判例検索β > 平成29年(行ウ)第18号
道路占用許可処分義務付け等請求事件
事件番号平成29(行ウ)18
事件名道路占用許可処分義務付け等請求事件
裁判年月日令和元年11月27日
法廷名福岡地方裁判所
裁判日:西暦2019-11-27
情報公開日2019-12-18 18:00:09
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主1文
本件訴えのうち,原告らに対する道路占用許可処分の各義務付けを求める部分を却下する。

23
原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は原告らの負担とする。

第1
1実及び理由
請求
博多区長が平成29年3月24日付けで原告Xに対してした道路占用不許可処分を取り消す。

2
博多区長は,原告Xに対し,道路占用許可処分をせよ。

3
福岡市長が平成28年11月24日付けで原告Xに対してした,屋台営業候補者の応募申請却下処分を取り消す。

4
博多区長が平成29年3月24日付けで原告Yに対してした道路占用不許可処分を取り消す。

5
博多区長は,原告Yに対し,道路占用許可処分をせよ。

6
福岡市長が平成28年11月24日付けで原告Yに対してした,屋台営業候補者の応募申請却下処分を取り消す。

第2

事案の概要
本件は,原告らが,博多区長に対し屋台営業に係る道路占用許可の申請(以
下本件各許可申請という。)を,福岡市長に対し福岡市屋台基本条例(平成25年福岡市条例第43号。以下本件条例という。)25条所定の屋台営業候補者の公募への応募申請(以下本件各応募申請という。)をしたところ,博多区長から平成29年3月24日付けで本件各許可申請をそれぞれ不許可とする旨の処分(以下本件各不許可処分という。)を受け,福岡市長
から平成28年11月24日付けで本件各応募申請をそれぞれ却下する旨の処分(以下本件各却下処分という。)を受けたため,被告を相手に,本件各不許可処分及び本件各却下処分の取消しを求めるとともに,原告らに対する道路占用許可処分の義務付けを求める事案である。
1
関係法令等の定め
別紙関係法令等の定め記載のとおり

2
前提事実(争いがない事実,顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実。
なお,
証拠番号は特記なき限り枝番号を含む。


(1)当事者(甲1~3,乙22,24,38,40)

原告Xは,福岡市博多区の祇園地区において,Aという屋号の屋台
を営んでいた者である。

原告Yは,福岡市博多区の中洲地区において,Bという屋号の屋台
(以下,A及びBを併せて本件各屋台ということもある。)を営んでいた者である。

被告は,本件各許可申請に係る道路の道路管理者である。ただし,屋台
営業を行うための道路法に基づく市道等の占用許可(本件条例3条7号。以下市道等占用許可という。)に係る同法32条1項の権限は,福岡市区長事務委任規則2条55号により,被告(福岡市)の各区の区長に委任されている。
(2)本件各不許可処分に至る経緯(甲1,10,11,乙11,17,20~22,24,27,31,35~38,40,43~45)


Cは,博多区長から,平成25年11月29日付けで,Aについて市道
等占用許可を受けた。
Dは,博多区長から,平成26年1月7日付けで,Bについて市道等占用許可を受けた。
上記各市道等占用許可における占用の期間は,平成25年12月1日から平成26年3月31日までとされていた。

博多区長は,C及びDに対し,平成26年3月10日付けで,同年4月
1日以降の市道等占用許可の取扱いについて,C及びDが所定の手続を行った場合に限り,同人らを本件各屋台の市道等占用許可に係る申請の対象者と認めるが,当面,その許可更新期間を2か月とする旨の通知をした。博多区長は,同月2日付けで,原告Xに対してはAの市道等占用許可に係る申請の対象者と認める通知を,Cに対してはAの市道等占用許可に係る申請の対象者としない旨の通知をした。原告Xは,同月3日付けで,博多区長に対し,Aの市道等占用許可の申請をした。
博多区長は,同年3月18日付けで,原告Yに対してはBの市道等占用許可に係る申請の対象者と認める旨の通知を,Dに対してはBの市道等占
用許可に係る申請の対象者としない旨の通知をした。原告Yは,博多区長に対し,同日付けで,Bの市道等占用許可の申請をした。

原告Xは,博多区長から,平成26年4月14日付けで,Aの市道等占
用許可を受け,原告Yは,博多区長から,同年6月19日付けで,Bの市道等占用許可を受けた(以下,これらの市道等占用許可を併せて平成26年許可という。)。平成26年許可に係る道路占用許可証(乙24,40)には,占用の期間として,同年4月1日から同年9月30日までと記載されていた。エ
その後,数次にわたる更新を経て,原告Xは,博多区長から,平成28
年12月22日付けで,Aの市道等占用許可を受け,原告Yは,博多区長から,平成29年1月4日付けで,Bの市道等占用許可を受けた(以下。これらの市道等占用許可を併せて平成29年許可という。)。平成29年許可における占用の期間は,同月1日から同年3月31日までとされていた。

原告Xは,博多区長に対し,平成29年3月2日付けで,Aの道路許可
申請をし,原告Yは,博多区長に対し,同月3日付けで,Bの市道等占用許可申請をした(本件各許可申請)。

博多区長は,同月24日,本件各許可申請をそれぞれ不許可とする本件各不許可処分をした。
(3)本件各却下処分に至る経緯等(甲19,乙51~55,58,59)ア
福岡市長は,平成28年8月10日,本件条例28条1項に基づき,市
民の代表及び学識経験者らで構成される福岡市屋台選定委員会(以下本件選定委員会という。)を設置した。福岡市長は,本件条例25条1項に基づき,同項所定の屋台営業候補者(福岡市長が指定した場所において市道等占用許可又は公園等占用許可を受けることができる者をいう。以下同じ。)の公募を行う場所として,福
岡市の中洲地区及び長浜地区等を含む観光スポットエリア
(13か所)
と,
天神北地区及び天神中央地区等を含む商業地域エリア(15か所)を指定した。
本件選定委員会は,同年9月20日から同年10月31日にかけて,前記屋台営業候補者の公募(以下本件公募という。)に応募するための
書類を,屋台営業候補者の決定を受けようとする者(以下応募申請者という。)に対して交付した。応募申請者は,観光スポットエリア又は商業地域エリアのいずれか一方のみを指定して応募する必要があり,原告Xは同月28日,原告Yは同月31日,福岡市長に対し,いずれも観光スポットエリアを応募場所として,本件公募に応募する旨を申請した(本件各
応募申請)。

本件選定委員会は,
前記観光スポットエリア及び商業地域エリアごとに,

3名の委員で構成される審査部会(以下審査部会という。)を設置した。
屋台営業候補者の決定は,審査部会ごとに書類審査(一次審査)が行われ,その後,本件選定委員会において前記書類審査の結果を基に一次通過者が選定され,さらに,審査部会ごとに面接審査(二次審査)が行われ,
その後,本件選定委員会において前記面接審査の結果を基に二次通過者が選定され,観光スポットエリア及び商業地域エリアの上位者から順に営業場所の選択が行われ,福岡市長が屋台営業候補者を決定するという手順で行われる。

本件公募に関して,観光スポットエリアの審査部会は,応募申請者らが
提出した福岡市公募屋台営業計画書(乙55。応募申請者の経歴及び事業計画等を記載するもの。以下営業計画書という。)を基に,本件選定委員会が作成した審査項目・配点表(乙54)に従って評点をすることによって書類審査を行い,その後,本件選定委員会において,前記審査部会の評点を基に一次通過者が選定されたが,原告らは,一次通過者とし
て選定されず,福岡市長は,平成28年11月24日,本件各応募申請を却下する旨の通知をした(本件各却下処分)。
(4)本件訴訟に至る経緯等

原告らは,平成29年3月16日,本件各許可申請に対して相当期間内
に何らの処分もされていないことにつき不作為の違法確認及び市道等占用
許可処分の義務付けを求めるとともに,本件各却下処分の取消しを求める本件訴えを提起した。

原告らは,平成29年5月17日の第1回口頭弁論期日において陳述し
た訴えの交換的変更申立書において,前記アの不作為の違法確認を求める訴えを本件各却下処分の取消しを求める訴えに変更した。

3
争点及びこれに関する当事者の主張

(1)本件各不許可処分の違法性(争点1)
(原告らの主張)

本件条例10条1項関係

(ア)平成29年許可は道路法32条に基づくものであるが,占用期間が満了し,同条に基づく期間更新の申請があった場合は,当該占用を継続さ
せることができない特別の理由がない限り,処分行政庁はこれを許可すべきであって,その範囲で処分行政庁の裁量は拘束されると解される。本件条例10条1項は,市道等占用許可の期間更新の申請に係る上記特別の理由を具体化した裁量基準と解すべきである。そして,本件各許可申請は,平成29年許可の更新を求めるものであり,期限である平成29年3月31日以降について更新しない旨の附款は付されていないから,原告らは,同項所定の更新申請者に当たり,本件各許可申請については,同項が適用される。しかるに,本件各許可申請につき同項所定の事由はないから,本件各不許可処分は違法である。

