判例検索β > 令和2年(行コ)第7号
事件番号令和2(行コ)7
裁判年月日令和2年9月25日
裁判所名・部福岡高等裁判所
原審裁判所名熊本地方裁判所
原審事件番号平成29(行ウ)16
裁判日:西暦2020-09-25
情報公開日2020-10-22 12:00:20
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主文1
原判決を取り消す。

2
処分行政庁が控訴人に対して平成26年8月11日付けでした地
方公務員災害補償法に基づく公務外認定処分を取り消す。

3
訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
主文同旨
第2事案の概要(略称等は,特に断らない限り,原判決の表記による。また,平成23年の日付や月の表記については年の表記を省略することがある。)1本件は,
天草市立A小学校
(本件小学校)
で教諭として勤務していた控訴人が,
脳幹部出血を発症して後遺障害を負ったことにつき,この脳幹部出血の発症(本件発症)は公務により生じたものであると主張し,地方公務員災害補償法に基づき,本件発症について公務災害認定請求を行ったが,処分行政庁が平成26年8
月11日付けで公務外認定処分(本件処分)をしたため,本件処分の取消しを求めた事案である。
原判決は控訴人の請求を棄却し,控訴人が,原判決を不服として控訴した。2前提事実及び当事者の主張は,後記3のとおり補正し,後記4のとおり控訴理由を,後記5のとおり当審における被控訴人の主張を,それぞれ追加するほか,
原判決事実及び理由第2の1,2及び3に記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決の別紙2,別紙3及び別紙5は,いずれも本判決に添付した別紙2,別紙3及び別紙5に差し替える。また,原判決の別紙4の1枚目を本判決に添付した別紙4(1枚目)に,原判決の別紙6の28枚目(12月11日に関する表)を本判決に添付した別紙6(28枚目)に,それぞれ
差し替える。
3原判決の補正


原判決2頁12行目の原告には,から同頁13行目の二子があるまでを控訴人は,本件発症の当時,妻,長男(当時小学5年生)及び二男(当時小学1年生)と共に暮らしていたに改める。


原判決2頁23行目の天草都市医師会立を天草郡市医師会立に改め,同頁23行目から24行目にかけての医療センターの後に(以下「本件医療センターという。)を加え,同頁24行目の脳幹出血を脳幹部出血に改め,同頁25行目の前記を本件に改める。⑶

原判決4頁13行目の229時間44分を236時間04分に,同頁14行目の322時間57分を329時間17分に,同頁15行目の152時間27分を158時間47分に,同頁17行目の108時間44分を117時間34分に,それぞれ改める。⑷

原判決8頁5行目の熊本県がから同頁6行目の改変されており,までを研究の成果を表現できるよう,熊本県が用意したフォーマットを大幅に改変して作成されており,に改める。


原判決8頁25行目の校内労働時間の後に

(部活動の引率等により校外で勤務した時間を含む。以下同じ。)

を加え,同頁26行目の本件発症前から9頁1行目のであり,までを削り,同頁1行目の59時間14分を別紙4のとおり,65時間34分に改め,同頁4行目の30分,から45分までを15分に改める。



原判決10頁6行目の末尾に

また,控訴人は,発症前1か月間は,学期末の忙しさに加えて,研究主任としての仕事が集中している時期でもあり,昼休みに15分以上の休息を取ることができなかった。

を加え,同頁7行目から8行目にかけての

昼休み時間は,多く見積もっても30分を超えることはない。

昼の休憩時間を15分と認定するのが相当である。

に改める。


原判決10頁8行目の後に改行して次を加える。
通常の出勤時刻につき,本件調査票では午前7時45分とされているが,本件発症前1か月間における控訴人の通常の出勤時刻は午前7時40分であったとされているから,午前7時40分とするのが相当である。」⑻

原判決10頁11行目の後に改行して次を加える。

エ本件発症前2か月目(10月15日から11月13日まで)の校内勤務時間は,本件調査票に記載された控訴人の出勤時刻及び退勤時刻を基礎とし,10月15日及び11月3日につき出勤時刻及び退勤時刻を修正し,昼の休憩時間は原則15分としつつ,10月23日,同月27日,同月28日,同月30日,11月3日及び同月12日に関しては昼の休憩時間を修正して算定すると,別紙2のとおり,187時間27分となる。

原判決10頁12行目のエをオに改め,2か月目を3か月目
に改める。



原判決13頁4行目の49時間30分を52時間に改める。
原判決13頁6行目の後に改行して次を加える。

カ控訴人は,本件発症前2か月目の時点でも,自宅においてパソコンを用いて業務に従事することを余儀なくされていた。上記期間においても,自宅作業については,PC1の起動又はスリープ終了の時刻を業務の始期とし,PC1の停止又はスリープ開始の時刻を業務の終期とすべきである。これを前提に,私的作業の可能性がある時間を控除すると,本件発症前2か月目における控訴人の自宅作業時間は,別紙2のとおり,81時間16分となる。仮に,上記81時間16分の全てを公務に当てたと認められないとしても,少なくとも本件発症前1か月間において認められる「控訴人が確実にパソコン作業をしていた時間と同じ割合の時間については自宅作業時間と認めるべきであり,
この方法で本件発症前2か月目の自宅作業時間を算定する
と,別紙3のとおり,44時間27分となる。」


原判決13頁9行目の概ね100時間のを100時間を超えるに改める。

原判決13頁12行目のまた,の後に本件発症前2か月間の1か月当たりの平均時間外労働時間は80時間を超えており,を加え,6か月間においても,を6か月間を通じて検討しても,に改める。

原判決18頁22行目の原告は,を削り,同頁23行目の同月30日ですらを同月30日までの間においても,原告がに改める。

原判決19頁20行目の作成されを作成されたに改める。

4控訴理由


本件発症前6か月間における時間外労働時間について
原判決の認定した控訴人の本件発症前6か月間の時間外労働時間では,本件
発症前6か月目(6月17日から7月16日まで)の間が約80時間と一番多くなっている。この期間は1学期であるが,控訴人の研究主任としての業務は1学期よりも2学期の方が増加していたところ,それにもかかわらず2学期の時間外労働時間が減少していたことは,控訴人が増加していた業務の多くを自宅に持ち帰っていたことを示している。このように,控訴人の自宅作業は日常
化していたのであって,本件発症前1か月間より前にも行われていたのであり,
控訴人の本件発症前2か月目から6か月目の間の時間外労働時間が毎月80時間を超えていたと考えるのが合理的である。

