判例検索β > 平成30年(行ケ)第10142号
審決取消請求事件 特許権 行政訴訟
事件番号平成30(行ケ)10142
事件名審決取消請求事件
裁判年月日令和元年10月10日
法廷名知的財産高等裁判所
裁判日:西暦2019-10-10
情報公開日2019-10-17 12:00:21
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令和元年10月10日判決言渡
平成30年(行ケ)第10142号
口頭弁論終結日

審決取消請求事件

令和元年8月22日
判決原告
宏碁股份有限公司

訴訟代理人弁理士

東忠彦伊東忠重大貫進介山被伊口正博定代理特人菅原中指告木長許長道官晴努川篤男藤原直欣阿主谷庁曾裕樹文1原告の請求を棄却する。

2
訴訟費用は原告の負担とする。

3
この判決に対する上告及び上告受理の申立てのための付加期間を
30日と定める。
事実及び理由
第1請求
特許庁が不服2017-2758号事件について平成30年5月30日に
した審決を取り消す。
第2事案の概要
1


特許庁における手続の経緯等
原告は,平成27年3月18日,発明の名称をデバイスツーデバイスオペレーションを処理する方法とする発明について,外国語書面出願による特許出願(特願2015-55175号。優先日平成26年3月19日・平成27年3月12日,優先権主張国米国。以下本願という。)をした(甲2,3)。



原告は,
平成28年3月24日付けの拒絶理由通知
(甲4)
を受けたため,
同年6月2日付けで特許請求の範囲について手続補正(以下第1次補正という。甲6)をしたが,同年11月25日付けで拒絶査定(甲7)を受けた。



原告は,平成29年2月27日付けで,拒絶査定不服審判(不服2017-2758号事件)を請求するとともに,同日付けで,特許請求の範囲について手続補正(以下本件補正という。甲9)をした。
特許庁は,平成30年5月30日,本件補正を却下する決定をした上で,本件審判の請求は成り立たないとの審決(以下本件審決という。)をし,その謄本は,同年6月12日,原告に送達された。



原告は,平成30年10月6日,本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起した。

2
特許請求の範囲の記載


第1次補正後
第1次補正後の特許請求の範囲は,請求項1ないし7からなり,その請求項1の記載は,次のとおりである(以下,第1次補正後の請求項1に係る発明を本願発明という。甲6)。
【請求項1】

通信デバイスのためのデバイスツーデバイス(D2D)オペレーションを処理する方法であって,
ネットワークに対するデバイスツーセルラ(D2C)オペレーションを実行するための第1のサブフレームを決定するステップ(302)と,前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突しないとき,前記D2Cオペレーションを前記第1のサブフレームにおいて実行するステップ(304)と,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突するとき,前記D2Cオペレーションを前記第1のサブフレームにおいて実行し,前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップ(306)と,を備え,
前記方法はさらに,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,第2のサブフレームが前記D2Dオペレーションに従う前記第1のサブフレームに対応する再送サブフレームであるとき,前記第2のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップ,または,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップ,または,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,前記D2Cオペレーションが第4のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームおよび前記第4のサブフレームにおける前記D2Dオペレ
ーションのためのスケジュール割当てによってスケジュールされるとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップ,を備える
方法。


本件補正後
本件補正後の特許請求の範囲は,請求項1ないし7からなり,その請求項1の記載は,次のとおりである(以下,本件補正後の請求項1に係る発明を本件補正発明という。甲9)。なお,本件補正は,第1次補正後の請求項1のうち,前記⑴の下線部分を削除したものである。【請求項1】
通信デバイスのためのデバイスツーデバイス(D2D)オペレーションを処理する方法であって,
ネットワークに対するデバイスツーセルラ(D2C)オペレーションを実行するための第1のサブフレームを決定するステップ(302)と,前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突しないとき,前記D2Cオペレーションを前記第1のサブフレームにおいて実行するステップ(304)と,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突するとき,前記D2Cオペレーションを前記第1のサブフレームにおいて実行し,前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップ(306)と,を備え,
前記方法はさらに,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2D
オペレーションをストップするステップ,または,
前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,前記D2Cオペレーションが第4のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームおよび前記第4のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジュール割当てによってスケジュールされるとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップ,を備える
方法。
3
本件審決の要旨


本件審決の理由は,別紙審決書(写し)記載のとおりである。
その要旨は,①本件補正発明は,本願の優先日前に頒布された刊行物である米国特許出願公開2014/0004867号明細書(原文甲1・訳文乙5。以下引用例という。)に記載された発明(以下引用発明という。)と同一であり,又は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条1項3号又は同条2項の規定により,特許出願の際に独立して特許を受けることはできず,本件補正は,却下すべきものである,②本願発明は,本件補正発明から本件補正により削除された択一的選択肢である発明特定事項(前記2⑴の下線部分)を備えるほかは,本件補正発明と差異はないから,本願発明も,本件補正発明と同様に,引用発明と同一であり,又は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,同条1項3号又は同条2項の規定により,特許を受けることができず,本願は拒絶されるべきものであるというものである。


