判例検索β > 平成29年(行ウ)第590号
消費税更正処分等取消請求事件
裁判日:西暦2019-10-11
情報公開日2020-03-26 12:00:28
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令和元年10月11日判決言渡
平成29年(行ウ)第590号,平成30年(行ウ)第2号

消費税更正処分等取

消請求事件(以下,順に第1事件,第2事件という。)
主文1
原告の請求をいずれも棄却する。

2
訴訟費用は原告の負担とする。

第1
1実及び理由
請求
第1事件
(1)日本橋税務署長が原告に対し平成29年7月31日付けでした原告の平成25年1月1日から同年12月31日までの課税期間(以下平成25年12月課税期間という。)分の消費税及び地方消費税(以下消費税等という。)の更正処分(以下平成25年12月課税期間更正処分という。)のうち,消費税の還付金の額に相当する税額4152万795
9円及び地方消費税の還付金の額に相当する税額1038万1989円を超える部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。
(2)日本橋税務署長が原告に対し平成29年7月31日付けでした原告の平成26年1月1日から同年12月31日までの課税期間(以下平成26年12月課税期間という。)分の消費税等の更正処分(以下平成26年12月課税期間更正処分という。)のうち,消費税の還付金の額に相当する税額9120万5943円及び地方消費税の還付金の額に相当する税額2449万9345円を超える部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。
(3)日本橋税務署長が原告に対し平成29年7月31日付けでした原告の平
成27年1月1日から同年12月31日までの課税期間(以下平成27年12月課税期間といい,平成25年12月課税期間,平成26年12月課税期間と併せて本件各課税期間という。)分の消費税等の更正処分(以下平成27年12月課税期間更正処分といい,平成25年12月課税期間更正処分,平成26年12月課税期間更正処分と併せて本件各更正処分という。)のうち,消費税の還付金の額に相当する税額7849万7202円及び地方消費税の還付金の額に相当する税額2117万
2577円を超える部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。
2
第2事件
(1)日本橋税務署長が原告に対し平成28年12月27日付けでした原告の課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請の却下処分を取り消す。

(2)日本橋税務署長は,原告に対し,原告が平成28年11月15日付けでした課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請を承認せよ。
第2
1
事案の概要等
事案の概要
本件は,中古不動産の買取再販売を主な事業とする原告が,次の各請求をする事案である。
(1)第1事件
原告が,本件各課税期間の消費税等について,販売目的で行った課税仕入れである建物の購入のうち,購入時にその全部又は一部が住宅用として賃貸
されている建物(以下本件各建物といい,このような建物一般を住宅用賃貸部分を含む建物という。)に係るもの(以下本件各課税仕入れといい,このような課税仕入れ一般を本件課税仕入れという。)につき,消費税法30条2項1号イ所定の課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れに区分されることを前提として,同条1項の課税標準額に対する消
費税額から控除する課税仕入れに係る消費税額(控除対象仕入税額)を計算し,算出した納付すべき税額に基づき確定申告(以下本件各確定申告という。)をしたところ,日本橋税務署長から,本件各課税仕入れは,同条2項1号ロ所定の課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ(共通課税仕入れ)に区分されるとして,本件各更正処分及びこれらに伴う過少申告加算税の各賦課決定処分(以下本件各賦課決定処分という。)を受けたことから,これらの取消しを求める事案である。
(2)第2事件
原告が,仮に,本件課税仕入れが共通課税仕入れに区分される場合,控除対象仕入税額の計算に当たり,本件課税仕入れに係る消費税額に乗ずべき消費税法30条3項の課税売上割合に準ずる割合として,後記3(4)アの本件割合は合理的に算定されたものであると主張して,日本橋税務署長に対して
その適用承認申請(以下本件承認申請という。)をしたところ,日本橋税務署長から,本件承認申請を却下する旨の処分(以下本件却下処分という。)を受けたことから,その取消しを求めるとともに,本件割合の適用承認の義務付けを求める事案である。
2
関連法令等の定め
本件に関連する法令等の定めは,別紙2のとおりである(なお,同別紙における略語は,本文においても用いることがある。)。

3
前提事実(証拠の引用等のない事実は当事者間に争いがない。

(1)原告
原告は,平成2年5月2日に設立された,不動産の買取再販売を主な事
業とする株式会社である(甲3・4頁,乙2)。
(2)本件各課税仕入れ

原告は,本件各課税期間において,事業として,本件各建物(前記1(1)のとおり,いずれも購入時にその全部又は一部が住宅用として賃貸さ
れている建物である。)を購入した(甲4の1~3)。
原告の本件各課税期間ごとの本件各建物の購入価額(本件各課税仕入れの額。なお,同時に購入される敷地の購入価額を含まない。)は,次のとおりである(甲4の1~4の3)。
(ア)平成25年12月課税期間(79物件)24億7343万1009円(消費税等を含む金額は,25億9710万2535円)
(イ)平成26年12月課税期間(90物件)38億6764万5987円
(消費税等を含む金額は,41億5706万1487円)
(ウ)平成27年12月課税期間(175物件)
64億5225万4987円
(消費税等を含む金額は,69億6843万5309円)

原告による本件各建物の購入は,いずれも賃借権の負担付売買によるもので,買主である原告は,本件各建物の所有権を取得すると同時に,賃貸人としての地位を承継し(以下,かかる賃貸借契約に基づく貸付けを本件各住宅貸付けという。),本件各建物につき,引渡日以降の賃貸料を収受していた。


原告は,本件各建物の購入について,使用する会計システム上,本件各建物を取得した日付で棚卸資産である販売用不動産(建物)として入力し,その際,税区分について課税売上げにのみ要する課税仕入れとして入力していた。

(3)本件各確定申告
原告は,本件各課税期間の消費税について,別表1~3記載の各確定申告欄のとおり,本件各確定申告をした(甲8の1~3)。このとき,控除対象仕入税額については,いずれも個別対応方式によった上で,本件各課税仕入れは課税資産の譲渡等にのみ要するものに区分されることを前提として計算された(甲8の1~3,弁論の全趣旨)。(4)本件承認申請及び本件却下処分

原告は,平成28年11月15日,日本橋税務署長に対し,原告の共通課税仕入れのうち,本件課税仕入れ(住宅用賃貸部分を含む建物の購入に係るもの)に係る控除対象仕入税額の計算における消費税法30条3項の課税売上割合に準ずる割合については,当該割合を適用する各課税期間に譲渡した住宅用賃貸部分を含む建物の譲渡対価の額(課税売上げ)及び当該譲渡した住宅用賃貸部分を含む建物の仕入日(当該割合を適用する各課
税期間より前のものも含む。)から譲渡日までに生じた事業用貸付けに係る対価の額(課税売上げ)及び住宅用貸付けに係る対価の額(非課税売上げ)の合計額のうち,当該合計額から当該譲渡した住宅用賃貸部分を含む建物の住宅用貸付けに係る対価の額(非課税売上げ)を除いた額の占める割合(以下本件割合という。)によって計算するものとして,本件割
合についての適用承認の申請(本件承認申請)をした(甲10)。イ
日本橋税務署長は,同年12月27日,本件承認申請を却下し(本件却下処分),原告に通知した(甲13)。

(5)本件各更正処分及び本件各賦課決定処分
日本橋税務署長は,平成29年7月31日,本件各課税仕入れは共通課税
仕入れに区分されるべきであるとしたうえで,別表1~3記載の各更正処分欄のとおり,本件各更正処分及び本件各賦課決定処分をした(甲4の1~3)。
(6)本件訴訟に至る経緯

本件却下処分について
原告は,平成29年4月4日,本件却下処分を不服として再調査請求をしたが,再調査審理庁は,同年6月26日,同請求を棄却する旨の決定をした(弁論の全趣旨)。
原告は,同年7月28日,本件却下処分を不服として審査請求をした
が,国税不服審判所長は,平成30年7月9日,同審査請求を棄却する旨の裁決をした(弁論の全趣旨)。

本件各更正処分及び本件各賦課決定処分について
原告は,平成29年9月1日,本件各更正処分及び本件各賦課決定処分を不服として審査請求をしたが(別表1~3記載の各審査請求欄参照),国税不服審判所長は,平成30年7月9日,同審査請求を棄却する旨の裁決をした(甲45)。


本件訴訟の提起
原告は,平成29年12月27日,本件訴訟を提起した(顕著な事実)。

4
被告が主張する本件各更正処分に係る税額等
本件において被告が主張する本件各更正処分及び本件各賦課決定処分に係る
税額の算出根拠等は,別紙3記載のとおりである。
なお,本件において,原告の本件各課税期間における課税売上高は5億円を超えており,本件各課税期間における控除対象仕入税額が,個別対応方式によって計算されることについては,争いがない。
5
争点
(1)住宅用賃貸部分を含む建物の購入が控除対象仕入税額の計算において共通課税仕入れに区分されるとした本件各更正処分は適法であるか。(争点1)
(2)本件各更正処分が適法である場合,本件各確定申告における申告額が過少であったことにつき,国税通則法65条4項にいう正当な理由がある
か。(争点2)
(3)本件割合は,原告が営む事業の種類又は当該事業に係る販売費,一般管理費その他の費用の種類に応じ合理的に算定されるものであるか。(争点3)
第3
1
争点に係る当事者の主張
争点1(住宅用賃貸部分を含む建物の購入が控除対象仕入税額の計算において共通課税仕入れに区分されるとした本件各更正処分は適法であるか)について
(被告の主張)
(1)個別対応方式における用途区分の判定について

個別対応方式は課税仕入れについて用途区分を要するところ,消費税法30条2項1号は,用途区分について課税資産の譲渡等にのみ要するもの,課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等(括弧内省略)にのみ要するもの及び課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものと規定し,いずれも要したものとは規定していない。そして,仕入税額控除は,仕入れを行った日において,それが課税仕入れに該当す
るか否かを判断し,課税仕入れに該当する場合には,当該課税仕入れを行った日の属する課税期間において,課税資産の譲渡等に対応する部分を控除するものであることからすれば,課税資産の譲渡等に対応する部分の具体的な算出方法である用途区分も,当該課税仕入れを行った日の状況に基づき,その取引が事業者において行う将来の多様な取引のうちどのような
取引に要するものであるのかを客観的に判断すべきである。

これに対して,原告は,個別対応方式における用途区分の判定は課税仕入れの最終的ないし主たる目的によって行うべきである旨主張し,これについて,課税の累積排除という仕入税額控除の趣旨を指摘する。し
かし,個別対応方式における共通仕入控除税額は,共通課税仕入れに係る消費税額に各課税期間の課税売上割合を乗じて計算した金額に限られるものであり,控除されない金額すなわち非課税売上げに対応する部分として算定された金額について,課税の累積排除を考慮する必要がないことは,消費税法がもとより予定するところであって,課税仕入れの用
途区分が当該課税仕入れの最終的ないし主たる目的により判断されるものではない。
(2)本件各課税仕入れは共通課税仕入れに該当すること

原告は,本件各建物について,仕入れを行った日に棚卸資産として計上し,また,平均して7か月程度で譲渡していたことが認められる。これらによると,原告は,本件各建物について転売を意図して仕入れたものと認められるから,本件各課税仕入れは,課税資産の譲渡等に要する
ものであるということができる。
一方,本件各建物は,仕入れを行った日において,いずれもその全部又は一部が住宅貸付け(本件各住宅貸付け)の対象とされており,本件各課税仕入れは賃借権付売買によるものであった。また,原告は,売主から本件各住宅貸付けにおける賃貸人としての権利義務を承継し,同日
以降の賃貸料を現に収受し,当該賃貸料を原告の会計システムに不動産賃貸収入として入力しており,原告の決算説明資料でも投資用不動産保有期間中の賃貸収入は安定収入として経営基盤を下支えするものと説明されていた。これらのことからすると,原告は,仕入れを行った日において,賃貸料を収受することをも意図した上で,本件各課税仕
入れをしたものと認められる。したがって,本件各課税仕入れは,仕入れを行った日において非課税取引である住宅貸付けにも要するものであり,その他の資産の譲渡等に要するものでもあるということができる。したがって,本件各課税仕入れは,仕入れを行った日の状況に基づいて客観的に判断すれば,課税資産の譲渡等に要するとともにその他の資産の
譲渡等に要するものでもあるから,共通課税仕入れに該当する。

原告は,平成元年2月発行の消費税一問一答集(国税庁・部内限
り。以下平成元年発行一問一答集という。)の問434『課税資産の譲渡等にのみ要する』ことの意味の記載を踏まえ,消費税法の立法者は,課税仕入れの対価が最終的に課税資産の譲渡等のコストを構成するような課税仕入れをもって課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当するとの解釈を示していたといえると主張する。しかしながら,原告は,本件各住宅貸付けを行い,これに係る対価の額を収受しているのであるから,本件各課税仕入れに係る支払対価は,本件各住宅貸付けに係る原価をも構成しているのであって,原告の主張には理由がない。
また,原告は,平成元年9月発行の回答実例消費税質疑応答集

(前国税庁消費税課の職員が編者となっている。以下平成元年発行質疑応答集という。)において,販売目的で取得した土地を資材置場として利用している場合の造成費の用途区分については,最終的な目的が販売であることを理由としてその他の資産の譲渡等にのみ要するものに該当すると判断されていると主張する。しかしながら,当該事例は,造成費の
支出が行われた日には,その造成が行われた土地は,将来これを宅地として販売することのみが予定され,その後,一時的に資材置場としての使用が開始されたという事例であり,これを前提として,用途区分の判定は,飽くまで課税仕入れが行われた日の状況によって行われるものであり,その後の後発的事象(一時的に資材置場として使用を開始したこと)は,上
記の用途区分の判定結果を覆すものではないという趣旨を説明したものであり,原告の主張には理由がない。
(3)原告が本件各課税仕入れと同種又は関連すると指摘する事例について原告は,税務当局は,別紙4に記載された複数の事例において,従前から,事業者の課税仕入れの最終的な目的によって用途区分の判定を行い,課税仕入れに伴い副次的に収受する対価をその判定において考慮していないと主張する。しかし,原告が指摘する事例は,いずれも,税務当局が,事業者の課税仕入れの最終的な目的によって個別対応方式における用途区分の判定を行う取扱いを従前から採用していることを示すものではなく,用途区分の
判定に係る原告の主張する解釈を根拠付けるものではない。

分譲マンション購入費用事例について
分譲マンション購入費用事例は,事業者が分譲用マンションを買い取り,その後当該分譲用マンションを分譲するまでの間,その一部を一時期賃貸することとした事例であり,本件とは,用途区分の判定時期である課税仕入れの日における対象となる物件の性質(住宅の賃貸の用に供されている部分の有無)が異なることから,原告の主張は前提を誤るものであ
る。

賃貸中マンション購入費用事例について
賃貸中マンション購入費用事例については,そもそも当該事例の存否が確認できず,また,仮にそのような質疑回答がされているとしても,結果的に誤ったと思われる個別事案が一つあることを意味するにすぎず,これ
をもって,その後に行われる課税処分で同様の判断又は処理をすべきことにはならない。