本件発症前1か月間の校内時間外労働時間について
原判決は,週40時間を超える部分を時間外労働時間としているが,控訴人の所定勤務時間は,1日所定勤務時間が7時間45分,1週所定勤務時間が38時間45分であるから,控訴人の時間外労働の算定に当たっては,上記38時間45分を超える労働時間数を時間外労働時間として算定すべきである。また,昼の休憩時間につき,本件小学校においては,ほとんどの教員が昼休
みに休憩を取っておらず,控訴人も,昼食をとるのに15分を確保することさえやっとの状況であり,30分は公務に従事していた。したがって,控訴人の通常の昼の休憩時間を15分として勤務時間を計算すべきである。以上に加え,控訴人の通常の出勤時刻を午前7時40分として,本件発症前1か月間における校内労働時間を算定すると,別紙4のとおり,校内総労働時間は236時間04分であり,校内時間外労働時間は65時間34分となる。⑶

自宅における作業時間について

自宅における作業時間の認定に関しては,①パソコンの仕様上,同じ文書ファイルを用いて更新作業を重ねた場合,最後の更新時刻しかプロパティ情報に記録されないから,文書ファイルの作成や更新の記録が残っていなくても,実際にはパソコン作業による公務が行われていた可能性がある,②本件発症前1か月間において,PC1及びPC2は控訴人が業務のためにのみ使
用していたのであり,
控訴人がこれらのパソコンを起動し又はスリープ状態
を終了させる目的は,業務を開始すること以外に考えられない,③控訴人の自宅作業にはパソコンを使用しない業務も多く含まれていた,④控訴人には,自宅において業務以外のことをする余裕はなく,控訴人の自宅におけるパソコン利用時間中に文書ファイル等の新規作成や更新がない場合であっ
ても,
控訴人が公務と関連性のない作業をしていた可能性が低いとの事情がある。これらの事情からすれば,PC1又はPC2の起動又はスリープ終了の時刻を業務開始時刻とし,PC1又はPC2の停止又はスリープ開始の時刻を業務終了時刻とすべきである。本件発症前1か月間におけるPC1及びPC2の稼働時間は,別紙2記載のとおり93時間13分であり,この時間
を控訴人の自宅作業時間であると考えるべきである。

仮に,自宅作業時間について,控訴人がパソコン作業を確実に行っていたと確認できる時間に限定するとしても,前記の①から④までの事情を考慮すれば,自宅におけるPC1又はPC2の稼働時間のうち,文書ファイル等の
作成又は更新の記録やアプリケーションログが1つも残されていない時間は作業時間から除外するが,
1つでも文書ファイル等の作成又は更新記録や
アプリケーションログの記録が残されている場合,少なくとも起動時から最終のファイル作成又は更新の時刻又はアプリケーションログの記録時刻までを作業時間と認定すべきである。ただし,記録されている文書ファイルの内容等を踏まえた実質的な判断も必要である。この方法で本件発症前1か月間における自宅作業時間を集計すると,別紙3のとおり合計52時間とな
り,
本件発症前1か月間における控訴人の自宅における作業時間が52時間を下回ることはあり得ない。


前記⑵及び⑶によれば,本件発症前1か月間における校内時間外労働時間は65時間34分,自宅作業時間は93時間13分であり,上記期間における控訴人の時間外労働時間は158時間47分である。仮に,自宅作業時間を,確
実に自宅でパソコン作業をしていた時間である52時間00分であるとしても,控訴人の時間外労働時間は117時間34分となり,優に100時間を超えている。


仮に,
控訴人の本件発症前1か月間の時間外労働時間が100時間にわずかに足りないことがあるとしても,公務の質的過重性が認められ,時間外労働と
公務の過重性により,公務と本件発症との相当因果関係が認められる。⑹

別紙2のとおり,
本件発症前2か月目
(10月15日から11月13日まで)
における控訴人の校内勤務時間は187時間27分であり,PC1又はPC2の起動又はスリープ終了の時刻を自宅での業務開始時刻とし,PC1又はPC
2の停止又はスリープ開始の時刻を業務終了時刻として,自宅作業時間を算出すると81時間16分となり,これらの事実を前提に本件発症前2か月目における控訴人の時間外労働時間を算出すると,98時間13分となる。したがって,
本件発症前1か月間の時間外労働時間である158時間47分との平均は128時間30分となる。

上記98時間13分の全てを時間外労働時間と認めることができないとしても,本件発症前1か月間に関し,自宅でのパソコン稼働時間のうち控訴人が確実にパソコン作業をしていた時間(前記⑶イ)と認められる割合と同じ割合の時間については,
本件発症前2か月目における自宅作業時間と認めるべ
きである。この方法で本件発症前2か月目の自宅作業時間を算定すると,別紙3のとおり44時間27分となり,この場合の上記期間における控訴人の時間外労働時間は65時間18分となる。この場合,本件発症前1か月間の時間外
労働時間である117時間34分との平均は91時間26分となる。したがって,
本件発症前2か月間の1か月当たりの平均時間外労働時間は8
0時間を超えており,この点からしても本件発症は認定基準を満たす。そして,
本件発症に近接するに従って控訴人の業務が質的過重性を増していたことも考慮すれば,本件発症が公務起因性を有すると認められる。


認定基準は,脳・心臓疾患が業務によるものか否かを判断するに当たっての行政内部の通達であり,一応の合理性があるものであるとしても,裁判所はその基準に拘泥することなく,医学的,自然科学的因果関係を一点の疑いもないほどに立証することができていなくても,現代の医学からみてその因果関係が存在する可能性があり,他の事情を総合検討し,業務が発症の原因となった蓋
然性が証明されたときは,因果関係があるものとして判断すべきである。⑻

