判例検索β > 平成30年(行ウ)第439号
補助金交付決定一部取消及び返還命令取消請求事件
事件番号平成30(行ウ)439
事件名補助金交付決定一部取消及び返還命令取消請求事件
裁判年月日令和元年10月18日
裁判所名東京地方裁判所
判示事項独立行政法人日本学術振興会が交付を行う科学研究費補助金(基盤研究等)に係る交付の取消し及び返還について,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないとされた事例
裁判要旨独立行政法人日本学術振興会が交付を行う科学研究費補助金(基盤研究等)に係る交付の取消し及び返還について,行政手続法第3章の不利益処分に関する規定は適用されないこと,法律上,同独立行政法人が同補助金に係る予算の執行の適正を期するために必要な立入検査等を実施したり,同補助金の交付の取消し及び返還を命じられた者がこれらに対する不服の申出をしたりする手続は設けられていないこと,同補助金の交付は,同独立行政法人と交付申請者との間の贈与契約に基づくもので,同契約は,交付を受けた者が,補助事業等を目的どおりに遂行する負担を負うことを伴う負担付贈与契約であると解されるところ,同補助金の交付の取消し及び返還は,このような契約によって生じた効果を遡及的に消滅させるものといえることなど判示の事情の下では,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらない。
裁判日:西暦2019-10-18
情報公開日2020-03-26 12:00:27
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令和元年10月18日判決言渡
平成30年(行ウ)第439号,同第440号,同第441号

補助金交付決定一

部取消及び返還命令取消請求事件(以下,順に第1事件ないし第3事件という。)
主文1
本件各訴えをいずれも却下する。

2
訴訟費用は原告の負担とする。

第1
1実及び理由
請求
被告の理事長が平成30年3月27日付けで原告に対してした平成17年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金〔基盤研究(A)〕)の交付決定の一部取消し及び返還命令(課題番号〇)をいずれも取り消す。

2
被告の理事長が平成30年3月27日付けで原告に対してした平成18年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金〔基盤研究(A)〕)の交付決定の一部取消し及び返還命令(課題番号〇)をいずれも取り消す。

3
被告の理事長が平成30年3月27日付けで原告に対してした平成19年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金〔基盤研究(S)〕)の交付決定の一部取消し及び返還命令(課題番号〇)をいずれも取り消す。

第2
1
事案の概要等
事案の概要
本件は,国立大学法人B大学大学院C研究科の元教授である原告が,被告が交付を行う科学研究費補助金(基盤研究等)(以下科研費(基盤研究等)という。)の交付決定を受け,これに基づく補助金を受領していたところ,被告の理事長がその一部を取り消す旨の決定及びこれを原因とする補助金の返還命令をしたことから,これらの取消しを求める事案である。
2
関連法令等の定め
本件に関連する法令等の定めは,別紙1関連法令等の定めのとおりである(なお,同別紙における略語は,本文においても用いることがある。)。3
判断の前提となる事実
以下の各事実については,当事者間に争いがないか,掲記の各証拠又は弁
論の全趣旨により,容易に認められる。
(1)当事者

原告は,平成15年4月1日から平成24年6月28日までの間,B大学大学院C研究科教授の職にあり,その当時,Dセンターの研究室を主宰していた者である(乙1,弁論の全趣旨)。


被告は,学術研究の助成,研究者の養成のための資金の支給,学術に関する国際交流の促進,学術の応用に関する研究等を行うことにより,学術の振興を図ることを目的とする独立行政法人である(振興会法3条)。
(2)補助金の交付決定及び原告の受領
被告は,原告が交付の申請をした別紙2補助金一覧表記載1~3の各補助金欄の科研費(基盤研究等)(以下本件各補助金という。)について,同表記載1~3の各交付決定欄の日付欄の日に交付を決定し
(各決定の文書番号は番号欄記載のとおり。以下本件各交付決定という。),原告は,同表記載1~3の各補助金受領日欄の日に本件各交付決定に基づく補助金を受領した(甲11~13,弁論の全趣旨)。
(3)補助金の一部取消決定及び返還命令
被告の理事長は,平成30年3月27日,本件各補助金について,別紙2補助金一覧表記載1~3の各一部取消決定欄の取消金額欄の金額につき取消理由欄の理由で取り消す旨を決定するとともに(各決定の文書番号は番号欄記載のとおり。以下本件各取消決定という。),各