本件審決が認定した引用発明,本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は,次のとおりである。

引用発明

第1の基地局に対するUL受信成否情報を送信するためのサブフレームを決定し,
第1の基地局に対するUL受信成否情報の送信が決定された前記サブフレームにおいて第2のデバイスからの第1のD2Dリンクの受信成否情報の受信と重なるとき,第1の基地局に対する前記送信を前記サブフレームにおいて実行し,前記サブフレームにおける第2のデバイスからの前記受信をストップし,
さらに,
第1の基地局に対するUL受信成否情報の前記送信が決定された前記サブフレームにおいて第2のデバイスからの第1のD2Dリンクの受信成否情報の前記受信と重なり,第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの送信に対する第2のデバイスからの受信成否情報の受信がデータの送信からcサブフレーム後に為され,第2のデバイスからの当該受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送又は次のデータの送信が受信成否情報の受信からdサブフレーム後に為され,これらの動作が繰り返されるとき,受信しなかった受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへのデータを送信しない,
方法。

本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点
(一致点)
通信デバイスのためのデバイスツーデバイス(D2D)オペレーションを処理する方法であって,ネットワークに対するデバイスツーセルラ(D2C)オペレーションを実行するための第1のサブフレームを決定するステップ(302)と,前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突するとき,前記D2Cオペレーションを前記第1のサブフレームにおいて実行し,前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップ(306)と,を備え,前記方法はさらに,前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップ,を備える方法。である点。(相違点)
本件補正発明は,前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突しないとき,前記D2Cオペレーションを前記第1のサブフレームにおいて実行するステップ(304)なる構成を有しているのに対し,引用発明は,前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突しないときの動作について明示していない点
4
取消事由
本件補正発明の進歩性の判断の誤り

第3当事者の主張
1
原告の主張


一致点の認定の誤り及び相違点の看過
本件審決は,引用発明の第1の基地局に対するUL受信成否情報の前記送信が決定された前記サブフレームにおいて第2のデバイスからの第1のD2Dリンクの受信成否情報の前記受信と重なり,第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの送信に対する第2のデバイスからの受信成否情報の受信がデータの送信からcサブフレーム後に為され,第2のデバイスからの当該受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送又は次のデータの送信が受信成否情報の受信からdサブフレーム後に為され,これらの動作が繰り返されるとき,受信しなかった受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへのデータを送信しないとの構成は,本件補正発明の前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップの構成(以下本件構成E-1という場合がある。)に相当するとして,両発明は,本件構成E-1を備える点において一致する旨認定した。
しかしながら,引用発明は,本件構成E-1のうちの第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされるとの構成を備えておらず,本件構成E-1は本件補正発明と引用発明の相違点として認定すべきであったから,本件審決には,一致点の認定を誤り,相違点を看過し,ひいては,この相違点についての容易想到性の判断をせずに,本件補正発明の進歩性を否定した判断の誤りがある。

本件補正発明の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているときの意義について(ア)本件補正発明の第3のサブフレームの意義について
本願の願書に添付した明細書とみなされる外国語明細書の翻訳文(以下,図面を含めて本件明細書という。甲3)の【0023】にD2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突し,第2のサブフレームがD2Dオペレーションによる第1のサブフレームに対応する再送サブフレームであるとき,処理30において通信デバイスはさらに第2のサブフレームにおけるD2Dオペレーション(例,再送)をストップし得る。すなわち,D2Dオペレーションのための再送は第2のサブフレームにおいて必要とされないことがあり得るので,通信デバイスは,第1のサブフレームおよび第2のサブフレームの両方においてD2Dオペレーションをストップする。との記載があるとおり,本件明細書においては,第2のサブフレームは再送サブフレームを意味する用語として用いられており,また,再送サブフレームについて説明するときは,第1のサブフレームに対応する再送サブフレームというように,再送という文言を付し,初期送受信のサブフレームと区別しているから,再送という文言が付されていない
第1のサブフレーム
及び
第3のサブフレーム
は,
いずれも初期送受信のサブフレームを意味すると解すべきである。また,本件補正発明の特許請求の範囲には,第1のサブフレーム
及び第3のサブフレームという文言が含まれているのに,第2のサブフレームという文言が用いられていない理由は,第2のサブフレームは,再送サブフレームを意味する用語として用いられているからである。
以上のとおり,本件補正発明の第3のサブフレームは,初期送受信のサブフレームを意味する。(イ)