厚生労働省による

脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準

では,短期間の過重業務の基準として,発症に近接した時期,すなわち発症前概ね1週間において業務量,業務内容,作業環境等を考慮し,同僚労働者又は同種労働者にとっても特に過重な身体的,精神的負荷と認められるときは業務上のものと判断するとしている。
控訴人については,
本件発症前1か月間において月100時間を超える時間外労働が認められ,認定基準の長期間の過重業務に該当するのみならず,発症との関連が最も強い期間である本件発症前1週間及びその前の1週間はいずれも時間外労働が
週25時間を超えており,短期間の過重業務の要件を満たしている。本件発症は,発症前1か月間における月100時間を超える時間外労働に加え,発症に近接した一,二週間における急激な過重負荷,さらには発症前日の徹夜状況が加わることによって生じたものである。
5被控訴人の主張


原判決の公務起因性に関する法的判断枠組及び週平均40時間を超える労働時間を時間外労働と考えることは妥当であり,控訴人が日常の職務に比較し
て特に過重な業務に従事していなかったとして控訴人の請求を棄却した原判決の判断は結論において正当である。しかし,原判決には,控訴人の時間外労働時間について過大な認定をしている不備がある。

本件発症前1か月間について

控訴人の職務内容に加え,控訴人が学級担任ではなく多くの空き時間があったことからすれば,昼の休憩時間は,本件発症前2か月目から6か月目と同じく45分と認定すべきである。休日出勤日及び部活の引率を行った日についても,
少なくとも通常の出勤日における昼休みと同じ45分の休憩時間
をとっていたと認定すべきである。これを前提とすると,本件発症前1か月間の校内時間外労働時間は多くても41時間59分となる。


自宅での作業時間については,成果物のある場合のみ認定すべきである。原判決が認定した本件発症前1か月間の自宅での作業時間のうち,プリント作成(チャレンジよみもの,思考力プリント及び計算大会)の作業に関する時間は8時間38分であるが,原判決がプリントの作成に要する時間
を1枚につき20分から30分程度と認定したのは過大であり,プリントの作成に要した時間は,
多くても原判決が認定した時間の半分程度とするのが
相当である。
また,文書のLNKファイルは,文書ファイルを電子メールや他の媒体からパソコンに保存することでも作成され,ファイルを開けば何の変更を加え
なくても更新されるから,LNKファイルには独自の成果物がない。したがって,LNKファイルだけが作成されている時間については,控訴人の具体的作業内容や作業時間が立証されていないのであるから,本来全て時間外労働時間の認定から外すべきであるが,仮に何らかの作業がされていたとしても,原判決のようにそのすべてを作業時間として認定することは過大である。原判決が認定した本件発症前1か月間の自宅での作業時間のうち,LNKファイルのログのみが確認される時間は合計で6時間10分にも及ぶと
ころ,少なくともその半分の3時間5分を削除すべきである。
したがって,控訴人の本件発症前1か月間における自宅作業時間は,原判決が認定した39時間55分から,プリントの作成に関する4時間19分及びLNKファイルに関する3時間5分を削除すると,最大でも32時間31分となる。

さらに,自宅での作業は,使用者の指揮命令下に置かれているとはいえないため,学校での公務と比較して,精神的緊張や拘束性などが低く,同じ作業時間であってもその質や密度が低いのが普通である。特に,控訴人が自宅で仕事をする場所はリビングであったこと,当時,控訴人の長男が小学5年生,二男が小学1年生であったことからすれば,長男及び二男が起きている
時間(夜は就寝する午後9時まで)に控訴人が集中して仕事をすることが困難であったと考えられ,このような時間は,原判決が認定した自宅作業時間のうち4時間4分にのぼる。

前記ア及びイによれば,控訴人の本件発症前1か月間における時間外労働時間は,合計で最大でも74時間30分である。

このうち,部活の引率時間が19時間15分であるが,控訴人にとって部活の引率の時間は野球に関わる楽しい時間であり,この時間の質及び密度を校内での通常の公務等と同様に評価することはできない。また,自宅での作業時間のうち長男及び二男が起きている時間の作業4時間4分も,通常の公務と比べると質及び密度が劣る時間である。


本件発症前1か月間には,控訴人及び妻がマイコプラズマ肺炎にり患した長男及び二男を交代で看病した時期(10月25日から11月25日まで)も一部含まれるところ,控訴人は上記時期に多くの年次有給休暇や特別休暇を取得しており,これらの休暇は,自身の心身を休めるための休暇ではなかったが,この間の職務が通常より大幅に軽減されていたことは間違いない。⑶

本件発症前2か月目から6か月目までの時間外労働時間に関する原判決の認定には,①7月8日(1時間)及び8月31日(2時間)の有給休暇の控除がない,
②休日出勤や部活の引率の際に昼の休憩時間を控除していないという誤りがある。これらの点を修正すると,時間外労働時間は,本件発症前6か月目が78時間50分,同5か月目が20時間43分,同4か月目が47時間45分,同3か月目が65時間,同2か月目が25時間55分となる。


控訴人は,高血圧症の持病があり,身体的な素因として脳出血の高い発症リスクを抱えていたが,
適切な治療を受けることを怠っていた。
また,
控訴人は,
約1か月にわたる長男及び二男の看病のため,通常の生活リズムと異なる生活を送らざるを得なくなり,睡眠時間が削られ,徐々に疲労が蓄積されていったものと推認される。さらに,控訴人は,深夜や早朝に自宅作業を行う必要がな
かったにもかかわらず,あえて自らこのような作業を行い,睡眠時間を削っていたものである。これらの事情からすれば,控訴人の本件発症の原因は,身体的な素因として脳出血の高い発症リスクを抱えていたところ,長男及び二男の入院や自宅療養等に伴い,生活リズム及び睡眠リズムが大きく乱れたことによる可能性が高い。

第3当裁判所の判断
1認定事実
認定事実は,次のとおり補正するほか,原判決事実及び理由第3の1に記載のとおりであるから,これを引用する。


原判決21頁14行目の甲1・71頁の後に,甲2・154頁を加える。


原判決21頁22行目の在籍しており,から同頁23行目の

超えていた。

までを

在籍していた。

に改める。



原判決22頁4行目の学力の向上」の後にの事業を加える。



原判決23頁13行目の6校時にの後に実施されるを加える。



原判決22頁2行目のないしを及びに改める。

原判決25頁2行目の委員会活動の後に(甲1・75,76頁)を加える。



原判決25頁11行目の学習システムやから同頁12行目の3つの仮説までを学習システムの確立及び学習における言語活動の活用に関する2つの仮説に改める。


原判決26頁13行目の甲1・490頁,の後に甲40・13ないし19頁,を加える。


原判決26頁21行目の作成しており,の後にプリントに掲載する文章は作文の文集や小中学生新聞の記事等から選び,を加える。

原判決26頁25行目の争いなし,の後に甲1・505頁,を加える。


原判決27頁2行目の
されていたところ
から同頁3行目の

行われた。,)


