の範囲は,操作メニュー情報に相当する上ページ一部表示の画像だけが表示されているから,操作メニュー情報が占める座標位置の範囲に相当し,
上ページスクロールプログラム(命令)は,操作メニュー情報に関連付いている命令(構成要件F)に該当する。同様に,左下領域及び右下領域にポインタの位置
が入ると実行される下ページスクロールプログラム(命令)は,
操作メニュー情報に関連付いている命令(構成要件F)に該当する。(ウ)

以上のとおり,
被告製品の
上ページスクロールプログラム(命令)

及び下ページスクロールプログラム(命令)は,操作メニューに関連付いている命令(構成要件F)に該当するから,これを否定した原判決の前記判断は誤りである。
(被控訴人の主張)

争点1-3について
(ア)

本件発明3の特許請求の範囲の記載によれば,構成要件Bの操作メニュー情報とは,ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データをいうから,単に利用者が命令結果を理解することが可能というだけでは足りず,それ自体から実行される命令結果を理解できるような画像データ,すなわち,命令結果を理解できるようにすることを意図して表示された画像データでなければならない。
また,
本件明細書の記載【0012】【0081】【0083】




図6ないし図8)によれば,操作メニュー情報は,その範囲が視覚的に確認できるような画像が表示されているだけにとどまらず,当該画像の領域内に,スクロールする方向に向いている△マークが表示されているなど,その画像データにポインタを指定することによって画面がどのような変化をするかを表す記号が付してあり,当該記号があるからこそ実行される命令結果を利用者が理解できるように表示するための画像データということがいえるものであり,
単に
理解することが可能
とされているものではなく,理解できるように構成されている画像データであるといえる。
以上の本件発明3の特許請求の範囲及び本件明細書の記載によれば,構成要件Bの操作メニュー情報とは,単に利用者が命令結果を理解することが可能というだけでは足りず,ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データとして,命令結果を理解するという意図で構成され表示された画像データでなければならないと解すべきであるから,被告製品の上ページ一部表示等が構成要件Bの操作メニュー情報
に該当するとした原判決の判断は誤りである。
(イ)

次に,控訴人主張の左上領域等は,視覚的に認識できるもので

はないから,操作メニュー情報に該当しない。
(ウ)

以上によれば,被告製品は,構成要件B,E,F及びGの操作メニュー情報を有していないから,これらの構成要件を充足しない。イ
争点1-6について

(ア)

被告製品のページスクロール命令は,上ページ一部表示等にポ

インタ等の座標位置が重なっていない場合にも実行され,また,上ページ一部表示等にポインタ等の座標位置が重なった場合に実行されないこともあり,画面上に表示された画像データである上ページ一部表示等が占める座標位置の範囲にポインタの座標位置が入った場合に実行されるものでないから,上ページ一部表示等とページスクロール命令とは関連せず,ページスクロール命令は,操作メニューに関連付いている命令(構成要件F)に該当しない。また,仮に上ページ一部表示が操作メニュー情報に該当する
のであれば,操作メニュー情報が占める座標位置の範囲は必然的に上ページ一部表示等の座標位置の範囲であって,左上領域等の
内部にある上ページ一部表示等と重なった範囲(控訴人の主張するところの左上領域内上ページ一部表示領域,右上領域内上ページ一部表示領域等)ではないから,この点においても,ページスクロール命令は,操作メニューに関連付いている命令(構成要件F)に該当しない。
(イ)

以上によれば,被告製品は,画面上に表示された画像データである操作メニュー情報が占める座標位置の範囲にポインタの座標位置が入った場合に,特定の命令を実行するという条件を満たさないから,
操作メニュー情報がポインタにより指定されると操作メニュー情報に関連付いている命令を実行するとの構成(構成要件F)を充足しない。
第3

当裁判所の判断
当裁判所は,被告製品は本件各発明の技術的範囲に属するものと認めることはできないから,控訴人の請求は理由がないものと判断する。その理由は,次のとおりである。
1
争点1-3(操作メニュー情報(構成要件B,E,F,G))について(1)明細書の記載事項について

本件明細書
(甲2)
の発明の詳細な説明には,
次のような記載がある
(下
記記載中に引用する図1,2,4ないし8については別紙本件明細書の図面を参照)。
(ア)【技術分野】
【0001】
本発明は,マウスに代表されるポインティングデバイス等の入力装置を利用して,コンピュータシステムにおけるシステム利用者の入力行為を支援するためのコンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
GUI
(GraphicalUser

Interface)
環境のコンピュータシステムでは,

システム利用者の入力行為を支援するために様々な工夫がなされている。例えば,プログラムの実行中にコンピュータの入力装置であるマウスを右クリックすることにより操作コマンドのメニューが画面上に表示されるコンテキストメニューや,マウス操作の一種であるドラッグ&ドロップ等が存在する。【0003】
コンテキストメニューは,マウスを右クリックすることにより,
マウスが指し示している画面上のポインタ位置に応じた操作コマンドのメニューが表示されるものであり,必要な場合に操作コマンドのメニューを画面上に表示させるという点でシステム利用者にとって有益である。しかしながら,コンテキストメニューは,マウスの右クリックで簡単にコマンドのメニューが表示されるものの,マウスの左クリックを行う等するまではずっとメニューが画面に表示され続ける。また,利用者が間違って右クリックを押してしまった場合等は,利用者の意に反してメニューが画面上に表示されてしまうので不便である。
【0004】
一方,ドラッグ&ドロップとは,画面上でマウスポインタがウィ
ンドウの枠やファイルのアイコンなどに重なった状態でマウスの左ボタンを押し,そのままの状態でマウスを移動させ,別の場所でマウスの左ボタンを離すマウス操作である。このドラッグ&ドロップは,データ等の切り取りと貼り付けを同時に行う操作,例えば,ディス
ク内でのファイル移動や,アプリケーションソフト間でのデータのカット&ペースト操作などに用いられている。しかしながら,ドラッグ&ドロップは,ドラッグしたポインタ位置からドロップしたポインタ位置まで画面をスクロールさせるような一時的動作には向いているが,継続的な動作,例えば,移動させる位置を決めないで徐々に画面をスクロールさせていくような動作に適用させるのは難しい。
【0005】
また,以下の特許文献1には,コマンドメニュー表示方法に関する技術が開示されている。しかしながら,当該技術もドラッグ&ドロップの応用技術としてのコマンドメニュー表示方法であり,継続的な動作の実行に適用させるのは難しい。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は,システム利用者の入力を支援するための,コンピュータシステムにおける簡易かつ便利な入力の手段を提供することである。特に,利用者が必要になった場合にすぐに操作コマンドのメニューを画面上に表示させ,必要である間についてはコマンドのメニューを表示させ続けられる手段の提供を目的とする。
(イ)【課題を解決するための手段】
【0007】
1,
【0008】
(1)そこで,上記課題を解決するため,本発明に係る入力支援コンピュータプログラムは,情報を記憶する記憶手段と,情報を処理する処理手段と,利用者に情報を表示する出力手段と,利用者からの命令を受け付ける入力手段とを備えたコンピュータシステムにおけるコンピュータプログラムであって,利用者が前記入力手段を使用してデータ入力を行う際に実行される入力支援コンピュータプログラムである。
【0009】
また,当該コンピュータシステムの前記記憶手段は,ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データである操作メニュー情報と,当該操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令と,を関連付けた操作情報を1以上記憶している。
【0010】
そして,当該コンピュータシステムの前記処理手段に,(1)前記入力手段を介して,前記入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令を受信した後から,利用者によって当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を受信するまでにおいて,以下の(2)及び(3)を行うこと,(2)前記入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すると,前記操作メニュー情報を前記記憶手段から読み出して前記出力手段に表示すること,(3)前記入力手段を介して,当該出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されると,当該ポインタにより指定された操作メニュー情報に関連付いている命令を,前記記憶手段から読み出して実行すること,(4)前記入力手段を介して,前記開始動作命令の受信に対応する,前記命令ボタンが利用者によって離されたことによる終了動作命令を受信すると,前記出力手段へ表示している前記操作メニュー情報の表示を終了すること,を実行させることを特徴とする入力支援コンピュータプログラムである。
【0011】
(2)