(イ)これに対し,被告は,平成26年許可は3年間という期限(以下本件期限という。)を限度とし,その後の更新が予定されていない限定的許可であり,原告らには本件条例10条1項にいう現に受けている市道等占用許可がない旨主張する。しかし,
①本件条例の制定経緯や全体の仕組みからすれば,同項の
現に受けている市道等占用許可を被告が主張するように限定的に解釈することはできない。また,平成26年許可は占用の期間の終期である平成26年9月30日の経過とともに効力を失っているから,原告らの本件各許可申請時における現に受けている市道等占用許可は,平成29年許可を指すと解するほかなく,本件各許可申請において,平成
26年許可の本件期限の有無を問題とすべきではない。
そもそも,②行政処分は通知(意思表示)によって確定し効力が発生するところ,
平成26年許可の意思表示をなした各占用許可証
(乙24,
40)には,本件期限に関する記載がないから,平成26年許可には本件期限が付されていない。また,③被告の職員は,平成26年許可の申
請に当たり,平成29年3月31日以降も屋台営業を続けることができる旨の説明をしており(甲17),原告らが平成26年許可に本件期限
が付されていることについて了承したこともないから,平成26年許可に本件期限が付されていたことはない。さらに,④本件条例によれば,本件条例が定める条件以外の条件を付することはできず,本件条例によってされた平成26年許可に期限終了後の効力を制限する内容の期限を付することはできないから,本件期限に法的効力はない。
(ウ)仮に,平成26年許可に本件期限が付されていたとしても,以下の事情に鑑みると,本件期限を理由とする本件各不許可処分は,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法である。すなわち,平成26年許可に本件期限を付したことが正当化される実質的な理由は,当
時,本件各屋台が名義貸し屋台(市道等占用許可を受けていない者が実質的に営業を行っている屋台のことをいう。以下同じ。)であったことに求められるが,博多区長は,占用許可人が常時屋台にいるのでなければ名義貸しとするとの誤った基準を用いたこと,毎日一定の時間帯のみ調査する等の不十分な調査を行ったこと等から,本件各屋台を
名義貸し屋台と誤って認定したものであるから,本件期限を理由とする本件各不許可処分は,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用してされたものであり,違法である。
(エ)被告の職員は,原告らが平成26年許可に係る申請を行った際,平成29年3月31日以降も屋台営業を続けることができる旨の説明をして
いるが,
本件各屋台はいずれも名義貸し屋台ではなかったのであるから,
本来は,C及びDが名義人として既存の権利の承認を求めて申請し,許可を受けるべきものであったにもかかわらず,上記のような説明をして原告らに申請させたのであるから,博多区長は,信義則上,本件期限を理由として,原告らが更新申請者に当たらないとする取扱いをすること
は許されない。
(オ)さらに,被告の職員は,平成25年から平成26年にかけて,一定の
数の屋台の排除だけを目的とした恣意的な行政調査を行い,また,聴聞手続を行わない等,適法な手続をとらずに,本件各屋台を名義貸し屋台と認定し,その旨の通知を交付している。このような手続的瑕疵は,本件期限の無効原因となる。

本件条例9条関係
本件条例9条1項2号アは,市道等占用許可の基準として,屋台営業候
補者以外の申請者の資格を屋台営業者の配偶者又は直系血族に限定しているが,このような限定には合理性が認められず,憲法14条に反し無効である。被告は,このような限定を設けた目的について,屋台営業を収入の生活の糧としている者に対する激変緩和措置である旨主張するが,
このような目的と申請者の資格を上記のように限定することとは,関連性がなく,合理性は認められない。したがって,原告らは,本件条例9条1項の要件を満たすというべきであり,同項のその他の要件もすべて満たしているから,本件各不許可処分は違法である。


個別事情配慮義務違反関係
以下の事情に鑑みると,本件各不許可処分は裁量権の範囲を逸脱し又は
これを濫用したものであって,違法である。
(ア)原告らは,平成29年3月31日までの間,長年にわたって屋台営業を営んできたが,本件各不許可処分により屋台営業ができなくなり,原告らの営業権(憲法22条)又は財産権(憲法29条)が剥奪された。また,原告らは,被告の職員から平成29年3月31日以降も屋台営業を続けることができる旨の説明を受けており,原告らもそれを信頼していた。被告は,特に問題のない屋台は当然に継続できるような公募を行うと説明していたところ,実際に行われた本件公募の手続は適正とも適
法ともいうことはできないものであった。
さらに,
本件各不許可処分は,
実質的に本件各屋台に対する営業許可取消処分であり,刑事罰を伴う営
業規制の実務と比較してもはるかに厳しいものであるから,比例原則に反し,違法である。
(イ)一般に,行政庁側の違法又は不当な先行行為によって形成された相手方の状態を前提として,相手方に不利益な処分を行うことは信義則に反すると解される。そして,本件各屋台はいずれも名義貸し屋台ではなか
ったのであるから,平成26年許可も,本来は,C及びDが名義人として,既存の権利の承認として受けるべきものであった。ところが,被告は名義貸し屋台の認定を誤り,平成29年3月31日以降も屋台営業を続けることができるかのような説明を行った上で,
Aについて原告Xを,
Bについて原告Yを名義人とする申請をさせて,これを許可したのであ
るから,被告は,信義則上,本件期限を理由に,原告らを更新申請者に当たらないという取扱いをすることは許されない。

手続違反関係
市道等占用許可の期間更新の申請は,特別の理由がない限り許可すべき
であることに照らせば,本件各不許可処分は,実質的には不利益処分とみなされる。本件各不許可処分をするに当たっては,不利益処分に求められる聴聞手続その他の手続が採られていないので,本件各不許可処分は違法である。

まとめ
以上を踏まえれば,本件各不許可処分は,裁量権の範囲を逸脱し又はこ
れを濫用してされたものであるから,違法なものとして取り消されるべきであり,原告らの義務付けの訴えも認められなければならない。
(被告の主張)

本件条例10条1項関係

(ア)本件各許可申請に係る市道等占用許可は,道路法33条1項に基づくものであるところ,
その性質は特許であり,
占用許可をするかどうかは,

原則として道路管理者の自由裁量に属する。道路管理者は,個別具体的に占用目的,占用形態,占用者等に関する諸要素を総合的に判断して決定すべきであり,当該占用場所の交通量,交通規制,道路状況の変更等から判断して当該占用を許可させることができない理由が存在し,当該占用許可が必ずしも社会生活上必要なものとは認められない場合,不許可処分にしても何ら違法又は不当なものではない。
(イ)本件条例10条1項が適用されるか否かを判断するに当たっては,同条が現に受けている市道等占用許可を要件としていることから,原告らが受けていた占用許可,すなわち平成26年許可の性質が問題とな
る。
平成26年許可は,3年を限度としその後の更新が予定されていない限定的許可であり,本件条例10条1項にいう現に受けている市道等占用許可に当たらず,
原告らは,
同項にいう更新申請者に当たらない。
すなわち,同項所定の現に受けている市道等占用許可とは,有効な
市道等占用許可を受けて屋台営業を行っていた者が有している当該占用許可をいう。平成26年許可を受ける前に原告らが従事していた本件各屋台の市道等占用許可の名義人はC及びDであり,これを名義人ではない原告らが営業していたことから,C及びDに対する市道等占用許可は取り消されるべきものであったが,実質的に屋台営業を行っていた原告
らの生活利益を考慮し,原告らに対して,平成26年4月1日から平成29年3月31日までを生活再建に必要な期間(以下生活再建期間という。)として本件期限を付して市道等占用許可を与えたのが平成26年許可である。
その後,
平成26年許可について期間が更新されたが,
期間の更新は,新たな権利の設定ではなく,既存の権利の承認としての
性格を有するものであるから,原告らの屋台の市道等占用許可には,本件期限が付されたものであることに変わりがない。このように,平成2
6年許可は,3年間を限度としその後の更新が予定されていない限定的許可であり,本件条例10条1項にいう現に受けている市道等占用許可に当たらず,
原告らは同項にいう更新申請者には当たらない。
なお,
平成26年許可がされる際,本件期限の趣旨が明示された説明文書が交付され,その内容を記載した通知を送付し,これらを受けて原告らは,本件期限の内容が記載された申立書に自署捺印して提出したものであるから,原告らも,本件期限後,市道等占用許可が行われないことを認識していたというべきである。
(ウ)仮に,本件各許可申請が本件条例10条1項にいう期間更新の申請で
あると解したとしても,平成26年許可に至るまでの前記事情及び同許可の性質に鑑みれば,これを継続させることが適当ではない特別の理由が認められる。
(エ)原告らは,平成26年許可の占用許可書に本件期限は記載されておらず,平成26年許可に本件期限は付されていない旨主張するが(原告ら
の主張

②),原告らの主張は,平成26年許可に係る許可書(乙2
反するものであり,失当である。
また,原告らは,本件条例に規定される条件以外の条件を付することはできない旨主張するが(原告ら
,道路法又は本件条例

において市道等占用許可に条件
(付款)
を付しうることは明らかである。
(オ)原告らは,
本件各屋台を名義貸し屋台と認定した点を問題とするが
(原
告らの主張

),名義人であったC及びDに本件各屋台の営業実態は

認められず,上記認定及びその手続に違法な点は認められない。また,仮に,平成26年許可の際に名義貸し屋台と認定した点に問題があるとしても,そのことは,本件各不許可処分に関する裁量の当否や本件条例10条1項の更新申請者該当性の判断に影響しない。

(カ)さらに,原告らは,被告から市政運営会議による方針決定の内容の説明を受け,最終的に同方針決定の内容を受け入れた上で,平成26年許可を受け,その後,生活再建期間として定められた3年間にわたり,それぞれ公道で屋台を営業し続け,許可による利益を享受していたばかりでなく,店舗営業等の事業転換の時間的余裕も与えられていたものであ
り,それにも関わらず,当初から定められていた3年間の期限が到来することや,同意していなかったとして営業の継続を求めることは,信義則違反又は権利濫用に当たり,許されない。