までを
されていたところ,12月に行われた平成23年度2学期の
に改め,
同頁3行目から4行目にかけての

作成していた。

を「作成した。」に改める。


原判決28頁5行目の前年から同頁6行目末尾までを

平成23年12月下旬又は平成24年1月上旬には印刷所に原稿を提出する必要があり,それに向けて原稿を完成させていく必要があった(証人B28,29頁,証人C27頁)。

に改める。

原判決28頁21行目の教育員会を教育委員会に改める。


原判決29頁1行目の

完成していなかった。

作成未了であった。

に改める。

原判決29頁2行目の採点の後に及び関連する資料の作成を加える。

原判決29頁6行目の同日から遅くとも同月12日までの間,を当該試験の実施後,同月12日頃までの間にに改める。

原判決29頁10行目のことが認められるを削る。


原判決29頁22行目の25頁等を25,26,36,37頁と改める。


原判決29頁23行目の14日,を14日のに改め,同頁23行目から24行目にかけての対し,を対してに改め,同頁24行目の資料として,の後に同日までにを加える。

原判決30頁12行目の概ね1か月間を削る。
原判決30頁22行目から23行目にかけての

を合計13日取得した。

をとして,延べ13日,終日の休暇又は時間単位の休暇を取得した。長男が入院している間は,主として控訴人の妻が夜の付添いをしていたが,控訴人がすることもあり,その場合控訴人は病院の簡易ベッドで寝ることになった(甲45,証人D23,24頁)。に改める。原判決30頁26行目の後に改行してエ控訴人は,私物のノートパソコンであるPC1を本件小学校に持ち込んで公務に関連する文書等を作成しており(証人E20頁,弁論の全趣旨),自宅で公務に関連する文書等の作成をするときには,PC1又はPC2を用いて作業していた。また,控訴人は,作成した文書等のデータを主としてパソコンに接続する外付けのハードディスクに保存していた(甲1・498頁)。を加える。原判決31頁1行目のエをオに改め,原告使用のパソコンのを
前記に改め,同頁2行目のその復元作業を行うを喪失したデータを改めて作成するに改め,同頁5行目のデータはから同頁8行目末尾までを

データは破損していなかった(証人B16頁)。

に改める。原判決31頁9行目のオをカに改め,同頁9行目のまでの間,
の後に出勤日においてはを加える。
原判決31頁11行目からの段落に

と符号を付け,
同頁11行目の
またを削る。
原判決31頁15行目の201頁を204頁に改め,同頁17行目
及び18行目を次のとおり改める。
控訴人は,平成19年2月に受診した人間ドックで,血圧について再検査(定期的な測定)が必要であると指摘され(血圧の測定値は134/94),平成20年1月の人間ドックでは,血圧が高めであり,念のため精密検査を勧めるとされた(血圧の測定値は132/100)。控訴人は,同年5月に病院で診察を受け,高血圧症等と診断されたが(血圧の測定値は150/100),経過観察として薬の処方はされなかった。控訴人は,平成22年2月の人間ドックでも,軽症高血圧を認める,減塩食に努めるようにと指摘され,経過観察とされた(血圧の測定値は128/90)。同年7月の健康診断における血圧の測定値は150/82である。控訴人について,他に脳幹部出血の要因となり得る既往症があったとは認められない。原判決31頁18行目の後に改行して次を加える。
⑽本件発症の日の控訴人の執務状況等(甲1・9,10,53,54,58,59,86ないし88頁)控訴人は,12月14日,通常どおり出勤した後,午前中は1校時から3校時まで算数TT教員としての授業を行った。午後は,5学時のあいあいたいむの開始前に,学習支援ボランティアに対し,自らが作成した資料を使っ録係として児童の学習の様子やボランティアとの交流の様子をデジタルカメラで撮影した。6校時の校内研修は,研究発表会の事前打合せ(前記⑺)として,全体会及び分科会における協議を行ったが,控訴人は,分科会の途中から呂律が回らないとの認識をもっており,分科会終了後には左手のしびれ及びふらつき感を自覚していた。控訴人は,午後5時50分頃退勤したが,その際,同僚の教諭に,ふらふらする,呂律が回らない,言葉がうまく出ないと述べた。控訴人は,午後6時20分頃に帰宅した後,ソファーにぐったり横になっていたが,その後意識を消失し,午後7時23分に本件医療センターに救急搬送され,脳幹部出血と診断された。2争点に対する判断


検討の枠組,
校内労働時間及び自宅作業時間に関する認定及び判断について
は,次のとおり補正するほか,原判決事実及び理由第3の2⑴から⑶まで
のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決の別紙12,13及び14は,いずれも本判決に添付した別紙12,13及び14に差し替える。ア
原判決31頁26行目の又は随伴を削る。


原判決32頁7行目から10行目までを削る。


原判決32頁16行目の〈1〉及び同頁20行目の著しくを削り,同頁21行目のいえることから同頁25行目の「参照)。」までを

いえるものでなければならない。

に改める。エ
原判決33頁3行目から4行目にかけての策定されたものであるの後に(乙30,弁論の全趣旨)を加える。


原判決33頁8行目の後に改行してア本件発症前1か月間の校内労働時間を加える。

原判決33頁9行目のアを削り,本件発症1か月前を本件発症前1か月間同頁12行目のに,
本件発症前修正すべきである旨,から
までを昼の休憩時間を15分と修正すべきであること,②通常の出勤時刻を午前7時40分とすべきであること,に,同頁13行目の②を③
に,同頁13行目から14行目にかけてのすべきである旨主張するものと解されるためをすべきであることを主張するのでに,それぞれ改める。キ
原判決33頁26行目のを天草市から必要があり,までをが概ね完成しており,に,34頁2行目の原告がから「考え難い。」までを