土地購入仲介手数料事例について
土地購入仲介手数料事例については,当該土地の所有権の取得が区分所有となる建物の販売(課税売上げ)と土地の販売(非課税売上げ)の両方
に要するものとして,当該土地の所有権の取得に係る仲介手数料が共通課税仕入れに該当する旨の回答がされたものであって,当該土地につき,取得時に賃貸に供されており,賃貸収入があったとしても,このことは上記仲介手数料の用途区分の判定に影響を与えるものではなく,ましてや,事業者の課税仕入れの最終的な目的によって用途区分の判定を行った事例な
どということはできないことから,原告の主張する解釈の根拠となるものではない。

ガス管移設工事費事例について
ガス管移設工事費事例における他受工事補償金は,都市ガス供給業者
が,下水道事業者又は地下鉄事業者等の求めに応じてガス管を移設する場合に,当該ガス管の移設工事のための費用の補てんとして交付を受けるもの(不課税取引)であって,事業者(都市ガス供給業者)がガス管の移設工事を行ったことに対する対価として交付されるものではなく,ガス管の移設工事のための費用の支出を行うことにより事業者において生じた経済的損害を補てんするために交付されるものである。したがって,同事例における他受工事補償金は,事業者が課税仕入れを経た上でその獲得を意図
する不動産の転売益や賃料収入とは異なる性質のもので,用途区分の判定において考慮されないのは,課税仕入れの性質からして当然の帰結であることから,同事例は,原告の主張する解釈の根拠となるものではない。オ
株式委託売買手数料事例について
株式委託売買手数料事例における株式取引の委託売買手数料は,一般的
に,証券会社に株式などの売買を委託した投資家が,売買が成立した際に当該証券会社に対して支払う手数料であり,当該証券会社から役務の提供を受けたことに対して支払われるものにほかならず,本件各課税仕入れと同列に論じられるものではない。また,配当金の収受は,本件各住宅貸付けに係る賃貸料の収受とは異なり,株式の購入時に確実に予定されている
ものともいえないのであって,この点においても事案を異にするものであり,いずれにしても原告の主張する解釈の根拠となるものではない。(4)租税平等主義違反について

ある納税者が課税要件を充足するにもかかわらず,その充足がないものとして課税処分等が行われた場合には,当該課税処分等が租税平等主義に
反して違法と評価される可能性があるが,課税要件を充足する納税者について課税処分等が行われることは,租税平等主義の観点に照らして,何ら違法と評価されるべきものではない。

本件各課税仕入れは個別対応方式における用途区分において共通課税仕入れに該当し,消費税法30条2項1号の課税要件を充足するものであるから,本件各更正処分に何ら租税平等主義に反する違法がないことは明らかである。また,仮に平成23年4月に原告に対して実施された税務調査において,個別対応方式における用途区分についての指摘がされなかったとしても,そのことをもって,税務当局が本件課税仕入れにつき,課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当すると判断していたということはできない。

(5)信義則違反について
土地購入仲介手数料事例及び株式委託売買手数料事例は,原告が主張するような個別対応方式における用途区分の判定を事業者の課税仕入れの最終的な目的により行い,課税仕入れに伴い副次的に収受する対価をその判定において考慮しないという取扱いを示したものではなく,また,住宅用賃貸部分を含む建物の仕入れを対象とした事例でもないことから,本件課税仕入れの用途区分の判定を示したものではない。
したがって,本件は,そもそも,信義則が適用されるための大前提である税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示したとの要件
を満たさないことから,その余について判断するまでもなく,租税法規の適用における納税者間の平等,公平という要請を犠牲にしてもなお当該課税処分に係る課税を免れしめて納税者の信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情が存するとは到底認められず,本件各更正処分は信義則に反する違法処分でない。

(原告の主張)
(1)個別対応方式における用途区分の判定は課税仕入れの最終的な目的によって行うべきであること

個別対応方式における用途区分の判定は,課税仕入れの時点における事業者の目的によって行うべきであるところ,課税の累積排除という仕入税
額控除の趣旨からすれば,事業者の目的が課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等の双方を含む場合には,事業者がその課税仕入れを行った最終的ないし主たる目的がいずれの取引を行うことにあるのかによって判定すべきであり,事業者が課税資産の譲渡等を最終的ないし主たる目的として行った課税仕入れについては,仮に付随的な目的としてその他の資産の譲渡等が含まれていたとしても,課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当すると解すべきである。

これをいい換えると,課税資産の譲渡等にのみ要するものとは,直接,間接を問わず,また,現実に譲渡等を行った時期を問わず,その対価の額が最終的に課税資産の譲渡等のコストを構成することが予定されている課税仕入れをいうのであり,より簡潔にいうと,課税仕入れの時点において当該課税仕入れの対価の額が課税資産の譲渡等の原価を最終的に構成
することが予定されている課税仕入れをいうものと解すべきである。イ
消費税法30条2項1号の用途区分の定めが,同条1項の課税標準額に対する消費税額に関する定めに比して非常に簡素であること,用途区分の判定は原則として課税仕入れの時点において行うこととされているこ
と,個別対応方式による仕入税額控除は,昭和62年に国会に提出されて廃案となった売上税法案34条の仕組みをほとんどそのまま踏襲しているにもかかわらず,用途区分については,同法案で政令で定めるところによりとされていたのが削除されていることからすると,個別対応方式における用途区分の判定は,一定の割切りをもって捉えた事業者の課税仕入
れの目的に基づき行うことが予定されているといえ,ここでいう目的とは,仕入税額控除による課税の累積排除の重要性からすると,事業者の課税仕入れの最終的な目的と解するのが合理的である。
平成元年発行一問一答集の問434『課税資産の譲渡等にのみ要する』ことの意味における記載を踏まえると,消費税法の立法者は,課税仕入れの対価が最終的に課税資産の譲渡等のコストを構成するような課税仕入れをもって課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当するとの解釈を示していたといえるところ,課税仕入れの時点である課税仕入れの対価が最終的に課税資産の譲渡等のコストを構成することになるか否かは,事業者がその課税仕入れを行った最終的な目的によって判断せざるを得ないから,個別対応方式における用途区分の判定は事業者の課税仕入れの最終的な目的によって行うべきであるという解釈が導き出されることに
なる。このような解釈は,平成元年発行質疑応答集において,販売目的で取得した土地を資材置場として利用している場合の造成費の用途区分について

販売の目的で取得した土地に行った造成費用ですから,一時的に自社の資材置場として使用しているとしても,『非課税資産の譲渡等にのみ要するもの』となります。

と記載され,最終的なという文言は用い
られていないものの,最終的な目的が販売であることを理由としてその他の資産の譲渡等にのみ要するものに該当すると判定していること,この解説を受けて作成されたと考えられる,平成2年4月発行の消費税法取扱通達逐条解説において

(注)販売用の目的で取得し,一時的に自社の資材置場として使用しているときは,最終的な使用目的が販売用であるので非課税用となる。

と記載され,この説明が現在の消費税法基本通達11-2-15の解説にも引き継がれていることからも明らかである。ウ
仮に,課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等の双方を目的とする課税仕入れは共通課税仕入れに該当すると解するのが原則であるとしても,
課税の累積排除という仕入税額控除の趣旨からすると,当該課税仕入れが課税資産の譲渡等を不可欠の目的とする場合であって,その他の資産の譲渡等の目的が付随的なものかどうか,当該課税仕入れに係る資産又は役務を用いた資産の譲渡等による売上げ全体に占める非課税売上げの割合,その他諸般の事情を考慮し,当該課税仕入れを課税資産の譲渡等を行うためにのみ必要な課税仕入れと実質的に同視することができるときは,当該課税仕入れは課税資産の譲渡等にのみ要するものに区分することが認められるというべきである。このことは,消費税基本通達11-2-19の趣旨にも合致する。
(2)本件各課税仕入れの最終的な目的は本件各建物の再販売であり,賃貸料の収受はこれに含まれないこと

賃貸料の収受は本件各課税仕入れの目的に含まれないこと
原告は,不動産の買取再販売事業を主要な目的とする会社であるところ,本件各建物は,買取再販売のために購入されたもので,賃貸するために購入されたものではない。このことは,原告が,賃貸目的で購入した建物は固定資産に計上して減価償却をしているのに対し,本件各建物につい
ては棚卸資産に計上して減価償却をしていないことからも明らかである。本件各課税仕入れによって,本件各住宅貸付けにおける賃貸人の地位は法律上当然に原告に承継されており,原告は,賃貸料の収受を認識しながら本件各課税仕入れを行い,実際に賃貸料を収受している。しかしながら,それは飽くまで賃貸人の地位を法律上当然に承継したことに伴う結果
にすぎず,これを理由に,原告が賃貸料の収受を意図しており,本件各住宅貸付けが本件各課税仕入れの目的であるというのはおよそ無理があるといわざるを得ない。原告にとってみれば,販売目的で不動産を取得するに当たって,当該不動産が賃貸収入の発生しない住宅用不動産であるか,賃貸収入の発生する投資用不動産であるかは重要でなく,当該不動産の転売
によってどれだけの利益を得ることができるかが決定的に重要なのであり,このような経営上の判断を経て取得した不動産の中に,たまたま投資用不動産が含まれている場合があるというのにすぎない。
被告の主張によると,現に賃貸されている不動産をそのまま取得した場合,常に賃料収入を得ることを意図し,又は目的として当該不動産を取得
したと認定されることになるが,例えば,原告が販売用建物を取得した時点で既に転売先との売買契約が締結されているような場合において,転売先への売却完了までに収受する賃料はたまたま収受するものであることは明らかであって,上記認定が常識に照らして不合理であることは明らかである。

仮に賃貸料の収受が本件各課税仕入れの目的に含まれるとしても,付随的なものにすぎないこと
本件では,①原告は本件各建物を棚卸資産として計上していること,②原告は,棚卸資産として計上した建物は,できる限り短期間で販売することを事業方針としており,本件各課税期間以前に販売した各建物に関する平均事業期間は7か月以下であること,③本件各住宅貸付けにおける賃貸
人の地位は法律上当然に原告が承継せざるを得ないものであり,本件各課税仕入れは,本件各住宅貸付けそれ自体を意図し,又は目的として行われたものではないこと,④本件各建物のうち原告が実際に販売した建物から生じた売上げ全体に占める住宅貸付けに係る売上げの割合はほぼ10%にも満たないことからすれば,仮に本件各課税仕入れの目的に,販売目的だ
けでなく,本件各住宅貸付けの目的が含まれると考えるとしても,その最終的ないし主たる目的は課税資産の譲渡等である本件各建物の販売であり,本件各住宅貸付けは,飽くまで付随的なものにすぎないことが明らかである。
また,本件各課税仕入れの最終的ないし主たる目的は本件各建物の販売
である以上,本件各建物は棚卸資産として認められ,減価償却をすることはできないのであるから,本件各課税仕入れの対価の額は,最終的に本件各建物の販売の原価を構成することが予定されているといえる。
したがって,仮に本件各課税仕入れの目的に本件各住宅貸付けの目的が含まれていると考えるとしても,本件各課税仕入れは課税資産の譲渡等を行うためにのみ必要な課税仕入れに該当するといえ,又は,仮に共通課税仕入れに該当するとしても,課税資産の譲渡等を行うためにのみ必要な課税仕入れと実質的に同視することができるというべきである。(3)税務当局は,複数の事例において,個別対応方式における用途区分の判定を課税仕入れの最終的な目的によって行い,課税仕入れに伴い副次的に収受する対価をその判定において考慮していないこと
税務当局は,消費税基本通達11-2-12,11-2-15において,
個別対応方式における用途区分の判定を事業者の課税仕入れの目的により行うことを明らかにしているほか,別紙4に記載された複数の事例において,従前から,事業者の課税仕入れの最終的な目的によって用途区分の判定を行い,課税仕入れに伴い副次的に収受する対価をその判定において考慮していないのであって,このような取扱いは,消費税法の立法者の意思に沿うものである。このような取扱いに反し,本件各課税仕入れを共通課税仕入れとすることは認められない。

分譲マンション購入費用事例について
本件各課税仕入れと同種の課税仕入れである分譲マンション購入費用事例について,国税庁は,平成7年,最終的な目的が販売目的であることに
基づき,用途区分を判定する取扱いを各国税局に周知しており,このような取扱いは,国税庁の取扱事例等のデータベース上に,税務当局の職員において閲覧することが可能な状態で保存され,現在まで引き継がれている。
なお,同事例は,事業者が分譲用マンションを取得する時点において,
分譲するまでの間,その一部を一時期賃貸することが予定されていた事案であることは明らかである。

賃貸中マンション購入費用事例について
本件課税仕入れである賃貸中マンション購入費用事例について,東京国
税局は,平成9年頃,マンション購入に伴い収受する非課税売上げの賃料につき,副次的な対価であるとして,用途区分の判定において一切考慮しない取扱いをしている。このような取扱いは,東京国税局内の取扱事例等のデータベース上に,税務当局の職員において閲覧することが可能な状態で保存されており,現在まで引き継がれていると思料される。
なお,本件課税仕入れについて税務当局が共通課税仕入れに該当すると判定したのは,国税不服審判所平成24年1月19日裁決(甲29。以下
平成24年裁決という。)が初めてであると思料される。また,不動産関連事業の会社や税理士等を対象として平成31年3月13日に開催されたセミナーの参加者に対するアンケート結果等によると,本件課税仕入れを課税資産の譲渡等にのみ要するものに区分することについて,税務当局の税務調査での対応は区々になっているといえる。


土地購入仲介手数料事例について
国税庁のウェブサイトには,土地購入仲介手数料事例について,副次的に収受する土地の賃料を考慮せず,土地の販売及び建物の販売という事業者の最終的な目的のみを考慮して用途区分の判定をする旨の取扱いが掲載されているところ,このような取扱いは,平成10年発行一問一答にもほ
ぼ同内容で記載されており,課税仕入れの最終的な目的によって用途区分の判定を行い,課税仕入れに伴い副次的に収受する対価を考慮しない取扱いが従前から採用されている。

ガス管移設工事費事例について
平成10年発行一問一答には,ガス管移設工事費事例について,ガス管
移設のための課税仕入れの用途区分の判定において,副次的に収受する他受工事補償金を考慮せず,ガスの供給という最終的な目的のみを考慮して用途区分を判定する取扱いが掲載されている。

株式委託売買手数料事例について
国税庁のウェブサイトには,株式委託売買手数料事例について,副次的に収受し得る配当金を考慮せず,株式の売却という最終的な目的のみを考慮して用途区分を判定する取扱いが掲載されているところ,このような取扱いは,平成10年発行一問一答にもほぼ同内容で記載されており,課税仕入れの最終的な目的によって用途区分の判定を行い,課税仕入れに伴い副次的に収受する対価を考慮しない取扱いが従前から採用されている。(4)本件各課税仕入れを共通課税仕入れに該当すると判定することは租税平等主義に反すること

各種の租税法律関係において,国民は平等に取り扱われなければならず,合理的な理由の存しない限り,課税の上で同様の状況にあるものは同様に,異なる状況にあるものは状況に応じて異なって,それぞれ取り扱われるべきである。また,租税行政庁が,納税者に有利な解釈・適用を広く
一般的に行い,それを是正する措置を採っていない場合に,合理的な理由がないにもかかわらず特定の納税者を不利益に扱うことは,たとえ当該解釈・適用が行政先例法として成立していないとしても,平等取扱原則に反して許されない。