ここで,記憶手段とは,例えばRAM,ROM,HDD

等のコンピュータシステムにおける記憶装置が該当する。処理手段とは,例えばCPU等のコンピュータシステムにおける演算装置や,通信ネットワークで接続されたコンピュータシステムにおける中央処理サーバコンピュータが該当する。出力手段とは,例えばディスプレイ等のコンピュータシステムにおける情報を表示する出力装置や,通信ネットワークで接続されたコンピュータシステムにおける情報端末としての携帯電話端末やパーソナルコンピュータ等が該当する。入力手段とは,例えばキーボード,マウス,タッチパネル等のコンピュータシステムにおける入力装置や,通信ネットワークで接続されたコンピュータシステムにおける情報端末としての携帯電話端末やパーソナルコンピュータ等が該当する。コンピュータシステムは,パーソナルコンピュータ等の1のハードウェア内にて完結して構成される場合もあるし,複数のコンピュータにより構成される場合もある。複数のコンピュータにより構成される場合の例として,通信ネットワークで接続されたコンピュータシステムにおいて,
処理手段
は中央処理サーバコンピュータ,
記憶手段は中央処理サーバコンピュータが管理する記憶装置,出力手段及び入力手段は中央処理サーバコンピュータと通信する情報端末(携帯電話,パーソナルコンピュータ),等の場合が該当する。【0012】
ポインタの座標位置とは,前記出力手段における画面上での現在
位置を示す絵記号であるカーソル(マウスカーソル)が指し示している画面上での座標位置である。ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示する画像データとは,当該ビットマップ形式やベクター形式の画像データにポインタを合わせることで,どのような命令が実行されるのかをシステム利用者が理解できるように構成されている画像データであることを意味する。例えば,どのような命令が実行されるのか,を表す文字を含んだ画像データであったり,アイコンのように実行される命令の内容や対象を小さな絵や記号で表現した画像データが考えられる。
【0013】
操作メニュー情報にポインタが指定された場合とは,前記出力手
段における画面上に表示された画像データである操作メニュー情報が占める座標位置の範囲に,
前記ポインタの座標位置が合わさった
(入った)
こと,をいう。操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令とは,
前記コンピュータシステムに対する実行命令であり,
例として,編集対象データにおける内部のデータ状態を変化させる命令がある。この編集対象データにおける内部のデータ状態を変化させる命令とは,前記記憶手段に格納されている編集対象データの内容(データ状態)に変更を加える命令である。
【0014】
編集対象データとは,前記コンピュータシステムにおいて実行さ
れているアプリケーションプログラムにおける,データ編集の対象となっているデータである。例えば,実行されているアプリケーションプログラムがワープロソフトであれば,当該ワープロソフトの文章データが編集対象データとなり,実行されているプログラムが表計算ソフトであれば,当該表計算ソフトの表計算データが編集対象データとなる。例えば,ワープロソフトの文章データが編集対象データであれば,
全文章データのうち前記出力手段に表示させる部分である
ビュー
を変更させる命令や,
表計算ソフトの表計算データが
編集対象データ
であれば,
表計算データのうち前記出力手段に表示させる部分である
アクティブなワークシートを変更させる命令等が,編集対象データにおける内部のデータ状態を変化させる命令として考えられる。【0015】
操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令
は,編集対象データにおける内部のデータ状態を変化させる命令に限られない。すなわち,前記記憶手段に記憶されているOSが管理している各種情報(時間情報,記憶手段の空き容量に関する情報,ファイルの位置など)を変化させる命令である前記記憶手段に記憶されているデータの状態を変化させる命令も,操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令に含まれる。さらに,前記コンピュータシステムがネットワークを通じて接続している中央サーバコンピュータに接続要求をする命令や,前記コンピュータシステムがネットワークを通じて接続している他のコンピュータシステムにデータを送信する命令の各種命令等も,操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令に含まれる。【0016】
操作情報とは,操作メニュー情報と操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令とを関連付けた情報である。
この操作情報により,前記出力手段に表示された操作メニュー情報にポインタが指定された場合に,どの命令を実行すればよいかを特定することができる。また,操作メニュー情報には,出力手段に表示する際に,画面上のどの座標位置・範囲に表示するかという表示位置・範囲に関する情報も含まれる。この表示位置・範囲に関する情報としては,例えば,操作メニュー情報が画面上に表示された際に占める絶対的な座標位置・範囲を示す情報や,編集対象データが表示される画面上の座標位置・範囲における操作メニュー情報の占める相対的な位置・範囲を示す情報などが該当する。
【0017】
入力手段における命令ボタンとは,原則として,入力手段が物理
的に備えているボタンを意味し,例えば,キーボードにおける入力キーや,ポインティングデバイスであるマウスの左右のクリックボタンやスクロールホイールボタン,などが考えられる。入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令とは,原則として,入力手段が物理的に備えているボタンが利用者によって押されたことを伝えるために,入力手段が処理手段に対して発する電気信号を意味する。利用者によって当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令とは,原則として,当該入力手段が物理的に備えているボタンが利用者によって離されたことを伝えるために,入力手段が処理手段に対して発する電気信号を意味する。
【0018】
しかしながら,コンピュータシステムの入力手段の多様化により,タッチパネル等の物理的にボタンを備えていない入力手段も存在しているため,入力手段における命令ボタンには,入力手段が物理的に備えているボタンだけを表すものではない。すなわち,入力手段がタッチパネル等の物理的にボタンを備えていない入力手段である場合は,入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令とは,入力手段において利用者が押す行為を行ったことを伝えるために,
入力手段が処理手段に対して発する電気信号
(mousedownなど)
を意味する。また,入力手段がタッチパネル等の物理的にボタンを備えていない入力手段である場合は,利用者によって当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令とは,入力手段において利用者が押す行為を止めて離したことを伝えるために,入力手段が処理手段に対して発する電気信号(mouseupなど)を意味する。【0019】
開始動作命令が発せられて受信してから,終了動作命令が発
せられて受信するまでは,入力手段において特定の命令ボタン等を利用者が押す行為を継続していることを,
処理手段は認識することができる。
【0020】
入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すると
は,入力手段としてのポインティングデバイスから,画面上におけるポインタの座標位置を移動させる命令(電気信号)を処理手段が受信することである。先の開始動作命令が発せられて受信してから,終了動作命令が発せられて受信するまでの間に,処理手段が入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すると,処理手段は記憶手段に記憶されている操作メニュー情報を読み出して,当該操作メニュー情報を出力手段に表示する。出力手段へ表示している前記操作メニュー情報の表示を終了するとは,ステップ(2)で出力手段に表示した操作メニュー情報を,処理手段が出力手段に表示しないようにすることをいう。
【0021】
以上の定義は,以下の発明にも適用される。
【0022】
(3)

