判例検索β > 令和2年(わ)第99号
保護責任者遺棄被告事件
事件番号令和2(わ)99
事件名保護責任者遺棄被告事件
裁判年月日令和2年4月17日
裁判所名・部神戸地方裁判所
裁判日:西暦2020-04-17
情報公開日2020-06-05 16:00:20
裁判所の詳細 / 戻る / PDF版
令和2年4月17日宣告
令和2年(わ)第99号

保護責任者遺棄被告事件
主文
被告人両名をそれぞれ懲役2年に処する
被告人両名に対し,未決勾留日数中各30日をそれぞれその刑に算入する。被告人両名に対し,この裁判が確定した日から4年間それぞれその刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人両名は,被告人両名の実子であるA(当時5歳)
,B(当時3歳)
,C(当
時1歳)及びD(当時生後3か月)と神戸市a区b町c丁目d番e号で同居し,実父母として前記Aら4名を保護する責任のあったものであるが,同人ら4名を同室内に置き去りにしたままスロットをしようと考え,共謀の上,令和元年11月26日午前10時44分頃,同人ら4名を同室内に置き去りにして外出し,もって幼年者を遺棄したものである。
(量刑の理由)
乳児を含む幼子4名を置き去りにして外出するという犯行態様は,子らを放置した時間が長時間にわたることも考え併せると,その生命や身体に重大な危害を及ぼす危険性の高い悪質なものである。スロットに行くためという判示の犯行動機に酌むべきものはない。被告人両名は,子らが寝ている間に外出して帰宅するつもりであったため,犯行の危険性に対する認識が浅かったという趣旨を述べるけれども,被告人両名の行動は,実子を保護する責任のある者らとして非常識なものといわざるを得ず,強い非難を免れない。常習性もうかがえる。被告人Eは,主体的に犯行に及んでいるし,被告人Fは,被告人Eの影響を受けたとはいえ,子らの安全よりも自らと被告人Eとの関係が維持されることを優先し,結局は自らの判断で被告人Eに追随し,犯行に及んでいる。
以上の犯情事実によれば,被告人両名の刑事責任を軽視することは到底できないのであって,被告人両名の刑事責任は同等であるとしてそれぞれ懲役2年に処すべきとの検察官の科刑意見は,妥当なものと考えられる。
なお,以上に加えて,福祉機関の関与等による再犯の防止が期待されること,被告人両名がそれぞれ犯行を認め,絶対に再犯をしない旨誓って反省の態度を示していること,前科がない(被告人Fは前歴もない)ことなど,酌むべき事情をも考慮し,今回に限っては刑の執行を猶予することとする。
神戸地方裁判所第1刑事部

裁判官

松井修
トップに戻る

saiban.in