前記(3)アの分譲マンション購入費用事例,前記(3)イの賃貸中マンション購入費用事例は,税務当局において現在まで引き継がれ,一部の納税者については,その後も本件各課税仕入れと同種の課税仕入れや本件課税仕入れにつき課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当するとの処理が容認されていたことは明らかであって,このことは,近時の税務調査にお
いて,担当調査官は共通課税仕入れとして処理されていないことを理由に否認の対象となる旨指摘したものの,その上司の調査官がその必要はないとして否認されなかった事案があることなどからも認められる。また,前記(3)イのとおり,本件課税仕入れについて税務当局が共通課税仕入れに該当すると判定したのは,平成24年裁決が初めてであると思料され,そ
の後,本件課税仕入れを課税資産の譲渡等にのみ要するものに区分することについて,税務当局の税務調査での対応は区々になっているといえる。
さらに,原告は,平成23年4月に日本橋税務署による税務調査を受け,このとき消費税等については,その還付が多額であることなどを理由に過去3期分が対象とされ,個別対応方式における用途区分についても調査されたが,指摘されたのは本件とは無関係の用途区分の誤りだけであ
り,本件課税仕入れの用途区分についての指摘はされなかった。

以上のとおり,税務当局は,納税者に対する事前の周知等の是正措置を講じることもなく,突如として,これまで容認してきた本件課税仕入れの用途区分に関する消費税法の解釈又は適用を変更し,本件課税仕入れは共
通課税仕入れに該当するとして課税処分を進めている。税務当局が,原告以外の一部の納税者との関係では,本件課税仕入れにつき課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当するとの処理を容認していたことは明らかであって,本件各課税仕入れが共通課税仕入れに該当すると判定して本件各更正処分をすることは,租税平等主義に反する。

また,税務当局は,土地購入仲介手数料事例,ガス管移設工事費事例,株式委託売買手数料事例といった複数の事例において,課税仕入れの最終的な目的によって用途区分の判定を行い,課税仕入れに伴い副次的に収受する対価をその判定において考慮していないところ,このような用途区分の判定方法は本件各課税仕入れについても妥当すべきものであり,この観
点からも,本件各更正処分は租税平等主義に反する。
(5)本件各課税仕入れを共通課税仕入れに該当すると判定することは信義則に違反すること
税務当局は,土地購入仲介手数料事例,株式委託売買手数料事例において,個別対応方式における用途区分の判定を事業者の課税仕入れの最終的な
目的により行い,課税仕入れに伴い副次的に収受する対価をその判定において考慮しない取扱いをウェブサイト上の解説で公的見解として表示しており,原告はこれを信頼して,本件各課税仕入れを課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当するものと判定して税務申告をしてきたものである。それにもかかわらず,税務当局は,上記表示に反して本件各更正処分を行い,これによって原告は経済的不利益を受けたのであり,本件各確定申告について,原告に帰責事由がないことは明らかである。

これに加えて,本件課税仕入れを課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当するものとする取扱いは,現在でも国税庁の取扱事例等のデータベース上で引き継がれており,税務当局の間でも本件課税仕入れの用途区分に関する取扱いは区々であることからすると,本件において,租税法規の適用における納税者間の平等,公平の要請を犠牲にしてもなお,本件各更正処分に
係る課税を免れしめて原告の信頼を保護しなければ正義に反するといえる特別の事情があるというべきである。
したがって,仮に本件各課税仕入れが共通課税仕入れに該当するとしても,本件各更正処分は信義則に反する違法な処分として取り消されるべきである。

2
争点2(本件各更正処分が適法である場合,本件各確定申告における申告額が過少であったことにつき,国税通則法65条4項にいう正当な理由があるといえるか)について
(原告の主張)

(1)前記1(原告の主張)(3)アのとおり,国税庁は,平成7年に,分譲マンション購入費用事例において,取得目的が将来的に分譲することにあれば,課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当するとして差支えない旨回答し,また,国税庁作成による消費税一問一答(平成6年版)には,販売用の目的で取得し,一時的に自社の資材置き場として使用しているときは,最終的な使用目的が販売用であるので非課税用となると記載されていたことからすれば,国税庁は,従前,個別対応方式における用途区分については,事業者の課税仕入れの最終的な目的により判定することを明らかにしていたということができる(甲18の1・2,22の2参照)。
このことに加え,賃貸中マンション購入費用事例や,国税庁が,従前,課税資産の譲渡等にのみ要するものの意義について,直接,間接を問わず,また,現実に譲渡を行った時期を問わず,その対価の額が最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等をいうとの解釈を明らかにしていたところ,当該解釈に従うと,販売目的で建物を購入するに当たり,販売するまでの間,これを住宅用として賃貸する予定があったとしても,当該建物の購入はその対価の額が最終的に課税資産の譲渡等である販売
のコストに入るような課税仕入れに当たることなどからすると,個別対応方式における用途区分の判定を事業者の課税仕入れの最終的な目的により行う取扱いは,従前,税務当局の課税実務において広く認められていたものである。
したがって,本件各更正処分は,税務当局が従前認めていた上記取扱いを
突如として変更して行ったものであり,近年になって本件と同様の事案で更正処分を受けた者が原告以外にも多数存在することは,税務当局が従前認めていた上記取扱いを近年になって変更したことの証左である。
(2)これらのことからすれば,仮に本件各更正処分が適法であるとしても,原告が本件各課税仕入れを課税資産の譲渡等にのみ要するものに区分して
いたことは無理からぬところであり,本件における原告の過少申告は,税務当局が従前認めていた課税上の取扱いを突如変更したことにより生じたという点で,真に原告の責めに帰することのできない客観的な事情があり,過少申告加算税の趣旨に照らしても,原告に過少申告加算税を賦課することは不当ないし酷であるというべきである。

したがって,仮に本件各更正処分が適法であるとしても,原告による過少申告には正当な理由があるから,本件各賦課決定処分は取り消されるべきである。
(被告の主張)
分譲マンション購入費用事例及び賃貸中マンション購入費用事例は,本件各課税仕入れと同種の課税仕入れや本件課税仕入れについて課税資産の譲渡等にのみ要するものに区分する取扱いが従前より認められてきたことを
示すものではなく,土地購入仲介手数料事例,ガス管移設工事費事例,株式委託売買手数料事例は,個別対応方式における用途区分の判定を事業者の課税仕入れの最終的な目的によって行い,課税仕入れに伴い副次的に収受する対価をその判定において考慮しない取扱いを採用していることを示すものではない。したがって,これらをもって,原告が主張する取扱いを税務当局が
突如として変更したとはいえない。
むしろ,本件と争点を同一とする国税不服審判所平成17年11月10日裁決(乙14の1),同平成22年11月8日裁決(乙14の2),平成24年裁決における,当該用途区分についての処分行政庁の主張は,本件各更正処分の更正の理由と同内容であり,本件課税仕入れに対する用途区分に係
る税務当局の解釈が,突如変更されたような事実はない。
したがって,原告による過少申告に正当な理由があるとは認められない。
3
争点3(本件割合は,原告が営む事業の種類又は当該事業に係る販売費,一般管理費その他の費用の種類に応じ合理的に算定されるものであるか)について
(原告の主張)
(1)消費税法30条3項1号の合理的に算定される課税売上割合に準ずる割合について

個別対応方式においては,仕入れの時点において将来の課税資産の譲渡等に対応すると認められる課税仕入れに係る消費税額についてのみ仕入税額控除が認められているところ,共通課税仕入れに係る控除対象仕入税額については,共通課税仕入れに係る消費税額のうち将来の課税資産の譲渡等に対応する部分を正確に画することができないことから,課税技術上,課税売上割合を用いて計算することとしている。そして,ある共通課税仕入れに係る消費税額のうち将来の課税資産の譲渡等に対応する部分を課税売上割合よりも合理的に算定できる割合がある場合には,これを用いることを認めるべきであるところ,消費税法30条3項は,当該割合を課税売上割合に準ずる割合として,課税売上割合に代えて用いることを認めるものである。
そうすると,事業者が,課税売上割合に準ずる割合として承認を受けよう
とする割合が当該事業者の営む事業の種類又は当該事業に係る販売費,一般管理費その他の費用の種類に応じ合理的に算定されるものであるか否かは,単に当該割合自体が合理的に算定されるものか否かの問題ではなく,当該割合が,当該事業者の事業の種類又は同割合を適用しようとする共通課税仕入れの種類に応じて,その共通課税仕入れに係る消費税額のうち将来の課
税資産の譲渡等に対応する部分を課税売上割合よりも合理的に算定できる割合であるか否か,いい換えると,当該割合が,その共通課税仕入れに係る消費税額のうち将来の課税資産の譲渡等に対応する部分を課税売上割合よりも正確ないし適切に算定できる割合であるか否かによって判断することになる。

(2)本件割合について

まず,原告の不動産買取再販売事業は,建物とその敷地を併せて購入し,これらを併せて販売するものであるところ,建物とその敷地の双方の購入に関係する費用(例えば,販売用不動産購入時の仲介手数料や登記費用等のほか販売費及び一般管理費)は,土地及び建物の双方の販売に関す
る費用を構成するのに対し,住宅用賃貸部分を含む販売用建物の購入代金は,建物の販売等に関する費用ではあるが,非課税取引である土地の販売等に関する費用を構成するものではない。そうすると,住宅用賃貸部分を含む販売用建物の購入に係る控除対象仕入税額を計算するに当たって,非課税取引である土地の販売による売上げを反映した課税売上割合を適用することは,原告の不動産買取再販売事業の実態を反映しないものであって,著しく不合理である。他方で,それ以外の建物及びその敷地の双方の
購入に係る控除対象仕入税額については,課税売上割合を適用することに不都合はない。
したがって,住宅用賃貸部分を含む販売用建物の購入に係る控除対象仕入税額についてのみ課税売上割合に準ずる割合を適用することとし,その他の共通課税仕入れに係る控除対象仕入税額に課税売上割合を適用するこ
とには合理性が認められる。

次に,住宅用賃貸部分を含む販売用建物によって得られる売上げには,①同建物の転売による売上げ,②同建物の一部について事業用賃貸による売上げ,③同建物の全部又は一部の住宅用賃貸による売上げがあるとこ
ろ,課税売上割合に準ずる割合については,本来は,当該課税期間中に購入した住宅用賃貸部分を含む販売用建物から得られる上記①~③の各売上高の合計額(上記②③については,購入してから転売するまでの間の総額)を用いることが最も望ましいといえる。しかしながら,原告は,特定の課税期間中に購入した住宅用賃貸部分を含む販売用建物を当該課税期間
中に全て転売することができるわけではなく,また,全ての転売が完了する時期等も当該課税期間の終了時点では不明であることから,このような方法によることは不可能である。他方で,当該課税期間中に転売した住宅用賃貸部分を含む販売用建物から得られた上記①~③の各売上高は,住宅用賃貸部分を含む販売用建物から得られる上記①~③の各売上げの最も直
近の状況を反映したものであるから,これらを用いて,当該課税期間中に購入した住宅用賃貸部分を含む販売用建物の購入に係る消費税額についての課税売上割合に準ずる割合を算出することは,非常に合理的かつ実際的といえる。なお,原告の平成25年から平成28年までの各課税期間において,本件割合(上記①~③の各売上高の合計額に占める上記①②の合計額の割合)はいずれも9割前後であるのに対し,課税売上割合はいずれも4割前後であり,住宅用賃貸部分を含む販売用建物の購入に係る控除対象
仕入税額については,本件割合の方が,課税売上割合よりも合理的に算定できることは明らかである。
また,本件割合を承認することにより課税上の弊害が発生することはなく,仮に本件割合が承認された後にこれを用いることを不適当とする特別の事情が生じた場合には,税務署長はこれを取り消すことができるのであ
るから(消費税法施行令47条3項),事後的に生じた弊害発生に対処することも可能である。

以上を踏まえて,原告は,本件課税仕入れに係る控除対象仕入税額の計算における消費税法30条3項の課税売上割合に準ずる割合について,本件割合によって計算するものとする本件承認申請をしたものであり,本件
割合は,原告の不動産買取再販売事業に係る費用の種類の一つである住宅用賃貸部分を含む販売用建物の購入代金の性質等に応じて合理的に算定されるものであるから,消費税法30条3項1号の要件を充足する。(3)被告の主張に対する反論

被告は,消費税法30条3項1号にいう合理的に算定される課税売上割合に準ずる割合とは,当該課税期間の状況を示す数値を用いた計算方法によるものである必要があると主張するところ,確かに,同条6項において,課税売上割合は,これを適用しようとする課税期間における課税売上高と非課税売上高によって計算するものとされている。


しかしながら,消費税法は,税負担の累積を防止するために,課税仕入れに係る消費税額のうち課税資産の譲渡等のために必要となるものについて,課税資産の譲渡等に係る消費税額から控除するものとしているところ,共通課税仕入れに係る消費税額については,課税資産の譲渡等のために必要となる部分を正確に画することが難しいことから,便宜上,上記方法により計算される課税売上割合によって控除対象仕入税額に算入すべき消費税額を計算することとしているにすぎない。したがっ
て,課税売上割合がその割合を適用しようとする課税期間における課税売上高と非課税売上高によって計算されるからといって,課税売上割合に準ずる割合について,常にこれを適用しようとする課税期間の状況を示す数値のみにより算定しなければならないとする合理的な理由は何ら存在せず,消費税法30条3項1号にも規定されていない要件を充足し
なければならないとすることは,租税法律主義に明確に反する。
また,課税実務においては,ある課税期間にたまたま土地の譲渡があったことによって課税売上割合が減少する場合には,当該土地の譲渡があった課税期間の前3年に含まれる課税期間の通算課税売上割合又は当該土地の譲渡があった課税期間の前課税期間の課税売上割合のいずれか
低い割合を課税売上割合に準ずる割合として承認する取扱いが認められているところ,このことからしても,課税売上割合に準ずる割合はこれを適用しようとする課税期間の状況を示す数値により算定すべきであるとの被告の主張は,課税実務を否定するに等しい自己矛盾の主張であって,理由がない。


ところで,本件割合以外の課税売上割合に準ずる割合の現実的な算定方法としては,実際の販売の有無にかかわらず,各課税期間において住宅用賃貸部分を含む販売用建物から生み出された上記(2)イ①~③の各売上げに基づき,上記(2)イ①~③の各売上高の合計額に占める上記(2)イ
①②の合計額の割合(売上げ全体に占める課税売上げの割合)を算定する方法が考えられ,このような方法は,被告の主張に沿うものといえる。
しかしながら,原告が購入した住宅用賃貸部分を含む販売用建物から将来的に生み出される可能性のある売上げ全体に占める課税売上げの割合を算定するに当たっては,課税期間単位の割合のように各課税期間における売上げを機械的に用いて算定するよりも,賃貸のみならず,販売による売
上げを生み出した住宅用賃貸部分を含む販売用建物に関する売上げを用いて算定する方が,その状況をより適切に反映することができるため,合理的といえる。なお,原告の平成25年から平成28年までの各課税期間について,このような課税期間単位の割合を計算すると,各課税期間における本件割合とほぼ同じ9割前後であるところ,このことは,原告のように
住宅用賃貸部分を含む販売用建物を購入し,できる限り短期間で販売するという事業を複数年にわたり継続する場合,双方の割合にほとんど差が生じないことを示しており,このことからしても,本件割合がこれを適用しようとする課税期間の状況を示す数値により算定されていないことをもって,合理的に算定されるものでないなどといえないことは明らかであ
る。