本発明は,入力手段における命令ボタンが利用者によって押

されてから,離されるまでの間に,ポインタの位置を移動させる命令を受信すると,画像データである操作メニュー情報を出力手段に表示し,ポインタの指定により命令が実行される。特に,入力手段における命令ボタンが利用者によって押されてから,離されるまでの間は,画像データである操作メニュー情報をポインタで指定することによって,当該命令を何回でも実行する,という継続的な操作が可能になる。また,入力手段における命令ボタンが利用者によって離されると,出力手段に表示されていた操作メニュー情報の表示が終了する。
【0023】
これにより,例えば,当該ポインタの指定により実行される命令として,編集対象データのうち出力手段に表示される画面(ビュー)をスクロールさせるような命令を採用すると,スムーズな画面操作が可能である。また,利用者によって押されていた入力手段における命令ボタンが利用者によって離されると,出力手段に表示されていた操作メニュー情報が表示されなくなるため,普段は画面上に操作メニュー情報を表示せずに,
利用者にとって必要な場合に簡便に表示させることが可能となる。(ウ)【0035】
3,
【0036】
(1)

また,他の発明に係る入力支援コンピュータプログラムは,

情報を記憶する記憶手段と,情報を処理する処理手段と,利用者に情報を表示する出力手段と,利用者からの命令を受け付ける入力手段とを備えたコンピュータシステムにおけるコンピュータプログラムであって,利用者が前記入力手段を使用してデータ入力を行う際に実行される入力支援コンピュータプログラムである。
【0037】
当該コンピュータシステムの前記記憶手段は,ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データである操作メニュー情報と,当該操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令と,を関連付けた操作情報を1以上記憶し,当該操作情報は,前記記憶手段に記憶されているデータの状態を表す情報であるデータ状態情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されている。
【0038】
そして,当該コンピュータシステムの前記処理手段に,(1)前記入力手段を介して,前記入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令を受信した後から,利用者によって当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を受信するまでにおいて,以下の(2)及び(3)を行うこと,(2)前記入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すると,当該受信した際の前記記憶手段に記憶されているデータの状態を特定し,当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に関連付いている前記操作情報を特定し,当該特定した操作情報における操作メニュー情報を,前記記憶手段から読み出して前記出力手段に表示すること,(3)前記入力手段を介して,当該出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されると,当該ポインタにより指定された操作メニュー情報に関連付いている命令を,前記記憶手段から読み出して実行し,当該命令の実行により変化した前記記憶手段に記憶されているデータの状態を特定し,当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に関連付いている前記操作情報を特定し,当該特定した操作情報における前記操作メニュー情報を,前記記憶手段から読み出して前記出力手段に表示すること,(4)前記入力手段を介して,前記開始動作命令の受信に対応する,前記命令ボタンが利用者によって離されたことによる終了動作命令を受信すると,前記出力手段へ表示している前記メニュー情報の表示を終了すること,を実行させることを特徴とする入力支援コンピュータプログラムである。【0039】
(2)

ここで,前記記憶手段に記憶されているデータの状態を表す情報の例として,前記記憶手段に格納されている編集対象データの内容(データ状態),例えば,文章・表計算のデータのうち実際に出力手段に表示するビューの範囲の状態,データを印刷する際の印刷対象となる範囲の状態,文章のデータの書式やフォントの設定値の状態,現在処理の対象となっている(アクティブとなっている)データがあるか否かの状態,等を表す情報が該当する。他にも,前記記憶手段に記憶されているデータの状態を表す情報の例として,記憶手段の総記憶容量において実際に使用できる残記憶容量を表す情報や,記憶手段の総記憶容量分における実際に使用されている記憶容量の割合を表す情報,等が該当する。例えば,記憶手段の総記憶容量において実際に使用できる残記憶容量が一定容量以下である場合は,
特定の操作メニュー情報
(例
えば,
データ保存命令を意味する操作メニュー)
を画面上に表示しない,
というような使い方ができる。
【0040】
以上の定義は,以下の発明にも適用される。
【0041】
(3)

本発明は,入力手段における命令ボタンが利用者によって押

されてから,離されるまでの間に,ポインタの位置を移動させる命令を受信すると,画像データである操作メニュー情報を出力手段に表示し,ポインタの指定により命令が実行される。特に,記憶手段に記憶されているデータの状態に応じた操作メニュー情報が出力手段に表示されるため,当該データ状態に適合した操作メニュー情報が表示されることになる。
【0042】
これにより,例えば,操作メニュー情報に関連付いた命令が実行されることにより,文章・表計算のデータのうち実際に出力手段に表示するビューの状態が変化すれば,当該ビューの状態に応じた操作メニュー情報が表示されることになる。具体的には,文章・表計算のデータのうちビューの状態が最上部に移っている場合は,上方向へのビュー移動を命令する操作メニュー情報を表示せずに,下方向へのビュー移動を命令する操作メニュー情報のみを表示する,等の利用者の使い勝手を考えた柔軟な操作メニュー情報の表示が可能となる。
【0043】
また,記憶手段に記憶されているデータの状態として,記憶手段の総記憶容量において実際に使用できる残記憶容量が一定容量以下である場合は,特定の操作メニュー情報(例えば,データ保存命令を意味する操作メニュー)を画面上に表示しない,等の操作メニュー情報の表示も可能となる。
(エ)【0044】
4,
【0045】
(1)

また,他の発明に係る入力支援システムは,情報を記憶する

記憶手段と,情報を処理する処理手段と,利用者に情報を表示する出力手段と,利用者からの命令を受け付ける入力手段とを備えたコンピュータシステムである。
【0046】
そして,当該記憶手段が,前記の1,乃至3,のいずれか1記載の入力支援コンピュータプログラムを記憶し,前記処理手段が前記各処理を行うことを特徴とする入力支援システムである。
【0047】
5,
【0048】
(1)

また,他の発明に係る入力支援システムは,前記命令ボタン

を備えた入力手段が,1のポインティングデバイスであること,を特徴とする。
【0049】
(2)

ここで,ポインティングデバイスとは,マウス,ペンデ

バイス,タブレット,ジョイスティック,タッチパネル等の各種ポインティングデバイスが該当する。
【0050】
(3)

前記入力手段が1のポインティングデバイスであることによ

り,上記各処理,例えば,入力手段における命令ボタンを押すことによる開始動作命令,当該押していた命令ボタンを離すことによる終了動作命令,入力手段を介して行うポインタの位置を移動させる命令,などを当該1のポインティングデバイスにより実行できる。すなわち,利用者は,入力手段としての当該1のポインティングデバイスのみによって,上記各処理の命令を行うことができる。これは,マウスやペンデバイス等の片手で操作できるポインティングデバイスを採用した際に,優れた操作性を実現することができる。
【発明の効果】
【0051】
以上のように,本発明を利用すると,入力手段における命令ボタンが利用者によって押されてから,離されるまでの間に,ポインタの位置を移動させる命令を受信すると,画像データである操作メニュー情報を出力手段に表示し,ポインタの指定により命令が実行される。特に,入力手段における命令ボタンが利用者によって押されてから,離されるまでの間は,画像データである操作メニュー情報をポインタで指定することによって,当該命令を何回でも実行する,という継続的な操作が可能になる。
また,
入力手段における命令ボタンが利用者によって離されると,
出力手段に表示されていた操作メニュー情報の表示が終了する。
(オ)【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下,本発明の実施形態を,図面を参照しつつ説明する。
【0053】
1,

本発明の実施の構成について

【0054】
(1)