返還命令欄の返還金額欄及び加算金額欄の金額につき納付期限欄の日までに支払うよう命じた(各命令の文書番号は番号欄記載のとおり。以下本件各返還命令という。甲11~13)。
(4)本件訴訟の提起
原告は,平成30年9月21日,本件訴訟を提起した(顕著な事実)。4
争点
(1)本件各取消決定及び本件各返還命令の処分性の有無(争点1)
(2)本件各取消決定及び本件各返還命令の適法性(争点2)
(3)本件各交付決定に係る取消権及び補助金返還請求権についての消滅時効の成否(争点3)
第3
1
争点に関する当事者の主張
争点1(本件各取消決定及び本件各返還命令の処分性の有無)について(原告の主張)
本件各取消決定及び本件各返還命令は,被告が,国の予算で定められた補助金の交付を受け,これを財源として交付した補助金について,振興会法17条1項が準用する適正化法17条1項に基づく交付決定の一部取消しと同
法18条1項に基づく返還命令がされたものである。適正化法は,補助事業等に関する補助金等の交付決定の取消しを17条1項,間接補助事業等に関する補助金等の交付決定の取消しを同条2項でそれぞれ規定しているところ,振興会法17条1項が準用しているのは前者であるため,被告の理事長による補助金の交付決定の取消しは,行政庁の行為といえる。

また,本件各取消決定及び本件各返還命令は,本件各補助金の交付から10年以上が経過した後に,突如として2000万円以上の金額について取り消すとともに,加算金を含めて5000万円以上の金額の返還を命ずるものであって,これらは直接国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定する処分といえる。

したがって,本件各取消決定及び本件各返還命令には,処分性があるというべきである。
(被告の主張)
(1)被告は,国や地方公共団体の意思を最終的に決定し外部に表示する権限を持つ行政機関である行政庁には該当しない。
(2)仮に被告が行政庁に該当し得るとしても,次のとおり,本件各取消決定は,処分の取消しの訴えの対象となる行政庁の処分に該当しない。ア
被告が交付を行う科研費(基盤研究等)は,適正化法上の間接補助金等(同法2条4項)に該当するところ,同法は,間接補助事業者等に対する間接補助金等の給付手続について具体的に定めているわけではない。また,振興会法は,科研費(基盤研究等)について,被告の業務内
容を学術の研究に関し,必要な助成を行うこと(15条1号)と定めるのみであって,助成の具体的手続等(交付申請・審査・評価・交付決定等)を定めず,委任規定等も設けていない。
科学研究費補助金については,もともと国(文部省)が全ての業務を担っていたが,平成11年度からその業務の一部が被告に移管されるこ
ととなったものであり,具体的には,平成11年3月に日本学術振興会法の一部を改正する法律案が衆参両院で可決されたことを受け,同年6月9日,被告において日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究等)取扱要領(以下旧取扱要領という。)を定め,これに基づき,科研費(基盤研究等)を各研究者に交付するという制度が構築され
たものである。
すなわち,平成11年3月に改正された日本学術振興会法(平成14年法律第159号による廃止前のもの。以下旧振興会法という。)は,20条の3(注:振興会法17条1項と同じ。)において,補助金の交付決定について定めた適正化法6条をあえて準用しておらず,被告
における科研費(基盤研究等)の交付決定は,被告が科学研究費補助金の業務の一部を担うこととなった当初から,法律上の根拠に基づくものではなく,自ら定めた旧取扱要領10条2項(注:取扱要領11条2項と同じ。)に基づくものとして,その制度が設計されていた。このような制度設計がされたのは,審査・評価の一層の充実や研究者に対するきめ細やかな情報提供等により,さらに効率的・効果的でより適切な配分等を図るという移管の趣旨を実現するために,あえて法律上の根拠に基づき,研究者に補助金によって研究を行う権利を付与したり,振興会に交付業務を課したりするような仕組みは採用せず,研究者からの応募に対し,振興会がその研究内容を適当と認めた場合に補助金を交付する,という契約締結自由を前提とする制度を採用したことによるものである。

このように,被告が交付を行う科研費(基盤研究等)は,基本的に,法律上の根拠に基づき具体的手続等が定められたものではない。

このほか,被告が交付を行う科研費(基盤研究等)については,行政上の不服申立ての手段が法定されていない。なお,旧振興会法20条の3(注:振興会法17条1項と同じ。)は,補助金の交付決定の取消しにつ
いて定めた適正化法17条や補助金等の返還について定めた同法18条などを準用するが,これは準用しても移管の趣旨に反しないと判断された一部規定を便宜上準用することとされたものにすぎない。