仮に,被告が主張するように,課税売上割合に準ずる割合は,これを適用しようとする課税仕入れを行った日の属する課税期間の状況を示す数値により原則として算定すべきであると解するとしても,その例外が
一切認められないと解することはできないのであって,本件割合は,消費税法30条3項1号の合理的に算定されるとの要件を充足する。(被告の主張)
(1)消費税法30条3項1号の合理的に算定される課税売上割合に準ずる割合について

課税売上割合は,課税期間中に国内において行った資産の譲渡等の対価の額の合計額のうち,課税資産の譲渡等の対価の額の合計額の占める割合によって算出されるものであるところ(消費税法30条6項,消費税法施行令48条),課税売上割合の計算は,事業者のその課税期間中の国内における売上げの全てを基準として行われるものであることから,課税売上割合により計算した控除の対象となる金額が,事業者の事業の実態を適正に反映しない場合がある。そこで,消費税法30条3項において,課税対象となる売上げの額と非課税となる売上げの額の合計額のうちに課税対象となる売上げの額の占める割合を示すもの(課税売上割合に準ずる割合)として,事業の種類又は費用の種類に応じて合理的に算定される割合がある場合には,当該割合を課税売上割合に代えて用いることを認めている。

そして,共通課税仕入れについては,当該課税期間中の課税対象となる売上げの額と非課税となる売上げの額の合計額のうちに前者の占める割合(課税売上割合)に応じて,控除対象仕入税額が算出されるという仕組みとなっており,課税売上割合が課税期間の状況を示す数値(金額)により算定するものとされていること(消費税法30条2項,6項)からすれば,課税売上
割合に代えて用いられる課税売上割合に準ずる割合(同条3項)についても,その課税仕入れを行った日の属する課税期間の状況を示す数値(金額)により算定される必要がある。
以上によると,消費税法30条3項1号にいう合理的に算定される課税売上割合に準ずる割合とは,少なくとも①その事業者の営む事業の種類又
は費用の種類に応じて算出されるものであること,②課税売上割合の計算方法に準じた方法により算定されるもの(当該課税期間の状況を示す数値を用いた計算方法によるもの)であることのいずれも満たす割合である必要がある。
(2)本件割合について

本件割合には,適用される課税期間において収受する各住宅用賃貸部分を含む建物の貸付けに係る対価の額の一部が含まれておらず,その一方で,当該課税期間より前の課税期間において収受する貸付けに係る対価の額の一部が含まれている。したがって,本件割合は,住宅用賃貸部分を含む建物に係る売上げの額の当該課税期間における状況を示す数値(金額)に基づき算定されるものとはいえず,本件割合は,消費税法30条3項1号の要件を充足する合理的に算定されるものとは認められない。

第4
1
当裁判所の判断
争点1(住宅用賃貸部分を含む建物の購入が控除対象仕入税額の計算において共通課税仕入れに区分されるとした本件各更正処分は適法であるか)について

(1)個別対応方式における用途区分の判定について

個別対応方式における用途区分の判定について
消費税は,広く公平な税負担を求めるという観点から,ほとんど全ての国内において行われる取引を課税の対象として,その最終的な税負担をいわゆる最終消費者に求める税であるが,納税義務者は,生産や流通等の各
段階において課税資産の譲渡等を行う各事業者であり,消費者は,こうした各事業者が生産や流通等の各段階で物品やサービスの価格に順次転嫁していった消費税の税額に相当する額を最終的に負担することとなる。そこで,生産や流通等の各段階における取引で二重,三重に税が課されて税に相当する負担が累積することがないように,消費税法は,国内において課
税仕入れを行った日の属する課税期間中の課税標準額に対する消費税額から当該課税期間中に国内において行った課税仕入れに係る消費税額(控除対象仕入税額)を控除するものとしている(同法30条1項)。
そして,この控除対象仕入税額の計算に当たっては,原則として当該課税期間中の課税仕入れに係る消費税額の全額を控除することができるとさ
れる(同項)ところ,これは,課税仕入れに係る消費税額を控除する趣旨が上記に述べたとおりいわゆる課税の累積を排除することにあることからすれば,課税仕入れに対応する売上げに係る取引がその他の資産の譲渡等に当たるものであるときには課税の累積が生じないため当該課税仕入れに係る消費税額を控除の対象とする必然性はないものの,納税義務者の納税関係の事務の負担への配慮等といった観点から,当該課税期間における課税売上高が5億円以下である場合で,かつ課税売上割合が95パーセント以上である場合は,課税仕入れと売上げに係る取引との個別的な対応関係を問うことなく,当該課税期間中の課税仕入れに係る消費税額の全額の控除を認めたものであると解される。
他方,当該課税期間における課税売上高が5億円を超える場合,又は,
課税売上割合が95パーセントに満たない場合は,同法30条2項1号に規定する個別対応方式又は同項2号に規定する方式のいずれかの方法により控除対象仕入税額を計算するものとされるところ,これは,このように,大企業であって事務処理能力が高い場合,又は,売上げに係る取引の大部分が課税資産の譲渡等に当たるといえない場合については,上記に述
べた原則のとおりに,その他の資産の譲渡等に要する課税仕入れに係る消費税額は控除の対象とはならないとの前提に立って控除対象仕入税額を計算すべきであるとしたものであると解される。
そして,国内において行われた課税仕入れについて個別対応方式により控除対象仕入税額を計算するときは,課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額(同項1号イ)に課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れに課税売上割合を乗じて計算した金額(同号ロ)を加算する方法によるものとされるところ,その課税仕入れの区分の判断については,同号の文言等に即して,当該課税仕入れが行われた日の状況に基づいてその取引が事業者において行う将来の多様な取
引のうちのどのような取引に要するものであるのかを客観的に判断すべきものと解するのが相当である。

個別対応方式における用途区分の判定に係る原告の主張について
原告は,個別対応方式における用途区分の判定は,課税仕入れの最終的な目的によって行うべきであるとして,事業者が課税資産の譲渡等を最終的な目的として行った課税仕入れについては,仮に付随的な目的としてそ
の他の資産の譲渡等が含まれていたとしても,課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当すると解すべきであると主張する。しかしながら,用途区分の判定において課税仕入れの目的が考慮されるとしても,消費税法30条2項1号の文言や個別対応方式における用途区分に共通課税仕入れが設けられていることに照らすと,ここで考慮される
課税仕入れの目的が,原告が主張するような最終的ないし主たる目的に限定されると解すべき理由はない。
原告は,①その他の資産の譲渡等は付随的な目的にすぎず,当該課税仕入れに係る資産の譲渡等による売上げ全体に占める非課税売上げの割合が非常に小さい場合にまで,共通課税仕入れに区分した上で課税売上割合に
よって控除対象仕入税額を計算するのは,課税の累積が生じ得ることから妥当ではなく,また,②課税仕入れの時点では,課税資産の譲渡等の目的しかなかったものの,その後の事情の変化によって,一時的にその他の資産の譲渡等に供することとなった場合には課税資産の譲渡等にのみ要するものに区分されるのに対し,課税仕入れの時点で,付随的にその他の
資産の譲渡等の目的を有する場合に,形式的・機械的に共通課税仕入れに区分することとすると,取引実態に実質的な違いのない各事例で仕入税額控除上の差異を容認することとなり,不合理であると主張する。
しかしながら,仕入税額控除において,課税の累積の排除をいかに実現するかについては立法政策に委ねられていると解されるところ,個別対応
方式において共通課税仕入れと判定される課税仕入れについて,当該課税仕入れに係る資産の譲渡等による売上げ全体に占める非課税売上げの割合が非常に小さい場合が生じるとしても,そのことが課税の累積の排除の観点から直ちに許容されないとまではいえず,上記アのとおり個別対応方式における用途区分が当該課税仕入れの行われた日の状況に基づいて判断すべきものであることや,控除対象仕入税額(共通仕入控除税額)は課税売上割合に代えて課税売上割合に準ずる割合によって計算する余地もあるこ
とからすると,原告の主張する解釈によらなければ直ちに不合理な結果が生じるとまではいえないのであって,原告の主張には理由がない。ウ
原告が指摘する税務当局の取扱いについて
原告は,平成元年発行一問一答集及び平成元年発行質疑応答集の記載に
基づいて,個別対応方式における用途区分の判定は,事業者の課税仕入れの最終的な目的によって行われるべきであると主張する。
しかしながら,上記各記載は,直ちに法令解釈の根拠となるものとはいい難い。この点を措くとしても,平成元年発行一問一答集の記載においては『課税資産の譲渡等にのみ要するもの』とは,課税資産の譲渡等を行うためにのみ必要な課税仕入れ等をいう。すなわち,直接,間接を問わず,また,実際に使用する時期の前後を問わず,その対価の額が最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等である。と説明されているが(甲43添付4),これは

光熱費,事務用品などに課されている税額も『課税資産の譲渡等にのみ要するもの』はすべて控除できるというが,課税資産の譲渡等にのみ要するとはどのような意味か。

という問いに対して,直接経費のみならず間接経費であっても課税資産の譲渡等を行うために必要な課税仕入れ等に含まれることを説明する趣旨と解されるのであって,ここから原告が主張する解釈を読み取るのは困難といえる。また,平成元年発行質疑応答集の記載においては

質問の造成工事の費用については,販売の目的で取得した土地に行った造成費用ですから,一時的に自社の資材置場として使用しているとしても,『非課税資産の譲渡等にのみ要するもの』となります。

と説明されているが(甲43添付8),これは(略)S市M地区の宅地開発を行うこととして,用地を取得し,一部造成工事を行いましたが,宅地の販売開始が翌々事業年度となるので,一時的に当社の資材置場として使用しています。この場合,当期に行った造成工事の費用は,個別対応方式により仕入税額控除を計算するに当たって,①課税売上げにのみ要するもの,②非課税売上げにのみ要するもの,③課税・非課税売上げに共通して要するもののいずれに該当することになるのでしょうか。という問いに対する回答であって,その問いからは,必ずしも当該課税仕入れがされた日に当該土地を自社の資材置場として使用することが予定されていたことを読み取ることはできないこと
からすると,やはり,ここから原告が主張する解釈を読み取るのは困難といえる(なお,これと同様の記載は,平成元年8月発行の建設業,不動産売買・仲介業,不動産賃貸業,テナントこれが一番新しい消費税Q&A〔財団法人大蔵財務協会発行。甲43添付9〕
,平成2年4月発行の
消費税法取扱通達逐条解説〔同通達11-1-23の解説部分。甲4
3添付10〕,平成10年発行一問一答〔甲43添付14〕,平成30年3月発行の消費税法基本通達逐条解説〔同通達11-2-15の解説部分。甲21,43添付11〕にも認められるところ,これらの記載についても同様といえる。この点は後記2(2)でも述べる。)。
したがって,上記各記載に基づく原告の主張には理由がないといえる。

原告が指摘するその他の税務当局の取扱いについて
原告は,別紙4に記載された複数の事例において,従前から,事業者の課税仕入れの最終的な目的によって用途区分の判定を行い,課税仕入れに伴い副次的に収受する対価をその判定において考慮していないのであっ
て,このような取扱いは,消費税法の立法者の意思に沿うものである旨主張するが,上記各事例における取扱いは,直ちに法令解釈の根拠となるものとはいい難く,以下に述べるとおり,上記各事例をもって,原告が主張する解釈を採用すべきとはいえない。
(ア)分譲マンション購入費用事例について
分譲マンション購入費用事例については,当該課税仕入れがされた日に,当該マンションを賃貸の用に供することが予定されていたかどうかが必ずしも明らかでなく,当該事例をもって,直ちに原告が主張する解釈を読み取ることは困難といえる。
(イ)賃貸中マンション購入費用事例について
賃貸中マンション購入費用事例は,本件各課税仕入れと同様の事例に
おいて,法人の処理及び販売活動等から,マンションを転売目的で取得したことが明らかであることから,課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れに該当し,仕入税額控除が認められるとされており,概ね,原告が主張する解釈によった事例ともいうことができる。
もっとも,仮に,平成9年頃,このような事例に基づく取扱いがあっ
たとしても,個別事例の一つにすぎず,これをもって直ちに原告が主張する解釈を採用すべきということはできない。
(ウ)土地購入仲介手数料事例について
土地購入仲介手数料事例では,当該土地の所有権の取得が,課税売上げである建物の販売と非課税売上げである土地の販売の両方に要するも
のとして,当該土地の所有権の取得に係る仲介手数料が共通課税仕入れに該当する旨の回答がされているところ,当該土地が取得時に賃貸に供されていたことは,用途区分の判定に影響しなかったものといえることから,同事例は,原告の主張する解釈に基づく取扱いを示したものとはいえない。

(エ)ガス管移設工事費事例について
ガス管移設工事費事例における他受工事補償金は,事業者がガス管移設工事をしたことの対価として交付されるものではなく,ガス管移設工事費用の支出を行うことによって事業者に生じた経済的損害を補てんするためのものであることからすると,これが用途区分の判定において考慮されないのは,その性質によるものともいえるのであって,同事例は,原告の主張する解釈に基づく取扱いを示したものとはいえない。
(オ)株式委託売買手数料事例について
株式委託売買手数料事例における配当金は,株式を購入した時点で確実に予定されているものとはいえないことからすると,これが用途区分の判定において考慮されないのは,その性質によるものともいえるのであって,同事例は,原告の主張する解釈に基づく取扱いを示したものと
はいえない。

その他の原告の主張について
原告は,仮に課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等の双方を目的とする課税仕入れは共通課税仕入れに該当すると解するのが原則であるとし
ても,課税の累積の排除という仕入税額控除の趣旨からすると,それぞれの目的や当該課税仕入れに係る資産の譲渡等による売上げ全体に占める非課税売上げの割合,その他諸般の事情を考慮し,当該課税仕入れが課税資産の譲渡等を行うためにのみ必要な課税仕入れと実質的に同視することができるときは,当該課税仕入れは課税資産の譲渡等にのみ要するものに区分することが認められるべきであると主張する。しかしながら,かかる主張についても,消費税法30条2項1号の文言や個別対応方式における用途区分に共通課税仕入れが設けられていることに照らして採用することはできない。また,原告は,上記のとおり解釈するのが消費税基本通達11-2-19の趣旨に合致すると主張するが,同
通達は,共通課税仕入れ等について,例えば,原材料,包装材料,倉庫料,電力料等のように生産実績その他の合理的な基準によって課税資産の譲渡等にのみ要するものとその他の資産の譲渡等にのみ要するものとに区分することが可能な場合についての定めであって,そのような区分ができない場合について何ら定めるものではないことから,原告の主張には理由がない。
(2)本件各課税仕入れの用途区分について