図1は,本発明に係る入力支援コンピュータシステムの全体

構成図である。同図に示すように,本発明に係る入力支援コンピュータシステムは,出力手段10と,処理手段20と,入力手段30と,記憶手段40・50と,から構成されている。そして,これら各手段(10~50)は,バス60を介して電気的に接続し,相互に情報の伝達(信号の通信)を行うことができる。
【0055】
図1の入力支援コンピュータシステムにおける構成要素を更に詳述する。出力手段10は,情報を入力支援コンピュータシステムの利用者に表示するための出力装置であり,例えば液晶やCRT方式等のディスプレイ装置が該当する。また,処理手段20は,上記他の手段(装置)に働きかける計算装置であり,
例えばCPUが該当する。
入力手段30は,
入力支援コンピュータシステムの利用者からの命令を受け付ける入力装置であり,例えばマウスやキーボードが該当する。記憶手段40は,大量の情報を記憶させておく補助記憶装置であり,例えばハードディスク(HDD)が該当する。記憶手段50は,処理手段20による実行の対象となる情報を記憶させておく主記憶装置であり,例えばメインメモリが該当する。バス60は,入力支援コンピュータシステムの内部で各手段が情報を通信するための伝送路である。
【0056】
本発明に係る入力支援コンピュータシステムは,図1に示すパーソナルコンピュータのようなローカルのコンピュータシステムであっても実施が可能であり,当該前提により以下説明を行う。しかし,本発明に係る入力支援コンピュータシステムは,複数のコンピュータシステムから構成される場合もある。例えば,クライアント側のコンピュータシステムが出力手段10及び入力手段30となり,サーバ側のコンピュータシステムが処理手段20及び記憶手段40・50となり,インターネットなどの広域通信回線がバス60となることによって,複数のコンピュータシステムから構成される場合も考えられる。
【0057】
(2)

次に,図1における記憶手段40としてのHDDに記憶され

ている各種情報について説明する。記憶手段40としてのHDDには,データ状態情報41と,操作情報42と,実行猶予時間情報43と,実行猶予時間の指標情報44と,
入力支援コンピュータプログラム45と,
OSその他プログラム46とを,データベースやファイルの形式により記憶している。
【0058】
そして,処理手段20としてのCPUが,記憶手段40としてのHDDに記憶されている各情報(41~46)を,記憶手段50としてのメモリに読み込むことにより,
プログラムやデータの解釈実行を行なう。

また,処理手段20としてのCPUが,記憶手段40としてのHDDに記憶されているOSその他プログラム46と,入力支援コンピュータプログラム45を,記憶手段50としてのメモリに読み込んで解釈し,実行する事により,本発明に係る入力支援処理等が行なわれるのである。【0059】
このように,本実施形態では,初期状態として記憶手段40としてのHDDに各情報(41~46)が記憶されているとして説明するが,初期状態において記憶手段50としてのメモリに各情報(41~46)が全て記憶されていても当然実施は可能である。
【0060】
(3)

続いて,記憶手段40としてのHDDに記憶されている各情

報(41~46)のデータ構造について,図2及び3を使用して説明する。
【0061】
図2に図示するように,記憶手段40としてのHDDに記憶されているデータ状態情報41と操作情報42は,情報の関連付けがな
されて記憶されている。
【0062】
データ状態情報41とは,記憶手段40・50に記憶されている
データの状態を表す情報であり,例えば,記憶手段40・50に格納されている編集対象データの内容を表す情報や,記憶手段40・50の総記憶容量分における実際に使用されている記憶容量の割合を表す情報,等が該当する。図2では,データ状態情報41,として記憶手段40・50に格納されている編集対象データの内容を表す情報であるビューの状態が格納されている。最上部のビューが表示の場合は,編集対象データにおいて縦方向のビューが最上部にあることを,最下部のビューが表示の場合は,編集対象データにおいて縦方向のビューが最下部にあることを,最上部・最下部のビューが共に表示の場合は,編集対象データにおいて縦方向のビューが最上部から最下部までを表示できていることを,夫々表している。また,上記以外のビュー状態の場合は,
最上部のビューが表示,最下部のビューが表示,
最上部・最下部のビューが共に表示以外のビュー状態であること,例えば最上部及び最下部のビューが表示されていない中間的なビュー状態を表している。
【0063】
また,操作情報42は,操作メニュー情報と操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令とを関連付けた情報である。
この
操作情報42により,出力手段10に表示された操作メニュー情報にポインタが指定された場合に,どの命令を実行すればよいかを特定することができる。
【0064】
操作メニュー情報とは,ポインタの座標位置によって実行される
命令結果を利用者が理解できるように出力手段10に表示するための画像データである。そして,当該操作メニュー情報には,出力手段10に表示する際に,画面上のどの座標位置・範囲に表示するかという表示位置・範囲に関する情報も含まれる。この表示位置・範囲に関する情報としては,例えば,操作メニュー情報が画面上に表示された際に占める絶対的な座標位置・範囲を示す情報や,編集対象データが表示される画面上の座標位置・範囲における操作メニュー情報の占める相対的な位置・範囲を示す情報などが該当する。
【0065】
また,操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令とは,入力支援コンピュータシステムに対する実行命令であり,例として,編集対象データにおける内部のデータ状態を変化させる命令がある。この編集対象データにおける内部のデータ状態を変化させる命令とは,記憶手段40・50に格納されている編集対象データの内容(データ状態)に変更を加える命令であり,例えば,ビューの状態を変化させる命令が該当する。
【0069】
2,

本発明の実施のフローについて

【0070】
図4は,本発明に係る入力支援コンピュータシステムの実施フロー図である。同図に基づいて,本発明の実施のフローを説明する。
【0071】
(1)

まず,処理手段20としてのCPUが,入力手段30として

のマウス・キーボードから,入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令を受信する(S1)。
【0072】
入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令とは,入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンが利用者によって押されたことを伝えるために,入力手段30としてのマウス・キーボードが処理手段20としてのCPUに対して発する電気信号である。
【0073】
(2)

次に,処理手段20としてのCPUが,利用者によって当該

押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を受信するまでに,入力手段30としてのマウス・キーボードから,出力手段10としてのディスプレイに表示しているポインタの位置を移動させる命令を受信したか否かを判断する
(S2)処理手段20としてのCPUが,

ポインタの位置を移動させる命令を受信する前に終了動作命令を入力手段30としてのマウス・キーボードから受信した場合は,本発明に係る処理は終了する。
【0074】
利用者によって当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令とは,当該入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンが利用者によって離されたことを伝えるために,入力手段30としてのマウス・キーボードが処理手段20としてのCPUに対して発する電気信号である。先の開始動作命令が発せられて処理手段20としてのCPUが受信してから,終了動作命令が発せられて処理手段20としてのCPUが受信するまでは,入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンが利用者により押されていることを,処理手段20としてのCPUは認識することができる。すなわち,処理手段20としてのCPUは,利用者によって当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を,入力手段30としてのマウス・キーボードから受信するまで,利用者が本発明に係る処理の続行を希望していることを認識する。
【0075】
(3)

