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ロイヤリティ支払等請求控訴事件 商標権 民事訴訟
事件番号令和1(ネ)10076
事件名ロイヤリティ支払等請求控訴事件
裁判年月日令和2年6月30日
裁判所名知的財産高等裁判所
権利種別商標権
訴訟類型民事訴訟
裁判日:西暦2020-06-30
情報公開日2020-07-03 16:00:29
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令和2年6月30日判決言渡

令和元年(ネ)第10076号

ロイヤリティ支払等請求控訴事件

(原審東京地方裁判所平成29年(ワ)第23218号)
口頭弁論終結日令和2年2月18日
判控訴決人
株式会社来人プランニング

同訴訟代理人弁護士

浅被
リハコンテンツ株式会社

控訴人井亮
同訴訟代理人弁護士

佐久間

洋一同前千春主田文1
本件控訴を棄却する

2
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由

第1控訴の趣旨
1
原判決中,控訴人敗訴部分を取り消す。

2
上記取消部分につき被控訴人の請求を棄却する。

第2事案の概要等(略称は原判決のそれに従う。)
1
事案の骨子


本件は,リハビリ型デイサービスに係るフランチャイズ事業等を営む被控訴人が,控訴人との間でフランチャイズ契約(本件契約)を締結したが,控訴人が月額会費(ロイヤリティ)等の支払を怠ったことにより本件契約を解除したとして,次の請求をした事案である。

未払ロイヤリティ合計330万4800円及び売掛金2万7000円の支払


上記アの合計額333万1800円について,
平成29年7月27日
(訴
状送達の日の翌日)から本件契約に基づく年1割の割合による遅延損害金の支払


生活指導員の派遣に係る特別経費100万円の支払


上記ウの100万円について,平成29年7月27日から商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払


上記契約により被控訴人が控訴人に使用許諾したLETs倶楽部又はレッツ倶楽部の商標(本件商標)の使用の差止め


本件契約に基づく約定違約金として,契約解除後の日である平成29年7月1日から事業中止まで月額166万円の割合による金員の支払


原判決は,上記⑴記載の各請求のうち,次のア~エの部分を認容し,その余の部分を棄却した。

上記⑴アの合計333万1800円と控訴人の保証金返還請求権30万円とを対当額で相殺した残額303万1800円の支払


上記アの303万1800円に対する平成29年7月27日から年1割の割合による遅延損害金の支払


上記⑴ウの特別経費のうち30万7020円の支払

上記ウの30万7020円に対する平成29年7月27日から年6分の割合による遅延損害金の支払


2
控訴人は,敗訴部分を不服として控訴した。

前提事実


前提事実は,下記⑵のとおり付加するほかは,原判決事実及び理由第2の2項(原判決2頁19行目から4頁25行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。


商標権の使用許諾に関する前提事実

本件契約がなされた時点で,株式会社ほっとステーション(以下ほっとステーションという。)及び被控訴人は,指定役務を介護とするLETs倶楽部なる登録商標第5385966号(以下本件登録商標という。)の商標権(以下本件登録商標権という。)を共有していた(甲25)。


本件契約(甲1)には,次の定めがある。
(ア)

2条1項には,
控訴人は本件商標を使用し,
事業所の営業を行うこと,
被控訴人は控訴人に同商号・商標の使用を許諾する旨の定めがある。
(イ)

10条2項には,
前項の対価および商号・商標使用料として,
半日型タイプの場合17万円(税別),1日型タイプの場合25万円(同)のロイヤリティを控訴人が被控訴人に支払うべきことの定めがある。
上記の前項とは,原判決の上記引用個所の⑶イ記載の業務(事務所運営上の各種アドバイス等)である。