以上のとおり,被告が交付を行う科研費(基盤研究等)の交付決定は,直接国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認め
られているものということはできず,その取消決定及び返還命令についても同様に解すべきである。
(3)したがって,本件各取消決定及び本件各返還命令に処分性は認められない。
2
争点2(本件各取消決定及び本件各返還命令の適法性)について
(被告の主張)
本件各取消決定及び本件各返還命令は適法である。
(原告の主張)
(1)本件各取消決定及び本件各返還命令に実体的な違法があることア
考慮不尽の違法があること
本件各取消決定及び本件各返還命令は,原告に対し,総額数千万円もの補助金の返還を命ずるものであって,その影響の甚大さに鑑みれば,吟味を重ねて精査された証拠に基づき,丁寧な事実認定をした上で慎重に行われる必要があり,事実認定においては,処分庁自身がその権限と責任において事実関係を調査し,判断の基礎となる証拠を収集すべきである。
しかしながら,本件各取消決定及び本件各返還命令は,原告に直接事情を説明する機会を与えることなく,本件各補助金の管理主体の研究機関であるB大学が作成した平成30年2月26日付け国立大学法人B大学大学院C研究科元教授の研究費不正使用に関する調査報告書(以下本件大学報告書という。)のみに依拠してされたものである。また,本件大
学報告書が被告に提出されたのは同年3月1日と考えられるところ,本件各取消決定及び本件各返還命令は同月27日にされており,被告が本件大学報告書を精査した経過はうかがわれない。
そもそも,補助金の管理主体である研究機関には,補助金に係る問題が生じた場合,自らの管理責任を免れるためその責任を研究者に押し付ける
動機が十分に存在し,研究者と研究機関は対立関係に立つといえる。特に,本件では,本件各取消決定及び本件各返還命令の当時,B大学は,原告を相手方として,本件各補助金に係る不法行為に基づく損害賠償請求訴訟(以下別件訴訟という。)を提起していたのであるから,その対立関係は顕現化していた。

このように,本件各取消決定及び本件各返還命令は,その内容の重大さにもかかわらず,明示的に対立関係にある一方当事者の報告書のみに依拠し,内容を十分に精査することもなくされたものであって,考慮不尽の違法がある。

比例原則に違反する違法があること
一般的に,補助金返還命令の目的は,①不当利得の返還,②不当に利得を得た者への制裁,③不当に支出を行った者への制裁にある。
本件においては,①について,本件各補助金は全て研究に必要な経費のみに使用されて,原告が私的に流用した事実はないことから,不当利得は存在していない。また,②及び③については,本件各補助金は,原告が本件各交付決定により交付を受けたものであり,全て研究に必要な経費のみに使用されたことから,原告は制裁を受ける立場にない。仮に,年度をま
たいで物品の納入を受けた点を原告の落ち度とみるとしても,このことは,既に成果を挙げた研究のために使用した補助金について,交付決定から10年以上も経って,突然,弁明の機会も与えられないままに高額の加算金を付して返還を求められるという制裁を受けるほどの違反であるとは到底考えられない。

したがって,本件各取消決定及び本件各返還命令は,補助金返還命令の目的との均衡という観点からみて,高額の加算金を付して数千万円の返還を求めるという手段があまりに均衡を欠いていることから,比例原則に違反する違法なものであって,取り消されなければならない。
(2)本件各取消決定及び本件各返還命令に手続的瑕疵があることア
弁明の機会が付与されていないこと
本件各取消決定及び本件各返還命令に先立ち,原告は何ら弁明の機会を与えられておらず,また,本件大学報告書の作成過程においても,別件訴訟のB大学の代理人弁護士から原告の代理人弁護士に対し,電話で,原告
の話を聞くのが難しいことについて確認されたのみで,正式なヒアリングの要請はなく,原告は何ら弁明の機会を与えられていない。
確かに,振興会法17条1項の準用する適正化法24条の2により行政手続法13条は適用除外とされているが,行政手続は行政目的に応じて多種多様であることから,行政処分の相手方に事前の告知,弁解,防御の機会を与えるかどうかは,行政処分により制限を受ける権利利益の内容,性質,制限の程度,行政処分により達成しようとする公益の内容,程度,緊
急性等を総合衡量して決定されるべきものである(最高裁昭和61年(行ツ)第11号平成4年7月1日大法廷判決・民集46巻5号437頁参照)。本件各取消決定及び本件各返還命令のように,名宛人に対する影響が重大で,緊急性がない処分については,憲法31条に基づく適正手続の保障として事前の告知,弁解,防御の機会を与えられるべきであり,一切
の事前手続を経ることなくされたことについて,手続的な瑕疵があるといわざるを得ない。

理由の提示が不十分であること
本件各取消決定及び本件各返還命令の通知書には,本件各交付決定のうち取り消される部分及びその具体的理由が全く記載されていない。本件各
補助金は,年度をまたいで使用されていたものであるが,具体的に取引業者とやり取りをしていたのは同じ研究室の別の研究者であって,原告は包括的な指示をしたのみであった。また,原告は,本件大学報告書の根拠とされた資料や他の研究者の供述内容の開示も受けていないため,取消しの対象とされた金額を検証することができない。

このように,本件各取消決定及び本件各返還命令の理由は,原告にとって不服申立てを行うための手掛かりにならず,また,処分庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制する機能も果たしておらず,適正化法21条の2が要求する理由の提示として不十分である。