本件条例9条関係
原告らは,本件条例9条1項2号アにおいて,市道等占用許可の基準と
して,屋台営業候補者以外の申請者の資格を屋台営業者の配偶者又は直系血族に限定している部分は,
憲法14条に反し無効である旨主張する。
しかし,本件条例においては,それまで基準に適合している配偶者又は直系血族への屋台営業の承継(名義変更)が認められていたことを踏まえ,激変緩和措置として,屋台営業から得る収入の生活について,糧としての側面を考慮し,一定の条件の下で1回限り配偶者又は直系血族への承継を認めたものである。このような取扱いの違いは,事柄の性質に応じた合理的な根拠に基づくものであるから,本件条例及び本件条例に基づく処分のいずれも憲法14条に違反しない。


個別事情配慮義務違反関係
以下の事情に鑑みると,本件各不許可処分は,裁量権の範囲を逸脱し又
はこれを濫用したものに当たらない。
平成26年当時,原告らは名義貸し屋台を営んでいた。
名義人以外の者が屋台を営業することが許されないことは,本件条例に明示されている上,平成25年12月25日に開催された市政運営会議における方針決定や要領の策定によっても明定された。被告は,上記方針に
基づいて,C及びDが名義人になっている屋台を含む名義貸し屋台に対して,
平成25年10月から平成26年3月までの間,
再三現地調査に赴き,
名義人が営業に従事していない場合には,
その都度注意を繰り返し,
また,
同年1月23日に説明会(以下本件説明会という。)を開催し,文書を交付して上記方針を説明した。このように,博多区長は,原告らや原告らの屋台の名義人に対し,説明会や個別面談(聴聞)を行い,それぞれの生活手段,今後の取扱いの意向等を確認し,了解を得た上で,処分審議会(以下審議会という。)に諮り,取扱いを決定した。
被告の職員が,原告らに対し,本件期限以降も屋台営業を続けることが
できる旨や特に問題のない屋台は当然に継続することができるような公募を行う旨の説明をしたことはない。被告は,平成26年許可をする際に,3年という生活再建期間を定め,その間,原告らは屋台営業を許容されており,原告らの生活利益にも十分配慮した手続が履践された。また,原告らは,平成26年許可の際,期限を3年とすることの説明を受け,こ
れを了解していた。

手続違反関係
原告らは,本件各不許可処分が不利益処分であるにもかかわらず聴聞等
の手続が履践されていないのは違法である旨主張するが,本件各不許可処分は申請に対する処分であり,聴聞手続等は不要である。

まとめ
以上によれば,本件各不許可処分に取消事由がないことは明らかである
から,本件各不許可処分はいずれも適法である。
(2)本件各却下処分の違法性(争点2)
(原告らの主張)
本件各却下処分は,本件条例26条1項及び福岡市屋台基本条例施行規則(平成25年福岡市規則第109号。以下本件条例施行規則という。)
19条各号所定の選定基準を用いることなく本件選定委員会が行った恣意的な審査に基づいてなされたものであり,実際にも営業計画書の代筆が認められていたため同条各号の重要な考慮要素が全く考慮されていない。また,一部の者に事前に採点基準等が漏洩しており,適正かつ公平な審査が行われていなかった。そして,本件公募は,開業することができる屋台の枠が限られ
た相対評価であり,不正を行った者が合格すれば,その分本来合格すべき者は不合格になるのであるから,原告らは,本件各却下処分により看過することができない被害を受けているといえる。
したがって,本件各却下処分は,違法である。
(被告の主張)

原告らは,本件各却下処分に関して,本件選定委員会による審査が,本件条例26条1項及び本件条例施行規則19条が定める選定基準に基づいて行われなかった旨主張するが,本件選定委員会は,前記選定基準として作成された審査項目・配点表(乙54)に基づいて適切に審査を行っている。また,原告らは,本件選定に係る一次審査の採点基準が漏えいしていた旨
主張するが,そのような不適切な事象があったのは,原告らが応募した観光スポットエリアではない商業エリアに限られており,原告らが応募したエリアにおける審査においては,不適切な事象による影響は及んでいない。さらに,
原告らは,
本件選定委員会による審査に関して縷々問題点を指摘するが,
いずれも本件選定委員会による審査結果に影響を及ぼさない。

したがって,本件各却下処分の違法をいう原告らの主張には理由がない。第3
1
当裁判所の判断
認定事実
前提事実に加え,各項掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実を
認めることができる。
(1)本件条例制定に至る経緯


被告は,平成25年9月1日,本件条例を施行した。本件条例の定めは
別紙に記載のとおりである。本件条例の制定に至る経緯は,以下のとおりである。(乙5)

福岡市では,戦後から屋台の営業が始まり,平成10年頃の屋台の数は
200件程度であった。
福岡県警察は,平成6年頃から,屋台の営業に必要な道路交通法に基づく道路使用許可について,新規の許可申請は原則として許可せず,親が許可を得て営業している屋台をその子が引き継ぐような場合には,使用許可の許否の判断を個別に検討するといった方針を決定した。

一方,当時の福岡市内の屋台は,道路法に基づく市道等占用許可を受けずに営業を行っていたが,被告は,平成8年8月,大学教授等の有識者で構成される屋台問題研究会を発足させ,同研究会に対し,福岡市における屋台の現状と課題等について意見を求めた。同研究会は,平成10年1月に屋台問題研究会報告(乙1)を作成した。この報告では,屋台
営業について,営業時間や屋台の規格等の基準が遵守されていない旨及び歩行者等の通行や地域環境の阻害等の問題点等が指摘され,公共の場である道路上での私的な営業行為については,一般的に認めるべきものではなく,屋台営業により,道路本来の機能である歩行者等の安全な交通が阻害されてはならないが,他方で,屋台営業が長年にわたって認められてきて
おり,屋台営業者の生活や,観光資源としての側面等を考慮すると,屋台を廃止することは現実的に困難であり,被告としては,警察と連携しながら,屋台営業の適正化を推進するための取組が必要である旨の見解が示され,また,屋台営業について,市道等占用許可を与えることとし,そのための基本的なルールを確立する必要性があるなどとされた。

上記報告を受けた被告は,平成12年5月18日,福岡市屋台指導要綱(乙2。以下本件指導要綱という。)を作成した。本件指導要綱
では,
屋台営業のための市道等占用許可の基準等が定められており,
また,
屋台営業者の市道等占用許可に係る権利義務は,
当該屋台営業者が死亡し,
又はやむを得ない事由により屋台営業を継続することが困難である場合において,屋台営業による収入により生計を立てている者(原則として,当該屋台営業者の配偶者又は直系血族の子である相続人に限る。)が屋台営業を行うときを除いて,承継できないものとされていたが,承継することができる世代については特に限定が設けられていなかった(本件指導要綱11条1項)。さらに,屋台営業者の市道等占用許可に係る権利義務の譲渡,転貸及び担保提供は禁止されていた(同12条)。
本件指導要綱作成後の平成12年7月18日,被告は,屋台の道路占用について(方針決定)(乙3)を作成し,屋台営業のための市道等占用許可の基準を定め,厳正な審査の上,条件を付して許可を与えるとともに,許可付与後は,各屋台に対して,指導監督を行い,許可基準違反の事実が存在する場合には,道路法・本件指導要綱等に基づく処分を実施するなど,道路管理者として厳格に対応する旨の方針を決定した。
本件指導要綱等の作成後も,これらの基準を満たさず,また,市道等占用許可を受けていない者が実質的に営業を行っている屋台
(名義貸し屋台)
が存在していた。

(以上につき,乙1~3)

被告は,平成23年9月頃,大学教授等の有識者で構成される屋台との共生のあり方研究会を発足させた。そして,平成24年4月,同研究会は
屋台との共生のあり方研究会提言書福岡のまちと共生する屋台へ

(乙4)を発表した。
この提言書では,福岡市民を対象としたアンケートでは,約9割の市民が,屋台営業に関し,衛生面,悪臭,通行阻害,騒音,名義貸しなどの問題を感じていることが明らかになったため,これらを改善する必要性が指摘され,名義貸し屋台等の営業実態を調査した上で,市道等占用許可を受
けた者が営業する制度の検討等が提案された。

(以上につき,
乙4)

平成25年7月1日,本件条例が制定され,同年9月1日に施行された
(乙5)。
(2)屋台に対する被告の対応

被告は,平成25年7月8日,屋台営業について市道等占用許可を受け
ている名義人を対象として,臨時講習会を開催した。その際,被告の職員は,屋台営業については,名義人本人が行わなければならないことを説明した。
被告の職員は,同月16日,名義人に対し,本件条例での新ルールや各屋台が改善すべき項目等について説明をするために個別面談を実施する旨の通知を送付した。

(以上につき,乙72,73)

被告の職員は,名義人の営業従事の有無を調査するために,平成25年
10月から平成26年3月までの午後5時頃から午後9時頃の間に,福岡市内の屋台を訪れ,営業従事者を確認し,名義人が営業に従事していない場合には,名義人が営業に従事するよう指導をした(乙61,62,77,
証人E)。

被告は,平成25年10月24日,名義人を対象とし,平成25年12
月以降の屋台営業についての市道等占用許可の更新に関する説明会を開催した。その際,被告の職員は,名義貸し屋台について,本件条例13条に違反する行為であり,処分を行うこと,名義貸し屋台については,調査中であり,暫定的に一律に許可更新を認めること,名義貸し屋台に対する処分は行政行為であり,処分決定に関して名義人との協議は必要ないことを説明した。(乙74)

