判例検索β > 令和1年(わ)第1350号
殺人、死体遺棄被告事件
事件番号令和1(わ)1350
事件名殺人,死体遺棄被告事件
裁判年月日令和2年10月9日
裁判所名・部さいたま地方裁判所
裁判日:西暦2020-10-09
情報公開日2020-11-05 16:00:23
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主文
被告人を懲役16年に処する
未決勾留日数中250日をその刑に算入する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は
第1

令和元年9月17日午後3時55分頃から同日午後5時45分頃までの間に,さいたま市内に所在する別紙記載の集合住宅204号室別紙記載のA方において,養子である別紙記載のB(当時9歳)に対し,殺意をもって,その頸部を背後から電源コード(長さ約317.46センチメートル)で絞め付け,よって,その頃,同所において,同人を頸部圧迫による窒息により死亡させ
第2

その頃,A方から,前記集合住宅205号室前の電気水道設備室内にBの死体を運び込み,その上にリュックサック及びビニール袋を乗せた上,同室の扉を閉めて隠匿し,もって死体を遺棄した。

(証拠の標目)
(省略)
(法令の適用)
(省略)
(量刑の理由)
量刑判断の中心となる殺人についてみると,被害者の母と婚姻して両名と同居生活を送っていた被告人が,僅か9歳の被害者に対し,背後から電源コードでその頸部を分単位の時間にわたり絞め続けたという犯行態様は,被害者を確実に殺害するものであり,強固な殺意に基づくものといえる。被害者の生命を奪った結果は重大というほかなく,遺族が峻烈な処罰感情を抱くのは当然である。
被告人は無意識に被害者を殺害したなどと供述し,具体的な動機は判然としないが,仮に被告人の供述するような,被害者による帽子の紛失や火遊びなどの問題行動に苦慮していたところに,被害者の言動に触発されて衝動的に殺害を決意したような経緯があったとしても,そもそも被害者は未だ9歳であり,被告人が本件犯行の経緯にあったという被害者の問題行動も,被害者の母の証言を併せてみてもさほど深刻なものとまではいえないこと,被告人は養父としてそのような幼い被害者を養育すべき立場にあったこと,その養子縁組から本件犯行まで僅か半年程度であることなどに照らせば,被害者に何らの落ち度もないことは当然であり,被告人の意思決定はあまりに短絡的で経緯に酌量の余地はなく,強い非難に値する。死体遺棄についても,被害者殺害の発覚を免れるために,その遺体を電気水道設備室内に運び込むなどして隠匿したもので,身勝手で悪質な犯行である。以上を前提とすると,本件は,単独でひも・ロープ類を用いて子又はその他の親族である被害者1名を殺害したという同種事案(なお,被告人と被害者の前述のような親子としての関係の希薄さ等に鑑み,被告人から見た被害者の立場を子又はその他の親族とする条件を除いた場合の量刑傾向をも併せ考慮する。の中で,)
中心的
な分布の幅よりも相当程度重い部類に属するものというべきである。その上で,被告人が被害者らとの同居生活を送る中で家事を分担するなど被告人なりの努力をしてはいたこと,公訴事実自体は認めて被害者らに謝罪の弁を述べるなどしていること,被告人の母が被害者の母に現金合計210万円の支払いをしたこと,前科がないことなどの一般情状も考慮して,主文の刑が相当であると判断した。
(検察官の求刑

懲役20年,弁護人の科刑意見

懲役8年)

令和2年10月9日
さいたま地方裁判所第2刑事部

裁判長裁判官

任介辰哉
裁判官

片多
裁判官

久野康雅貴
(別紙)

・集合住宅
さいたま市(以下省略)

・A
(省略)

・B
(省略)

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