本件においては,前提事実(1)(2)のとおり,①原告は,不動産の買取再販売を主な事業としていること,②原告は,本件各建物をいずれも事業として購入し,いずれも会計システムに棚卸資産として入力していること,③本件各建物の全部又は一部は,購入時に住宅用として賃貸されており,購入によって,原告は,賃貸人としての地位を承継し,引渡日以降の賃料
を収受していたことが認められる。
これらの事情を踏まえ,本件各課税仕入れが行われた日の状況に基づいて検討すると,本件各建物は,本件各課税仕入れが行われた日の状況において,販売に供されるとともに,一定の期間,住宅用の賃貸にも供されるものであったと認められることから,課税資産の譲渡等にのみ要するもの
とはいえず,また,その他の資産の譲渡等にのみ要するものともいえないのであって,本件各課税仕入れは,共通課税仕入れに該当するというべきである。

原告は,棚卸資産として計上した建物についてできるだけ短期間で販売することを事業方針とし,本件各課税期間以前に販売した建物に関する平均事業期間は7か月以下であったとして,本件各建物の全部又は一部が購入時に住宅用として賃貸されていたことは考慮されるべきではない旨主張する。
しかしながら,原告の主張を前提にしたとしても,本件各建物は,その
購入当時に一定の期間は住宅用貸付けに供され,原告が賃貸料を収受することが見込まれていたといえるのであって,購入当時に,具体的に住宅用貸付けが短期間で終了することが予定されていたような事情も見当たらないことも踏まえると,やはり,本件各課税仕入れは共通課税仕入れに該当するというべきであって,原告の主張は採用することができない。(3)租税平等主義違反の主張について

原告は,別紙4に記載された複数の事例における取扱い等を挙げた上で,税務当局は,本件課税仕入れについて課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当するとの処理を容認し,また,課税仕入れの最終的な目的によって用途区分の判定を行い,課税仕入れに伴い副次的に収受する対価をその判定において考慮しない取扱いをしていることから,本件各更正処分は,租税平等主義に違反すると主張する。


しかしながら,前記(1)エのとおり,分譲マンション購入費用事例,土地購入仲介手数料事例,ガス管移設工事費事例,株式委託売買手数料事例は,いずれも原告の主張する解釈に基づく取扱いを示したものとはいえない。

また,賃貸中マンション購入費用事例は,本件と同様の事例において,原告が主張する解釈に基づく対応を示すものといえるものの,仮に平成9年頃にこのような取扱いをした事例があったとしても,これをもって,直ちにそのような取扱いが一般的に是認されていたとまでは認め難い。さらに,原告は,平成31年3月13日に開催された不動産関連
事業の会社や税理士等を対象とするセミナーの参加者に対するアンケート結果等(甲52)に基づき,本件課税仕入れを課税資産の譲渡等にのみ要するものに区分することにつき,税務当局の税務調査での対応は区々になっているなどと主張するが,そもそも上記アンケートの回答における事案の詳細は明らかでないこと等からすると,やはり原告の主
張する解釈に基づく取扱いが広く一般的にされているとまでは認められない。
したがって,本件各更正処分について,租税平等主義に違反するということはできない。
(4)信義則違反の主張について

また,原告は,土地購入仲介手数料事例,株式委託売買手数料事例に
ついて,課税仕入れの最終的な目的によって用途区分の判定を行い,課税
仕入れに伴い副次的に収受する対価をその判定において考慮しない取扱いを公的見解としてウェブサイト上で表示しており,原告は,これを信頼して,本件各課税仕入れを課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当するものと判定して税務申告をしてきたとして,本件各更正処分は,信義則に違反すると主張する。


しかしながら,前記(1)エのとおり,土地購入仲介手数料事例,株式委
託売買手数料事例は,いずれも原告の主張する解釈に基づく取扱いを示したものとはいえず,本件において,税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示したとはいえない。
したがって,本件各更正処分について,信義則に違反するということは
できない。
(5)小括
以上のとおり,本件各課税仕入れは共通課税仕入れに区分されるものであって,本件各更正処分は適法である。
2
争点2(本件各更正処分が適法である場合,本件各確定申告における申告額が過少であったことにつき,国税通則法65条4項にいう正当な理由があるか)について
(1)過少申告加算税は,過少申告による納税義務違反の事実があれば,原則としてその違反者に対して課されるものであり,これによって,当初から適正
に申告し納税した納税者との間の客観的不公平の実質的な是正を図るとともに,過少申告による納税義務違反の発生を防止し,適正な申告納税の実現を図り,もって納税の実を挙げようとする行政上の措置である。この趣旨に照らせば,過少申告があっても例外的に過少申告加算税が課されない場合として国税通則法65条4項が定めた正当な理由があると認められる場合とは,真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり,上記のような過少申告加算税の趣旨に照らしてもなお納税者に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合をいうものと解するのが相当である(最高裁平成17年(行ヒ)第9号同18年4月20日第一小法廷判決・民集60巻4号1611頁,最高裁平成16年(行ヒ)第86号,第87号同18年4月25日第三小法廷判決・民集60巻4号1728頁参照)。
(2)掲記の各証拠によると,次の事実が認められる。

平成元年5月発行の消費税一問一答
(国税庁・部内限り)には,
副次的に発生する非課税売上げがある場合の課税仕入れの区分として,土地購入仲介手数料事例と同様の問いに対する回答として,
土地の賃貸収入がある場合でも,質問の場合のように,分譲用のマンションの建設計画に基づいて土地の所有権を取得していることが明らかであるときには,その取得に際して支払った仲介手数料は,課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れに該当する。と記載されている(甲43添付13)。
その後,平成10年発行一問一答には,土地購入仲介手数料事例について,別紙4のとおり共通課税仕入れに区分する旨記載されている。イ
平成元年8月発行の建設業,不動産売買・仲介業,不動産賃貸業,テナントこれが一番新しい消費税Q&A(財団法人大蔵財務協会発行)に

は,
個別対応方式で造成費の取り扱いは?として,

不動産業ですが,土地の造成費と土地仲介手数料は,土地の購入時の使用目的によって,消費税の取り扱いが異なると聞きました。これを具体的に説明して下さい。

という問いに対する回答として,
個別対応方式による場合は,課税仕入れを,課税売上げのみに要するもの,非課税売上げにのみ要するもの,課税売上げと非課税売上げに共通して要するもの,に区分して仕入控除税額を算出します。この区分は,土地の購入時の使用目的によって行います,

また,その土地を販売の目的で取得し,一時的に自社の資材置場等として使用しているときは,最終的な使用目的が販売用ですから,非課税売上げにのみ必要な課税仕入れとなります。

と記載されている(甲43添付9。以
下土地造成費等事例という。。

このような内容は,平成元年発行質疑応答集(甲43添付8),平成2年4月発行の
消費税法取扱通達逐条解説
(同通達11-1-23の解説
部分。甲43添付10)
,平成10年発行一問一答(甲43添付14)のほ
か,平成30年3月発行の消費税基本通達逐条解説
(同通達11-2-

15の解説部分。甲21,
43添付11)にも記載されている(もっとも,
平成元年発行質疑応答集では,当該事案の造成工事の費用が非課税資産の譲渡等にのみ要するものになる理由として,最終的な使用目的が販売用である旨の記載まではされていない。
また,国税庁のウェブサイト(平成30年11月9日印刷)には,副次的に発生する非課税売上げがある場合の課税仕入れの区分として,土地造成費等事例と同様の問いに対する回答として,質問の造成工事の費用については,販売の目的で取得した土地についての造成費用ですから,一時的に自社の資材置場として使用しているとしても,その他の資産の譲渡等にのみ要するものとなりますと記載されているが,そこでは,最終的な
使用目的が販売用である旨の記載まではされていない(甲43添付15)。

税務当局は,平成9年頃,賃貸中マンション購入費用事例において課税資産の譲渡等にのみ要するものに区分するとしたことがあった(甲43添付20)



原告は,平成23年4月に日本橋税務署による税務調査を受け,消費税等について,非課税売上げに対応する課税仕入れを課税売上げに対応するものとして処理していた誤りを指摘されて追納をしたが,このとき,本件課税仕入れの用途区分については指摘を受けることはなかった。その後,東京国税局は,平成28年9月に開始した税務調査において,原告に対し,本件各課税仕入れは共通課税仕入れに区分すべきである旨指摘し,修正申告を勧奨した(甲32・8,9頁)。


原告と同種事業を営む事業者(2社)は,本件課税仕入れについて,従前は課税資産の譲渡等にのみ要するものに区分していたが,平成29年11月以降,又は平成30年11月以降に実施された税務調査を経て,共通課税仕入れに区分されるとの見解に基づく更正処分を受けた(甲2
0,55。なお,原告は,このほかにも,税務当局から同様の指摘を受けた事業者が複数存在すると主張し,これに関する証拠を提出するが〔甲19,52,53〕,いずれについても,その事案の経緯や詳細は必ずしも明らかでないといわざるを得ない。)。
(3)以上を踏まえて検討するに,税務当局においては,平成元年当時,土地購
入仲介手数料事例と同様の事例につき,課税資産の譲渡等にのみ要するもの」として取り扱うことを記載した文献が存在していたほか,土地造成費等事例について,土地を販売の目的で取得し,一時的に自社の資材置場等として使用しているときは,最終的な使用目的に従って,非課税売上げにのみ必要な課税仕入れとして取り扱うことを記載した文献も存在していたのであって,これらによると,税務当局は,個別対応方式における用途区分において,主たる目的又は最終的な使用目的を考慮して用途区分を判定していたとも理解され得るのであり,平成9年頃の賃貸中マンション購入費用事例も,このような取扱いと整合するものとみることもできる。しかしながら,このうち土地購入仲介手数料事例と同様の事例については,平成10年3月発行一問一答では共通課税仕入れに区分する旨に変更されている(土地購入仲介手数料事例)。また,土地造成費等事例については,平成30年3月発行の「消費税基本通達逐条解説(同通達11-2-15の解説
部分)においても,平成元年8月発行の建設業,不動産売買・仲介業,不動産賃貸業,テナントこれが一番新しい消費税Q&A(財団法人大蔵財務

協会発行)
と同様の記載が認められるものの,
前記1(1)ウでも述べたとおり,
本件課税仕入れとは事案を異にしており,
また,
国税庁のウェブサイトには,
当該事案の造成工事の費用がその他の資産の譲渡等にのみ要するものになる理由として,
最終的な使用目的が販売用である旨の記載まではされていない。
そして,本件各確定申告当時には,本件課税仕入れについて共通課税仕入れに区分されることを示唆する裁判例(東京地方裁判所平成24年9月7日判

〔乙9〕さいたま地方裁判所平成25年6月26日判決

〔甲43添付7〕

名古屋地方裁判所平成26年10月23日判決
〔甲43添付25〕や国税不

服審判所の裁決
(国税不服審判所平成17年11月10日裁決
〔乙14の1〕

同平成22年11月8日裁決〔乙14の2〕
,平成24年裁決)が存していた
ほか,文献又は雑誌の記事においても,本件課税仕入れについて共通課税仕
入れに当たることを示すものが存していたことが認められる
(乙15,
20,
22,23)

また,原告は,平成23年4月の日本橋税務署による税務調査における経緯を指摘するが,このときに本件課税仕入れの用途区分について具体的なやり取りがされたとまでは認められない。

これらの事情を考慮すると,本件各確定申告において,原告が,本件各課税仕入れを課税資産の譲渡等に要するものに区分した上で控除対象仕入税額の計算をしたことについては,真に原告の責めに帰することのできない客観的な事情があり,過少申告加算税の趣旨に照らしてもなお原告に過少申告加算税を賦課することは不当又は酷になるとまではいえない。

(4)したがって,本件各確定申告における申告額が過少であったことにつき,国税通則法65条4項にいう正当な理由があるとはいえず,本件各賦課決定処分は適法である。
3
争点3(本件割合は,原告が営む事業の種類又は当該事業に係る販売費,一般管理費その他の費用の種類に応じ合理的に算定されるものであるか)について

(1)課税売上割合に準ずる割合について

個別対応方式により控除対象仕入税額を計算するに当たっては,その課税期間の課税仕入れのうち,共通課税仕入れに対応する部分については,課税売上割合を乗じて計算することになるが,事業者が課税売上割合に代わる他の合理的な割合につき所轄税務署長の承認を受けている場合には,その承認を条件として,その承認を受けた合理的な割合(課税売上割合に
準ずる割合)を乗じて仕入税額控除の計算ができるとされる(消費税法30条3項)。これは事業者における事業状況が,その課税仕入れのあった課税期間の課税売上割合に必ずしも反映していない場合があることから,かかる事例に対処するため,課税売上割合よりもより合理的な割合を適用することがその事業者にとって適切であるならば,その合理的な割合を認
めることを妥当とする趣旨によるものと解される。

課税売上割合に準ずる割合は,その事業者の営む事業の種類又はその事業に係る販売費,一般管理費,その他の費用の種類に応じて合理的に算定されることが必要とされるところ,事業者の事業の実態を適正に反映させ
るものであることが必要であり,課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものの性質に応ずる合理的な基準により算出される必要があると解するのが相当である(消費税基本通達11-5-7参照)。また,課税売上割合に準ずる合理的な割合を適用する場合には,その事業者について同一の割合を適用する必要はなく,例えば,①その事業者の
営む事業の種類の異なるごとに区分して課税売上割合に準ずる合理的な割合を適用する方法,②その事業者の事業に係る販売費,一般管理費その他の費用の種類の異なるごとに区分して課税売上割合に準ずる合理的な割合を適用する方法,③その事業者の事業に係る事業場の単位ごとに区分して課税売上割合に準ずる合理的な割合を適用する方法,④その他上記①~③の方法に準ずる方法によることも可能と解される(消費税基本通達11-5-8参照)。

(2)本件割合の合理性について

課税売上割合は,当該事業者が当該課税期間中に国内において行った資産の譲渡等の対価の額の合計額のうちに当該事業者が当該課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等の対価の額の合計額の占める割合として政令で定めるところにより計算した割合をいう(消費税法30条6項)。

原告における売上げ(資産の譲渡等の対価)は,主に,①土地及び建物の販売収入,②土地及び建物の事業用貸付けに係る賃貸料収入,③土地及び建物の住宅用貸付けに係る賃貸料収入であると認められるところ,課税売上割合は,概ね,当該課税期間における①~③の合計額のうち,課税資産の譲渡等の対価(建物の販売収入,建物の事業用貸付けに係る賃貸料収
入)の合計額の占める割合として計算される(甲3,5,6,8の1~4,弁論の全趣旨)。
一方,本件割合は,本件課税仕入れに係る控除対象仕入税額の計算のみを対象として,①各課税期間に譲渡した住宅用賃貸部分を含む建物の販売収入,②各課税期間に譲渡した住宅用賃貸部分を含む建物について仕入日
から譲渡日までに生じた事業用貸付けに係る賃貸料収入,③各課税期間に譲渡した住宅用賃貸部分を含む建物について仕入日から譲渡日までに生じた住宅用貸付けに係る賃貸料収入の合計額のうち,①及び②の合計額の占める割合として計算されるものである。