控訴人事業所は,半日型タイプである。


平成27年4月30日,ほっとステーションと被控訴人は,両者が共有する商標権の被控訴人の持分をほっとステーションに譲渡することについての契約(甲12。以下本件商標権譲渡契約という。)を締結した。その契約書の第5条には,次の定めがある。
第5条甲(ほっとステーション)及び乙(被控訴人)は,今後,甲が「LETs倶楽部というブランド・商標(以下「本件商標という。)を,乙がリハプライドというブランド・商標を使用してリ
ハビリ型デイサービス事業に関するフランチャイズ展開を進めることを相互に確認する。
2
甲は,本契約締結時に本件商標を使用している乙の加盟店が本契約締結後も当該商標の使用を希望するときには,既存の事業所に限り,本件商標の使用を許諾する。(以下略)

3
前項の本件商標の使用に関し,甲は,乙及び乙の加盟店に対して使用料を請求しない。」


平成28年4月25日,本件登録商標権の持分移転の登録がなされ,その効力が発生した(甲25)。


ほっとステーションと控訴人との間に,本件登録商標権の使用許諾に関する契約は締結されていない(弁論の全趣旨)。

3
争点及び当事者の主張


争点及び当事者の主張は,
下記⑵及び⑶のとおり補充するほか,原判決
事実及び理由第2の3項(原判決4頁26行目から8頁7行目まで)の記載のとおりであるから,これを引用する。



ロイヤリティ支払義務の有無(争点⑴)について

〔控訴人の主張〕

業務提供の対価の観点から(当審における補充主張)
原判決は,被控訴人の控訴人への業務提供について,控訴人の従業員らに対する研修,各種マニュアル等の貸与,介護保険請求に関するレセプトの導入サポート,リハビリに関する情報の提供などの支援を行っていた事実が認められるとしている。
しかし,本件契約がなされるに当たっては,未経験者でも始めることができるという謳い文句で勧誘が行われたから,本件契約に基づく業務支援は形式的な支援では足りず,介護事業の素人でも十分に経営を維持できるような内容でなければ被控訴人が契約上の義務を履行したとはいえない。そして,
被控訴人が,
生活相談員の人数につき誤った情報提供をしたこと,
効果的な営業方法を提案できなかったこと等からすれば,介護事業の未経験者である控訴人にとって有益な支援業務の提供がなされたとはいえない。イ
商標使用の対価の観点から(当審における新主張)
(ア)

商標使用の対価の請求権について
ロイヤリティのうち一部は,被控訴人が本件登録商標権を有していることを前提に,
これを使用許諾することの対価として徴収されていたが,
本件商標権譲渡契約の後は,被控訴人は本件登録商標権の持分を有しておらず,その通常使用権者にすぎなかったから,他人に対して本件登録商標の使用許諾の権原を有していなかった。
また,同契約5条2項及び同3項の規定によれば,同契約の後は,ほっとステーションが自らの商標権に基づき,控訴人に対して直接本件登録商標の無償使用を許諾していたということができる。
このように,被控訴人は,控訴人に対し,同契約がなされた平成27年4月30日以降,本件商標権に基づく商標使用料を徴収する権原を失っていたといえる。したがって,同日以降の未払ロイヤリティの請求のうち,商標使用の対価相当分は理由がない。

(イ)

商標使用の対価相当分の金額について
本件契約に基づくロイヤリティのうち,業務提供の対価とされる部分は極めて限定されることから,
大半は商標使用の対価相当分と解される。
そして,半日型の事業所のロイヤリティ(17万円)と1日型のそれ(25万円)との差額は8万円であり,商標使用の対価は半日であっても1日であっても変わりはないはずであるから,差額8万円は半日分の業務提供の対価であると解することができる。そうすると,半日型のロイヤリティ17万円のうち8万円分を差し引いた9万円(消費税込みで9万7200円)が商標使用の対価相当分となる。
したがって,被控訴人の未払ロイヤリティ請求のうち,本件登録商標権の持分移転の効力が生じた平成28年4月25日以降の分(同年5月から平成29年6月までの14か月分)に当たる136万0800円は理由がない。
〔被控訴人の主張〕