被告は,平成25年12月25日開催の市政運営会議において,名義貸
し屋台の営業は本件条例に違反しているが,市道等占用許可を取消し又はその更新をしなかった場合,屋台営業者が生活の糧を直ちに失うことにな
るため,
生活再建に必要な期間
(最長3年)
を付与すること等を決定した。
被告は,上記方針に従って,平成26年2月4日,平成25年9月1日以前から本人営業規定に違反している屋台の許可の取扱いを定める要領(乙7。以下本件要領という。)を作成し,施行した。本件要領には,上記市政運営会議で決定された名義貸し屋台の営業者(以下名義借人という。)に対して付与する生活再建期間について,名義借人が,市道等占用許可を受けている者に代わって,同年4月1日を道路占用期間の初日とする許可申請を行った場合には,名義借人を許可更新の対象者として取り扱うが,この取扱いによる許可の期間は3年を限度とし,屋台営業によ
る収入以外の収入によって生計を維持することが可能になったとき等には,前記許可を取り消し又は不更新とする旨記載されている。(乙6,7)オ
被告は,上記エの方針を踏まえて,名義貸し屋台であると思料された屋
台の名義人及び名義借人に対して,平成26年1月23日,同年4月以降の市道等占用許可の取扱いに関する本件説明会を実施した。本件説明会には,原告ら並びにC及びDも出席し,被告の職員は,名義人以外の者が屋台の営業に当たっている状態が是正されない場合は,同月以降,市道等占用許可を行わないこと,名義人及び名義借人が,本件条例違反の事実を認め,必要な手続を講じた場合には,名義借人に対し最長3年間の市道等占用許可を行う予定であるが,かかる期間は生活再建期間として特別に認め
られるものであり,かかる許可を得ることができた者は,上記期間が満了するまでに別の生計手段を探すこと,かかる許可の許否は,被告が設置する審議会に諮った上で決定すること,当該期間経過後も屋台営業に従事するのであれば,公募に応募する必要があること等を説明した。
被告は,同年2月6日以降,名義貸し屋台とみられる屋台の,名義人及
び名義借人と思料される者との間で,同年4月以降の市道等占用許可の取扱いに関して個別面談を実施し,名義人の屋台営業への従事の状況等を確
認した。

(以上につき,乙12~16,32~34,76)

(3)原告らに対する被告の対応等

原告Xについて

(ア)原告Xは,平成12年頃からAの営業に従事するようになり,その頃から調理場に立つようになった。原告Xは,日曜を除き毎日午後5時頃から屋台の組立て,搬入を行い,翌日午前2時から午前3時頃までAを営業していたが,その間,調理やアルバイトの管理等を行っていた。また,原告Xは,売上げ並びに仕入れ費用及びアルバイト料等の経費等の管理を行うほか,帳簿もつけており,平成20年頃から,Aの収支につ
いて個人事業として税務申告をしていた。他方で,Cは,毎日午後10時過ぎ頃までは,自身が経営する店舗において営業等を行い,午後11時頃にAを訪れ,常連客や外国人の対応をするほか,周囲の掃除等を行っていたが,調理をすることはなかった。原告Xは,Cに対し,Aの営業に係る給料等の金銭を支払うことはなかった。

本件条例施行日である平成25年9月1日時点で,Aの市道等占用許可の名義人はCであり,同年8月1日,被告の職員が,C及びD告XからAの営業実態を聴取したところ,原告Xは,同原告が主としてAの経営を行っている旨発言するなどした。
(以上につき,甲39,乙9,原告X本人)

(イ)被告の職員は,平成25年10月から平成26年3月までの午後5時頃から午後9時頃までの間に,
各月3回ないし10回程度,
Aを訪問し,
その営業実態を調査したが,CがAの営業に従事している様子は一度も確認されなかった(乙61,62)。
(ウ)Cは,平成25年11月7日付けで,博多区長に対し,Aの営業を目
的として,占用期間を同年12月1日から平成26年3月31日までとする市道等占用許可の申請を行ったところ,博多区長は,平成25年1
1月29日,この申請を許可した(乙10,11)。
(エ)博多区長は,平成25年12月24日付けで,Cに対し,名義人本人が屋台営業に常態的に従事するよう直ちに是正することを求めるとともに,是正に応じない場合には,本件条例20条により市道等占用許可の取消処分を行うことがあること等を内容とする是正勧告書を通知した(乙
75の1)。
(オ)福岡市長は,平成26年1月14日付けで,Cに対し,本件説明会を同月23日に実施することを通知し,C及びD告Xは,同日開催された本件説明会に出席した(乙12,14)。

(カ)博多区長は,平成26年1月28日付けで,Cに対し,前記(2)オの個別面談を同年2月18日に実施する旨通知し,同日,C及びD告Xの出席の下,
個別面談が実施された。
この個別面談において,
被告の職員は,
CのAへの従事状況を確認した上で,C及びD告Xに対し,同年4月以降はCに対してAの営業のために市道等占用許可をすることはできず,
原告Xが3年間を限度とする生活再建期間に係る市道等占用許可の申請をするのが妥当である旨を伝えた。
以上の個別面談の内容及び審議会の答申を踏まえて,博多区長は,同年3月10日付けで,Cに対し,同人をAの営業のための市道等占用許可に係る申請者であると認めるが,従前のCの従事状況を踏まえると,
当面の間,道路占用期間を2か月とする旨通知した。
Cは,同月13日付けで,博多区長に対し,屋台営業を目的として,占用期間を同年4月1日から同年9月30日とする道路占用許可申請書(乙18)を提出した。
被告の職員は,同年3月24日,Aを訪れたところ,Aで営業に従事
していたのが,Cではなく原告Xであったため,原告Xに対し,市道等占用許可の名義人であるCがAの営業に従事するように指導した。
(以上につき,乙15~19)
(キ)原告Xは,
平成26年3月31日,
博多区役所を訪れ,
同年4月以降,
Cに代わって市道等占用許可の申請をしたい旨申し出た。
博多区長は,上記申出を審議会に諮った上で,同月2日付けの道路占用許可の取扱いについて(通知)(乙20)を原告Xに交付した。これには,
同年4月以降,
市道等占用許可の申請者を原告Xにすること,
この許可を受けるためには,市道等占用許可の期間は,同月1日から3年間に限ること等を誓約することが記載された申立書等を提出する必要がある旨記載されていた。(以上につき,乙8,20,21,23)
(ク)原告Xは,平成26年4月3日,博多区長に対し,占用期間を同月1日から同年9月30日までとする道路占用許可申請書(乙22)を提出した。そして,この申請書の申請の区分欄には新規,更新及び
変更のいずれにも印がつけられておらず,また,備考欄には,平成26年4月1日から平成29年3月31日まで間の占用許可に係る申請との記載がある。さらに,原告Xは,上記申請書を提出する際,申請する許可の期間については,平成26年4月1日から平成29年3月31日までのものに限ること等を誓約する旨が記載された上記申立書(乙
23)を提出した。
その後,博多区長は,原告Xの上記市道等占用許可申請に対し,平成
26年4月からの市道等占用許可として,占用期間を同月1日から同年9月30日までの6か月とする道路占用許可書(乙24)を交付した。なお,
上記許可書には,
本件期限に関する記載はなかった。
博多区長は,
その後も複数回にわたり,Aの市道等占用許可を更新し,平成28年12月22日,原告Xに対し,占用期間を平成29年1月1日から同年3
月31日までの3か月とする市道等占用許可をした。
(以上につき,甲1の1,乙22,23)

(ケ)被告の職員は,平成27年6月12日付けで,原告Xに対し,平成29年許可の期間が平成29年3月末日までであることから,今後の生活手段の見通しや公募についての考えを聞くための面談を平成27年7月6日に開催することを通知し,
同日面談が行われた
(甲1の1,
乙25,
26)。


原告Yについて

(ア)原告Yは,
Bの営業に携わっていた者であるが,
本件条例施行日であ
る平成25年9月1日時点で,Bの市道等占用許可の名義人はDであった。
被告の職員は,同年8月6日,D及び原告Yから,Bの営業実態を聴取したところ,Dは,平成18年頃から,原告YにBの営業を任せていると述べ,
原告Yも,
同原告が一人でBの経営に当たっている旨述べた。
(以上につき,乙29)
(イ)被告の職員は,平成25年10月から平成26年3月までの午後5時
頃から午後9時頃までの間に,
各月3回ないし10回程度,
Bを訪問し,
その営業実態を調査したが,DがBの営業に従事している様子は一度も確認されなかった(乙61,62)。
(ウ)Dは,平成25年11月7日付けで,博多区長に対し,Bの営業を目的として,占用期間を同年12月1日から平成26年3月31日までと
する市道等占用許可の申請を行ったところ,
博多区長は,
同年1月7日,
この申請を許可した(乙30,31)。
(エ)博多区長は,平成25年12月24日付けで,Dに対し,名義人本人が屋台営業に常態的に従事するよう直ちに是正することを求めるとともに,是正に応じない場合には,本件条例20条により市道等占用許可の
取消処分を行うことがあること等を内容とする是正勧告書を通知した(乙
75の2)。

(オ)福岡市長は,平成26年1月14日付けで,Dに対し,本件説明会を同月23日に実施することを通知し,D及び原告Yは,同日開催された本件説明会に出席した(乙14,32)。
(カ)博多区長は,平成26年1月28日付けで,Dに対し,上記(2)オの個別面談を同年2月18日に実施する旨通知し,同日,D及び原告Yの出席の下,
個別面談が実施された。
この個別面談において,
被告の職員は,
DのBへの従事状況を確認した上で,D及び原告Yに対し,平成26年4月以降はDに対してBの営業のために市道等占用許可をすることはできず,原告Yが3年間を限度とする生活再建期間に係る市道等占用許可
の申請をするのが妥当である旨を伝えた。
Dは,上記面談実施後の同年2月24日,被告の職員に対し,DがBに係る市道等占用許可の申請をし,以後,同人がBの営業に当たる旨連絡した。
以上の個別面談の内容及び審議会の答申を踏まえて,博多区長は,同
年3月10日付けで,Dに対し,同人をBの市道等占用許可に係る申請者であると認めるが,従前のDのBへの従事状況を踏まえると,当面の間,道路占用期間を2か月とする旨通知した。
(以上につき,乙28,33~35)
(キ)Dと原告Yは,
平成26年3月13日,
博多区役所を訪れ,
原告Yは,