そこで検討するに,本件課税仕入れは,住宅用賃貸部分を含む建物の購入であって,課税売上げである販売代金及び事業用貸付けに係る賃貸料,非課税売上げである住宅用貸付けに係る賃貸料に共通して要することから共通課税仕入れに区分されるところ,その共通仕入控除税額を計算するに当たって,土地の販売収入及び賃貸料収入を算定の基礎に含めることは,その事業状況を適切に反映するものとはいえず,建物の販売収入及び賃貸料収入に基づく割合によって計算することは,課税売上割合によって計算
するよりも合理的といえる(なお,その上で本件課税仕入れ以外の共通課税仕入れについては課税売上割合を適用することとしても,不合理な結果は生じないといえる。)。
もっとも,課税売上割合は,当該課税期間における売上げ等によって計算することとされていること(消費税法30条6項)に照らすと,課税売
上割合に準ずる割合を建物の販売収入及び賃貸料収入によって計算するに当たっては,当該販売収入及び賃貸料収入は,当該課税期間における各収入によるのが相当といえる。
これに対し,本件割合は,当該課税期間に譲渡した住宅用賃貸部分を含む建物に着目した上で,当該建物に係る販売収入及びその仕入日から譲渡
日までに生じた賃貸料収入によって計算するものであるが,このような計算によると,当該建物が譲渡されない限り,その賃貸料収入は課税売上割合に準ずる割合に反映されないこととなるところ,このような計算方法によることの合理性は明らかにされているとはいい難い。
原告は,本件各課税期間等において本件割合を計算した場合に,当該課
税期間における建物の販売収入及び賃貸料収入によって計算した場合と,ほぼ同じ割合が算出されると主張するが,仮に,そのような事実が認められるとしても,これらが常に同様の数値を示す関係にあるとまではいえないことからすると,やはり本件割合は合理的に算定されるものとはいえないというべきである。


したがって,本件割合は,原告が営む事業の種類又は当該事業に係る販売費,一般管理費その他の費用の種類に応じ合理的に算定されるものということはできず,本件却下処分は適法である。
第4

結論
以上によれば,原告の請求はいずれも理由がないことからこれらを棄却する
こととし,主文のとおり判決する。

東京地方裁判所民事第38部

裁判長裁判官

鎌野真敬
裁判官

網田圭亮
裁判官

野村昌也
(別紙1省略)
(別表1省略)
(別表2省略)
(別表3省略
(別表4-1省略)
(別表4-2省略)

(別表4-3省略)
(別表5-1省略)
(別表5-2省略)
(別表5-3省略)

(別紙2)
関係法令等の定め

第1
消費税法等の定め

1(1)消費税法2条1項9号は,課税資産の譲渡等について,資産の譲渡等(事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供をいう。同項8号参照)のうち,同法6条1項の規定により消費税を課さないこととされるもの以外のものをいう旨定めている。
そして,同項は,国内において行われる資産の譲渡等のうち,同法別表第
一に掲げるものには,消費税を課さない旨定め,同別表1号は,土地(土地の上に存する権利を含む。
)の譲渡及び貸付け(一時的に使用させる場合その
他の政令で定める場合を除く。
)を掲げ,同別表13号は,住宅(人の居住の
用に供する家屋又は家屋のうち人の居住の用に供する部分をいう。の貸付け)
(当該貸付けに係る契約において人の居住の用に供することが明らかにされ
ているものに限るものとし,一時的に使用させる場合その他の政令で定める場合を除く。
)を掲げている。
(2)消費税法2条1項12号は,課税仕入れについて,事業者が,事業として他の者から資産を譲り受け,若しくは借り受け,又は役務の提供(所得税法28条1項に規定する給与等を対価とする役務の提供を除く。を受けること)

(当該他の者が事業として当該資産を譲り渡し,若しくは貸し付け,又は当該役務の提供をしたとした場合に課税資産の譲渡等に該当することとなるもので,消費税法7条1項各号に掲げる資産の譲渡等に該当するもの及び同法8条1項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるもの以外のものに限る。
)をいう旨定めている。

2(1)消費税法30条1項(平成25年12月課税期間については平成24年法律第68号による改正前のもの,平成26年12月課税期間については平成27年法律第9号による改正前のもの)は,事業者が,国内において行う課税仕入れについては,同項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める日の属する課税期間の同法45条1項2号に掲げる課税標準額に対する消費税額から,当該課税期間中に国内において行った課税仕入れに係る消費税額を控除する旨(以下仕入税額控除ともいい,控除する税額を控除対象仕入税額という。)定めている。
そして,同法30条1項1号は,国内において課税仕入れを行った場合について,当該課税仕入れを行った日と定めている。
(2)消費税法30条2項(平成25年12月課税期間及び平成26年12月課
税期間については平成27年法律第9号による改正前のもの)は,同条1項の場合において,同項に規定する課税期間における課税売上高が5億円を超えるとき,又は当該課税期間における課税売上割合が100分の95に満たないときは,同項の規定により控除する課税仕入れに係る消費税額(控除対象仕入税額)は,同項の規定にかかわらず,同条2項各号に掲げる場合の区
分に応じ当該各号に定める方法により計算した金額とする旨定めている。そして,同項1号は,当該課税期間中に国内において行った課税仕入れにつき,課税資産の譲渡等にのみ要するもの,課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等(以下その他の資産の譲渡等という。
)にのみ要するもの及び課税
資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの(以下共通課税仕入れともいう。)にその区分が明らかにされている場合(以下,当該区
分を用途区分ということがある。
)について,課税資産の譲渡等にのみ要
する課税仕入れに係る消費税額(同号イ)に,課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ(共通課税仕入れ)に係る消費税額に課税売上割合を乗じて計算した金額
(同号ロ。共通仕入控除税額
以下

という。
)を加算する方法(以下,当該方法を個別対応方式ということが
ある。
)による旨定めている。
(3)消費税法30条3項は,同条2項1号に掲げる場合において,同号ロに掲げる金額(共通仕入控除税額)の計算の基礎となる同号ロに規定する課税売上割合に準ずる割合(当該割合が当該事業者の営む事業の種類の異なるごと又は当該事業に係る販売費,一般管理費その他の費用の種類の異なるごとに区分して算出したものである場合には,当該区分して算出したそれぞれの割合)で同条3項各号に掲げる要件の全てに該当するものがあるときは,当該事業者の同項2号に規定する承認を受けた日の属する課税期間以後の課税期間については,同条2項1号の規定にかかわらず,同号ロに掲げる金額(共通仕入控除税額)は,当該課税売上割合に代えて,当該割合(以下,単に課税売上割合に準ずる割合ということがある。)を用いて計算した金額とする
旨定めている。
そして,同条3項1号は,当該割合が当該事業者の営む事業の種類又は当該事業に係る販売費,一般管理費その他の費用の種類に応じ合理的に算定されるものであることを掲げ,同項2号は,当該割合を用いて同条2項1号ロ
に掲げる金額を計算することにつき,その納税地を所轄する税務署長の承認を受けたものであることを掲げている。
(4)消費税法施行令47条1項は,消費税法30条3項2号に規定する承認を受けようとする事業者は,その用いようとする同項に規定する課税売上割合に準ずる割合の算出方法の内容その他財務省令で定める事項を記載した申請
書を納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない旨定め,同施行令47条2項は,税務署長は,同条1項の申請書の提出があった場合には,遅滞なく,これを審査し,その申請に係る課税売上割合に準ずる割合を用いて消費税法30条2項1号ロに掲げる金額(共通仕入控除税額)を計算することを承認し,又はその申請に係る課税売上割合に準ずる割合が合理的に算出
されたものでないと認めるときは,その申請を却下する旨定め,同施行令47条3項は,税務署長は,同条2項の承認をした後,その承認に係る課税売上割合に準ずる割合を用いて共通仕入控除税額を計算することを不適当とする特別の事情が生じたと認める場合には,その承認を取り消すことができる旨定め,同条4項は,税務署長は,同条2項及び3項の処分をするときは,その処分に係る事業者に対し,書面によりその旨を通知する旨定めている。(5)消費税法30条6項(平成25年12月課税期間については平成24年法
律第68号による改正前のもの,平成26年12月課税期間については平成27年法律第9号による改正前のもの)は,同条2項に規定する課税売上割合とは,当該事業者が当該課税期間中に国内において行った資産の譲渡等の対価の額の合計額のうちに当該事業者が当該課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等の対価の額の合計額の占める割合として政令で定めると
ころにより計算した割合をいう旨定めている。

第2
1
消費税法基本通達の定め(乙1)
消費税法基本通達11-2-12(課税資産の譲渡等にのみ要するものの意義)は,消費税法30条2項1号に規定する課税資産の譲渡等にのみ要するも
のとは,課税資産の譲渡等を行うためにのみ必要な課税仕入れ等をいい,例えば①そのまま他に譲渡される課税資産,②課税資産の製造用にのみ消費し,又は使用される原材料,容器,包紙,機械及び装置,工具,器具,備品等並びに③課税資産に係る倉庫料,運送費,広告宣伝費,支払手数料又は支払加工賃等の課税仕入れ等がこれに該当する旨を定め,また,当該課税仕入れ等を行った
課税期間において当該課税仕入れ等に対応する課税資産の譲渡等があったかどうかは問わないことに留意する旨定めている。
2
消費税基本通達11-2-15(課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等にのみ要するものの意義)は,消費税法30条2項1号に規定する課税資産の譲渡
等以外の資産の譲渡等(その他の資産の譲渡等)にのみ要するものとは,同法6条1項の規定により非課税となる資産の譲渡等
(以下
非課税資産の譲渡等
という。
)を行うためにのみ必要な課税仕入れ等をいい,例えば,販売用の土地の造成に係る課税仕入れ,賃貸用住宅の建築に係る課税仕入れがこれに該当する旨定めている。
3
消費税法基本通達11-2-19(共通用の課税仕入れ等を合理的な基準により区分した場合)は,課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して
要するものに該当する課税仕入れ等(以下共通課税仕入れ等という。)であ
っても,例えば,原材料,包装材料,倉庫料,電力料等のように生産実績その他の合理的な基準により課税資産の譲渡等にのみ要するものとその他の資産の譲渡等にのみ要するものとに区分することが可能なものについて当該合理的な基準により区分している場合には,当該区分したところにより個別対応方式を
適用することとして差支えない旨定めている。
4
消費税法基本通達11-5-7(課税売上割合に準ずる割合)は,消費税法30条3項に規定する課税売上割合に準ずる割合とは,使用人の数又は従事日数の割合,消費又は使用する資産の価額,使用数量,使用面積の割合その他課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものの性質に応ずる
合理的な基準により算出した割合をいう旨定めている。
5
消費税法基本通達11-5-8
(課税売上割合に準ずる割合の適用範囲)
は,
課税売上割合に準ずる割合の適用に当たっては,その事業者が行う事業の全部について同一の割合を適用する必要はなく,例えば,①当該事業者の営む事業
の種類の異なるごとにそれぞれ異なる課税売上割合に準ずる割合を適用する方法,②当該事業者の事業に係る販売費,一般管理費その他の費用の種類の異なるごとにそれぞれ異なる課税売上割合に準ずる割合を適用する方法,又は③当該事業者の事業に係る事業場の単位ごとにそれぞれ異なる課税売上割合に準ずる割合を適用する方法によることもできること,及び,この場合には,適用す
べき課税売上割合に準ずる割合の全てについて税務署長の承認を受けなければならないことにつき留意する旨定めている。
第3
1
国税通則法の定め
国税通則法(平成28年法律第15号による改正前のもの。以下同じ。)65
条1項は,期限内申告書が提出された場合において,更正があったときは,当該納税者に対し,その更正に基づき同法35条2項の規定により納付すべき税
額に100分の10の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税を課する旨定めている。
2
国税通則法65条2項は,同条1項の規定に該当する場合において、同項に規定する納付すべき税額がその国税に係る期限内申告税額に相当する金額と50万円とのいずれか多い金額を超えるときは、同項の過少申告加算税の額は、
同項の規定にかかわらず、同項の規定により計算した金額に、当該超える部分に相当する税額(同項に規定する納付すべき税額が当該超える部分に相当する税額に満たないときは、当該納付すべき税額)に100分の5の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とする旨定めている。
3
国税通則法65条4項は,同条1項又は2項に規定する納付すべき税額の計算の基礎となった事実のうちにその更正前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて正当な理由があると認められるものがある場合には,同条1項又は2項に規定する納付すべき税額からその正当な理由があると認められる事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除して,
同条1項又は2項の規定を適用する旨定めている。
以上
(別紙3)
被告主張額の根拠等

(1)本件各更正処分の根拠
被告が主張する原告の本件各課税期間に係る消費税等の各課税標準額及び
納付すべき消費税等の額は,次のとおりである。

平成25年12月課税期間更正処分の根拠
(ア)課税標準額(別表4-1①欄)

85億5713万7000円

上記金額は,原告の平成25年12月課税期間の消費税等の確定申告書(以下平成25年12月課税期間確定申告書という。)の①課税標準額欄(甲8の1・1枚目)に記載された金額と同額である。(イ)課税標準額に対する消費税額(別表4-1②欄)3億4228万5480円
上記金額は,
消費税法29条(本件各課税期間のうち平成26年3月3

1日以前に行う課税資産の譲渡等については平成24年法律第68号による改正前のもの。以下同じ。)の規定に基づき,前記(ア)の金額に税率100分の4を乗じて算出した金額であり,平成25年12月課税期間確定申告書の②消費税額欄(甲8の1・1枚目)に記載された金額と同額である。

(ウ)控除対象仕入税額(別表4-1④欄・別表5-1⑮欄)3億2594万3065円
上記金額は,次のaの金額に,次のbの金額に次のcの割合を乗じて計算した金額を加算した金額であり,
消費税法30条1項(本件各課税期
間のうち平成26年3月31日以前に行う課税仕入れについては平成2
4年法律第68号による改正前のもの。本件各課税期間のうち平成26年4月1日から平成27年3月31日までに行う課税仕入れについては平成27年法律第9号による改正前のもの。以下同じ。)所定の仕入れに係る消費税額の控除に関する金額である。
控除対象仕入税額の計算に当たっては,次のcのとおり,平成25年12月課税期間における課税売上割合が41.
507984506(以下
略)パーセントであり,100分の95に満たないことから,原告が選択した個別対応方式により計算する。
a
課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額(別表5-1⑧欄)2億6122万2993円
上記金額は,次の(a)の金額から次の(b)の金額を減算した金額であ
る。
(a)申告による課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額(別表5-1⑨欄)

3億6016万0213円

上記金額は,平成25年12月課税期間確定申告書に添付された
付表2の⑭
⑫のうち,課税売上げにのみ要するもの
欄(甲8の1・
2枚目)に記載された金額と同額である。

(b)課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額から減算すべき金額(別表5-1⑩欄)