控訴人が昼休み時間中に公務に従事したことがしばしばあったと認めることができる。

に,それぞれ改める。

原判決34頁3行目から同頁8行目までを次のとおり改める。

他方で,控訴人が昼休み時間中にどの程度の頻度で公務に従事していたかや,公務に従事していた時間がどの程度であったかは不明といわざるを得ないことに鑑みると,控訴人が昼休み時間に公務に従事することを事実上余儀なくされていた時間は,本件発症前1か月間において,平均して1日15分程度と認めるのが相当である。したがって,本件発症前1か月間の控訴人の労働時間の算出においては,昼の休憩時間を30分とするのが相当である。控訴人は,昼の休憩時間を15分と認定すべきであると主張し,被控訴人は,昼の休憩時間を45分と認定すべきと主張するが,上記の説示に照らしていずれも採用することができない。ケ
原判決34頁8行目の後に改行して次を加える。
通常の出勤時刻について
認定事実⑻カのとおり,控訴人が11月26日から12月14日までの間,
出勤日においては概ね午前7時40分頃に出勤していたと認められることに加え,本件調査票において,9月30日から11月9日までにおける控訴人の平日の出勤時刻は午前7時40分とされていることが多く(甲
2・123~129頁),本件発症前1か月間において控訴人があえて出勤時刻を遅らせたとは考え難いことから,本件発症前1か月間において控訴人が本件小学校に出勤した時刻は,特段の事情が認められる場合を除き,午前7時40分であると認める。」
コサ
原判決34頁14行目の
昼休み時間
から同頁16行目の
認められず,
までを
本件調査票に記載されている午後1時15分であると認められるところ(甲2・130頁),この時刻は昼休み時間開始時刻であり,控訴人が昼休み時間開始時刻に出勤して直ちに休憩をとったとは考え難いから,に改め,同頁16行目の「算定する。」の後に,なお,控訴人が作成した同日の休暇に関する年次有給休暇時季請求書(甲1・174頁)では,休暇の時間が午前8時30分から午後0時30分までと記載されているが,本件調査票は,本件小学校において控訴人の出勤時間及び退勤時間を事後的に確認し,これを天草市教育委員会に報告したものであって(甲2・106,107頁),年次有給休暇時季請求書に記載された休暇の時間と本件調査票に記載された出勤又は退勤の時刻との間に齟齬がある場合,本件調査票に記載された出勤又は退勤の時刻を実際の出勤又は退勤の時刻と認定するのが相当である。を加える。シ
原判決35頁4行目のよれば,の後に控訴人の所属長(E校長)が,天草市教育長に対し,を加え,同頁5行目の回答しているの後にと認められるを加える。

原判決36頁19行目の末尾に

なお,休日の午前から午後にかけて本件小学校に出勤して公務を行った場合については,平日の勤務と同様に30分の昼の休憩時間をとったものと認めるのが相当である。

を加える。

原判決37頁2行目の認定事実⑻ウを認定事実⑻カに改める。

原判決37頁10行目から11行目にかけての

見当たらない。

の後に

この点は,通常の勤務における通勤が労働時間に含まれないことと同様である。

を加え,同頁13行目の遅くともから同頁14行目末尾までを

所定勤務時間の終了時刻である午後5時と認めるのが相当である。

に改める。


原判決37頁23行目から38頁11行目までを次のとおり改める。同日は,日曜日であるが,学習発表会のため出勤の必要があったところ(甲1・51,90頁),同日の出勤時刻は,控訴人の通常の出勤時刻と同じ午前7時40分と認められる。この点,被控訴人は,熊本県天草教育事務所長作成の熊本県教育庁教育総務局学校人事課長宛ての回答書(甲4)を根拠として,同日の出勤時刻が午前8時30分であると主張する。しかし,上記回答書の記載内容からすると,同回答書において同日の勤務開始時間が午前8時30分と記載されているのは,本件小学校における勤務時間が午前8時30分からであること(前提事実⑵)によるものであると認められ,上記記載をもって,同日の控訴人の出勤時刻が午前8時30分であったとは認められず,同日において控訴人が通常の出勤時刻と異なる時刻に出勤したと認めるに足りる証拠はない。

原判決39頁9行目から同頁13行目までを次のとおり改める。

証拠(甲6・16頁,甲8・25頁)によれば,原告が同日午後6時33分に文書ファイルを更新したこと,午後6時37分にPC1が一旦スリープ状態となったが,午後6時44分にスリープ状態が終了し,午後7時18分に再びスリープ状態となったことが認められる。また,本件調査票では,同日の控訴人の退勤時刻は午後7時とされている(甲2・104頁)。これらの事実によれば,同日の控訴人の退勤時刻を午後7時と認めるのが相当である。ツ
p原判決39頁13行目の後に改行して次を加える。12月10日(土)証拠(甲1・527頁)によれば,控訴人は,同日,部活動の試合の引率を行っていたことが認められるところ,同日の日程は,午前8時30分から午後0時まで練習試合を行い,その後に後片付けを行って午後0時30分頃に解散したというものであって,控訴人においてこの間に昼の休憩時間を取ることができたとは認められない。したがって,同日の控訴人の昼の休憩時間は0分と認めるのが相当である。テ
原判決39頁14行目のpをqに改め,同頁15行目の証拠(甲頁15行目から16行目にかけての「午前7時45分を午前7時40分に改め,同頁17行目の仮にからものである旨までを同日の時間外勤務は,控訴人が自主自発的にしたものであって,公務に該当しないとに改める。