不服申立ての教示がされていないこと
本件各取消決定及び本件各返還命令については,行政不服審査法82条1項に基づき,不服申立てをすべき行政庁等の教示がされなければならないにもかかわらず,その旨の教示がされていないところ,本件各取消決定及び本件各返還命令が加算金を含む多額の金員の返還を求める重大なものであることからすると,極めて問題である。

原告に対する通知がされていないこと
本件各取消決定は,振興会法17条1項,適正化法17条4項が準用する同法8条に基づき,速やかに補助金等の交付の申請をした者に通知されなければならず,本件各返還命令についても同様と考えられるところ,本件各交付決定の交付の申請をした者は取扱要領6条1号イで研究者の代表者と規定され,原告がこれに当たる。それにもかかわらず,本
件各取消決定及び本件各返還命令の通知書は,当時原告が既に在籍していなかったB大学に送付されている(なお,原告は,別件訴訟の原告の代理人弁護士を通じ,平成30年4月9日になってこれを受け取ったのであり,その時点で,指定された納付期限〔同月16日〕も迫っていた。)。このように,本件において,被告は,本件各取消決定及び本件各返還命
令について速やかに原告に通知すべきところを怠ったものといえる。(3)小括
以上によると,本件各取消決定及び本件各返還命令は違法であって,取り消されるべきである。
3
争点3(本件各交付決定に係る取消権及び補助金返還請求権についての消滅時効の成否)について
(原告の主張)
(1)科研費の交付を受けた者は,科学研究等を完了したとき,及び補助金の交付決定に係る国の会計年度が終了したときに,実績報告書を被告に提出する
ものとされ(取扱要領14条),慣例上,会計年度終了時の実績報告書は,交付を受けた年の翌年の4月に提出されていた。また,被告は,研究完了時の実績報告書の提出を受けた場合,その審査及び必要に応じて行う調査によって,当該科学研究等の成果が補助金交付決定の内容及びこれに附した条件に適合すると認めたときは,交付すべき補助金の額を確定し,補助金の交付を受けた者に通知することとされているところ(取扱要領15条),会計年度終了時に提出される実績報告書についても,通常の実務として審査,調査が行われており,本件でも同様であった。
このように,被告は,本件各補助金を交付した会計年度の終了時及び研究完了時の実績報告書の提出を受け,補助金交付決定の内容及びこれに附した条件に適合するかどうかを審査,調査していたのであるから,その時点で,
これに適合しない場合には取り消すことが可能であったといえる。したがって,本件各交付決定について,会計年度の終了時の実績報告書の提出(平成17年度分につき平成18年4月,平成18年度分につき平成19年4月,平成19年度分につき平成20年4月)から5年間が経過したことにより,本件各交付決定に係る取消決定及び補助金返還命令を行う権限は
失効したと解すべきである。
(2)また,本件各補助金の問題に関しては,平成24年5月26日に捜査機関によるB大学の捜索が行われており,文部科学大臣は遅くとも同日までにこのことを認識し,被告とも共有していたはずである。
したがって,被告は,この時点で本件各交付決定の取消権を行使し得たと
いうべきであるし,仮に,その後に文部科学大臣の指示でB大学の調査がされ,その報告がない段階での取消権の行使は困難であったとしても,遅くとも平成24年9月には,B大学は一連の預け金の詳細を把握して文部科学大臣に報告し,その内容は被告にも共有されていたといえることからすると,被告は,遅くとも同月中には,本件各交付決定を取り消すことが可能であっ
たというべきである(なお,仮に文部科学大臣がB大学から報告を受けていなかったとしても,文部科学大臣からB大学に求めることによって,状況を把握し得たといえる。)。
(3)以上によると,本件各取消決定及び本件各返還命令が行われたときには,本件各交付決定の取消権を行使し得たときから既に5年が経過していたのであり,本件各交付決定に係る取消権及び補助金返還請求権については,時効によって消滅したといえる。