同年4月以降,
Dに代わって市道等占用許可の申請をしたい旨申し出た。
博多区長は,上記申出を審議会に諮った上で,同年3月18日,道路占用許可の取扱いについて(通知)(乙36,37)をD及び原告Yにそれぞれ交付した。Dに交付された上記通知には,Dについて,Bの市道等占用許可の申請者としない旨が記載されており,原告Yに交付
された上記通知には,同年4月以降,市道等占用許可の申請者を原告Yにすること,この許可を受けるためには,市道等占用許可の期間は,同
月1日から3年間に限ること等を誓約することが記載された申立書等を提出する必要がある旨記載されていた。
(以上につき,乙28,36,37,39)
(ク)原告Yは,同年3月18日,博多区長に対し,占用期間を同年4月1日から同年9月30日までとする道路占用許可申請書(乙38)を提出した。この申請書の申請の区分欄には,
新規,
更新及び変更
のいずれにも印がつけられておらず,その備考欄には,平成26年4月1日から平成29年3月31日まで間の占用許可に係る申請との記載がある。また,原告Yは,上記申請書を提出する際,申請する許可の
期間については,平成26年4月1日から平成29年3月31日までのものに限ること等を誓約する旨が記載された上記申立書(乙39)を提出した。
その後,博多区長は,平成26年6月19日,上記原告Yの市道等占用許可申請に対し,同年4月からの市道等占用許可として,占用期間を
同月1日から同年9月30日までの6か月とする道路占用許可書(乙40)を交付した。なお,上記許可書には,本件期限に関する記載はなかった。博多区長は,その後も複数回にわたってBの市道等占用許可を更新し,平成29年1月4日,原告Yに対し,占用期間を同年1月1日から3月31日までの3か月間とする平成29年許可を行った。
(以上につき,甲1の2,乙38~40)

(ケ)被告の職員は,平成27年6月12日付けで,原告Yに対し,平成29年許可の期間が平成29年3月末日までであることから,今後の生活手段の見通しや公募についての考えを聞くための面談を平成27年7月6日に開催することを通知し,
同日面談が行われた
(甲1の2,
乙28,
41,42)。
(4)本件各却下処分に至る経緯


本件公募においては,書類審査(一次審査)が行われた後,書類審査に
通過した者に限り面接審査(二次審査)が実施されるところ,応募申請者が署名捺印した上で,応募申請者の経歴や事業計画を記載した営業計画書(乙55)を提出し,審査部会がそれを基に,書類審査(一次審査)を行うことになっていた(乙55)。

原告Xは,平成28年10月28日,原告Yは,同月31日,それぞれ
観光スポットエリアを応募場所として本件公募に応募したところ,原告Xについては,一次審査の評価点が62.7点,順位が25位,原告Yについては,
一次審査の評価点が64.
3点,
順位が18位という評価を受け,
本件各却下処分を受けた。
なお,観光スポットエリアを応募場所とする応募申請者のうち評価点の順位が17位までの者が一次審査を通過した。
(以上につき,甲22,乙58,59)

本件公募に関しては,本件選定委員会の委員であった福岡市移動飲食業
組合の当時の組合長(以下本件組合長という。)が,本件公募に係る募集要項において,応募申請者と本件選定委員会の委員との接触が禁止されていたにもかかわらず,商業地域エリアに応募した応募申請者2名に対し,営業計画書の一部を添削したり,記載内容に助言をしたりすることがあった。

また,本件組合長は,営業計画書の一部について,記載例を作成し,これを福岡市移動飲食業組合の当時の副組合長(以下本件副組合長という。)に交付し,同人をして,商業地域エリアへの応募申請者のうち7名の営業計画書の一部を添削させたり,記載内容に助言をさせたりすることがあった。なお,この7名中1名は,屋台営業候補者の選定過程で,本件
公募から辞退している。
さらに,本件選定委員会の委員であった福岡市市議会議員が,一次審査
に用いられる審査項目・配点表の素案等を,商業地域エリアへの応募申請者に渡すということがあった。

(以上につき,乙54,57)

福岡市長は,
平成29年2月8日,
前記ウの出来事があったことを知り,

同日以降,関係者からのヒアリング等を実施するとともに,同月9日,本件組合長を本件選定委員会の委員から解任した。
福岡市長は,本件選定委員会に対して,商業地域エリアにおける公募の再検討に関して諮問し,本件選定委員会は,同年3月9日,天神地区公募に係る再検討の結果について(答申)(乙57。以下本件答申という。)をまとめた。これには,本件組合長から福岡市公募屋台営業計画
書の一部の添削等を受けた2名の応募資格を喪失させ,本件副組合長から営業計画書の一部の添削等を受け,屋台営業候補者の決定を受けた6名については同決定を取り消すべきである旨記載されている。
本件答申を受けた福岡市長は,上記の6名については,本件条例施行規則23条3号に当たるとして屋台営業候補者の決定を取り消した。なお,
本件組合長から営業計画書の一部の添削等を受けた2名については,本件公募に二次審査を通過せずに,公募却下処分を受けたため,屋台営業候補者とする決定は受けていない。

(以上につき,乙57)

本件選定委員会の各委員及び本件公募に従事する被告の職員は,平成2
9年2月15日,職務上知り得た秘密を漏らしたことがないこと,不正に応募申請者と接触したことがないこと等を誓約する旨の宣誓書を,それぞれ署名して提出した。
また,本件公募において選定された屋台営業候補者は,同年3月頃,本件公募に関し,不正に本件選定委員会の委員,被告の職員及び関係職員と接触したことはないこと,委員等から本件公募に関する職務上知り得た秘
密に基づく情報を入手した人物による助言や指導等を受けたことはないことを誓約する旨の誓約書を,それぞれ署名して提出した。

(以上につき,乙63~65)

本件選定委員会は,本件答申において,商業地域エリアについては,屋
台営業候補者の決定を取り消されなかった9名の合格は維持し,前記のとおり,屋台営業候補者の決定を取り消された6名分については,再度公募を実施すべきとした。これを受けて福岡市長は,平成29年3月以降,再
度の公募を実施した。
一方,
本件答申においては,
観光スポットエリアにおける公募に関して,
再公募の実施の必要があるとはされていない。
2
(以上につき,乙57)

本件各不許可処分の違法性(争点1)について

(1)本件条例10条1項関係

道路の本来の目的は一般交通の用に供することであり(道路法2条1項
参照),道路の占用は道路の副次的用法であって,道路の占用許可は道路の本来的機能を阻害しない範囲内においてのみ特別に認められるべきものであるから,同法32条1項の市道等占用許可の判断は,同法33条1項の基準を満たすことを前提として,当該道路の状況や道路管理の手法・実状等に通じた道路管理者の政策的,技術的な観点に基づく合理的な裁量判断に委ねられているものと解される。
もっとも,既に占用が許可されている者から期間更新の申請があった場合については,期間の更新は新たな権利の設定ではなく既存の権利の承認
としての性格を有し,占用者の利益を保護する必要があることから,当該占用を継続させることが適当ではない特別の理由がない限り,これを許可すべきとする見解が有力である(道路法令研究会編著改訂5版道路法解説283頁(甲37))。本件条例10条1項は,上記のような見解を基礎として,福岡市におけ
る屋台営業の意義や特殊性も考慮し,市道等占用許可申請のうち期間更新の申請については,原則としてその申請を認めることを前提に,これを拒
否すべき上記の
特別の理由
を類型化して明示する趣旨のものと解され,
その法的性質は,期間更新の申請に係る審査基準に相当するものと解される。そして,このような本件条例10条1項の性質に鑑みると,同項の定め(審査基準)と異なる取扱いは,裁量権の行使における公正かつ平等な取扱いの要請や基準の内容に係る相手方の信頼の保護等の観点から,同項
の定めと異なる取扱いをすることを相当と認めるべき特段の事情がない限り,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たるものとして,違法の評価を受けるというべきである(最高裁平成27年3月3日第三小法廷判決・民集69巻2号143頁参照)。
本件条例10条1項柱書は,申請者のうち現に受けている市道等占用許可の期間の満了後も引き続き当該市道等占用許可を受けた場所において市道等占用許可を受けようとする者を更新申請者と定めているところ,原告らは,少なくとも形式的には,本件各申請時点において上記更新申請者に該当することから,その限定解釈の可否等についてはひとまずおき,上記の特段の事情の有無につき以下検討する。


前記認定事実及び掲記の各証拠によれば,①被告は,平成25年12月25日,名義貸し屋台による営業活動が本件条例に違反していることを前提に,名義貸し屋台の名義借人について,平成26年4月1日を占用期間の初日とする市道等占用許可申請を行った場合には,最長3年に限り,市
道等占用許可の対象者として取り扱う方針等を決定し,このような方針等について,名義人及び名義借人と思料される者に対し,本件説明会において説明を行ったこと,②被告の職員は,原告ら並びにC及びDに対して,それぞれ個別面談を実施し,営業活動への従事の実態を踏まえ,原告らが3年間を限度とする生活再建期間に係る市道等占用許可の申請を行うこと
が妥当である旨説明したこと,③その後,原告らは,博多区長に対し,同年4月以降の市道等占用許可の申請を行いたい旨の申出をしたところ,博
多区長から,本件各屋台の市道等占用許可申請の対象者と認める旨の通知(乙20,37)を受けたが,その通知には,原告らを対象者と認めるのは平成26年4月以降3年間を限度とすると記載されていたこと,④原告らは,
博多区長に対し,
平成26年許可の申請に係る申請書
(乙22,
38)を提出したが,同申請書には,平成26年4月1日から平成29年3月31日まで間の占用許可に係る申請と記載されていたこと,⑤原告らは,平成26年許可の申請の際,博多区長に対し,申請書と併せて,自ら署名押印した申立書
(乙23,
39)を提出したが,
その申立書には,
申請に当たり誓約する内容として,

