判例検索β > 令和1年(ネ)第10041号
著作権 民事訴訟
事件番号令和1(ネ)10041
裁判年月日令和元年10月9日
法廷名知的財産高等裁判所
原審裁判所名東京地方裁判所
原審事件番号平成30(ワ)38579
裁判日:西暦2019-10-09
情報公開日2019-10-28 18:00:12
戻る / PDF版
令和元年10月9日判決言渡
令和元年(ネ)第10041号

損害賠償請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平

成30年(ワ)第38579号)
口頭弁論終結日

令和元年8月7日

当事者の表示


別紙1のとおり
主文1
本件控訴を棄却する

2
控訴人の当審における拡張請求及び予備的請求をいずれも棄却する。
3
当審における訴訟費用は全て控訴人の負担とする。
事実及び理由

第1

控訴の趣旨
別紙2のとおり

第2

事案の概要

1
事案の要旨
本件は,控訴人が,①控訴人とAが作詞作曲したふみとやすおの歌(以下
控訴人作品という。
)が言語及び音楽の著作物(著作権法10条1項1号,
2号)に当たるところ,被控訴人らが控訴人の許諾なくこれを変形するなどして放送したこと又はそのDVDを販売するなどしたことは控訴人の著作権(複製権,翻案権,同一性保持権又は公表権)を侵害する,②被控訴人らが控訴人を暴走族などと発言した映像を放送したこと又はそのDVDを販売するなどしたことは控訴人の名誉権を侵害する,③被控訴人らが控訴人のプライバシーを発言した映像を放送したこと又はそのDVDを販売するなどしたことは控訴人のプライバシーを侵害する,④被控訴人らが控訴人を殺害する旨の発言をした映像を放送したこと又はそのDVDを販売するなどしたことは脅迫に当たる,⑤被控訴人らが控訴人をデーブーなどと発言した映像を放送したこと又はそのDVDを販売するなどしたことは侮辱に当たる,⑥被控訴人らがXストップなどと発言した映像を放送したこと又はそのDVDを販売するなどしたことは控訴人の人格権の一種である平穏生活権を侵害するとして,不法行為による損害賠償請求権に基づき,被控訴人らに対して,控訴の趣旨(主位的請求)記載の金額の損害賠償金及び遅延損害金の支払を求めるものである(一部請求)

原審は,被控訴人らにおいて,控訴人の著作権(複製権,翻案権,同一性保持権又は公表権)
,名誉権,プライバシー又は平穏生活権を侵害し,又は脅迫
しくは侮辱に該当する発言が収録された映像を放送したこと又はそのDVDを販売するなどしたことを認めることはできず,控訴人の請求は理由がないと判断して,控訴人の請求をいずれも棄却した。
控訴人は,原判決を不服として本件控訴を提起した。
控訴人は,当審において,訴えを拡張し,上記請求に係る遅延損害金の起算日を一部変更して請求を拡張し(別紙3訴額計算書の被控訴人テレビ朝日に係る表の甲号証の24-125-127-1及び28-1


の支払い起算日欄記載のとおり)
,さらに,予備的請求として,被控訴人ら
が控訴人の許諾なく控訴人作品を変形するなどして放送したこと又はそのDVDを販売するなどしたことは控訴人の著作隣接権(実演家の録音権,録画権,放送権,
複製権)
を侵害するとして,
不法行為による損害賠償請求権に基づき,
被控訴人らに対し,控訴の趣旨(予備的請求)記載の金額の損害賠償金及び遅延損害金の支払を求める(一部請求)

2
当事者の主張


主位的請求

控訴人の主張
別紙5のとおり
(ただし,
同別紙の記載中,
原告控訴人


被告
を被控訴人と読み替えるものとする。

控訴人の主張の概要は,前記1の①ないし⑥のとおりである。イ
被控訴人らの主張
原判決第2の2
(3頁19行目~4頁5行目)
記載のとおりであるから,
これを引用する。



予備的請求

控訴人の主張
別紙6の8項(6頁5行目~7頁9行目)記載のとおり


被控訴人らの主張
著作隣接権侵害の主張に対しては否認ないし争う。

第3

当裁判所の判断
当裁判所は,控訴人の主位的請求及び予備的請求は,いずれも理由がないものと判断する。その理由は,次のとおり訂正し,当審における当事者の主張に対する判断を付加するほかは,原判決事実及び理由の第3の1(4頁7行目~25行目)記載のとおりであるから,これを引用する。