(被告の主張)
争う。
第4

当裁判所の判断
抗告訴訟の対象となる処分とは,公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち,その行為によって直接国民の権利義務を形成し,又はその範囲
を確定することが法律上認められているものをいうと解される(最高裁昭和37年(オ)第296号同39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁参照)。
当裁判所は,本件各訴えにおける取消しの対象である本件各取消決定及び本件各返還命令について,いずれも抗告訴訟の対象となる処分に当たらないと
判断する。その理由は次のとおりである。
1
科研費(基盤研究等)の交付について
(1)補助金の交付のような給付行政に関する行為については,本来的には非権力的な性質のものであるものの,法律が,一定の者に当該給付の受給に
関する申請権を与え,行政庁が,申請権を有する者の申請に対し,当該申請者の受給権の存否を判断して応答するという手続を採用していると解される場合には,当該応答に係る行政庁の決定行為は,行政庁がその行為により直接に当該申請者の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認められているものとして,抗告訴訟の対象となる処分に当たる
ものと解される。
(2)科研費(基盤研究等)の交付については,被告が作成した取扱要領において,交付申請者による交付申請と被告の交付決定によって具体的な給付請求権が発生するという仕組みが採られているところ(取扱要領7条,8条,10条,11条参照),法律上は,適正化法において,国以外の者による間接補助事業者等に対する間接補助金等の交付手続に関する規定は見当たらず,振興会法においても,科研費(基盤研究等)の交付は,同法1
5条1号の業務として実施され,科研費(基盤研究等)は,同法17条1項にいう予算で定める国の補助金の交付を受け,これを財源として交付する補助金に当たるといえるものの,具体的な交付手続に関する規定は,適正化法の準用規定も含めて見当たらない。したがって,科研費(基盤研究等)の交付手続は,専ら被告が作成した取扱要領において規定され
ているものといえる。
このように,科研費(基盤研究等)の交付手続について,法令上の規定はなく,専ら被告が作成した取扱要領により定められていることからすると,法律上,一定の者に当該給付の受給に関する申請権を与え,行政庁が,申請権を有する者の申請に対し,当該申請者の受給権の存否を判断して応答する
という手続を採用していると解することは困難といえる。したがって,科研費(基盤研究等)の交付について,行政庁がその行為により直接に国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認められているものとはいえないことから,抗告訴訟の対象となる処分には当たらず,科研費(基盤研究等)に係る具体的な給付請求権は,交付の申請(申込み)と交付
決定(承諾)によって成立する贈与契約を原因として発生するものと解される。
2
科研費(基盤研究等)の交付の取消し及び返還について
(1)科研費(基盤研究等)の交付の取消し及び返還は,振興会法17条1項
が準用する適正化法17条1項,18条1項に基づくものであり,振興会法17条1項が準用する適正化法17条1項によると,補助事業者等が,補助金等の他の用途への使用をし,その他補助事業等に関して補助金等の交付の決定の内容又はこれに附した条件その他法令又はこれに基づく被告の理事長の処分に違反したときは,補助金等の交付の決定の全部又は一部を取り消すことができるとされ,振興会法17条1項が準用する適正化法18条1項によると,被告の理事長は,補助金等の交付の決定を取り消した場合において,補助事業等の当該取消しに係る部分に関し,すでに補助金等が交付されているときは,期限を定めて,その返還を命じなければならないとされる。
(2)もっとも,科研費(基盤研究等)の交付の取消し及び返還については,
振興会法17条1項が準用する適正化法24条の2(行政手続法の適用除外)によって,行政手続法第3章の不利益処分(行政手続法2条4号参照)に関する規定は適用されない(なお,理由の提示については,振興会法17条1項が準用する適正化法21条の2によって必要とされている。)。また,振興会法17条1項は適正化法23条(立入検査等),同
法25条(不服の申出)を準用していないことから,科研費(基盤研究等)の場合は,補助金等の場合とは異なり,法律上,被告が科研費(基盤研究等)に係る予算の執行の適正を期するために必要な立入検査等を実施したり,科研費(基盤研究等)の交付の取消し及び返還を命じられた者がこれらに対する不服の申出をしたりする手続は設けられていない。
これに加えて,上記1のとおり科研費(基盤研究等)の交付は,被告と交付申請者との間の贈与契約に基づくものと解されるところ,科研費(基盤研究等)の使用に関しては,あらかじめ,間接補助事業者等は,法令の定め及び間接補助金等の交付又は融通の目的に従い,善良な管理者の注意をもって間接補助事業等を行わなければならず,いやしくも間接補助金等の他の用途
への使用をしてはならないとされ(適正化法11条2項),また,補助金の交付を受けた者は,補助金を補助事業に必要な経費にのみ使用しなければならないとされており(取扱要領13条。なお,旧取扱要領12条も同じ規定である。丙1の1~3),科研費(基盤研究等)に係る贈与契約は,交付を受けた者が,補助事業等を目的どおりに遂行する負担を負うことを伴う負担付贈与契約であると解される。そして,科研費(基盤研究等)の交付の取消し及び返還は,このような契約によって生じた効果を遡及的に消滅させるも
のといえる。
(3)以上によると,科研費(基盤研究等)の交付の取消し及び返還は,行政庁がその行為により直接に国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認められているものということはできず,むしろ,科研費(基盤研究等)の交付が負担付贈与契約に基づくものであることを前提
に,同契約に係る債務不履行解除及びこれを原因として不当利得返還請求をするものと解するのが相当である。
(4)原告は,振興会法17条1項が適正化法17条1項を準用していることや,本件各取消決定及び本件各返還命令が5000万円以上の金額を対象とするものであることを理由に,科研費(基盤研究等)の交付の取消しに処分
性が認められると主張するが,上記(2)のとおり,補助金等の交付決定の取消しと科研費(基盤研究等)の交付の取消しには,前提となる交付の性質や取消しに関する手続に違いがあることを踏まえると,適正化法17条1項が準用されていることをもって処分性を認める理由にはならないというべきであるし,上記(1)ないし(3)で説示したところによれば,返還を命じる金額が
多額であったとしても処分性が認められるとはいえず,その主張には理由がない。
3
小括
したがって,科研費(基盤研究等)の交付の取消し及び返還については,
行政庁がその行為により直接に国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認められているものとはいえないから,本件各取消決定及び本件各返還命令は,抗告訴訟の対象となる処分には当たらない。第5