9893万7220円

上記金額は,
前記(a)の金額に含まれる本件各課税仕入れに係る消
費税額(本件各課税仕入れに係る消費税等の額の合計額1億2367万1526円
〔甲4の1・3~6枚目の表の
消費税等の額(合の計金額)欄〕に100分の80の割合を乗じて算出した金額。)であり,本件各課税仕入れが,課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れには区分されず,共通課税仕入れに区分されることから,課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額に含まれないものである。

b
共通課税仕入れの税額(別表5-1⑪欄)1億5592万1982円上記金額は,
次の(a)の金額に次の(b)の金額を加算した金額である。
(a)申告による共通課税仕入れの税額(別表5-1⑫欄)
5698万4762円
上記金額は,平成25年12月課税期間確定申告書に添付された
付表2の⑮⑫のうち,課税売上げと非課税売上げに共通して要するもの欄(甲8の1・2枚目)に記載された金額と同額である。(b)共通課税仕入れの税額に加算すべき金額(別表5-1⑬欄)9893万7220円
上記金額は,
前記a(b)の本件各課税仕入れに係る消費税額であり,
本件各課税仕入れが,共通課税仕入れに区分されることから,共通
課税仕入れの税額に含まれるべきものである。
c
課税売上割合(別表5-1⑤欄)
41.507984506(以下略)パーセント
上記金額は,次の(a)の金額のうちに次の(b)の金額の占める割合で
ある。
(a)資産の譲渡等の対価の額の合計額(別表5-1④欄)206億1564万1084円
上記金額は,平成25年12月課税期間確定申告書に添付された
付表2の⑦資産の譲渡等の対価の額(⑤+⑥)欄(甲8の1・2枚
目)に記載された金額と同額である。
(b)課税資産の譲渡等の対価の額の合計額(別表5-1①欄)85億5713万7107円
上記金額は,平成25年12月課税期間確定申告書に添付された
付表2の④課税資産の譲渡等の対価の額(①+②+③)欄(甲8の
1・2枚目)に記載された金額と同額である。
(エ)差引税額(別表4-1⑨欄)

1634万2400円
上記金額は,
前記(イ)の金額から前記(ウ)の金額を控除した金額(ただし,国税通則法119条1項の規定に基づき100円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)である。
(オ)既に還付の確定した本税額(別表4-1⑩欄)
4152万7959円

上記金額は,平成25年12月課税期間確定申告書の⑧控除不足還付税額(⑦-②-③)欄(甲8の1・1枚目)に記載された金額と同額である。
(カ)差引納付すべき消費税額(別表4-1⑪欄)

5787万0300円

上記金額は,前記(エ)の金額と前記(オ)の金額との合計額(ただし,国税通則法119条1項の規定に基づき100円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)である。
(キ)地方消費税の課税標準額(別表4-1⑬欄)

1634万2400円

上記金額は,前記(エ)の金額であり,地方税法72条の82の規定に基づく地方消費税の課税標準額である。
(ク)納付すべき譲渡割額(別表4-1⑮欄)

408万5600円

上記金額は,
地方税法72条の83(本件各課税期間のうち平成26年
3月31日以前に行う課税資産の譲渡等については平成24年法律第69号による改正前のもの。以下同じ。)の規定に基づき,前記(キ)の金額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。
(ケ)既に還付の確定した譲渡割額(別表4-1⑯欄)1038万1989円上記金額は,平成25年12月課税期間確定申告書の⑲還付額(⑰×25%)欄(甲8の1・1枚目)に記載された金額と同額である。(コ)差引納付すべき譲渡割額(別表4-1⑰欄)

1446万7500円

上記金額は,前記(ク)の金額と前記(ケ)の金額との合計額(ただし,地方税法20条の4の2第3項の規定に基づき100円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)である。
(サ)納付すべき消費税等の額(別表4-1⑱欄)

7233万7800円

上記金額は,前記(カ)の金額と前記(コ)の金額との合計額であり,原告が新たに納付すべき消費税等の額である。

平成26年12月課税期間更正処分の根拠
(ア)課税標準額(別表4-2①C欄)

122億2558万2000円

上記金額は,原告の平成26年12月課税期間の消費税等の確定申告書(以下平成26年12月課税期間確定申告書という。)の①課税標準額欄(甲8の2・1枚目)に記載された金額と同額である。(イ)課税標準額に対する消費税額(別表4-2②C欄)6億9967万4944円

上記金額は,次のaの金額と次のbの金額との合計額である。
a
課税標準額に対する消費税額・税率4パーセント適用分(別表4-2②A欄)

1億2267万2560円

上記金額は,
消費税法29条の規定に基づき,
前記(ア)の金額のうち,
平成26年3月31日以前の課税資産の譲渡等に係る課税標準額30
億6681万4000円に税率100分の4を乗じて算出した金額であり,
平成26年12月課税期間確定申告書に添付された
付表1旧・新税率別,消費税額計算表兼地方消費税の課税標準となる消費税額計算表(以下付表1という。)の②消費税額(税率4%適用分B)欄(甲8の2・2枚目)に記載された金額と同額である。

b
課税標準額に対する消費税額・税率6.3パーセント適用分(別表4-2②B欄)

5億7700万2384円

上記金額は,
消費税法29条の規定に基づき,
前記(ア)の金額のうち,
平成26年4月1日以降の課税資産の譲渡等に係る課税標準額91億5876万8000円に税率100分の6.3を乗じて算出した金額であり,平成26年12月課税期間確定申告書に添付された付表1の②消費税額(税率6.3%適用分C)欄(甲8の2・2枚目)に記載された金額と同額である。
(ウ)控除対象仕入税額(別表4-2④C欄・別表5-2⑮C欄)6億5480万1899円
上記金額は,次のaの金額と次のbの金額との合計額である。

控除対象仕入税額の計算に当たっては,次のcのとおり,平成26年12月課税期間における課税売上割合が40.
402829971(以下
略)パーセントであり,100分の95に満たないことから,原告が選択した個別対応方式により計算する。
a
控除対象仕入税額・税率4パーセント適用分(別表4-2④A欄・別表5-2⑮A欄)

1億1241万6859円

上記金額は,
次の(a)の金額に,
次の(b)の金額に次のcの割合を乗じ
て計算した金額を加算した金額であり,平成26年3月31日以前の課税仕入れについての消費税法30条1項所定の仕入れに係る消費税額の控除に関する金額である。
(a)課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額(別表5-2⑧A欄)

9252万4236円

上記金額は,次のⅰの金額から次のⅱの金額を減算した金額であ
る。

申告による課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額(別
表5-2⑨A欄)

1億1918万5748円

上記金額は,平成26年12月課税期間確定申告書に添付され
た付表2-(2)の⑭
⑫のうち,課税売上げにのみ要するもの(税率4%適用分B)欄(甲8の2・3枚目)に記載された金額と同額である。


課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額から減算すべ
き金額(別表5-2⑩A欄)

2666万1512円

上記金額は,前記ⅰの金額に含まれる本件各課税仕入れに係る
消費税額(本件各課税仕入れに係る消費税等の額の合計額3332万6891円〔甲4の2・3~6枚目の表のNo.欄1~30
の消費税等の額欄の合計額〕に100分の80の割合を乗じて

算出した金額。)であり,本件各課税仕入れが,課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れには区分されず,
共通課税仕入れに区分さ
れることから,
課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額に
含まれないものである。
(b)共通課税仕入れの税額(別表5-2⑪A欄)4923万5718円
上記金額は,次のⅰの金額に次のⅱの金額を加算した金額であ
る。

申告による共通課税仕入れの税額(別表5-2⑫A欄)
2257万4206円
上記金額は,平成26年12月課税期間確定申告書に添付され

た付表2-(2)の⑮⑫のうち,課税売上げと非課税売上げに共通して要するもの(税率4%適用分B)欄(甲8の2・3枚目)に記載
された金額と同額である。

共通課税仕入れの税額に加算すべき金額(別表5-2⑬A欄)
2666万1512円

上記金額は,前記(a)ⅱの本件各課税仕入れに係る消費税額であり,本件各課税仕入れが,共通課税仕入れに区分されることから,共通課税仕入れの税額に含まれるべきものである。
b
控除対象仕入税額・税率6.
3パーセント適用分(別表4-2④B欄・
別表5-2⑮B欄)

5億4238万5040円

上記金額は,
次の(a)の金額に,
次の(b)の金額に次のcの割合を乗じ
て計算した金額を加算した金額であり,平成26年4月1日以降の課税仕入れについての消費税法30条1項所定の仕入れに係る消費税額の控除に関する金額である。
(a)課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額(別表5-2⑧B欄)

4億2378万0631円

上記金額は,次のⅰの金額から次のⅱの金額を減算した金額であ
る。

申告による課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額(別
表5-2⑨B欄)

6億2545万0410円

上記金額は,平成26年12月課税期間確定申告書に添付され

た付表2-(2)の⑭
⑫のうち,課税売上げにのみ要するもの(税率6.3%適用分C)欄(甲8の2・3枚目)に記載された金額と同額である。

課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額から減算すべ
き金額(別表5-2⑩B欄)

2億0166万9779


上記金額は,前記ⅰの金額に含まれる本件各課税仕入れに係る
消費税額(本件各課税仕入れに係る消費税等の額の合計額2億5608万8609円〔甲4の2・3~6枚目の表のNo.欄31
~90の
消費税等の額
欄の合計額〕に80分の63の割合を乗
じて算出した金額。)であり,本件各課税仕入れが,課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れには区分されず,共通課税仕入れに
区分されることから,
課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの
税額に含まれないものである。

(b)共通課税仕入れの税額(別表5-2⑪B欄)
2億9355万4708円
上記金額は,
次のⅰの金額に次のⅱの金額を加算した金額である。

申告による共通課税仕入れの税額(別表5-2⑫B欄)
9188万4929円
上記金額は,平成26年12月課税期間確定申告書に添付され
た付表2-(2)の⑮⑫のうち,課税売上げと非課税売上げに共通して要するもの(税率6.3%適用分C)欄(甲8の2・3枚目)に記載された金額と同額である。

共通課税仕入れの税額に加算すべき金額(別表5-2⑬B欄)
2億0166万9779円
上記金額は,前記(a)ⅱの本件各課税仕入れに係る消費税額であ
り,本件各課税仕入れが,共通課税仕入れに区分されることから,共通課税仕入れの税額に含まれるべきものである。
c
課税売上割合(別表5-2⑤C欄)
40.402829971(以下略)パーセント

上記金額は,次の(a)の金額のうちに次の(b)の金額の占める割合である。
(a)資産の譲渡等の対価の額の合計額(別表5-2④C欄)302億5922万4296円
上記金額は,平成26年12月課税期間確定申告書に添付された

付表2-(2)の⑦資産の譲渡等の対価の額(⑤+⑥)欄(甲8の2・3枚目)に記載された金額と同額である。
(b)課税資産の譲渡等の対価の額の合計額(別表5-2①C欄)122億2558万2943円
上記金額は,平成26年12月課税期間確定申告書に添付された

付表2-(2)の④
課税資産の譲渡等の対価の額(①+②+③)欄(甲
8の2・3枚目)に記載された金額と同額である。
(エ)差引税額(別表4-2⑩C欄)

4487万3000円

上記金額は,次のaの金額と次のbの金額との合計額(ただし,国税通則法119条1項の規定に基づき100円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)である。
a
差引税額・税率4パーセント適用分(別表4-2⑨A欄)1025万5701円
上記金額は,前記(イ)aの金額から前記(ウ)aの金額を控除した金額
である。
b
差引税額・税率6.3パーセント適用分(別表4-2⑨B欄)3461万7344円

上記金額は,前記(イ)bの金額から前記(ウ)bの金額を控除した金額である。
(オ)既に還付の確定した本税額(別表4-2⑪C欄)9120万5943円上記金額は,平成26年12月課税期間確定申告書の⑧控除不足還付税額(⑦-②-③)欄(甲8の2・1枚目)に記載された金額と同額である。
(カ)差引納付すべき消費税額(別表4-2⑫C欄)
1億3607万8900円
上記金額は,前記(エ)の金額と前記(オ)の金額との合計額(ただし,国税
通則法119条1項の規定に基づき100円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)である。
(キ)合計差引地方消費税の課税標準額(別表4-2⑮C欄)
4487万3000円
上記金額は,次のaの金額と次のbの金額との合計額(ただし,国税通
則法119条1項の規定に基づき100円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)であり,地方税法72条の82の規定に基づく地方消費税の課税標準額である。
a
地方消費税の課税標準額・税率4パーセント適用分(別表4-2⑭A欄)

1025万5701円

上記金額は,前記(エ)aの金額と同額である。
b
地方消費税の課税標準額・税率6.3パーセント適用分(別表4-2⑭B欄)

3461万7344円

上記金額は,前記(エ)bの金額と同額である。
(ク)納付すべき譲渡割額(別表4-2⑱C欄)

1190万5100円

上記金額は,次のaの金額と次のbの金額との合計額(ただし,地方税法20条の4の2第3項の規定に基づき100円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)である。
a
納付すべき譲渡割額・税率4パーセント適用分(別表4-2⑰A欄)256万3925円
上記金額は,地方税法72条の83の規定に基づき,前記(キ)aの金
額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。
b
納付すべき譲渡割額・税率6.3パーセント適用分(別表4-2⑰B欄)

934万1188円

上記金額は,地方税法72条の83の規定に基づき,前記(キ)bの金額に税率63分の17を乗じて算出した金額である。
(ケ)既に還付の確定した譲渡割額(別表4-2⑲C欄)
2449万9345円
上記金額は,平成26年12月課税期間確定申告書の⑲還付額欄
(甲8の2・1枚目)に記載された金額と同額である。
(コ)差引納付すべき譲渡割額(別表4-2⑳C欄)

3640万4400円

上記金額は,前記(ク)の金額と前記(ケ)の金額との合計額(ただし,地方税法20条の4の2第3項の規定に基づき100円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)である。
(サ)納付すべき消費税等の額(別表4-2

C欄)
1億7248万3300円

上記金額は,前記(カ)の金額と前記(コ)の金額との合計額であり,原告が新たに納付すべき消費税等の額である。


平成27年12月課税期間更正処分の根拠
(ア)課税標準額(別表4-3①C欄)

181億6623万8000円

上記金額は,原告の平成27年12月課税期間の消費税等の確定申告書(以下平成27年12月課税期間確定申告書という。)の①課税標準額欄(甲8の3・1枚目)に記載された金額と同額である。(イ)課税標準額に対する消費税額(別表4-3②C欄)11億4447万2994円
上記金額は,次のaの金額と次のbの金額との合計額である。
a
課税標準額に対する消費税額・税率4パーセント適用分(別表4-3②A欄)

0円

上記金額は,平成26年3月31日以前の課税資産の譲渡等について,消費税法29条の規定に基づき,算出される金額であるが,前記(ア)の金額には,
同日以前の課税資産の譲渡等がないため生じないもの
であり,平成27年12月課税期間確定申告書に添付された付表1の②消費税額(税率4%適用分B)欄(甲8の3・2枚目)に記載された金額と同額である。
b
課税標準額に対する消費税額・税率6.3パーセント適用分(別表4-3②B欄)

11億4447万2994円

上記金額は,
消費税法29条の規定に基づき,
平成26年4月1日以
降の課税資産の譲渡等に係る課税標準額である前記(ア)の金額に税率100分の6.
3を乗じて算出した金額であり,
平成27年12月課税期
間確定申告書に添付された付表1の②消費税額(税率6.3%適用分C)欄(甲8の3・2枚目)に記載された金額と同額である。(ウ)控除対象仕入税額(別表4-3④C欄・別表5-3⑮C欄)9億7758万7363円
上記金額は,次のaの金額と次のbの金額との合計額である。
控除対象仕入税額の計算に当たっては,次のcのとおり,平成27年12月課税期間における課税売上割合が39.
634031864(以下
略)パーセントであり,100分の95に満たないことから,原告が選択した個別対応方式により計算する。

a
控除対象仕入税額・税率4パーセント適用分(別表4-3④A欄・別表5-3⑮A欄)

46万4024円

上記金額は,次の(a)の金額に,次の(b)の金額に次のcの割合を乗じて計算した金額を加算した金額であり,平成26年3月31日以前の課税仕入れについての消費税法30条1項所定の仕入れに係る消費税額の控除に関する金額である。

(a)課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額(別表5-3⑧A欄)

46万1580円

上記金額は,平成27年12月課税期間確定申告書に添付された
付表2-(2)の⑯
⑭のうち,課税売上げにのみ要するもの(税率4%適用分B)欄(甲8の3・3枚目)に記載された金額と同額である。
(b)共通課税仕入れの税額(別表5-3⑪A欄)

6168円

上記金額は,平成27年12月課税期間確定申告書に添付された
付表2-(2)の⑰⑭のうち,課税売上げと非課税売上げに共通して要するもの(税率4%適用分B)欄(甲8の3・3枚目)に記載された金額と同額である。

b
控除対象仕入税額税率6.

