判例検索β > 令和1年(わ)第593号
傷害
事件番号令和1(わ)593
事件名傷害
裁判年月日令和2年2月4日
裁判所名・部福岡地方裁判所  小倉支部  第2刑事部
裁判日:西暦2020-02-04
情報公開日2020-06-04 22:27:47
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主文
被告人を懲役5年に処する
未決勾留日数中40日をその刑に算入する。
理由
【罪となるべき事実】
被告人は,A,B,C,D,E及びFと共謀の上,平成24年8月10日午前2時30分頃,北九州市(以下省略)駐車場において,前記Cが,Gに対し,持っていたアイスピック様のもので同人の左大腿部を1回突き刺し,よって,同人に加療約7日間を要する左大腿部刺創の傷害を負わせたものである。【量刑の理由】
本件は,H傘下の暴力団組長であった被告人が,ほかの組長や組員らと共謀の上,飲食店を統括していた被害者に対し,同店が暴力団立入禁止標章を掲示したことを理由に,アイスピック様のものでその左大腿部を刺して傷害を負わせた事案である。
同標章を掲示した店舗関係者に危害を加えて標章掲示をやめさせるとともに,Hに対する恐怖心をあおるために行われた犯行であり,その反社会的な動機は強く非難されなければならない。
犯行態様をみると,被害者の行動を確認し,下見をして犯行計画を立て,実行犯のほか,被害者が退店したことの連絡,実行犯の送迎,証拠品の処分等,それぞれが役割を分担して手際よく行われている。組織性,計画性は顕著であり,かなり悪質である。
被害者の傷害自体も刺創であって軽微とはいえない上,被害者は恐怖を感じて引越しを余儀なくされるなど,その精神的苦痛には大きなものがある。また,本件は,Hが一般市民を標的とした犯行であって,厳正な対応が求められる。
被告人は,ほかの暴力団組長にも協力を求め,それぞれが配下の組員に指示をして本件犯行に及んでおり,主犯としての責任を免れない。また,暴力団関係の事件で長期の服役を経験しながら本件に至っていることも看過しがたい。以上によると,被告人の刑事責任は重い。
そうすると,真相解明に貢献しているわけではないが,当公判廷に至ってようやく事実そのものは認めるに至ったこと,前述したように本件は社会的な影響を与えることを意図して行われた犯行であり,一定の限度はあるものの,被害者との間では82万円を支払って示談が成立し,被害者の処罰感情もある程度和らいでいること,遅きに失した感は否めないが,当公判廷において暴力団を脱退し正業に就く旨供述し,仕事を確保して保釈中に仕事を始めたことなど,被告人のために酌むことのできる事情を十分に考慮しても,主文の刑はやむを得ない。よって,主文のとおり判決する。
(求刑・懲役6年)
令和2年2月4日
福岡地方裁判所小倉支部第2刑事部
裁判官

鈴嶋晋一
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