1
原判決の訂正


原判決4頁11行目及び19行目の甲1ないし68の各1を甲1ないし68及び98ないし100の各1と改め,同頁11行目及び20行目の甲1ないし68の各2を甲1ないし68及び98ないし100の各2と改める。

2
原判決4頁18行目の原告作品を控訴人作品と改める。
当審における当事者の主張について
控訴人は,被控訴人らが,控訴人の許諾なく控訴人作品を変形するなどして
放送したこと又はそのDVDを販売するなどしたことは控訴人の著作隣接権(実演家の録音権,録画権,放送権,複製権)を侵害する旨主張する。しかしながら,
前記引用に係る原判決
事実及び理由
の第3の1のとおり,
被控訴人らにおいて,控訴人の許諾なく控訴人作品を変形するなどして放送したこと又はそのDVDを販売するなどしたことは,認められないものである。したがって,控訴人の上記主張は,その前提を欠くものであって,採用することはできない。
3
その他,別紙6のとおり,控訴人はるる主張するが,いずれも,被控訴人らにおいて,控訴人の著作権(複製権,翻案権,同一性保持権又は公表権),著作
隣接権,名誉権,プライバシー又は平穏生活権を侵害し,又は脅迫若しくは侮辱に該当する発言が収録された映像を放送したこと又はそのDVDを販売するなどしたことを認めることはできないとする前記判断を左右するものではない。
4
結論
以上のとおり,控訴人の原審における不法行為による損害賠償請求はいずれも理由がないから,これを棄却した原判決は相当であって,本件控訴は理由がないから,これを棄却すべきである。また,控訴人が当審において追加した遅延損害金の拡張請求及び著作隣接権侵害の不法行為による損害賠償の予備的請求も,理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第3部

裁判長裁判官
鶴岡稔彦上田卓哉
裁判官

裁判官
山門優
(別紙1)
当事者目録

控被訴日
訴訟代理人弁護士

梅田康宏同丸山雄毅控訴X人被控人訴人本放送協会
日本テレビ放送網株式会社

訴訟代理人弁護士

大矢勝美同植村周平被控訴人
株式会社BS日本

訴訟代理人弁護士

鎌被控訴人
株式会社テレビ朝日

被控訴人
株式会社ビーエス朝日

上記両名訴訟代理人弁護士

西倉脇広亨明輔被控訴被控訴人
株式会社TBSテレビ


株式会社BS-TBS

上記両名訴訟代理人弁護士

桑被控訴人
株式会社テレビ東京

被控訴人
株式会社BSテレビ東京

上記両名訴訟代理人弁護士

尾同岩同原育朗崎行正道真吾佐藤淳子同井上同岡本知毅雅美被控訴人株式会社フジテレビジョン

被控訴人
株式会社ビーエスフジ

上記両名訴訟代理人弁護士

小林好則同近藤勝彦同守田大地
(別紙2)
控訴の趣旨
1
原判決を取り消す。

2(主位的請求)


被控訴人日本放送協会は,控訴人に対し,264万6384円及び別紙3訴額計算書の同被控訴人に係る表の
訴額(円)欄記載の各金額に対する,
対応する支払い起算日欄記載の日(同欄が空欄の場合は平成31年2月26日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。



被控訴人日本テレビ放送網株式会社は,控訴人に対し,287万1008円及び別紙3訴額計算書の同被控訴人に係る表の訴額欄記載の各金額に対する,対応する支払い起算日欄記載の日(同欄が空欄の場合は平成31年2月26日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。


被控訴人株式会社BS日本は,控訴人に対し,7万4976円及び別紙3訴額計算書の同被控訴人に係る表の訴額欄記載の各金額に対する,対応する支払い起算日欄記載の日(同欄が空欄の場合は平成31年2月26日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。



被控訴人株式会社テレビ朝日は,控訴人に対し,273万9952円及び別紙3訴額計算書の同被控訴人に係る表の
訴額
欄記載の各金額に対する,
対応する支払い起算日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。



被控訴人株式会社ビーエス朝日は,控訴人に対し,7万6032円及びこれに対する平成29年8月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。