1.申請する許可の期間については,平成26年4月1日から平成29年3月31日までのものに限ります。

と記載されていたこと,以上の事実が認められる。
以上のような平成26年許可に至る一連の経緯やその際の申立書の記載内容等に加え,平成29年1月に原告らが屋台営業候補者として選定されるべく本件公募に応募していることも踏まえると,原告らは,平成26年
許可の申請に当たり,本件各屋台の占用期間の更新を受けられるのは平成29年3月31日までの3年間に限られ,その後の更新は予定されていないことを十分に認識し,そのことを誓約した上で申請を行ったものと認めるのが相当である。そうすると,本件においては,原告らと博多区長との間で,同年4月1日以降の本件各屋台の道路の占用については,本件条例
10条1項に基づく期間更新の許可は行わないことが共通の前提ないし約束事とされていたものというべきであり,本件各許可申請につき本件条例10条1項の適用があるとしても,上記の事情の下では,同項の定めと異なる取扱いをすることを相当と認めるべき特段の事情があると認めるのが相当である。

したがって,博多区長が本件各許可申請につき本件条例10条1項に基づいて市道等占用許可を行わなかったことにつき,裁量権の範囲の逸脱又
はその濫用があったとはいえない。

原告らの主張について

(ア)原告らは,①平成26年許可は,占用の期間の終期である平成26年9月30日の経過とともに効力を失っているから,原告らの本件各許可申請時における現に受けている市道等占用許可とは,平成29年許可であり,平成26年許可を問題とすべきではない,②平成26年許可の占用許可証(乙24,40)には,本件期限に関する記載がないから,平成26年許可には,本件期限が付されていない,③被告の職員は,平成26年許可の申請に当たり,今後も屋台営業を続けることがで
きる旨説明し,原告らも本件期限が付されることについて了承していなかったから,本件期限は付されていない,④本件条例によれば,本件条例に規定される条件以外の条件を付することはできない旨主張する。しかし,前記イのとおり,原告らが本件条例10条1項の更新申請者に該当するかどうかや,本件各許可申請につき同項の適用があるか否か
は,本件の結論を左右するものではないから,これらの主張については判断することを要しない。
なお,審理の経過等に鑑み付言するに,前記イで述べたとおり,平成29年4月1日以降の本件各屋台の道路の占用については,本件条例10条1項に基づく期間更新の許可は行わないことが共通の前提ないし約
束事とされていたのであり(なお,上記③の説明の事実が認められないことにつき,後記

参照),特に,平成26年許可の申請書にその旨が

明確に記載されていたことに照らすと,その許可書には記載されていないものの,平成26年許可の附款(行政行為に係る意思表示の主たる内容に付加された従たる意思表示)として本件期限が付されていたと理解することは理論的にも十分可能であると解されるし,
このような附款は,
その内容からみて,期間更新がされても引き継がれていく性質のものと
いうべきである。そして,本件各屋台の市道等占用許可にこのような附款が付されている以上,本件各許可申請において,原告らは本件条例10条1項の更新申請者に当たらないという解釈も,期間更新の申請に係る審査基準を定める同項の趣旨,目的に照らして十分成り立ち得るものと解される。原告らの上記各主張はいずれも採用することができない。(イ)原告らは,博多区長が本件各屋台を名義貸し屋台と認定したことは誤りであるから,原告らを本件条例10条1項の更新申請者に該当しないとして本件各許可申請を許可しないことは裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たる旨主張する。

しかし,前記前提事実及び認定事実によれば,平成26年許可よりも前の本件各屋台の市道等占用許可の名義人は,
C及びDであったところ,
原告らは,被告の職員に対し,原告ら自身が本件各屋台の経営を行っている旨を認めていたこと(認定事実

),被告の職員が,平

成25年10月から平成26年3月までの午後5時頃から午後9時頃までの間に,本件各屋台を訪れ,その営業実態を確認したが,C及びDが本件各屋台の営業に従事している様子は一度も確認されなかったこと(認
定事実

)が認められる。加えて,原告Xについては,Aの

営業に関して調理やアルバイトの管理を行っていたほか,その収支についても管理し,個人の事業所得として税務申告を行っていたことが認められる。
以上の事実関係に照らすと,本件各屋台の実質的な営業者は,名義人であるC又はDではなく,原告らというべきであり,このような認定ないし評価は,仮にC及びDが本件各屋台の営業活動に従事する多少の機会があったとしても左右されないというべきである。したがって,博多
区長が本件各屋台を名義貸し屋台と認定したことに誤りはないから,原告らの上記主張は,その前提を欠くものであって,採用することができ
ない。
(ウ)原告らは,被告の職員が原告らに対し平成29年3月31日以降も屋台営業を継続することができる旨を説明したことを前提として,被告は信義則上本件期限を理由に原告らを更新申請者に当たらないという取扱いをすることは許されない旨主張し,原告Xも本人尋問において上記前提に沿う供述をする。
しかし,被告の職員が原告らに対して上記説明を行ったことを認めるに足りる客観的な証拠はない。かえって,前記認定事実によれば,被告の職員は,原告らに対し,説明会や個別面談の際に,原告らに対する市
道等占用許可は3年間を限度とするものであり,平成29年3月31日以降の更新は行わない趣旨の説明を繰り返し行い,その旨の通知も送付していることが認められる上,これらを踏まえて,原告らは,本件期限が付記された平成26年許可に係る申請書(乙22,38)やこれを誓約する申立書(乙23,39)を提出していることからすれば,被告の
職員が上記のような説明を行ったとは認められない。したがって,原告らの上記主張は,
その前提を欠くものであって採用することができない。
これに対し,原告Xは,被告の職員から,公募は形だけで名義さえ変えれば屋台営業を継続することができる旨の説明を受けた旨供述し,その裏付けとして,原告Xと被告の職員であるEとの間で,本件各却下処
分後の平成29年1月16日に行われた会話の録音データ(甲13,17)を提出する。しかし,公募は形だけというのは,本件公募において原告Xが屋台営業候補者に選ばれることが事実上確定しているという意味に解されるのであって,本件条例10条1項の適用により期間更新が許可されるべき旨の主張を裏付けるものとはいえない。また,確か
に,原告らが提出する録音データには,原告Xがまた同じ場所で営業できると言っていた旨の発言をした直後に,Eが

ほんとですよ。

など
と答えている部分があるが,その立場上,Eが屋台営業候補者の実質的な選定権限を有しているとは考え難く,ましてや,被告の内部で原告Xが屋台営業候補者として選定されることが事実上確定していたとも考え難いのであって,上記のようなやり取りから直ちに,公募が形だけであるなどという説明をEがしたとは認められない。原告Xの上記供述は採用することができない。
(エ)原告らは,①被告が本件各屋台を名義貸し屋台と認定する際に恣意的な行政調査を行ったこと,及び②平成26年許可に当たり適法な聴聞手続を行わなかったことは違法であり,本件期限は無効であって,本件各
許可申請につき本件条例10条1項の適用はない旨主張する。
しかし,前記イのとおり,原告らが本件条例10条1項の更新申請者に該当するかどうかや,本件各許可申請につき同項の適用があるか否かは,本件の結論を左右するものではない。
また,前記①については,前記前提事実及び認定事実によれば,被告
の職員は,名義人が屋台営業に従事しているかを調査するために,平成25年10月から平成26年3月までの午後5時頃から午後9時頃までの間に,本件各屋台を含む福岡市内の屋台を訪れ,営業従事者を確認していることが認められるが,このような行政調査に特段違法な点は認められない。これに対し,原告らは,上記調査が特定の時間帯に限り行わ
れたことを問題視するが,被告の職員は,午後7時台頃から午後9時台頃を屋台営業の繁忙時間と認識しており(証人E〔2頁〕),原告らが提出する証拠を踏まえても,このような被告の職員の認識は特段不合理なものとはいえず,名義貸し屋台の認定において恣意的な調査が行われたということはできない。

前記②については,原告らは,平成26年許可が不利益処分であるという理解を前提に,行政手続法上求められる聴聞手続(同法13条
1項1号)
が行われていないことを問題視するものと解される。
しかし,
平成26年許可は,原告らの市道等占用許可申請に対して行われた申請に対する処分であるから,行政手続法上の不利益処分には該当しない(同法2条4号ロ参照)。したがって,原告らの上記主張は採用することができない。

原告らは,そのほかにも,平成26年許可に係る手続上の問題点について縷々指摘するが,いずれも本件の結論を左右するに足りない。エ
小括
以上によれば,博多区長が本件各許可申請につき本件条例10条1項に基づいて市道等占用許可を行わなかったことにつき,
裁量権の範囲の逸脱