結論
以上によると,本件各訴えは,その余の点について判断するまでもなく,いずれも不適法であるから却下することとし,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第38部

裁判長裁判官

鎌野真敬
裁判官

網田圭亮
裁判官

野村昌也
(別紙2省略)

(別紙1)
関連法令等の定め

1
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(以下適正化法という。)
(1)2条(定義)

1項
この法律において補助金等とは,国が国以外の者に対して交付する次に掲げるものをいう。

補助金

二~四
イ略
2項
この法律において補助事業等とは,補助金等の交付の対象となる事務又は事業をいう。


3項
この法律において補助事業者等とは,補助事業等を行う者をいう。

4項
この法律において間接補助金等とは,次に掲げるものをいう。

国以外の者が相当の反対給付を受けないで交付する給付金で,補助金等を直接又は間接にその財源の全部又は一部とし,かつ,当該補助金等の交
付の目的に従って交付するもの
二オ
(略)
5項
この法律において間接補助事業等とは,適正化法2条4項1号の給付
金の交付(中略)の対象となる事務又は事業をいう。


6項
この法律において間接補助事業者等とは,間接補助事業等を行う者をいう。
(2)6条(補助金等の交付の決定)1項
各省各庁の長は,補助金等の交付の申請があったときは,当該申請に係る書類等の審査及び必要に応じて行う現地調査等により,当該申請に係る補助金等の交付が法令及び予算で定めるところに違反しないかどうか,補助事業等の目的及び内容が適正であるかどうか,金額の算定に誤りがないかどうか等を調査し,補助金等を交付すべきものと認めたときは,すみやかに補助金等の交付の決定(契約の承諾の決定を含む。以下同じ。)をしなければならな
い。
(3)8条(決定の通知)
各省各庁の長は,補助金等の交付の決定をしたときは,すみやかにその決定の内容及びこれに条件を附した場合にはその条件を補助金等の交付の申請をした者に通知しなければならない。

(4)11条(補助事業等及び間接補助事業等の遂行)2項
間接補助事業者等は,法令の定め及び間接補助金等の交付又は融通の目的に従い,善良な管理者の注意をもって間接補助事業等を行わなければならず,いやしくも間接補助金等の他の用途への使用(括弧内省略)をしてはならない。

(5)17条(決定の取消)

1項
各省各庁の長は,補助事業者等が,補助金等の他の用途への使用をし,その他補助事業等に関して補助金等の交付の決定の内容又はこれに附した条件その他法令又はこれに基づく各省各庁の長の処分に違反したときは,補助金等の交付の決定の全部又は一部を取り消すことができる。


2項
各省各庁の長は,間接補助事業者等が,間接補助金等の他の用途への使用をし,その他間接補助事業等に関して法令に違反したときは,補助事業者等に対し,当該間接補助金等に係る補助金等の交付の決定の全部又は一部を取り消すことができる。

3項
適正化法17条1項及び2項の規定は,補助事業等について交付すべき補助金等の額の確定があった後においても適用があるものとする。


4項
適正化法8条の規定は,同法17条1項又は2項による取消しをした場合について準用する。

(6)18条(補助金等の返還)

1項
各省各庁の長は,補助金等の交付の決定を取り消した場合において,補助事業等の当該取消に係る部分に関し,すでに補助金等が交付されているときは,期限を定めて,その返還を命じなければならない。


2項
各省各庁の長は,補助事業者等に交付すべき補助金等の額を確定した場合において,すでにその額をこえる補助金等が交付されているときは,期限を定めて,その返還を命じなければならない。

(7)19条(加算金及び延滞金)1項
補助事業者等は,17条1項の規定又はこれに準ずる他の法律の規定による処分に関し,補助金等の返還を命ぜられたときは,政令で定めるところにより,その命令に係る補助金等の受領の日から納付の日までの日数に応じ,当該補助金等の額(その一部を納付した場合におけるその後の期間について
は,既納額を控除した額)につき年10.95パーセントの割合で計算した加算金を国に納付しなければならない。
(8)21条(徴収)1項
各省各庁の長が返還を命じた補助金等又はこれに係る加算金若しくは延滞金は,国税滞納処分の例により,徴収することができる。
(9)21条の2(理由の提示)
各省各庁の長は,補助金等の交付の決定の取消し,補助事業等の遂行若し
くは一時停止の命令又は補助事業等の是正のための措置の命令をするときは,当該補助事業者等に対してその理由を示さなければならない。(10)23条(立入検査等)

