判例検索β > 令和1年(わ)第692号
受託収賄
事件番号令和1(わ)692
事件名受託収賄
裁判年月日令和2年2月21日
裁判所名・部福岡地方裁判所  小倉支部  第2刑事部
裁判日:西暦2020-02-21
情報公開日2020-04-07 12:00:25
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主文
被告人を懲役1年に処する
この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。
被告人から13万1165円を追徴する。
訴訟費用は被告人の負担とする。
理由
【犯罪事実】
被告人は,平成26年4月1日から平成30年3月31日までの間,H高等学校に教諭として勤務し,同校校長の監督の下,同校サッカー部の顧問として,同校の推薦入学者選抜試験における部活動顧問推薦手続に関する職務に従事していたものであるが,平成27年8月11日,北九州市a区bc丁目d番e号所在の飲食店Iにおいて,Aから,平成28年度同校推薦入学者選抜に際し,同校サッカー部顧問として,同校に部活動推薦入学を希望するAの二男Bを推薦するなど,有利便宜な取り計らいをしてもらいたい旨の請託を受けて,これを承諾し,
1同日頃,同区bc丁目d番f号Jビル4階所在の飲食店Kにおいて,前記有利便宜な取り計らいをすることに対する報酬として供与されるものであることの情を知りながら,Aから,代金合計1万3715円相当の飲食の接待を受け,2平成28年3月22日,同区gh丁目i番j号所在の飲食店Lにおいて,同校サッカー部顧問としてBを推薦したことに対する謝礼の趣旨で供与されるものであることの情を知りながら,Aから,代金合計7700円相当の飲食の接待を受け,3同日頃,前記飲食店Kにおいて,前同様の情を知りながら,Aから,代金合計9750円相当の飲食の接待を受けるとともに,全国百貨店共通商品券100枚(額面金額合計10万円)の供与を受け
もって自己の職務に関し請託を受けて賄賂を収受した。
【証拠】
【法令の適用】
罰条
刑法197条1項後段(包括一罪)

刑の執行猶予

刑法25条1項


刑法197条の5後段


(1ないし3の各賄賂はいずれも没収することができない。)
訴訟費用の負担

刑事訴訟法181条1項本文

【量刑の理由】
本件は,県立高校教諭でサッカー部顧問を務めていた被告人が,中学生の保護者から飲食接待を受けるなどした上で,生徒の実績等に関わらず,その中学生をスポーツ推薦の候補者として推薦し,そのような行為の謝礼として保護者から商品券を受け取るなどしたものであり,サッカー部顧問としての自らの権限を悪用し,推薦入学者選抜制度の公正・信頼を大きく害した悪質な犯行であり,社会的な影響も大きいといえる。被告人は,飲食接待を受けたほか,10万円分の商品券を受け取っており,賄賂の総額は13万円を超え,その額は小さいものではない。
そうすると,被告人の刑事責任は軽いものではないが,他方で,先輩教諭から紹介や依頼を受けたことに端を発し,保護者の積極的な賄賂の提供に応じたという経緯があり,その経緯には一定の酌むべき事情があることに加え,被告人には前科はないこと,被告人は事実関係を素直に認め反省の弁を述べていること,被告人の妻が出廷し,今後の監督を誓約していることなどを考慮し,今回は刑の執行を猶予することとした。(求刑懲役1年,主文同旨の追徴)
令和2年2月21日
福岡地方裁判所小倉支部第2刑事部

裁判官

松村一成
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