又はその濫用があったとはいえず,これに反する原告らの主張はいずれも採用することができない。
(2)本件条例9条関係

原告らは,本件条例9条1項2号アが,本件条例施行日において市道等
占用許可を受けている屋台営業者(名義人)の配偶者又は直系血族を,その他の者と区別していることは,合理的な理由に基づかない区別であって憲法14条1項に違反し無効であり,原告らは本件条例9条1項のその余の要件を全て満たすから,本件各不許可処分は違法である旨主張する。イ
本件条例9条1項2号は,期間更新の場合以外の屋台の市道等占用許可
の基準として,
その申請者が,
①本件条例の施行の日における現営業者
(名
義人)の配偶者又は直系血族のうち,同日及び申請日(現営業者が死亡している場合はその死亡した日)において,主として現営業者が営む屋台営業による収入により生計を維持している屋台営業従事者(以下生計維持配偶者等という。)であるか(本件条例9条1項2号ア),又は②本件
条例25条1項による屋台営業候補者であること(本件条例9条1項2号イ)を必要としている。したがって,上記①の生計維持配偶者等は,公募
により屋台営業候補者に選定されなくとも,同項1号,3号及び4号の各基準を満たす限り,原則として,当該屋台の市道等占用許可を受けられることになるのであり,かかる意味において,生計維持配偶者等は,その他の者よりも優遇されているということができる。
そこで,このような優遇措置が憲法14条違反となるか否かにつき検討するに,本件条例が生計維持配偶者等をその他の者と区別しているのは,生計維持配偶者等は,新たに屋台営業を行おうとする者とは異なり,本件条例施行日及び申請日(死亡日)において,現営業者が営む屋台営業による収入により生計を維持していることから,現営業者の死亡等により当該
屋台営業が承継されないこととなれば,その生計を維持することが困難になるおそれがあるため,当該屋台営業の承継を認める必要性が類型的に高いと考えられるためであると解され,このような区別の理由は合理的なものといえる。しかも,このような優遇措置は,本件条例の施行前から,一定の基準に適合する場合において,現営業者の配偶者又は直系血族の子に
ついて市道等占用許可の承継(名義変更)を認める運用がなされていたこと(本件要綱11条1項)を踏まえ,本件条例施行日時点で屋台を営業していた者(現営業者)につき生計維持配偶者等への承継を1度だけ認めるものであって,いわば制度移行期における経過措置(激変緩和措置)というべきものであるし,生計維持配偶者等は,屋台営業従事者であること,
すなわち,現に屋台の営業に従事している者であることが必要とされている。以上のような制度趣旨や生計維持配偶者等の要件等を考慮すると,本件条例9条1項2号アによる生計維持配偶者等の優遇措置は,十分に合理的なものというべきであって,憲法14条に違反するような不合理な差別であるとはいえない。

そうすると,本件条例9条1項2号アの規定は憲法14条1項に反するものとはいえないから,原告らの上記主張は,その前提を欠くものであっ
て採用することができない。
(3)個別事情配慮義務違反関係

原告らは,仮に原告らが本件条例9条1項及び10条1項の基準に該当
しないとしても,本件の具体的な事情の下においては,本件各不許可処分は,博多区長がその裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものに該当すると主張し,その根拠として,原告らは,①長年にわたって屋台営業を営んできたが,本件各不許可処分により屋台営業ができなくなったこと,②被告の職員から屋台営業を続けることができる旨の説明を受けていたこと,③本件公募は適正とも適法ともいえなかったこと等を指摘する。
そこで検討するに,①については,認定事実のとおり,被告は,名義貸し屋台を認めないという方針は採りつつ,それまで屋台営業を継続していた名義借人の営業利益や生活利益に配慮し,名義貸し屋台について一律に不許可とするのではなく,一定の条件を満たした屋台については,生活再建期間として最長3年間の猶予期間を設け,その期間の中で別の生活手段
を探すための暫定的な市道等占用許可を認めており,実際,原告らは,3年間にわたり,本件各屋台の市道等占用許可を受け,本件各屋台の営業を継続していたのである。このように,博多区長は,平成26年許可以降,原告らの営業利益等にも十分配慮してきたものといえ,3年間の生活再建期間が経過した後に本件各不許可処分を行ったことが社会通念上著しく不
合理であるとはいえず,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるということはできない。
また,②については,前記

のとおり,被告の職員が原告らに対し

て屋台営業を継続することができると発言したことを認めるに足りる証拠はない。
さらに,③については,後記6のとおり原告らが応募した観光スポットエリアに係る本件公募に不適法な点は認められないが,仮に不適切又は不
適法な部分があったとしても,そのことをもって直ちに,本件各許可申請に対し本件各不許可処分を行った博多区長の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があったということはできない。

加えて,原告らは,本件各不許可処分は,営業許可取消処分と実質的に
同じであり比例原則に反するなどと主張するが,営業許可取消処分と実質的に同じであるかどうかはともかく,本件各不許可処分は,本来は営業の継続が認められないはずの,名義貸し屋台の名義借人であった原告らに対し,3年間の生活再建期間を付与した上で行われたものであって,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用と評価すべきほどに過酷なものとはいえず,比
例原則に反するということはできない。原告らの上記主張は採用することができない。

なお,原告らは,前述のとおり,被告が名義貸し屋台の認定を誤ったの
に,原告らを更新申請者に当たらないという取扱いをすることは信義則上許されない旨主張するところ,これを個別事情配慮義務違反の主張と理解したとしても,博多区長が本件各屋台を名義貸し屋台と認定したことについて誤りがないことについては

のとおりであるから,原告らの

主張はやはり採用することができない。

以上によれば,個別事情配慮義務違反に関する原告らの主張は,いずれ
も採用することができない。
(4)手続違反関係
原告らは,本件各不許可処分は実質的に不利益処分であるから,不利益処分に求められる聴聞等の手続が必要であるのに,これが行われていないから本件各不許可処分は違法である旨主張する。
しかし,前記

のとおり,本件各不許可処分は,本件各許可申請に対

して行われた申請に対する処分であるから,行政手続法上の不利益処分に該当しない(同法2条4号ロ)。したがって,本件各不許可処分を行う際
に聴聞等の手続が行われなかったからといって,違法であるとはいえない。また,原告らは,そのほかにも手続上の問題点について縷々指摘するが,本件各不許可処分の違法性に影響し得るものは見当たらず,いずれも採用することができない。
(5)以上によれば,本件各不許可処分の違法をいう原告らの主張はいずれも採用することができないから,これらの取消しを求める請求はいずれも理由がない。
また,本件訴えのうち市道等占用許可処分の義務付けを求める部分は,行政事件訴訟法3条6項2号所定のいわゆる申請型の処分の義務付けの訴えであるところ,この訴えは,法令に基づく申請を却下し又は棄却する旨の処分
又は裁決がされた場合において,当該処分又は裁決が取り消されるべきものであり,又は無効若しくは不存在であるときに限り,提起することができるとされている(同法37条の3第1項2号)。
しかるに,前記のとおり本件各不許可処分は適法であるから,本件訴えのうち上記義務付けを求める部分は,行政事件訴訟法37条の3第1項2号の
要件を欠き,不適法である。
3
本件各却下処分の違法性(争点2)
原告らは,本件公募の手続には複数の違法事由が存在し,本件各却下処分は違法であって取消しを免れない旨主張するので,以下検討する。

(1)原告らは,本件公募の選定手続において,本件選定委員会が本件条例26条1項及び同施行規則19条各号所定の選定基準を用いずに不公平な審査を行った旨主張する。
本件条例26条1項は,本件選定委員会は,福岡市長が同条例25条1項の規定による公募を行った場合は,規則で定める基準に基づき,当該公募に
応募した者のうちから屋台営業候補者として適当と認める者の選定を行う旨規定し,上記委任を受けた本件条例施行規則19条は,本件条例26条に規
定する規則で定める基準(選定基準)として,①関係法令等を遵守し,安全で快適な公共空間及び良好な公衆衛生を確保する具体的な取組が示されていること,②市民,地域住民及び観光客に親しまれ,観光資源として福岡市を広報することができる屋台を目指し,従来の福岡らしい屋台文化を守るとともに,新たな魅力を創出するための創意工夫が見られること,③地域の清掃活動に参加する等地域貢献に向けた具体的な取組が示されていること,④まちににぎわいや人々の交流の場を創出し,まちの魅力を高めようとする意欲が感じられることを定める。
そして,前提事実及び弁論の全趣旨によれば,本件選定委員会は,上記選
定基準に基づき審査項目・配点表を作成した上で,審査部会を設置し,審査部会は,本件公募に関し,原告らを含む応募申請者らが提出した営業計画書を基に,上記審査項目・配点表に従って評点をすることによって書類審査を行い,その後,本件選定委員会において,前記審査部会の評点を基に一次通過者が選定されたことが認められる。

これに対し,原告らは,審査部会が選定基準に基づく審査をしておらず,公平性も欠如しているなどと縷々主張するが,審査部会が行った本件各屋台に対する評価が不当であることを指摘するに止まるものであって,審査部会が上記選定基準に基づく審査をしていないことや公平性が欠如していたことを基礎づける具体的な根拠や証拠は見当たらない。また,審査部会の本件各
屋台に対する評価内容をもって,原告らの主張する事実(選定基準に基づかない審査等)が推認されるものともいえない。原告らの主張は採用することができない。
(2)原告らは,営業計画書の作成に当たり代筆が認められていたため本件条例施行規則19条各号所定の重要な考慮要素が全く考慮されていないなどと主
張する。
しかし,営業計画書は,応募申請者本人が記名押印した上で提出するもの
であり,営業計画書に記載された内容は,本人の意思を反映させたものであると解されるところ,このことは,第三者が営業計画書の全部又は一部を代筆した場合でも異なることはない。そうすると,かかる営業計画書によっても,本件条例施行規則19条各号所定の選定基準を審査することは可能であるから,代筆という一事をもって,本件公募が適切に行われていないという
ことはできない。原告らの主張は採用することができない。
(3)原告らは,本件公募においては,採点基準等が事前に漏洩されており,適正かつ公平な審査が行われていない旨主張する。
しかし,原告らが応募した観光スポットエリアにおいて,採点基準等の漏洩等の不適切な事象があったことを認めるに足りる証拠はない。すなわち,
前提事実及び認定事実によれば,観光スポットエリア及び商業地域エリアはそれぞれ審査部会が設けられ,
審査部会ごとに書類審査が行われるのであり,
応募申請者においても,いずれかのエリアを指定して応募する必要があるところ,観光スポットエリアを含む本件公募に従事する関係者や,本件公募において選定された屋台営業候補者らが,漏洩等の不正行為には関与していな
いこと等を内容とする宣誓書(乙63~65)を提出しており,本件答申においても,観光スポットエリアにおいて再公募の必要性があるとはされていないのであって,商業地域エリアにおいて不適切な事象があったからといって,直ちに観光スポットエリアにおいても同様の事象があったとは認められない。原告らの上記主張は採用することができない。