控訴人の上記アの主張に対し
被控訴人は,控訴人の事業開始前後を通じて支援業務を遂行していた。また,控訴人の開業が平成26年2月となった理由は,控訴人が採用した生活指導員についての雇用契約書の作成が遅れたためであり,被控訴人の責任ではない。
したがって,控訴人の主張には理由がない。


控訴人の上記イの主張に対し
(ア)

商標使用の対価の請求権について
本件商標権譲渡契約の5条2項に基づき,被控訴人は,ほっとステーションから,同契約締結時点の被控訴人の加盟店に対して本件登録商標の使用を再許諾できる権利の設定を受けているから,同契約の締結以降も,控訴人に対して使用料を請求できる。
なお,通常使用権者も,商標権者から再許諾権の設定を受けることにより,第三者に使用権を許諾できる。

(イ)

商標使用の対価相当分の金額について
被控訴人は,ロイヤリティの内訳(支援業務の対価分と商標使用の対価分の各金額)を定めていない。
また,支援業務の中には業務時間の長短で提供内容に違いがない業務として,商標権の使用許諾以外にも多数のものがあるから(例えば,各種マニュアルの貸与,宣伝広告内容の更新,行政が発信する事業関連情報の提供,
販促提案,
介護保険請求に関するレセプトシステムの導入等)

これが商標権の使用許諾のみであることを前提とする控訴人の主張には理由がない。


ロイヤリティ支払義務の猶予又は免除の有無(争点⑵)について
〔当審における控訴人の補充主張〕

原判決は,支払免除があったとは認められず,支払の事実上の猶予があったと認められるにとどまり,本件解除により猶予の期限が到来した旨判断したが,以下のとおり誤りである。
(ア)

支払免除について
原判決は,被控訴人が未払ロイヤリティにつき書面で請求していない
事実は,支払免除があったことの根拠にならないと判断したが,誤りである。
まず,被控訴人が口頭で未払ロイヤリティの支払請求を行う運用をしていたとの事実はないし,控訴人の代表者や役員において,被控訴人の担当者等から口頭での未払ロイヤリティの請求を受けたこともない。また,ロイヤリティの不払が始まった平成28年1月以降,被控訴人は,特別経費に関しては同年4月15日付の請求書(甲10)で請求をしているが,この書面においてもロイヤリティの支払について全く触れられていない。何らの合意もなく,4か月もロイヤリティの支払滞納を続けている相手に対し,これに全く触れずに特別経費のみ請求することはあり得ない。このような請求をすれば,請求を受けた側において,問題となっているのは請求を受けた特別経費だけであると認識してしまうからである。そして,被控訴人の側においても,会計担当者などが控訴人との間の債権債務を一括して把握しているのが通常であり,フランチャイズ契約の基本的債務であるロイヤリティを分離して請求することなどは合理的な理由がない限りは行わないはずであり,このことからしても,書面で特別経費を請求しながらロイヤリティの請求はしないというのは不自然である。
(イ)

支払猶予について
被控訴人の取締役であったA(以下Aという。)は,控訴人の担
当者との話し合いの結果,ロイヤリティの支払は無条件に免除されるものではないが,月額240万円以上の売上を解除条件として,ロイヤリティの支払を猶予するという合意に達し,同担当者に対し,売上を上げることが双方にとって利益になるので,被控訴人において控訴人をしっかりとサポートしてもらいたいと要望した。そのような合意がされたからこそ,平成28年1月以降,頻繁に被控訴人の担当者が現地を訪れてサポートのための活動を行っているのであるし,それにもかかわらず,その活動が成果を伴わないからこそ,この間のロイヤリティの請求が行われていなかったのである。
さらに,平成29年3月15日付の2015年8月3日~10月16日の経費のご請求についてと題する被控訴人作成書面(甲3の1)においても,