S2において,終了動作命令を受信する前にポインタの位置

を移動させる命令を入力手段30としてのマウス・キーボードから受信した場合は,処理手段20としてのCPUが,当該受信した際の記憶手段40としてのHDDに記憶されているデータの状態を特定する。さらに,処理手段20としてのCPUは,当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報41に関連付いている操作情報42を特定し,当該特定した操作情報42における操作メニュー情報を,記憶手段40としてのHDDから読み出して出力手段10としてのディスプレイに表示する(S3)。
【0076】
ここで,記憶手段40としてのHDDに記憶されているデータの状態の例として,記憶手段40としてのHDDに格納されている編集対象データの内容(データ状態),例えば,編集対象となっている文章・表計算のデータのうち実際に出力手段10としてのディスプレイに表示するビューの範囲の状態,データを印刷する際の印刷対象となる範囲の状態,文章のデータの書式やフォントの設定値の状態,現在処理の対象となっている(アクティブとなっている)データがあるか否かの状態,等を表す情報が該当する。他にも,記憶手段40としてのHDDに記憶されているデータの状態の例として,記憶手段40の総記憶容量分における実際に使用されている記憶容量の割合を表す情報,等が該当する。例えば,記憶手段40の総記憶容量分における実際に使用されている記憶容量の割合が一定割合以上である場合は,処理の結果,記憶容量不足になる可能性もあるため,特定の操作メニュー情報を表示しない,というような使い方もできる。
【0077】
具体的に図を用いてS1~S3を説明する。図5は,処理手段20としてのCPUが編集対象データの内容(データ状態)を出力手段10としてのディスプレイに表示している表示例である。同図に示す例では,編集対象データとしてテキストエディタソフトウェアの文章データを採用している。
【0078】
図5の画面の状態で,システム利用者が入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンを押す。例えば,利用者がマウスにおける左ボタンや右ボタンを押すことや,利用者がキーボードにおける特定のキーを押す行為,等が該当する。これにより,処理手段20としてのCPUが,入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令を,入力手段30としてのマウス・キーボードから受信する(S1)。
【0079】
次に,システム利用者が,先に押した入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンを押し続けたままで,入力手段30としてのマウス・キーボードを使って出力手段10としてのディスプレイの画面上に表示されているポインタ1の移動命令を行う。例えば,マウスにおける左ボタンや右ボタンを押したままマウスを移動させること(ドラッグ操作)や,キーボードにおける特定のキーを押しつつマウスを移動させる行為,等が該当する。処理手段20としてのCPUは,利用者によって当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を受信するまでに,入力手段30としてのマウス・キーボードから,出力手段10としてのディスプレイに表示しているポインタ1の位置を移動させる命令を受信したか否かを判断する(S2)。
【0080】
そして,S2において,終了動作命令を受信する前にポインタ1の位置を移動させる命令を入力手段30としてのマウス・キーボードから受信した場合は,処理手段20としてのCPUが,当該受信した際の記憶手段40としてのHDDに記憶されているデータの状態を特定する。さらに,処理手段20としてのCPUは,当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報41に関連付いている操作情報42を特定し,当該特定した操作情報42における操作メニュー情報を,記憶手段40としてのHDDから読み出して出力手段10としてのディスプレイに表示する(S3)。図2におけるデータ状態情報41及び操作情報42を使用して説明すると,例えば,特定したデータ状態が最上部のビューが表示されている状態であれば,操作情報42におけるメニューAやメニューBの操作メニュー情報が,特定したデータ状態が最下部のビューが表示されている状態であれば,操作情報42におけるメニューCやメニューDの操作メニュー情報が,出力手段10としてのディスプレイに表示される。
【0081】
先の図5の画面の状態から,S3により操作メニュー情報が,出力手段10としてのディスプレイに表示された画面例が図6である。同図に示すのは,先に特定されたデータ状態が最上部のビューが表示されている状態であり,操作情報42におけるメニューAやメニューBのような,様々な操作メニュー情報(101~105)が編集対象データ上に表示されている。例えば,操作メニュー情報101は右方向にビューを変化させることを表す操作メニューであり,操作メニュー情報104は下方向にビューを変化させることを表す操作メニューであり,操作メニュー情報105は操作メニュー情報104よりも早いスピードで下方向にビューを変化させることを表す操作メニューである。
さらに,
操作メニュー情報102はドラッグ開始位置までビューを変化させることを表す操作メニューであり,ドラッグ開始位置とは,システム利用者が入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンを押した際(開始動作命令を行った際)のポインタ1の座標位置を意味する。また,操作メニュー情報103はビューの最下部までビューを変化させることを表す操作メニューである。
【0082】
図6の画面状態において,入力手段30としてのマウス・キーボードを使ってポインタ1を各操作メニュー情報
(101~105)
に指定し,
所定の時間が経過すると,操作情報42において当該指定した操作メニュー情報に関連付いている命令が,処理手段20としてのCPUにより実行されることになる。
【0083】
また,S3により,操作メニュー情報が出力手段10としてのディスプレイに表示された他の画面例が図7である。同図に示すのは,先に特定されたデータ状態が上記以外のビュー状態であり,様々な操作メニュー情報(102~105,111~116)が編集対象データ上に表示されている。例えば,操作メニュー情報111は上方向に早いスピードでビューを変化させることを表す操作メニューであり,操作メニュー情報112は上方向にビューを変化させることを表す操作メニューであり,操作メニュー情報113はビューの最上部までビューを変化させることを表す操作メニューである。操作メニュー情報114は現在処理の対象(アクティブ)となっている文章の選択範囲の先頭までビューを変化させることを表す操作メニューであり,図7ではテスト品質の文字の最初の位置が選択先頭の位置となる。操作メニュー情報115は現在処理の対象(アクティブ)となっている文章の選択範囲の末尾までビューを変化させることを表す操作メニューであり,図7ではテスト品質の文字の最後の位置が選択末尾の位置となる。操作メニュー情報116は右方向にビューを変化させることを表す操作メニューである。【0084】
図7の画面状態において,入力手段30としてのマウス・キーボードを使ってポインタ1を各操作メニュー情報(102~105,111~116)に指定し,所定の時間が経過すると,操作情報42において当該指定したメニュー情報に関連付いている命令が,処理手段20としてのCPUにより実行されることになる。
【0085】
また,S3により,操作メニュー情報が出力手段10としてのディスプレイに表示された他の画面例が図8である。同図に示すのは,先に特定されたデータ状態が上記以外のビュー状態であり,様々な操作メニュー情報(102,103,113,121)が編集対象データ上に表示されている。例えば,操作メニュー情報121は,△マークが向いている方向にビューを変化させることを表す操作メニューであり,特に,
円の外側にあるマークは,円の内側にあるマークよりも,単位時間当たりに早くビューを変化させることを意味している。
【0086】
図8の画面状態において,入力手段30としてのマウス・キーボードを使ってポインタ1を各操作メニュー情報(102,103,113,121)に指定し,所定の時間が経過すると,操作情報42において当該指定したメニュー情報に関連付いている命令が,処理手段20としてのCPUにより実行されることになる。
【0087】
(4)

次に,処理手段20としてのCPUが,利用者によって先に

押されていた入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を,入力手段30としてのマウス・キーボードから受信したか否かを判断する(S4)。
【0088】
例えば,図5のような画面状態において,システム利用者が,先に押した入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンを押し続けたままで,入力手段30としてのマウス・キーボードを使って出力手段10としてのディスプレイの画面上に表示されているポインタ1の移動命令を行い,図6のような状態になったが,その後当該命令ボタンを離した状態が該当する。この場合は,当該命令ボタンを離すことにより,入力手段30としてのマウス・キーボードが処理手段20としてのCPUに,終了動作命令を送信することになる。
【0089】
(5)

そして,S4において終了動作命令を受信した場合は,処理

手段20としてのCPUは,先に出力手段10としてのディスプレイに表示した操作メニュー情報の表示を終了させ,本発明に係る処理も終了する(S5)。すなわち,図6のような状態で,システム利用者が,先に押した入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンを離すと,図5の画面状態に戻るのである。これにより,出力手段10としてのディスプレイに表示した操作メニュー情報の表示が速やかに解消されるため,利用者の不要になった操作メニュー情報の表示を画面上から消したいという意思がすぐに反映されることになる。【0090】
(6)

次に,処理手段20としてのCPUは,出力手段10として

のディスプレイに表示した操作メニュー情報が,入力手段30としてのマウス・キーボードを介してポインタ1により指定されると,記憶手段40としてHDDから実行猶予時間の指標情報44を読み出して出力手段10としてのディスプレイに表示する。そして,処理手段20としてのCPUは,当該表示した操作メニュー情報がポインタ1により指定された状態で,記憶手段40としてHDDに記憶されている実行猶予時間情報43が表す実行猶予時間が経過したか否かを判断する(S6)。【0095】
(7)