原判決39頁23行目のqをrに改め,同頁24行目の証拠(甲24行目から25行目にかけての「午前7時45分を午前7時40分に改め,同頁26行目のこの点に関する被告のを被控訴人は,同日の時間外勤務は,控訴人が自主自発的にしたものであって,公務に該当しないと主張するが,このに改める。ナ
イ原判決40頁1行目の後に改行して次を加える。本件発症前2か月目の校内労働時間控訴人は,本件発症前2か月目(10月15日から11月13日まで)における校内勤務時間は別紙2のとおりであると主張する。控訴人は,昼の休憩時間を15分として上記校内勤務時間を算出している。しかし,昼の休憩時間を15分と認定することができないのは,本件発症前1か月間の場合と同様である。そして,本件発症前1か月間については,平成23年度研究紀要の作成の業務など,控訴人の執務量が一定程度増加傾向にあったと考えられることから,労働時間の算出に当たっては,45分の昼休みのうち15分は公務に従事したものとして,昼の休憩時間を30分と認定することが相当であるが(前記ア),本件発症前2か月目については,控訴人の執務量が増加傾向にあったとの事情や,控訴人が昼休みに公務に従事することを余儀なくされる状況にあったことは認められず,当時の同僚の職員の証言や陳述書(甲44,59ないし62,乙32,証人B,証人C)によっても,控訴人が昼休みにどの程度の頻度でどの程度の時間公務を行ったのか具体的に認定することはできない。したがって,本件発症前2か月目の労働時間の算出に当たっては,昼の休憩時間を45分とすることが相当である。控訴人は,10月15日の午前9時から午後4時20分までが労働時間に当たると主張する。本件調査票の記載によれば,同日は土曜日であるところ,控訴人は教員免許更新講習を受講したことが認められる(甲2・125頁)。しかし,小学校の教員である控訴人にとって教員免許更新講習の受講が必須のものであるとしても,同受講中に控訴人が使用者の指揮命令の下にあったものではない。控訴人は,8月4日にも教員免許更新講習を受講しているが(甲2・28頁),職務専念義務免除の承認を得た上で受講している(甲1・183頁)。これらの事情によれば,10月15日に控訴人が教員免許更新講習を受講した時間が労働時間に当たるとは認められない。10月30日及び11月12日については,部活動のサッカー大会への引率を行ったと認められるところ(甲1・523,524頁),10月30日は,午前10時25分に第1試合が開始し,正午から昼食の時間となり,午後2時05分に第2試合が開始となっており,この日程に照らせば,控訴人が少なくとも45分の休憩を取ったものと認めることができる。これに対し,11月12日は,午前9時から2試合を実施し,午後1時30分に試合終了及び後片付け,午後2時に解散となっており,この日程に照らせば,控訴人が休憩を取ることができたと認めることはできず,休憩時間を0分とするのが相当である。その他の日の出勤時刻及び退勤時刻は,本件調査票記載の出勤時刻及び退勤時刻と認定するのが相当である。ただし,11月3日については,本件調査票では退勤時刻が午後5時となっているが(甲2・128頁),PC1が午後4時26分に起動され,午後5時04分に停止となっているから(甲6),同日の退勤時刻は午後5時04分と認める。以上によれば,本件発症前2か月目の出勤時刻,退勤時刻及び校内時間外労働時間等は別紙12のとおりであると認める。ニ
ウ原判決40頁2行目から同頁6行目までを次のとおり改める。本件発症前1か月間及び本件発症前2か月目の校内時間外労働時間以上によれば,控訴人の本件発症前1か月間及び本件発症前2か月目の出勤時刻,退勤時刻及び校内時間外労働時間は別紙12のとおりであると認められ,控訴人の週40時間(1日当たり平均8時間)を超える校内時間外労働時間は,本件発症前1か月間において51時間06分,本件発症前2か月目において31時間45分と認められる。

エ原判決40頁14行目の後に改行して次を加える。本件発症前3か月目から6か月目までの校内時間外労働時間控訴人は,本件発症前3か月目から6か月目までの校内勤務時間は別紙4のとおりであると主張する。この点,本件発症前3か月目から6か月目までについても,控訴人の出勤時刻及び退勤時刻は,本件調査票記載の出勤時刻及び退勤時刻と認定するのが相当である。これを前提に控訴人の上記主張を検討すると,①7月3日の出勤時刻を午前6時45分と主張しているが,同日の出勤時刻は午前6時54分と認められ(甲2・111頁),②同月8日につき,控訴人が1時間の有給休暇を取得しているが(甲1・160頁,甲2・111頁),控訴人の主張では同日の勤務時間から上記1時間が控除されておらず,この控除をすべきであり,③同月23日,8月6日及び9月3日につき,部活動の引率に関して45分の昼の休憩時間を取ったと考えるべきであるのに,控訴人の主張ではこの休憩時間を勤務時間から控除していないので,この控除をすべきであり,④8月31日につき,控訴人が2時間の有給休暇を取得しているが(甲1・167頁,甲2・137頁),控訴人の主張では同日の勤務時間から上記2時間が控除されておらず,この控除をすべきであり,⑤10月6日の出勤時刻を午前7時30分と主張しているが,同日の出勤時刻は午前7時40分と認められ(甲2・124頁),⑥それ以外の日については控訴人の主張どおりであると認められる。この認定を前提とすると,本件発症前6か月目の校内時間外労働時間は,控訴人が主張する79時間59分より1時間9分少ない(上記①の9分及び上記②の1時間)78時間50分,本件発症前5か月目の校内時間外労働時間は,控訴人が主張する22時間13分より1時間30分少ない(上記③の45分の2日分)20時間43分,本件発症前4か月目の校内時間外労働時間は,控訴人が主張する51時間15分より45分少ない(上記③の45分。上記④の2時間については,8月31日を含む週において時間外勤務をしていないと認められるから,これを控除しない。50時間30分,)本件発症前3か月目の校内時間外労働時間は,控訴人が主張する65時間10分より10分少ない(上記⑤の10分)65時間00分であると認められ,これらをまとめると,本件発症前3か月目から6か月目までの控訴人の校内時間外労働時間は別紙14のとおりとなる。ネ
原判決42頁7行目の(乙21)を(甲21)に改め,同頁8行

作成又は更新に関するものを除き,控訴人がPC1又はPC2を用いて文書等の作成を行っていたことを示すとは認められず,控訴人の自宅作業時間を
認定する根拠とすることはできない。」に改める。

原判決43頁14行目のまず,の後にファイル名から公務に関連すると認められるを加え,同頁15行目の作成作業を公務に改める。

原判決43頁23行目の別紙13のとおり,の後に本件発症前1か月間におけるを加え,同頁24行目の39時間55分を41時間55分に改める。ヒ
原判決44頁4行目から5行目にかけての地方公務員災害補償基金熊本県支部から同頁6行目の(甲2・6,7頁)は,までを控訴人の所属長(E校長)は,被控訴人による追加調査に対する回答において,に改め,
同頁9行目の
記載されており,を回答しており(甲2・6,7頁)