1項
各省各庁の長は,補助金等に係る予算の執行の適正を期するため必要があ
るときは,補助事業者等若しくは間接補助事業者等に対して報告をさせ,又は当該職員にその事務所,事業場等に立ち入り,帳簿書類その他の物件を検査させ,若しくは関係者に質問させることができる。

2項
前項の職員は,その身分を示す証票を携帯し,関係者の要求があるとき
は,これを提示しなければならない。

3項
第1項の規定による権限は,犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(11)24条の2(行政手続法の適用除外)
補助金等の交付に関する各省各庁の長の処分については,行政手続法(平成5年法律第88号)第2章及び第3章の規定は,適用しない。
(12)25条(不服の申出)

1項
補助金等の交付の決定,補助金等の交付の決定の取消,補助金等の返還の命令その他補助金等の交付に関する各省各庁の長の処分に対して不服のある地方公共団体(括弧内省略)は,政令で定めるところにより,各省各庁の長に対して不服を申し出ることができる。

2項
各省各庁の長は,前項の規定による不服の申出があったときは,不服を申し出た者に意見を述べる機会を与えた上,必要な措置をとり,その旨を不服
を申し出た者に対して通知しなければならない。

3項
前項の措置に不服のある者は,内閣に対して意見を申し出ることができ
る。
2
独立行政法人日本学術振興会法(以下振興会法という。)
(1)1条(目的)
この法律は,独立行政法人日本学術振興会の名称,目的,業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。

(2)3条(振興会の目的)
独立行政法人日本学術振興会(以下振興会という。)は,学術研究の助成,研究者の養成のための資金の支給,学術に関する国際交流の促進,学術の応用に関する研究等を行うことにより,学術の振興を図ることを目的とする。

(3)15条(業務の範囲)
振興会は,振興会法3条の目的を達成するため,次の業務を行う。一
学術の研究に関し,必要な助成を行うこと。

二~九


(4)17条(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の準用)1項適正化法(中略)17条1項,3項及び4項,18条1項及び2項,19条から21条の2まで並びに24条の2の規定は,振興会法15条1号の業務として,振興会が,予算で定める国の補助金の交付を受け,これを財源として交付する補助金について準用する。この場合において,適正化法(中略)17条1項,18条1項及び2項,19条3項,20条,21条1項,21条の2並びに24条の2中各省各庁の長とあるのは独立行政法人日本学術振興会の理事長と,適正化法19条1項及び2項中国とある
のは独立行政法人日本学術振興会と読み替えるものとする。

3
科学研究費補助金取扱規程(昭和40年文部省告示第110号。以下取扱規程という。)(1)1条(趣旨)

科学研究費補助金の取扱いについては,適正化法及び補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令(昭和30年政令第255号。以下適正化法施行令という。)に定めるもののほか,この規程の定めるところによる。
(2)3条(科学研究費補助金の交付の対象)2項

振興会法15条1号の規定に基づき振興会が行う業務に対して,文部科学大臣が別に定めるところにより科学研究費補助金を交付する。

4
独立行政法人日本学術振興会科学研究費助成事業(科学研究費補助金)取扱要領(丙1の4。以下取扱要領という。)
(1)1条(通則)
振興会が交付を行う科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(以下,取扱要領において補助金という。)の取扱いについては,適正化法,適正化法施行令,振興会法及び取扱規程に定めるもののほか,この取扱要領の定め
るところによる。
(2)2条(目的)
この取扱要領は,科学研究費補助金(基盤研究等)交付要綱(平成11年4月12日文部大臣裁定。以下交付要綱という。)18条1項及び独立行政法人日本学術振興会業務方法書(平成15年規程第1号)4条の規定に基づき,振興会から研究者に対して交付する補助金の交付の対象,申請,交付その他の取扱いに関する細目を定め,もって補助金の適正かつ効率的な執行を図ることを目的とする。
(3)3条(定義)

1項
この取扱要領において補助金とは,文部科学省から交付される科学研究費補助金から支出する研究費であって,次に掲げるものをいう。

科学研究費((中略)基盤研究(S),基盤研究(A)(中略))
二~五

(略)

2項
この取扱要領において研究機関とは,取扱規程2条1項に規定する研究機関及び同条8項の規定により研究機関とみなすものをいい,学術研究を
行う機関であって1号から4号に掲げるもの及び5号に掲げるものをいう。一
大学(以下略)

二~五

(略)