S6において,処理手段20としてのCPUが,先に表示し

た操作メニュー情報がポインタ1により指定された状態で,記憶手段40としてHDDに記憶されている実行猶予時間情報43が表す実行猶予時間が経過したと判断すると,当該ポインタ1により指定された操作メニュー情報に関連付いている命令を,記憶手段40としてHDDから読み出して実行する(S7)。
【0096】
例えば,図7のような画面状態で実行猶予時間情報43が表す実行猶予時間が経過すると,処理手段20としてのCPUは,ポインタ1により指定されている操作メニュー情報104に関連付いている命令を記憶手段40としてHDDに記憶されている操作情報42より特定し,読み出して実行する。操作メニュー情報104を例にすると,ビューを下方向に移動させるという命令が実行されることになる。また,ポインタ1により操作メニュー情報104が指定されている限り,一定の時間間隔で継続的に当該操作メニュー情報104に関連付いている命令を実行し続けることになり,徐々にビューが下方向に動いていき,画面がスクロールしていくことになる。
【0097】
(8)

続いて,処理手段20としてのCPUは,S7での命令の実

行により変化した記憶手段40としてのHDDに記憶されているデータの状態(例えば,画面のビューの状態)を特定し,当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報41に関連付いている操作情報42を特定し,当該特定した操作情報42における操作メニュー情報を,記憶手段40としてのHDDから読み出して出力手段10としてのディスプレイに表示する(S8)。
【0098】
例えば,図7のような画面状態において,ポインタ1により操作メニュー情報112が指定された状態で実行猶予時間が経過し,HDDに記憶されている操作情報42において当該操作メニュー情報112に関連付いている
ビューを上方向に移動させる
という命令が実行されると,
図7のビューが変化することによるHDDに記憶されているデータの状態の変化が生じる。その結果,当該ビューの変化後の状態に応じたデータ状態情報41が特定され,当該特定した操作情報42における操作メニュー情報を,記憶手段40としてのHDDから読み出して出力手段10としてのディスプレイに表示されることにより,図6のような画面状態に遷移する。
【0099】
図7の画面状態では,記憶手段40としてのHDDに記憶されている操作情報42において,上記以外のビュー状態に関連付いている操作メニュー情報が表示されている。これに対し,図7の画面状態からビューが上方向に移動したことにより,記憶手段40としてのHDDに記憶されている操作情報42において,最上部のビューが表示に関連付いている操作メニュー情報が図6では表示されている。図7では,最上部のビューが表示されていないため,ビューを上方向に移動させるための操作メニュー情報(111~113)が画面上に表示されているのに対し,図6では,既に最上部のビューが表示されているため,ビューを上方向に移動させるための操作メニュー情報(111~113)を表示する必要はない。よって,図6では,ビューを上方向に移動させるための操作メニュー情報(111~113)は,画面上に表示されていない。
【0100】
S8の処理が終わると,先のS4の終了動作命令の受信判断に戻る。そして,処理手段20としてのCPUが,利用者によって先に押されていた入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を,入力手段30としてのマウス・キーボードから受信するまで,本処理は続行することになる。
【0101】
(9)

以上のように,本発明を利用すると,入力手段30としての

マウスキーボードにおける命令ボタンが利用者によって押されてから,・
離されるまでの間に,
ポインタ1の位置を移動させる命令を受信すると,
処理手段20としてのCPUは,画像データである操作メニュー情報を出力手段10としてのディスプレイに表示し,ポインタ1の指定により命令が実行される。特に,入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンが利用者によって押されてから,
離されるまでの間は,
画像データである操作メニュー情報をポインタ1によって指定し続けることにより,特定の命令を何回でも実行する,という継続的な操作が可能になる。また,入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンが利用者によって離されると,出力手段10としてのディスプレイに表示されていた操作メニュー情報の表示が終了する。

前記アの記載事項によれば,本件明細書には,本件各発明に関し,次のような開示があることが認められる。
(ア)

従来のコンピュータシステムには,システム利用者の入力行為を支
援するための手段として,マウスを右クリックすることにより,画面上にマウスが指し示しているポインタ位置に応じた操作コマンドのメニューが表示されるコンテキストメニューや,マウス操作の一種であるドラッグ&ドロップ等が存在するところ,
コンテキストメニュー
は,必要な場合に操作コマンドのメニューを画面上に表示させるという点でシステム利用者にとって有益であるが,マウスの左クリックを行う等するまではずっとメニューが画面に表示され続け,また,利用者が間違って右クリックを押してしまった場合等は,利用者の意に反してメニューが画面上に表示されてしまうので不便であり,一方,ドラッグ&ドロップは,ドラッグしたポインタ位置からドロップしたポインタ位置まで画面をスクロールさせるような一時的動作には向いているが,継続的な動作,例えば,移動させる位置を決めないで徐々に画面をスクロールさせていくような動作に適用させるのは難しく,その応用技術としてのコマンドメニュー表示方法でも,継続的な動作の実行に適用させるのは難しいという問題があった(【0002】~【0005】)。(イ)

本発明が解決しようとする課題は,システム利用者の入力を支

援するためのコンピュータシステムにおける簡易かつ便利な入力の手段を提供することにあり,特に,利用者が必要になった場合にすぐに操作コマンドのメニューを画面上に表示させ,必要である間についてはコマンドのメニューを表示させ続けられる手段の提供を目的とするものである(【0006】)。
本発明は,入力手段における命令ボタンが利用者によって押され
てから,離されるまでの間に,ポインタの位置を移動させる命令を受信すると,画像データである操作メニュー情報を出力手段に表示し,ポインタの指定により命令が実行され,記憶手段に記憶されているデータの状態に応じた操作メニュー情報が出力手段に表示される構成を採用し,当該データ状態に適合した操作メニュー情報が表示されるため,
例えば,
操作メニュー情報に関連付いた命令が実行されることにより,文章・表計算のデータのうち実際に出力手段に表示するビューの状態が変化すれば,
当該ビューの状態に応じた操作メニュー情報が表示されるので,
利用者の使い勝手を考えた柔軟な操作メニュー情報の表示等が可能となる(【0041】ないし【0043】)。
そして,本発明を利用すると,入力手段における命令ボタンが利
用者によって押されてから,離されるまでの間に,ポインタの位置を移動させる命令を受信すると,画像データである操作メニュー情報を出力手段に表示し,ポインタの指定により命令が実行され,特に,入力手段における命令ボタンが利用者によって押されてから,離されるまでの間は,画像データである操作メニュー情報をポインタで指定することによって,
当該命令を何回でも実行する,
という継続的な操作が可能になり,
また,入力手段における命令ボタンが利用者によって離されると,出力手段に表示されていた操作メニュー情報の表示が終了するという効果を奏する(【0051】)。