に改め,同頁11行目から12行目にかけての同事務連絡には,を控訴人の所属長は,に改め,同頁14行目の記載されてを回答してに改める。

原判決45頁2行目のそのほか,を削り,同頁12行目の後に改行して次を加える。

また,被控訴人は,文書のLNKファイルは,文書ファイルを電子メールや他の媒体からパソコンに保存することでも作成され,ファイルを開けば何の変更を加えなくても更新されるものであって,LNKファイルだけが作成されている時間については,控訴人の具体的作業内容や作業時間が不明であって,仮に何らかの作業がされていたとしても,そのすべてを作業時間として認定することは過大であり,本件発症前1か月間の自宅での作業時間のうち,LNKファイルのログのみが確認される時間は合計で6時間10分に及ぶところ,少なくともその半分の3時間5分を削除すべきであると主張する。しかし,控訴人の業務内容(認定事実⑶から⑺まで)からすれば,控訴人が,本件発症前1か月間において,公務に関連すると認められる文書ファイルのLNKファイルが作成されている場合に,当該ファイルを何らかの媒体から自らのパソコンに保存する作業だけを行うことが多かったとは考え難く,控訴人が当該文書ファイルを開き,このファイルに関連する業務を一定の時間にわたって行った場合が多かったものと推認することができる。そうすると,LNKファイルが作成されている場合も含めて,性が認められるというべきであり,LNKファイルのログのみが確認される時間について上記基準で算出される時間より減少させた時間を認定すべきであるとは解されない。被控訴人の主張は採用することができない。控訴人は,プリント作成(「チャレンジよみもの,思考力プリント及び計算大会の問題)が1枚につき二,三十分を要することはなく,その作
成に要する時間は短いものであるから,
控訴人の本件発症前1か月間における時間外労働時間のうちプリント作成に要した時間は8時間38分であるところ,
プリントの作成に要した時
間は多くても上記の半分程度とするのが相当であると主張する。
しかし,認定事実⑷イ

おいて認定したチャレンジよみもの,

思考力プリント及び計算大会の内容からすれば,控訴人がこれらのプリントを作成するに当たっては,チャレンジよみものについては題材とする文章を選択し,
思考力プリント及び計算大会については問題の作成が必
要であったことが認められる。そうすると,これらのプリントの作成に要する時間はパソコンでの文書作成作業の時間のみではなく,
プリントの作

成がいずれも短時間で終了したとは認められないから,プリント作成に関する時間を

基準で算出されるものより減少させるべきである

とは認められない。被控訴人の主張は採用することができない。」ヘ
原判決45頁15行目から16行目にかけての39時間55分を41時間55分に改める。

原判決45頁17行目の後に改行して次を加える。

オ本件発症前2か月目においても,控訴人が,研究紀要の原稿作成に関する業務やプリントの作成などパソコンを用いた文書等の作成の業務を自宅で公務として行っていたと認められること,自宅でパソコン操作を伴わない業務を行うことを余儀なくされる状況にあったとは認められないこと,控訴人が自宅におり,かつPC1又はPC2が起動されていてスリープ状態となっていない時間のすべてを公務に当たる作業に充てていたと認定することができないことは,本件発症前1か月間と同様である。したがって,本件発症前2か月目における自宅での時間外労働の時間の算出については,本件発の基準によると,本件発症前2か月目において,控訴人が自宅で公務を行ったと認められるのは,別紙13のとおりであり,その合計は8時間24分である。⑵

前記のとおり補正の上引用した前提事実,認定事実,校内労働時間に関する認定及び判断(原判決事実及び理由第3の2⑵)並びに自宅作業時間に関
する認定及び判断(同第3の2⑶)によれば,以下の事情が認められる。ア
控訴人は,平成23年度の2学期において,本件小学校のクラス担任は担当していなかったものの,算数TT教員として授業を受け持ち,水曜日の5校時にあいあいたいむのない週以外は原則として1校時から5校時までの全ての時間に授業を担当していた。また,控訴人は,研究主任として毎週
水曜日に実施される校内研修の企画,立案,資料の作成,研究発表会に向けての提案や資料作成をするとともに,本件小学校がモデル校及び推進校に指定されたことにより必要となった研究紀要の作成の業務,関連する取組としてのチャレンジよみもののプリントの作成及び返却されたプリントへのコメント記入,思考力プリントの作成,計算大会の問題の作成等の業務を行
っていた。さらに,控訴人は,部活動の指導を担当し,休日に試合の引率を担当することもあった。
上記各業務の内容は,認定事実⑶から⑺まで(前記補正後のもの)に記載のとおりであり,その内容を検討すると,個々の業務自体が過重であるとまではいえないものの,控訴人は,これらの業務を同時期に並行して処理して
いたのであるから,控訴人の業務上の負荷については,控訴人の業務を全体として評価する必要がある。

本件発症前1か月間における控訴人の週40時間(1日当たり平均8時間)を超える校内時間外労働時間は51時間06分,自宅での時間外労働時間は41時間55分であり,時間外労働時間の合計は93時間01分にのぼる。この時間は,認定基準において通常の日常の職務に比較して特に過重な職務に従事したことに該当する場合の一つとして挙げられている,発症
前1か月における月100時間(週当たり平均25時間)の時間外労働には達していないものの,これに近い時間数であるということができる。また,控訴人の本件発症前2週間の時間外労働時間は,本件発症前1週目につき28時間38分
(別紙12の1枚目⑥欄及び別紙13の1枚目⑮欄の合計),本件発症前2週目につき33時間34分(別紙12の1枚目⑦欄及
び別紙13の1枚目⑭欄の合計)であって,いずれも週当たり25時間を超えている。
さらに,
控訴人の本件発症前2か月目の時間外労働時間は40時間09分
(校内時間外労働時間31時間45分,自宅での時間外労働時間8時間24分)であり,本件発症前3か月目から6か月目までの校内時間外労働時間は
別紙14のとおりである。上記期間において,認定基準で通常の日常の職務に比較して特に過重な職務に従事したことに該当する場合の一つとして挙げられている,
発症前1か月を超える月平均80時間
(週当たり20時間)
の時間外労働をしたと認められる期間はないものの,本件発症前6か月目の校内時間外労働時間がほぼ80時間となるなど,
長期間にわたって恒常的に