3項
この取扱要領において研究代表者とは,科学研究費補助金の交付の対
象となる事業において,適正化法2条3項に規定する補助事業者等(以下,取扱要領において補助事業者という。)として当該事業の遂行に責任を負う研究者をいう。
(4)4条(補助金の交付の対象)

1項

この補助金の交付の対象となる事業は,次に掲げる事業(以下,取扱要領において補助事業という。)とする。

学術上重要な基礎的研究(括弧内省略)であって,研究機関に,当該研究機関の研究活動を行うことを職務に含む者として所属し,かつ,当該研究機関の研究活動に実際に従事している研究者(括弧内省略)が一人で行
う事業若しくは二人以上の研究者が同一の研究課題について共同して行う事業(研究者の所属する研究機関の活動として行うものであり,かつ,研究機関において科学研究費補助金の管理を行うものに限る。)又は教育的若しくは社会的意義を有する研究であって,研究者が一人で行う事業(以下,取扱要領において科学研究という。)

二,三

(略)

2項
補助対象となる経費は,補助事業に要する経費のうち補助金交付の対象として振興会が認める経費とする。

(5)6条(補助金の交付申請者)
取扱要領4条1項に係る補助金の交付の申請をすることができる者は,次のとおりとする。

科学研究に係る補助金にあっては,次に掲げる者

研究機関に所属する研究者が科学研究を行う場合は,当該科学研究を行う研究者の代表者

ロ~ニ
二,三

(略)
(略)

(6)7条(計画調書)1項
補助金(括弧内省略)の交付の申請をしようとする者は,あらかじめ科学研究又は研究成果の公開(以下科学研究等という。)に関する計画調書を別に定める様式により振興会に提出するものとする。
(7)8条(交付予定額の通知)1項
振興会は,取扱要領7条1項の計画調書に基づき,補助金を交付しようとする者及び交付しようとする予定額(以下交付予定額という。)を定め,その者に対し,あらかじめ交付予定額を通知するものとする。
(8)10条(交付申請書)
取扱要領8条各項の通知を受けた者が補助金の交付の申請をしようとするときは,振興会の指示する時期までに,別に定める様式による交付申請書を振興会に提出しなければならない。
(9)11条(交付の決定)


1項
振興会は,取扱要領10条により補助金の交付の申請があったときは,当該申請に係る書類の審査及び必要に応じて行う現地調査等により,補助事業の内容が適正であるかどうか,金額の算定に誤りがないかどうか等を調査するものとする。


2項
振興会は,取扱要領11条1項の調査の結果,補助金を交付すべきものと認めたときは,速やかに補助金の交付の決定を行うものとする。


3項
振興会は,補助金の交付の条件として,次の事項及びその他必要な事項について定めるものとする。(以下略)


4項
振興会は,補助金の交付の決定をしたときは,速やかにその決定の内容及びこれに付した条件を補助金の交付の申請をした者に通知するものとする。
(10)13条(補助金の使用制限)
補助金の交付を受けた者は,補助金を補助事業に必要な経費にのみ使用しなければならない。
(11)14条(実績報告書)

1項
補助金の交付を受けた者は,補助事業を完了したときは,速やかに別に定める様式による実績報告書を振興会に提出しなければならない。補助金の交付の決定に係る国の会計年度が終了した場合も,また同様とする。

2項
取扱要領14条1項後段の規定による実績報告書には,翌年度に行う補助事業に関する計画を記載した書面を添付しなければならない。

(12)15条(補助金の額の確定等)

1項
振興会は,取扱要領14条1項前段の規定による実績報告書の提出を受けた場合においては,その実績報告書の審査及び必要に応じて行う調査により,補助事業の成果が補助金の交付の決定の内容及びこれに付した条件に適合すると認めたときは,交付すべき補助金の額を確定し,補助金の交付を受けた者に通知するものとする。


2項
振興会は,取扱要領14条1項後段の規定による実績報告書のうち国庫債務負担行為に基づいて補助金の交付の決定が行われた補助事業の実績報告書の提出を受けた場合においては,その実績報告書の審査及び必要に応じて行
う調査により,各年度における支出が交付の決定の内容及びこれに付した条件に適合することを確認し,その額を補助金の交付を受けた者に通知するものとする。
(13)16条(補助金の返還)1項
振興会は,取扱要領15条の規定により額を通知した場合において,すで
にその額をこえる補助金が交付されているときは,補助金の交付を受けた者に補助金の返還を命ずるものとする。
(14)17条(研究成果報告書)1項
補助金の交付を受けた者は,振興会の定める時期までに,振興会の定めるところにより,取扱要領7条1項又は3項の計画調書上の計画に基づいて実施した事業の成果について取りまとめた報告書(以下研究成果報告書という。)を振興会に提出しなければならない。
(15)23条(その他)
この取扱要領に定めるもののほか,補助金の取扱いに関し必要な事項は,募集要項等において別に定めるものとする。
以上
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