構成要件Bの操作メニュー情報の意義について

本件発明3の特許請求の範囲(請求項3)は,情報を記憶する記憶手段と,情報を処理する処理手段と,利用者に情報を表示する出力手段と,利用者からの命令を受け付ける入力手段とを備えたコンピュータシステムにおけるコンピュータプログラムであって,利用者が前記入力手段を使用してデータ入力を行う際に実行される入力支援コンピュータプログラムであり,前記記憶手段は,ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データである操作メニュー情報と,当該操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令と,を関連付けた操作情報を1以上記憶し,当該操作情報は,前記記憶手段に記憶されているデータの状態を表す情報であるデータ状態情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されており,前記処理手段に,(1)前記入力手段を介して,前記入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令を受信した後から,利用者によって当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を受信するまでにおいて,以下の(2)及び(3)を行うこと,(2)前記入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すると,当該受信した際の前記記憶手段に記憶されているデータの状態を特定し,当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に関連付いている前記操作情報を特定し,当該特定した操作情報における操作メニュー情報を,前記記憶手段から読み出して前記出力手段に表示すること,(3)前記入力手段を介して,当該出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されると,当該ポインタにより指定された操作メニュー情報に関連付いている命令を,前記記憶手段から読み出して実行し,当該出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されなくなるまで当該実行を継続すること,当該命令の実行により変化した前記記憶手段に記憶されているデータの状態を特定し,当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に関連付いている前記操作情報を特定し,当該特定した操作情報における前記操作メニュー情報を,前記記憶手段から読み出して前記出力手段に表示すること,(4)前記入力手段を介して,前記開始動作命令の受信に対応する,前記命令ボタンが利用者によって離されたことによる終了動作命令を受信すると,前記出力手段へ表示している前記メニュー情報の表示を終了すること,を実行させることを特徴とする入力支援コンピュータプログラム。との記載がある。上記記載から,構成要件Bの操作メニュー情報は,ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データであり,出力手段に表示され,利用者が実行される命令結果を理解できるように構成されていることを理解できる。
次に,本件明細書には,操作メニュー情報に関し,「ポインタの座標位置とは,前記出力手段における画面上での現在位置を示す絵記号であるカーソル(マウスカーソル)が指し示している画面上での座標位置である。ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示する画像データとは,当該ビットマップ形式やベクター形式の画像データにポインタを合わせることで,どのような命令が実行されるのかをシステム利用者が理解できるように構成されている画像データであることを意味する。例えば,どのような命令が実行されるのか,を表す文字を含んだ画像データであったり,アイコンのように実行される命令の内容や対象を小さな絵や記号で表現した画像データが考えられる。」(【0012】)との記載があり,また,操作メニュー情報の実施例として,101(右方向にビューを変化させることを表す操作メニュー),104(下方向にビューを変化させることを表す操作メニュー),105(早いスピードで下方向にビューを変化させることを表す操作メニュー),111(上方向に早いスピードでビューを変化させることを表す操作メニュー),112(上方向にビューを変化させることを表す操作メニュー)及び121(△マークが向いている方向にビューを変化させることを表す操作メニュー)は,△マークの記号でビューを変化させる向き及び早さ(△マークを2つ上下に並べたものが△マークが1つのものよりも早い)を示し,
103
(ビューの最下部までビューを変化させることを表す操作メニュー)は,末尾の文字のアイコン,113(ビューの最上部までビューを変
化させることを表す操作メニュー)は,先頭の文字のアイコン,114(現在処理の対象(アクティブ)となっている文章の選択範囲の先頭までビューを変化させることを表す操作メニュー)は,選択先頭の文字のアイコン,115(現在処理の対象(アクティブ)となっている文章の選択範囲の末尾までビューを変化させることを表す操作メニュー)は,選択末尾の文字のアイコンでそれぞれ実行される命令結果の内容を端的に示している(【0081】,【0083】,【0085】,図6ないし図8)。
以上の本件発明3の特許請求の範囲(請求項3)の記載及び本件明細書の記載によれば,構成要件Bの操作メニュー情報は,ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データであり,出力手段に表示され,利用者がその表示自体から実行される命令結果の内容を理解できるように構成されていることを要するものと解される。

これに対し控訴人は,構成要件Bの操作メニュー情報は,命令の対象や内容のいずれかを,小さな絵で表現したものが,実行される命令結果を利用者が理解できるという動作・作用を目的・目標として構成されている画像データであって,画面上のどの座標位置・範囲に表示するかという表示位置範囲に関する情報・
を含むものである旨主張する。
しかしながら,
本件発明3の特許請求の範囲
(請求項3)
の記載中には,
操作メニュー情報が実行される命令結果を利用者が理解できるという動作・作用を目的・目標として構成されている画像データであることの根拠となる記載は存在せず,控訴人の上記主張は,特許請求の範囲の記載に基づかないものであるから,採用することができない。



被告製品における操作メニュー情報(構成要件B)の具備の有無について
控訴人は,①被告製品の本件ホームアプリにおける上ページ一部表示及び下ページ一部表示は,その内容や表示位置からすれば,これを見た利用者は上ページ又は下ページにスクロールする結果を理解できるといえるから,利用者が,その表示の有無を視覚的に認識でき,その表示内容から,所望の命令を実行した結果についても理解できるような,画像データに当たり,
操作メニュー情報に該当する,②被告製品における左上領域(別紙参考図の図1記載の左側の赤色の点線枠内),右上領域(同図1記載の右側の赤色の点線枠内),左下領域(同図2記載の左側の赤色の点線枠内,同図3のB記載の左側の画像)及び右下領域(同図2記載の右側の赤色の点線枠内,同図3のB記載の右側の画像)は,
操作メニュー情報
に該当する旨主張する。

そこで検討するに,被告製品の構成エ(ウ),(エ),オ(ウ)及び(エ)及び別紙乙2の2の説明図によれば,被告製品においては,①利用者が,移動させたいショートカットアイコンをロングタッチし,ドラッグ操作をすることにより当該ショートカットアイコンを移動させ,ロングタッチした位置と当該ショートカットアイコンをドラッグしている指等のタッチパネル上の位置が約110ピクセル離れた場合に,その際のページ画面が縮小表示されるとともに,そのページ画面のページ番号に応じて,当該ページが上端ページであれば1つ下のページの一部の画像である下ページ一部表示のみが,下端ページであれば1つ上のページの一部の画像である上ページ一部表示のみが,それ以外のページであればこれらがいずれもIGZO液晶ディスプレイに表示される縮小モードとなること,②縮小モードの状態で,上ページ一部表示が表示されているとき,
利用者が当該ショートカットアイコンをドラッグしている指等及びマウスカーソルの先端の座標位置を左上領域又は右上領域のいずれかの
範囲に入れたときは,上ページスクロール1又は上ページスクロール2を生じさせる命令が実行され,また,縮小モードの状態で,下ページ一部表示が表示されているとき,利用者が当該ショートカットアイコンをドラッグしている指等及びマウスカーソルの先端の座標位置を左下領域又は右下領域のいずれかの範囲に入れたときは,下ページスクロール1又は下ページスクロール2を生じさせる命令が実行されることが認められる。

しかるところ,被告製品の上ページ一部表示及び下ページ一部表示は,別紙乙2の2の説明図の図6等に示すように,縮小モードの状態で,IGZO液晶表示ディスプレイの画面上に表示される長方形状上の画像データであるが,その表示には実行される命令結果の内容を表現し,又は連想させる文字や記号等は存在せず,利用者がその表示自体から実行される命令結果の内容を理解できるように構成されているものと認めることはできない。
また,利用者が,縮小モードの状態で,1つ上のページ又は1つ下のページの一部を表示した画像である上ページ一部表示又は下ページ一部表示を見て,上ページ一部表示又は下ページ一部表示までドラッグすれば,上ページ又は下ページに画面をスクロールさせることができるものと考え,実際にそのように画面をスクロールさせる操作をしたとしても,それは,上ページ一部表示又は下ページ一部表示の表示
自体から実行される命令結果の内容を理解するのではなく,操作の経験を通じて,画面をスクロールさせることができることを認識するにすぎないものといえる。
したがって,被告製品の上ページ一部表示及び下ページ一部表示
は,利用者がその表示自体から実行される命令結果の内容を理解できるように構成された画像データであるものと認めることはできないから,構成要件Bの操作メニュー情報に該当しない。