長時間の時間外労働をしていたということができる。

前記のとおり,控訴人の時間外労働時間には,自宅での作業時間が含まれているところ,自宅での作業は,職場における労働に比して緊張の程度が低いということができる。しかし,前記認定の控訴人の業務内容に加え,別紙
12及び13のとおり認められる時間外労働の状況からすれば,控訴人は,本件発症前1か月間において,通常の出勤日は午後7時ころまで本件小学校で時間外労働をした上で,仕事を持ち帰り,自宅で公務に該当する業務を行っていたと認められ,これらの事情によれば,控訴人は,職場で時間外労働をした後,
そこで終了させることのできなかった文書やプリント類の作成の
業務を自宅で行うことを余儀なくされていたものと認められる。また,その自宅作業の時間及び時刻からすれば,控訴人は,自宅作業を行うことを余儀
なくされた結果,睡眠時間が減ったものと認められる。
本件発症の前日である12月13日においても,控訴人は,本件小学校から帰宅後,
午後8時44分から午後11時37分まで自宅で業務を行ってい
たことが認められ,
12月14日は午前7時40分に本件小学校に出勤して
いる(甲1・53頁)から,本件発症の前日の夜から朝にかけての睡眠時間
も短いものであったと認められる。

前記のとおり,控訴人は,本件小学校での授業のない土曜日や日曜日に,部活動の試合の引率を担当することもあり,本件発症前1か月間では3回(11月20日,同月26日,12月10日)行っていた。この部活動の試合の引率は,本来休日である土曜日又は日曜日に,午前の早い時間に自宅を
出て対応することを余儀なくされていたものであって,睡眠時間及び休日の休息の時間を減少させ,控訴人の疲労の回復を遅らせる要因となったものということができる。

長時間労働の継続による睡眠不足と疲労の蓄積が脳血管疾患の発症の基礎となる血管病変等を増悪させ得る因子となることは医学的経験則となっ
ているところ(乙30),上記アからエまでの事情を総合考慮すれば,控訴人の本件発症前における業務は,その身体的及び精神的負荷により,脳血管疾患の発症の基礎となる血管病変等をその自然経過を超えて増悪させ得ることが客観的に認められる負荷であったということができる。
⑶ア

控訴人については,
高血圧症を有していたことが認められ
(認定事実⑼
[前
記補正後のもの]),高血圧症は脳出血の危険因子であると認められる(乙47,48)。
しかし,控訴人は,高血圧症につき,平成20年5月に病院で診察を受けたが,経過観察として薬の処方はされず,平成22年2月に受けた人間ドックでも,軽症高血圧と指摘されたものの,治療や精密検査の指示は受けていない(甲1・203頁)。その後,本件発症に至るまで,控訴人が健康診断
等において高血圧症の治療や精密検査の受診を指示されたことがあるとは認められない。
また,控訴人について,他に脳幹部出血の要因となり得る既往症があったとは認められない。
そうすると,本件発症の時点で,控訴人の基礎疾患により,血管病変等が
自然経過の中で本件発症を生じさせる寸前の状態にまで増悪していたとは認められない。

被控訴人は,控訴人の本件発症の原因は,身体的な素因としての高血圧症に加え,長男及び二男の入院や自宅療養に伴い,生活リズム及び睡眠リズムが大きく乱れたことによる可能性が高いと主張する。

しかし,控訴人は,長男及び二男がマイコプラズマ肺炎にり患した際,休暇を取得して対応している(認定事実⑻ウ[前記補正後のもの])。また,控訴人の長男が入院した際に,控訴人とその妻が病院で夜間の付添いをすることがあり,その時には病院の簡易ベッドで寝たものであるが(認定事実⑻ウ[前記補正後のもの]),このような付添いをしたのは控訴人よりも妻の
方が多かったのであり(証人D23,24頁),控訴人が頻繁に病院の簡易ベッドで寝たとは認められない。これらの事情を考慮すれば,長男及び二男の入院や自宅療養に対応したことによって,控訴人に身体的な負荷がかかったことは否定できないが,これにより控訴人の血管病変等が本件発症を生じさせるような状態にまで増悪していたとは認められない。


被控訴人は,控訴人が,深夜や早朝に自宅作業を行う必要がなかったにもかかわらず,あえて自らこのような作業を行い,睡眠時間を削っていたと主張する。
しかし,前記⑵ウのとおり,控訴人は,職場での時間外労働において終了させることのできなかった文書やプリント類の作成の業務を自宅で行うことを余儀なくされていたものと認められ,必要がないのに夜遅くまで起き,
又は早朝に起床していたものとは認められない。



以上のとおり,被控訴人の主張はいずれも採用することができない。前記⑵のとおり,控訴人の本件発症前における業務は,その身体的及び精神
的負荷により,
脳血管疾患の発症の基礎となる血管病変等をその自然経過を超
えて増悪させ得ることが客観的に認められる負荷であったと認められ,かつ,前記⑶のとおり,本件発症の時点で,控訴人の基礎疾患により,血管病変等が自然経過の中で本件発症を生じさせる寸前の状態にまで増悪していたとは認められないことからすれば,控訴人の本件発症前の過重な業務による身体的及び精神的負荷が控訴人の血管病変等をその自然経過を超えて増悪させ,本件発
症に至ったと認められる。
したがって,本件発症は,公務に内在する危険が現実化したものと評価することができ,本件発症と公務との間に相当因果関係を認めることができる。3その他,原審及び当審における当事者双方の主張に鑑み,証拠の内容を検討しても,当審における上記認定判断(原判決引用部分を含む。
)を左右しない。

第4結論
以上によれば,本件発症を公務外の災害と認定した本件処分は違法であり,控訴人の請求は認容されるべきであるところ,これと異なる原判決は不当であるから,本件控訴は理由がある。
よって,主文のとおり判決する。

福岡高等裁判所第4民事部
裁判長裁判官

増田
裁判官

水野
裁判官

矢﨑稔正則豊
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