ロイヤリティに関するご相談にも応じさせていただく等,最大限の誠意を示してきたと考えております。

との文言がある一方,解除処分について言及している部分においても

リハプライドの事業を継続することが出来なくなります。

と記載があるのみで,解除に伴い未払ロイヤリティについて全額請求するという趣旨の記載はされていない。
以上のとおり,支払免除の合意が認められないとしても,上記のような明確な合意に基づく解除条件付き支払猶予があったものと解するべきである。
〔被控訴人の反論〕

控訴人の上記アの主張に対し
以下のとおり,
原判決の認定に誤りはなく,
控訴人の主張は理由がない。
(ア)

支払免除について
被控訴人が控訴人に対し未払ロイヤリティの支払を免除した事実を裏付ける証拠はない。支払義務を免除するのであれば通常存在するはずの免除の事実を記載した書面は存在せず,他に免除の事実を裏付ける証拠もない。むしろ,控訴人取締役であるAが支払猶予であったと証言している(Aの尋問調書9,26頁)など,支払免除ではなく事実上支払が猶予されていたのにすぎないことを示す事情がある。
したがって,被控訴人が控訴人に対し未払ロイヤリティの支払を免除した事実は存在しない。
(イ)

事実上の支払猶予について
控訴人は,支払猶予は事実上のものではなく,明確な合意に基づくものであるというべきであり,その内容は被控訴人において月額240万円の売上を達成することを解除条件とする猶予であった旨主張するが,かかる合意を示す書面等の的確な証拠は存在しない上,もともと売上保証をしていなかった被控訴人がそのような合意をしなければならない事情もない。

第3

当裁判所の判断

1
当裁判所は,被控訴人の請求は原判決が認容した限度で理由があると判断する。その理由は,下記2において,争点⑴についての当審における控訴人の主張に対する判断を補足し,下記3において,争点⑵についての原判決の判断の理由(10頁12行目から11頁8行目まで)を改めるほか,原判決の事実及び理由第3(原判決8頁8行目から14頁15行目まで)に記載のとおりであるからこれを引用する。

2
ロイヤリティ支払義務の有無(争点⑴)について


業務提供の対価の観点から
控訴人は,本件契約においては介護事業の未経験者でも経営を維持できるような支援業務が行われるべきであったところ,被控訴人の提供した業務はそのようなものでなかったから,これと対価関係に立つロイヤリティ支払義務を控訴人は負わない旨主張する。
しかしながら,被控訴人が本件契約に定められた種類の支援業務を実際に提供したことは原判決を引用して認定したとおりであるのに対し,本件契約の継続中に,支援業務が不十分である旨を控訴人が指摘した形跡はなく,かえって,被控訴人から生活指導員の派遣を受けたことに関してFCであるというだけで,これほどのお力を貸して頂けたことは本当に感謝でしかありません(派遣された生活指導員の仕事ぶりは)すべて,目を見張る事ばかりで,改めて教えて頂く事が多く,大変勉強になっています等と述べていること(乙4)にも照らすと,ロイヤリティ支払義務をその一部にせよ当然に消滅させるような被控訴人の債務不履行があったと認定するには至らない。
したがって,控訴人の上記主張は採用することができない。


