判例検索β > 令和2年(わ)第1625号
強要未遂
事件番号令和2(わ)1625
事件名強要未遂
裁判年月日令和2年8月17日
裁判所名・部大阪地方裁判所  第8刑事部
裁判日:西暦2020-08-17
情報公開日2020-08-31 14:00:18
裁判所の詳細 / 戻る / PDF版
主文
被告人を懲役1年6月に処する
この裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は,通学していた中学校の後輩であるA(当時34歳)を脅迫して同人から被告人に連絡を取らせようと考え,令和2年2月23日頃から同年4月12日までの間,東京都大田区(住所省略)被告人方において,自己が使用する携帯電話機を用いて,ソーシャルネットワーキングサービスインスタグラムに開設された前記Aのアカウントに宛てて,別表(省略)記載のとおり,
使用アカウント欄記
載の各アカウントから,ダイレクトメッセージ又はコメントにより,文言欄記載
の各メッセージを送信するとともに,ハサミを撮影した画像を添付して送信し,いずれもその頃,大阪市内等において,同人にこれらを閲覧させ,被告人にメッセージを返信するなどして連絡するよう要求し,その要求に応じなければ同人又はその親族の生命,身体,名誉等に危害を加える旨を告知して脅迫し,同人に義務のないことを行わせようとしたが,同人が被告人の要求に応じず,警察に届け出たため,その目的を遂げなかったものである。
(証拠の標目)
省略
(法令の適用)
省略
(量刑の理由)
被告人は,中学校時代の後輩であった被害者の活躍を知り,これを祝うメッセージを送信したところ,返信が得られたことから,被害者に会いたいなどと思うようになり,連絡がほしい旨のメッセージを送ったが,反応が得られなかったため,被害者に裏切られたといった思いを抱くようになり,脅迫してまで自身に連絡するよう求めるという本件犯行に至っているのであって,犯行の動機は,極めて幼稚で自己中心的である。脅迫行為は,判示のとおり,多数回にわたる上,その内容も,被害者本人のみならず,その家族に対しても危害を加える旨の強烈なものであり,被害者の被った恐怖心や不快感は大きかったものと考えられる。被告人は,途中で,メッセージをブロックされたり,被害者の関係者から警告を受けるなどしたにもかかわらず,本件犯行を継続しており,その点でも犯情は悪い。
そうすると,被告人の刑事責任は相応に重いが,被告人が,事実を率直に認めて反省の態度を示していること,前科前歴が全くないこと,同居する父親が情状証人として出廷し,今後の更生を支援する旨述べていることなど,被告人のために酌むべき事情も認められるので,これらの事情をも考慮し,主文のとおり量刑した。(求刑

懲役1年6月)

令和2年8月17日
大阪地方裁判所第8刑事部

裁判官

松本圭史
トップに戻る

saiban.in