次に,前記アの認定事実によれば,被告製品における左上領域,右上領域,左下領域及び右下領域は,いずれも,被告製品の出力手段であるIGZO液晶表示ディスプレイの画面上の特定の座標位置で囲まれた領域であり,その領域は,画面上に画像データとして表示されているものではなく,利用者が画面上で認識できるものではない。
したがって,被告製品における左上領域,右上領域,左下領域及び右下領域は,出力手段に表示され,利用者が実行される命令結果を理解できるように構成されている画像データであるものと認めることはできないから,構成要件Bの操作メニュー情報に該当しない。



以上によれば,控訴人の前記主張は,理由がない。
小括
以上のとおり,被告製品は,構成要件Bの操作メニュー情報を備えて
いないから,被告製品及び被告製品にインストールされた本件ホームアプリは,構成要件Bを充足するものと認めることはできない。
そうすると,その余の点について判断するまでもなく,本件ホームアプリは,本件発明3の技術的範囲に属するものと認めることはできず,被告製品は,本件発明4の技術的範囲に属するものと認めることはできない。2
結論
以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,控訴人の請求は理由がなく,控訴人の請求を棄却した原判決は結論において正当である。したがって,本件控訴は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。

知的財産高等裁判所第4部

裁判長裁判官

大鷹一郎
裁判官

本吉弘行
裁判官

中村恭
(別紙)
本件明細書の図面

【図1】

【図2】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

(別紙)

乙2の2の説明図

ここでは,乙2号証の動画について,ホーム画面の2ページ目,上から2段目右から2列目に表示されているFacebookアイコンをポインティングペン(以下,ペンという)で選択し,5ページ目に移動する例を説明する。図1~図16は,対象製品SHV32の動画キャプチャ機能を使用して,ホーム画面上に表示されているアイコンを移動する一連の動作を録画したものである。なお,
開発者向けオプションの機能を使って表示される青い十字の図形及び画面上部に表示される座標の数値も表示し,適宜,説明に用いる。
図1(動画の開始時)
全5ページで構成されているホーム画面の2
ページ目を表示している(図1)。

図2(動画の1秒目)
ペンで選択された箇所は、タッチパネルの画
面上に青い十字の交点部分により表示される
(図2)。
(図上の白い矢印は、説明の便宜のため被告
が付した。)

図3(動画の2秒目)
ペンでFacebookアイコンを選択する
と、Facebookアイコンの背景が白く
表示される(図3)。
さらに,開発者向けオプションの機能を
使って表示される座標の数値も表示される。

【図3の座標値】
X座標:705.0,Y座標:475.0

図4(動画の3~4秒目)
ペンでFacebookアイコンを、ホーム
画面の2ページ目の下方にドラッグする(図
4)。

【図4の座標値】
X座標:699.0,Y座標:569.0

図5(動画の3~4秒目)
ペンでFacebookアイコンを、ホーム
画面の2ページ目の下方にさらにドラッグす
る(図5)。
【図5の座標値】
X座標:701.0、Y座標:611.0

このとき、ホーム画面の2ページ目の上下に
あるページ(1ページ目、3ページ目)の一
部は,まだ表示されていない。

図6(動画の4~5秒目)

ペンでFacebookアイコンを,ホーム
画面の2ページ目の下方にさらにドラッグす
る(図6)。

【図6の座標値】
X座標:702.0,Y座標:670.0

このとき,初めてホーム画面の2ページ目の
上下にあるページ
(1ページ目、
3ページ目)
の一部が表示される。
(図上の白い矢印は、説明の便宜のため被告
が付した。)

図7(動画の5~9秒目)

ペンでFacebookアイコンを、ホーム
画面の2ページ目の下にあるページ(3ペー
ジ目)の一部の方向へドラッグする(図7)。

【図7の座標値】
X座標:758.0,Y座標:1440.0

この時点では,ホーム画面の2ページ目の下
にあるページ(3ページ目)の一部は,まだ
表示に変化はない。

図8(動画の10~11秒目)

ペンでFacebookアイコンを、ホーム
画面の2ページ目の下にあるページ(3ペー
ジ目)の一部の方向へドラッグする(図8)。
【図8の座標値】
X座標:758.0,Y座標:1492.0
この時点では、ホーム画面の2ページ目の下
にあるページ(3ページ目)の一部は、まだ
表示に変化はない。
また,青い十字の交点部分は、ホーム画面の
2ページ目の下にあるページ(3ページ目)
の一部に重なっていない。
(図上の白い矢印は、説明の便宜のため被告
が付した。)

図9(動画の11秒目)
ペンでFacebookアイコンを、ホーム
画面の2ページ目の下にあるページ(3ペー
ジ目)
の一部の方向へさらにドラッグする
(図
9)。
【図9の座標値】
X座標:758.0、Y座標:1500.0
このとき,初めてホーム画面の2ページ目の
下にあるページ(3ページ目)の一部が白い
表示に変化する。
青い十字の交点部分は,ホーム画面の2ペ
ージ目の下にあるページ(3ページ目)の一
部に重なっていない。

図10の1(動画の11秒目)

ペンでFacebookアイコンを選択したま
ま、現在の座標位置をほぼ維持する(図10の
1)。
【図10の1、及び図10の2の座標値】
X座標:758.0,Y座標:1502.0
このとき、ペンでFacebookアイコンを
図10の1の座標値で選択した状態を維持する
とホーム画面の2ページ目の下にあるページ
(3ページ目)の一部が、上方向にジャンプを
開始する(図10の2)。
ジャンプを開始した瞬間,青い十字の交点部分
は、ホーム画面の2ページ目の下にあるページ
(3ページ目)の一部に重なっていない(図1

図10の2(動画の11~12秒目)

0の1)。

図11(動画の12秒目)
図10においてジャンプした結果、ホーム画面
は3ページ目を表示する(図11)。

【図11の座標値】
X座標:758.0,Y座標:1502.0

このとき,ホーム画面の3ページ目の上下にあ
るページ(2ページ目,4ページ目)の一部も
表示される。
青い十字の交点部分は,ホーム画面の3ページ
目の下にあるページ(4ページ目)の一部に重
なっていない。

図12(動画の12秒目)

ペンでFacebookアイコンを図11の
位置で選択した状態を維持すると,図10~
図11と同様に,ホーム画面の3ページ目の
下にあるページ(4ページ目)の一部が,上
方向にジャンプし,ホーム画面には4ページ
目が表示され,さらに4ページ目の下にある
ページ(5ページ目)の一部が表示される。
(図12)。

【図12の座標値】
X座標:758.0,Y座標:1502.0

図13(動画の13~14秒目)
ペンでFacebookアイコンを選択した
状態を維持すると,図10~図11および図
12と同様に,ホーム画面の4ページ目の下
にあるページ(5ページ目)の一部が,上方
向にジャンプし,ホーム画面に5ページ目が
表示される。(図13)。

【図13の座標値】
X座標:580.0,Y座標:1347.0

図14(動画の16秒目)
タッチパネルからペンを離すと,青い十字の
図形が消える(図14)。

図15(動画の16秒目)
ホーム画面の2ページ目にあったFace
bookアイコンは,ホーム画面の5ペー
ジ目に移動が完了する(図15)。

図16(動画の17秒目)
ホーム画面の5ページ目の上に表示されてい
たページ(4ページ目)の一部の表示も消え
る(図16)。

以上

(別紙)
参考図
図1

上ページ一部表示と左上領域及び右上領域の重なる範囲

図2

下ページ一部表示と左下領域及び右下領域の重なる範囲

図3

AB
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