商標使用の対価の観点から
控訴人は,本件登録商標権の持分移転の後は,被控訴人はその使用許諾の権原を失うから,ロイヤリティのうち商標使用の対価相当分につき控訴人は支払義務を負わない旨主張する。
しかしながら,本件商標権譲渡契約においては,被控訴人の加盟店が,同契約締結後も本件商標の使用を希望するときには,既存の事業所に限り,本件商標の使用を許諾し,その際,ほっとステーションは,被控訴人に対しても,
被控訴人の加盟店に対しても,
使用料を請求しないものとされている
(被
控訴人に使用料を請求しないとされている前提として,ほっとステーションが被控訴人に対して本件商標の使用を許諾しているものと解される。こと,)
本件登録商標権の持分移転の後も,ほっとステーションと控訴人との間で商標の使用許諾に関する契約が締結されていないことに照らすと,持分移転された本件登録商標権の使用につき,
ほっとステーションが被控訴人に対して,
再許諾を許可した上で無償でこれを許諾し,これを更に被控訴人が控訴人に対して再許諾しているとみるべきである。
したがって,控訴人と被控訴人との間には,本件商標権譲渡契約後も,本件商標の使用許諾(再許諾)関係が継続していたことになるから,控訴人の上記主張は採用することができない。
3
ロイヤリティ支払義務の猶予又は免除の有無(争点⑵)について控訴人は,ロイヤリティに関しては,支払義務が免除されたと主張するが,これを裏付けるに足りる客観的証拠は存在しない上,控訴人の取締役であったAさえもがこれを否定する供述をしている(Aの尋問調書26頁)ことに照らすと,控訴人の主張を採用することは到底困難であるというほかない。そこで,控訴人は,Aの供述を根拠として,月額240万円の売上げを達成するまでは,ロイヤリティの支払を猶予するとの合意が成立したと主張する。しかし,仮にこのような支払猶予の合意が無条件で成立したとすると,被控訴人は,控訴人の売上げが月額240万円に達しない場合,いつまでもロイヤリティの支払を受けることができず,かといって,ロイヤリティの支払がないことを理由に契約解除をすることもできないという立場に立たされることになり,その結果は,余りにも不合理であるといわざるを得ない。また,仮に控訴人の売上げが月額240万円に達した場合,直ちに未払ロイヤリティ全額の支払義務が生じるのか,その一部について支払義務が生じるのに止まるのか等についても定められていなければ,混乱が生じることも明らかである。結局,控訴人が主張するような支払猶予合意が成立したといえるためには,支払猶予の対象となるロイヤリティは,どの範囲のものであるのか,支払猶予が解除される条件(例えば,売上げが月額240万円を超えたこと)が達成された場合,具体的にどのような形で,未払ロイヤリティの支払が求められることになるのか,解除条件が達成されないまま長期間が経過した場合,それでも契約関係は継続されるのかなどといった具体的な内容が確定される必要があると考えられるにもかかわらず,そのような点について合意はもとより,話し合いがされた形跡もうかがわれない。このように考えると,控訴人主張の支払猶予合意が成立したと認めることも困難であり,Aの証言(陳述書である乙19を含む。)及び被控訴人代表者の供述(陳述書である甲13を含む。)を併せ考えると,控訴人が,売上げが少ない中ではロイヤリティの支払は困難であると主張し,被控訴人も,まずは,控訴人の業績を改善させる必要があり,そうすればロイヤリティの支払を受けることも可能になると考えたところから,当面の間は,ロイヤリティの支払義務を事実上猶予していたと認定するのがせいぜいであるというべきである。
なお,控訴人は,特別経費については書面で請求がされているにもかかわらず,
ロイヤリティについては書面の請求がないのは不自然であり,
このことは,
ロイヤリティの支払が免除または猶予されていたことの証左であると主張する。しかし,ロイヤリティは,契約において支払時期と支払額が決まっているのに対し(Aの証言に照らしてみても,控訴人側が,ロイヤリティの支払額等の判断に迷っていた形跡はうかがわれない),特別経費は,被控訴人からの請求があって初めてその発生や額が認識可能になるといえるのであるから,特別経費についてのみ書面上の請求が行われるということは十分にあり得る事柄である。したがって,特別経費についてのみ書面の請求がされたとの事実は,ロイヤリティの支払義務の免除や猶予を裏付けるに足りる事情であるとはいい難い。また,控訴人が引き合いに出している甲3の1も,支払義務の免除や猶予を裏付けるのに足りる証拠であるとはいえず,
他にこれを認めるに足りる証拠はない。
第4

結論
よって,被控訴人の請求を原判決主文第1項記載の限度で認容した原判決は相
当であり,本件控訴は理由がないのでこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官
鶴岡稔彦上田卓哉石神有吾
裁判官

裁判官
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