(4)原告らは,
そのほかにも本件各却下処分の違法性について縷々主張するが,
本件各却下処分に違法な点は認められない。
したがって,本件各却下処分はいずれも適法であるから,これらの取消しを求める請求はいずれも理由がない。
第4

結論
以上によれば,本件訴えのうち市道等占用許可処分の義務付けを求める部分
は不適法であるからこれを却下し,その余の原告らの請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。

福岡地方裁判所第1民事部
裁判長裁判官

徳地淳
裁判官

山下隼人
裁判官

野上幸久
別紙

関係法令等の定め

第1

道路法

(道路の占用の許可)
第32条
1
道路に次の各号のいずれかに掲げる工作物,物件又は施設を設け,継続して道路を使用しようとする場合においては,道路管理者の許可を受けなければならない。
(1)ないし(5)(略)
(6)

露店,商品置場その他これらに類する施設

(7)(略)

2
(以下略)

(道路の占用の許可基準)
第33条
1
道路管理者は,道路の占用が前条第1項各号のいずれかに該当するものであって道路の敷地外に余地がないためにやむを得ないものであり,かつ,同
条第2項第2号から第7号までに掲げる事項について政令で定める基準に適合する場合に限り,同条第1項又は第3項の許可を与えることができる。2
第2
(略)
福岡市屋台基本条例(本件条例)

(定義)
第3条
この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1)

屋台

道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第4項に規定す
る軽車両に飲食店営業(食品衛生法施行令(昭和28年政令第229号)第35
条第1号に規定する飲食店営業をいう。次号において同じ。)のための設備を備え付けたものをいう。
(2)
(3)
屋台営業

屋台を一定の時間一定の場所に設置して行う飲食店営業をいう。

屋台営業者

(4)

屋台営業従事者

屋台営業を営む者をいう。
屋台営業者以外の者であって屋台営業に従事するものを

いう。
(5)

市道等

道路法(昭和27年法律第180号)第2条第1項に規定する道路
であって市が管理するものをいう。
(6)(略)
(7)

市道等占用許可

屋台営業を行うための道路法第32条第1項又は第3項

の規定による市道等の占用の許可をいう。
(8)(以下略)
(市道等占用許可の基準等)
第9条
1
市長は,申請者(次条第1項に規定する更新申請者を除く。以下この項において同じ。
)の申請の内容が道路法第33条第1項に規定する場合に該当する場合であって,次に掲げる基準のいずれにも適合するときに限り,市道等占用許可を与えるものとする。

(1)

申請者が,次のいずれにも該当しないこと。
福岡市暴力団排除条例(平成22年福岡市条例第30号)第2条第2号に規定する暴力団員


福岡市暴力団排除条例第6条に規定する暴力団又は暴力団員と密接な関係を有する者


正当な理由なく第32条の2第1項に規定する設備を使用しようとしない者

(2)

申請者が,次のいずれかであること。


この条例の施行の日において市道等占用許可を受けている屋台営業者(以下現営業者という。)の配偶者又は直系血族のうち,同日及び申請の日(現営業者が死亡している場合にあっては,
現営業者が死亡した日。
次号ウ(ア)において同じ。
)において,
主として現営業者が営む屋台営業
による収入により生計を維持している屋台営業従事者(その者が2人以上
である場合は,そのうちの1人に限る。)

(3)

第25条第1項に規定する屋台営業候補者
市道等占用許可を受けようとする場所が,
次のいずれにも適合すること。

アイ
屋台を設置した後の歩道の有効幅員が2メートル以上確保されること。視覚障がい者誘導用ブロックが設置されている歩道にあっては,設置した後の屋台が当該ブロックから0.6メートル以上離れること。

次に掲げる者の区分に応じ,それぞれに定める場所であること。
前号アに該当する者

現営業者が申請の日に現に市道等占用許可を

受けている場所
前号イに該当する者

(4)

第25条第1項の規定により指定された場所

申請者(第2号アに該当する者(現営業者が死亡している場合に限る。)又は同号イに該当する者に限る。)の申請が,規則で定める期間内になされていること。

2
市長は,前項の規定により市道等占用許可を与えようとするときは,あらかじめ当該市道等占用許可に係る場所を管轄する警察署長と協議するものと
する。
(市道等占用許可の更新の基準等)
第10条
1
市長は,申請者のうち現に受けている市道等占用許可の期間の満了後も引き続き当該市道等占用許可を受けた場所において市道等占用許可を受けようとする者(以下この項において更新申請者という。)の申請の内容が道路
法第33条第1項に規定する場合に該当する場合であって,次に掲げる基準のいずれにも適合するときに限り,市道等占用許可を与えるものとする。(1)

更新申請者が,次のいずれにも該当しないこと。

アイ
前条第1項第1号アからウまでに掲げる者
現に受けている市道等占用許可の期間内に,正当な理由なく第32条の2第1項に規定する設備を使用せずに屋台営業を行ったことにより,第17条第1項の文書による指導を受けたにもかかわらず,これに従わなかった者


現に受けている市道等占用許可の期間内に,関係法令等(屋台営業に関する法令,条例及び規則をいう。以下同じ)の規定又はこれらの規定
による許可に附した条件に違反したことにより,2回以上第17条第2項の警告書による指導を受け,又は第19条の規定により市道等占用許可の効力を停止されたにもかかわらず,是正のための措置を行わなかった者
(2)

更新申請者が第15条第2号の規定により休止の届出をした屋台営業者
である場合にあっては,規則で定める基準に適合する者であること。(3)

引き続き市道等占用許可を受けようとする場所が,
前条第1項第3号ア

及びイのいずれにも適合すること。
2
前条第2項の規定は,
前項の規定による市道等占用許可について準用する。

(市道等占用許可の条件)
第11条
1
市長は,市道等占用許可を与えるときは,道路法第87条第1項の規定に基づき,規則で定めるところにより,屋台の規格,占用時間その他道路の構造を保全し,交通の危険を防止し,又は円滑な交通を確保するために必要な条件を附するものとする。

2
市道等占用許可の期間は,1年以内で市長が定める。

(市道等許可占用者における屋台営業等)
第13条
1
市道等における屋台営業は,市道等許可占用者が,自ら行わなければならない。

2
市道等許可占用者は,
市道等占用許可に係る権利を他人に譲渡し,
転貸し,
又は担保に供してはならない。

(指導)
第17条
1
市長は,屋台営業者等が関係法令等の規定又はこれらの規定による許可に附した条件に違反していると認める場合は,当該屋台営業者等に対し,違反
行為の態様,違反の程度,過去の指導状況等に応じて,口頭又は文書により指導を行うものとする。
2
前項の場合において,市道等占用許可又は公園占用等許可に係る指導については,規則で定めるところにより,口頭,注意書又は警告書により行うも
のとする。
(市道等占用許可の取消し)
第20条
市長は,次の各号のいずれかに該当する場合は,道路法第71条第1項の規定に基づき,市道等許可占用者に係る市道等占用許可を取り消すものとする。
(1)

市道等許可占用者が,次のいずれかに該当した場合

ア,イ(略)

第13条第1項又は第2項の規定に違反したとき。

エ(略)
(2)(略)
(屋台営業候補者の公募)
第25条

1
市長は,市道等又は公園における屋台営業が,まちににぎわいや人々の交流の場を創出し,観光資源としての効用を発揮することができると認めるときは,場所を指定して,当該場所において市道等占用許可又は公園占用等許可を受けることができる者(法人を除く。以下屋台営業候補者という。)の公募を行うことができる。

2(以下略)
(屋台営業候補者の決定等)
第26条
1
福岡市屋台選定員会は,市長が前条第1項の規定による公募を行った場合は,規則で定める基準に基づき,当該公募に応募した者のうちから屋台営業
候補者として適当と認める者の選定を行うものとする。
2
市長は,前項の規定により選定された者のうちから屋台営業候補者を決定するものとする。

3(以下略)
(福岡市屋台選定委員会)
第28条
1
市長の附属機関として,福岡市屋台選定委員会(以下委員会という。)を置く。

2(以下略)
第3

福岡市屋台基本条例施行規則(本件条例施行規則)

(選定基準)
第19条
条例第26条に規定する規則で定める基準は,次に掲げるとおりとする。(1)関係法令等を遵守し,安全で快適な公共空間及び良好な公衆衛生を確保する具体的な取組が示されていること。
(2)市民,地域住民及び観光客に親しまれ,観光資源として福岡市を広報する
ことができる屋台を目指し,従来の福岡らしい屋台文化を守るとともに,新たな魅力を創出するための創意工夫が見られること。
(3)地域の清掃活動に参加する等地域貢献に向けた具体的な取組が示されていること。
(4)まちににぎわいや人々の交流の場を創出し,まちの魅力を高めようとする意欲が感じられること。

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