判例検索β > 平成31年(わ)第153号
傷害、窃盗
事件番号平成31(わ)153
事件名傷害,窃盗
裁判年月日令和元年9月6日
裁判所名・部名古屋地方裁判所  岡崎支部
裁判日:西暦2019-09-06
情報公開日2020-06-04 22:33:30
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判決主文
被告人両名をそれぞれ懲役3年に処する
被告人両名に対し,この裁判が確定した日から5年間,それぞれその刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人両名は,共謀の上,
第1

平成30年10月5日午前10時45分頃,愛知県知立市a町b番地c所在のパチンコ店A駐車場において,B(当時35歳)に対し,前記Bの背後からその身体に体当たりする暴行を加えてその場に転倒させ,よって,同人に全治まで約1週間を要する頚椎打撲,頭部打撲等の傷害を負わせ

第2

前記日時頃,前記場所において,同人管理の現金3000万円在中の手提げバッグ1個(時価約1000円相当)を窃取し

たものである。
(法令の適用)
被告人両名につき
罰条

刑法60条,204条

判示第2の所為
刑種の選択

判示第1の所為

刑法60条,235条

判示第1及び第2の罪についていずれも懲役刑
を選択

併合罪の加重

刑法45条前段,47条本文,10条(重い判
示第1の罪の刑に法定の加重)

刑の執行猶予

刑法25条1項

被告人Cにつき
訴訟費用の不負担

刑事訴訟法181条1項ただし書(量刑の理由)
本件は,大型パチンコ店へ景品を納品して現金を集金する会社(以下被害会社という。)の従業員である被害者が1人で多額の現金を搬送しているところを狙って行われた傷害及び窃盗の事案である。被告人らは,被害会社の従業員が常に1人で現金を搬送していること等を複数回の下見で確認した上,被害者に体当たりをして同人が現金入りのバッグから手を放した隙をついてこれを持ち去るという本件各犯行に及んだものである。多額の現金を窃取するという一定の計画性を持って行われた粗暴な行為態様は強く非難されるべきである。本件窃盗による被害は現金3000万円と極めて高額であり,逮捕後に押収された1100万円が被害会社に還付されたことを踏まえても,結果は重大である。
被告人Cは,本件各犯行の実行行為を担当したのであり,果たした役割は大きい。被告人Dは,被害会社における現金搬送状況を把握して本件窃盗を提案し,単独でも下見を繰り返した上,本件各犯行当時も犯行現場付近において逃走用の車両を準備して待機するなどしており,不可欠な役割を果たしている。被告人らが幼い頃からの友人関係にあったこと等も考えると,被告人両名の刑責に差異はない。以上の犯情によると,被告人両名を実刑に処すことも当然考えられる。
しかしながら,傷害についての計画性は高くなく,幸いにも重い結果とはならなかった。また,被害会社が加入していた保険によるものとはいえ,全額について被害回復がされており,被告人らは,保険会社に対し合計1400万円を支払い,保険会社がその余の請求を放棄するなどの内容でそれぞれ示談を成立させている。前記還付も合わせると,窃取した現金の8割以上に相当する部分について実質的な被害回復がされたといえる。このような被害回復状況等に加え,被告人らが罪を認め,今後も被害者に対して誠実に対応していきたい旨述べるなど反省の態度を示していること,被告人らの更生を支援する家族がいること,被告人らに前科前歴がないこと,被告人らが懲戒解雇ないし懲戒免職されるなどの社会的な制裁を受けていることなど,被告人らのために考慮できる一般情状も考慮した結果,被告人両名にそれぞれ主文の刑を科し,その責任の重さを明確にした上で,今回に限り,その刑の執行を猶予し,社会内での更生の機会を与えるのが相当であると判断した。(検察官三浦貴大,被告人Cの国選弁護人黒瀬裕司,被告人Dの私選弁護人中村勉〔主任〕各出席)
(求刑

懲役3年6月)

令和元年9月6日
名古屋地方裁判所岡崎支部刑事部

裁判長裁判官

石井
裁判官

岩﨑
裁判官

佐々木
寛理子康平
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