被控訴人株式会社TBSテレビは,控訴人に対し,392万5472円及び別紙3訴額計算書の同被控訴人に係る表の訴額欄記載の各金額に対する,対応する支払い起算日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。


被控訴人株式会社BS-TBSは,控訴人に対し,441万0784円及び別紙3訴額計算書の同被控訴人に係る表の訴額欄記載の各金額に対する,対応する支払い起算日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。



被控訴人株式会社テレビ東京は,控訴人に対し,532万7056円及び別紙3訴額計算書の同被控訴人に係る表の
訴額
欄記載の各金額に対する,
対応する支払い起算日欄記載の日(同欄が空欄の場合は平成31年2月26日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。



被控訴人株式会社BSテレビ東京は,控訴人に対し,52万9888円及び別紙3訴額計算書の同被控訴人に係る表の訴額欄記載の各金額に対する,対応する支払い起算日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。


被控訴人株式会社フジテレビジョンは,控訴人に対し,671万3552円及び別紙3訴額計算書の同被控訴人に係る表の訴額欄記載の各金額に対する,対応する支払い起算日欄記載の日(同欄が空欄の場合は平成31年2月26日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

被控訴人株式会社ビーエスフジは,控訴人に対し,66万0304円及び別紙3訴額計算書の同被控訴人に係る表の
訴額
欄記載の各金額に対する,
対応する支払い起算日欄記載の日(同欄が空欄の場合は平成31年2月26日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(予備的請求)


被控訴人日本放送協会は,控訴人に対し,33万5700円及び別紙4訴額計算書2の同被控訴人に係る表の訴額(円)欄記載の各金額に対する,対応する支払い起算日欄記載の日(同欄が空欄の場合は平成31年2月26日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。


被控訴人日本テレビ放送網株式会社は,控訴人に対し,9万5400円及び別紙4訴額計算書2の同被控訴人に係る表の訴額欄記載の各金額に対する,対応する支払い起算日欄記載の日(同欄が空欄の場合は平成31年2月26日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。


被控訴人株式会社BS日本は,控訴人に対し,4万7700円及び別紙4訴額計算書2の同被控訴人に係る表の訴額欄記載の各金額に対する,対応する支払い起算日欄記載の日(同欄が空欄の場合は平成31年2月26日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。



被控訴人株式会社テレビ朝日は,控訴人に対し,14万3100円及び別紙4訴額計算書2の同被控訴人に係る表の
訴額
欄記載の各金額に対する,
対応する支払い起算日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。



被控訴人株式会社ビーエス朝日は,控訴人に対し,1万6200円及びこれに対する平成29年8月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。



被控訴人株式会社TBSテレビは,控訴人に対し,14万2650円及び別紙4訴額計算書2の同被控訴人に係る表の訴額欄記載の各金額に対する,対応する支払い起算日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。



被控訴人株式会社BS-TBSは,控訴人に対し,14万3100円及び別紙4訴額計算書2の同被控訴人に係る表の訴額欄記載の各金額に対する,対応する支払い起算日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。



被控訴人株式会社テレビ東京は,控訴人に対し,15万9750円及び別紙4訴額計算書2の同被控訴人に係る表の
訴額
欄記載の各金額に対する,
対応する支払い起算日欄記載の日(同欄が空欄の場合は平成31年2月26日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。


被控訴人株式会社BSテレビ東京は,控訴人に対し,4万7700円及び別紙4訴額計算書2の同被控訴人に係る表の訴額欄記載の各金額に対する,対応する支払い起算日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。


被控訴人株式会社フジテレビジョンは,控訴人に対し,18万9900円及び別紙4訴額計算書2の同被控訴人に係る表の訴額欄記載の各金額に対する,対応する支払い起算日欄記載の日(同欄が空欄の場合は平成31年2月26日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

被控訴人株式会社ビーエスフジは,控訴人に対し,12万6450円及び別紙4訴額計算書2の同被控訴人に係る表の訴額欄記載の各金額に対する,対応する支払い起算日欄記載の日(同欄が空欄の場合は平成31年2月26日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3
訴訟費用は,第1審,第2審ともに被控訴人らの負担とする。

4
仮執行宣言

トップに戻る

saiban.in