3パーセント適用分(別表4-3④B欄

別表5-3⑮B欄)

9億7712万3339円

上記金額は,次の(a)の金額に,次の(b)の金額に次のcの割合を乗じて計算した金額を加算した金額であり,平成26年4月1日以降の課税仕入れについての消費税法30条1項所定の仕入れに係る消費税額の控除に関する金額である。
(a)課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額(別表5-3⑧B欄)

7億3289万7811円

上記金額は,次のⅰの金額から次のⅱの金額を減算した金額であ
る。

申告による課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額(別
表5-3⑨B欄)

11億3938万9814円

上記金額は,平成27年12月課税期間確定申告書に添付され
た付表2-(2)の⑯
⑭のうち,課税売上げにのみ要するもの(税率6.3%適用分C)欄(甲8の3・3枚目)に記載された金額と同額である。

課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額から減算すべ
き金額(別表5-3⑩B欄)

4億0649万2003円

上記金額は,前記ⅰの金額に含まれる本件各課税仕入れに係る
消費税額(本件各課税仕入れに係る消費税等の額の合計額5億1618万0322円〔甲4の3・3~9枚目の表の消費税等の額

合計金額
欄〕
に80分の63の割合を乗じて算出した金額。
)
であり,
本件各課税仕入れが,
課税資産の譲渡等にのみ要する課税
仕入れには区分されず,
共通課税仕入れに区分されることから,

税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れの税額に含まれないもの

である。
(b)共通課税仕入れの税額(別表5-3⑪B欄)
6億1620万1575円
上記金額は,
次のⅰの金額に次のⅱの金額を加算した金額である。

申告による共通課税仕入れの税額(別表5-3⑫B欄)
2億0970万9572円
上記金額は,平成27年12月課税期間確定申告書に添付され

た付表2-(2)の⑰⑭のうち,課税売上げと非課税売上げに共通して要するもの(税率6.3%適用分C)欄(甲8の3・3枚目)に記載された金額と同額である。

共通課税仕入れの税額に加算すべき金額(別表5-3⑬B欄)
4億0649万2003円

上記金額は,前記(a)ⅱの本件各課税仕入れに係る消費税額であり,本件各課税仕入れが,共通課税仕入れに区分されることから,共通課税仕入れの税額に含まれるべきものである。
c
課税売上割合(別表5-3⑤C欄)
39.634031864(以下略)パーセント

上記金額は,次の(a)の金額のうちに次の(b)の金額の占める割合である。
(a)資産の譲渡等の対価の額の合計額(別表5-3④C欄)458億3494万8287円
上記金額は,平成27年12月課税期間確定申告書に添付された
付表2-(2)の⑦資産の譲渡等の対価の額(⑤+⑥)欄(甲8の3・3枚目)に記載された金額と同額である。
(b)課税資産の譲渡等の対価の額の合計額(別表5-3①C欄)181億6623万8009円

上記金額は,平成27年12月課税期間確定申告書に添付された
付表2-(2)の④
課税資産の譲渡等の対価の額(①+②+③)欄(甲
8の3・3枚目)に記載された金額と同額である。
(エ)差引税額(別表4-3⑩C欄)

1億6688万5600円

上記金額は,次のbの金額から次のaの金額を控除した金額(ただし,国税通則法119条1項の規定に基づき100円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)である。
a
控除不足還付税額・税率4パーセント適用分(別表4-3⑧A欄)46万4024円
上記金額は,前記(ウ)aの金額から前記(イ)aの金額を控除した金額である。

b
差引税額・税率6.3パーセント適用分(別表4-3⑨B欄)1億6734万9655円
上記金額は,前記(イ)bの金額から前記(ウ)bの金額を控除した金額である。

(オ)既に還付の確定した本税額(別表4-3⑪C欄)7849万7202円上記金額は,平成27年12月課税期間確定申告書の⑧控除不足還付税額(⑦-②-③)欄(甲8の3・1枚目)に記載された金額と同額である。
(カ)差引納付すべき消費税額(別表4-3⑫C欄)
2億4538万2800円

上記金額は,前記(エ)の金額と前記(オ)の金額との合計額(ただし,国税通則法119条1項の規定に基づき100円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)である。
(キ)合計差引地方消費税の課税標準額(別表4-3⑮C欄)
1億6688万5600円

上記金額は,次のbの金額から次のaの金額を控除した金額(ただし,国税通則法119条1項の規定に基づき100円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)であり,地方税法72条の82の規定に基づく地方消費税の課税標準額である。
a
譲渡割額の還付額の基礎となる消費税額・税率4パーセント適用分(別表4-3⑬A欄)

46万4024円

上記金額は,前記(エ)aの金額と同額である。

b
地方消費税の課税標準額・税率6.3パーセント適用分(別表4-3⑭B欄)

1億6734万9655円

上記金額は,前記(エ)bの金額と同額である。
(ク)納付すべき譲渡割額(別表4-3⑱C欄)

4504万1800円

上記金額は,次のbの金額から次のaの金額を控除した金額(ただし,
地方税法20条の4の2第3項の規定に基づき100円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)である。
a
還付すべき譲渡割額・税率4パーセント適用分(別表4-3⑯A欄)11万6006円
上記金額は,地方税法72条の88第2項(ただし,平成24年法律
第69号による改正前のもの。)の規定に基づき,前記(キ)aの金額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。
b
納付すべき譲渡割額・税率6.3パーセント適用分(別表4-3⑰B欄)

4515万7843


上記金額は,地方税法72条の83の規定に基づき,前記(キ)bの金額に税率63分の17を乗じて算出した金額である。
(ケ)既に還付の確定した譲渡割額(別表4-3⑲C欄)
2117万2577円

上記金額は,平成27年12月課税期間確定申告書の⑲還付額欄
(甲8の3・1枚目)に記載された金額と同額である。
(コ)差引納付すべき譲渡割額(別表4-3⑳C欄)

6621万4300円

上記金額は,前記(ク)の金額と前記(ケ)の金額との合計額(ただし,地方税法20条の4の2第3項の規定に基づき100円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)である。
(サ)納付すべき消費税等の額(別表4-3

C欄)
3億1159万7100円

上記金額は,前記(カ)の金額と前記(コ)の金額との合計額であり,原告が新たに納付すべき消費税等の額である。

(2)本件各賦課決定処分の根拠
被告が主張する本件各更正処分に伴って原告に課されるべき過少申告加算税の額は,次のとおりである。

平成25年12月課税期間

1082万4500円

上記金額は,国税通則法65条1項,2項の規定に基づき,平成25年12月課税期間更正処分により原告が新たに納付すべきこととなった税額
7233万円(ただし,国税通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)に100分の10の割合を乗じて算出した723万3000円と新たに納付すべき税額7233万7800円のうち50万円を超える部分に相当する金額7183万円(ただし,国税通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)

に100分の5の割合を乗じて算出した359万1500円との合計額である。

平成26年12月課税期間

2584万7000円

上記金額は,国税通則法65条1項,2項の規定に基づき,平成26年12月課税期間更正処分により原告が新たに納付すべきこととなった税額1億7248万円(ただし,国税通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)に100分の10の割合を乗じて算出した1724万8000円と新たに納付すべき税額1億7248万3300円のうち50万円を超える部分に相当する金額1億7198万円(ただし,
国税通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)に100分の5の割合を乗じて算出した859万9000
円との合計額である。

平成27年12月課税期間

4671万3500円

上記金額は,国税通則法65条1項,2項の規定に基づき,平成27年12月課税期間更正処分により原告が新たに納付すべきこととなった税額3億1159万円(ただし,国税通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)に100分の10の割合を乗じて算出した3115万9000円と新たに納付すべき税額3億1159万7100円のうち50万円を超える部分に相当する金額3億1109万円(ただし,
国税通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数金額を切り捨
てた後の金額。)に100分の5の割合を乗じて算出した1555万4500円との合計額である。
以上
(別紙4)
原告が指摘する税務当局の取扱い

1
分譲用マンションの購入費用に関する事例(甲43別添18,弁論の全趣旨。以下分譲マンション購入費用事例という。)
(1)国税庁では,平成7年2月頃,譲渡用住宅を一時期賃貸用に供する場合の仕入税額控除として,概ね,次のような照会に対し,次のように回答したことが認められる。
(照会要旨)事業者が分譲目的で買い取った分譲用マンションについて,そ
の一部を分譲完了までの数年の間,一時期賃貸することとしてい
るところ,この場合における分譲用マンションの購入についての
個別対応方式における用途区分について,課税資産の譲渡等にのみ要するものとして計算をすることができるか。(回答要旨)購入物件は分譲することを目的として取得したマンションであ
り,課税仕入れの時点では課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当することは明らかであることから,仮に一時的に賃貸用に供されるとしても,継続して棚卸資産として処理し(中
略),将来的には全て分譲することとしているものについては,
消費税法第30条第2項第1号イの課税資産の譲渡等にのみ要す

る課税仕入れに該当するものとして取り扱って差し支えない。
(2)上記(1)の内容は,平成6年の全国国税局消費税課長・統括国税調査官会議資料において最近における消費税の審理事案で注意を要するものの取扱いの方向性として記載されているほか(甲43別添17),平成10年3月発行の消費税一問一答(改訂版)(国税庁・部内限り。甲43別添1
4。以下平成10年発行一問一答という。),国税庁長官が所持する審理事例のデータベース(乙18)にも記載されている。
2
賃借人が居住するマンションの購入費用に関する事例(甲43別添20,弁論の全趣旨。以下賃貸中マンション購入費用事例という。)
東京国税局では,平成9年頃,転売目的のマンションを居抜きで買い取った場合の仕入税額控除の適用について(消費税)として,概ね,次のような照
会に対し,次のように回答したことが認められる。
(照会要旨)事業者が,販売目的で賃借人が居住している状態のまま買い取ったマンションの購入について,仕入税額控除を認めるか。
(回答要旨)本件の場合は,法人の処理及び販売活動等から,マンションを転売目的で取得したことが明らかであることから,課税資産の譲渡等にの
み要する課税仕入れに該当し,仕入税額控除が認められる(なお,国税庁消費税課の意見の要約として,『課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ』かどうかの判定は,課税仕入れを行った日等の状況で行うが,これは,課税仕入れが結果として何の売上げに貢献したかではなく,何の売上げに貢献される目的で行ったかを課税仕入れの時点で判断すべきであることを意味している。マンションを購入した際に賃貸収入(非課税売上げ)が生じているが,これはあくまで居抜きで購入したために副次的に得た対価であると記載されている。)。
3
土地購入に係る仲介手数料に関する事例(甲40,43別添15。以下土地購入仲介手数料事例という。)(1)国税庁のウェブサイトには,副次的に発生する非課税売上げがある場合の課税仕入れの区分として,概ね,次のような照会及び回答が公表されている。

(照会要旨)事業者が,分譲マンションを建設するための土地の所有権を取得する際に仲介業者に支払った仲介手数料に係る税額は,個別対
応方式で仕入税額控除を計算する場合,課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当することとなるか。なお,所有権を取得することとなる土地の一部分には取得前から賃借人が存在している
ことから,当該賃借人から借地権を取得するまでの間は,所有権
取得後引き続き当該土地の賃貸人となって賃貸料を徴することに

なる。
(回答要旨)一部に土地の賃貸収入があるということであるが,質問の場合のように,その全体の土地の取得は,区分所有となる建物と土地
を同時に販売することとなる分譲用のマンションの建設計画に基
づいて土地の所有権を取得しているので,その取得に際して支払

った仲介手数料は,課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に
共通して要するものに該当する。
(2)上記(1)の内容は,平成10年発行一問一答(甲43別添14),平成25年12月発行の消費税基本通達逐条解説(同通達11-2-19の解説部分。甲9)にも記載されている。

4
ガス管移設工事に要する費用に関する事例(甲43別添14。以下ガス管移設工事費事例という。)平成10年発行一問一答には,ガス管の移設工事に要する費用の仕入税額控除として,概ね,次のような記載がされている。(問)都市ガス供給業者が,下水道事業者又は地下鉄事業者等の求めに応じてガス管を移設する場合に受け取る他受工事補償金は課税の対象外であるが,このガス管を移設するために必要な費用のうち課税仕入れに該当するものについては,個別対応方式により仕入控除税額を計算するに当たって,ガ
ス供給のために必要な課税仕入れ,すなわち課税売上げにのみ要する課税仕入れとして取り扱ってよいか。
(答)ガス管移設のための課税仕入れは,他受工事補償金を得るために必要な課税仕入れというよりも,ガスを供給するために必要な課税仕入れと考えられることから,課税売上げにのみ要するものとして取り扱って差し支えない。
5
株式の委託売買手数料に関する事例(甲41,43別添15。以下株式委託売買手数料事例という。)(1)国税庁のウェブサイトには,株式の売買に伴う課税仕入れとして,概ね,次のような照会及び回答が公表されている。

(照会要旨)財テクとして株式の売買を行い,これについて委託売買手数料等を支払っているが,個別対応方式により仕入控除税額を計算す
る場合,これらの支出は非課税売上げにのみ要する課税仕入れの
支払対価として仕入税額控除の対象とならないことになるか。
(回答要旨)購入した株式については,それを売却するまでの間に配当金を収受することもあるが,株式を購入する際の委託売買手数料は,

配当金を得るための支払対価というよりも,後日における売却の
ための取得に要する支払対価と認められるから(所得税,法人税
においても配当金収入のための必要経費又は損金としては取り扱
われてはいない。),非課税売上げにのみ要する課税仕入れに係
る支払対価に該当することとなる。

(2)上記(1)の内容は,平成10年発行一問一答(甲43別添14)にも記載されている。
以上
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