本件補正発明の前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当ての意義について前記(ア)のとおり,本件補正発明の第3のサブフレームは,初期送受信のサブフレームを意味するから,本件補正発明の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているとき
にいうスケジューリング割当てによってスケジュールされた前記D2Dオペレーションは,初期送受信である。また,本件明細書の【0023】には,本件補正発明の本件構成E-1に関し,D2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが第1のサブフレームにおけるD2Dオペレーションのためのスケジュール割当てによってスケジュールされているとき,処理30において通信デバイスはさらに第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションをストップ(例,スケジュール割当てをドロップ)し得る。すなわち,第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションは,第1のサブフレームにおけるスケジュール割当てによってトリガーがかけられるので,通信デバイスは,第1のサブフレームおよび第3のサブフレームの両方においてD2Dオペレーションをストップする。との記載がある。上記記載中の第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションは,第1のサブフレームにおけるスケジュール割当てによってトリガーがかけられるとは,第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションが,第1のサブフレームにおけるスケジュール割当てによってスケジュールされることを意味する。
そして,本件補正発明の特許請求の範囲(請求項1)の文言,本件明細書の【0023】の記載及び技術常識によれば,本件補正発明の前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てとは,第1のデバイスと第2のデバイスとの初期送信(前記D2Dオペレーション)のためのスケジューリング割当てを意味し,本件補正発明の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするとは,
第1のデバイスが,
第2のデバイスとの
初期送信(前記D2Dオペレーション)のためのスケジューリング割当てを用意したが,そのスケジューリング割当てを前記第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションで第2のデバイスに対して送信することをストップすることを意味する。
典型的な例としては,第1のデバイスが,第2のデバイスとの初期送信(前記D2Dオペレーション)のためのスケジューリング割当てをして,そのスケジューリング割当てを第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションで第2のデバイスに対して送信しようとしたところ,第1のサブフレームにおいてD2Cオペレーションと衝突し,上記送信をストップすることが存在する。
(ウ)

まとめ
以上によれば,本件補正発明の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているとは,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおいて第1のデバイスがD2Dオペレーションで行った,第1のデバイスと第2のデバイスとの初期送信(前記D2Dオペレーション)のためのスケジューリング割当てによってスケジュールされていることを意味するというべきである。(エ)被告の主張について
被告は,①本件補正発明の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているときにいう
スケジューリング
には,初期送受信のためのスケジューリング及び再送のためのスケジューリングのいずれも包含されると解釈するのが妥当である,②本件補正発明の前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当ては,第1のサブフレームで実行されるD2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てを意味し,D2Cオペレーションによって行われ,D2Dオペレーションで行われる場合は存在しない,③本件補正発明の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているときとは,第1のサブフレームで実行されるD2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによって,併せて第3のサブフレームがスケジュールされているときを意味する旨主張する。
しかしながら,
上記①の点については,
前記(イ)で述べたとおり,
スケジューリング割当てによってスケジュール
された送受信の対象前(記D2Dオペレーション)は,初期送受信であるから,スケジューリングには,再送のためのスケジューリングは包含されない。また,上記②及び③の点については,前記(イ)で述べたとおり,典型的な例として,第1のデバイスが,第2のデバイスとの初期送信(前記D2Dオペレーション)のためのスケジューリング割当てをして,そのスケジューリング割当てを第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションで第2のデバイスに対して送信しようとしたところ,第1のサブフレームにおいてD2Cオペレーションと衝突し,上記送信をストップすることが存在する。
したがって,被告の上記主張は失当である。

引用発明が本件補正発明の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされるとの構成を備えていないこと引用例には,引用発明において,第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送又は次のデータの送信(初期送信ではない)が,再送の
ためのスケジューリングに関する情報(①受信成否情報,②初期送信データの送信からいくつ目のサブフレーム後に受信成否情報が送受信されるかを示す情報(例:c),③受信成否情報の受信からいくつ目のサブフレーム後にデータを再送するかを示す情報(例:d))によってスケジュールされていることが記載されているにすぎず([0131],[0134]~[0137]),リソース情報をコア情報として含むべきスケジューリング割当てによるスケジューリング
(初期送信のためのスケジューリング)
については何ら記載がない。したがって,引用発明の受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送又は次のデータの送信が為されるサブフレーム(サブフレームml+2d+c(1303))は,再送のスケジューリングに関する情報によってスケジューリングされているサブフレームにすぎず,スケジューリング割当てによってスケジュールされている第3のサブフレームに該当しない。
また,引用例には,引用発明において,D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てが基地局とデバイスとの間のD2Cオペレーションとして送受信されること
([0180])
が記載されているにすぎず,
D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てが,デバイス間のD2Dオペレーションとして送受信されることについては,開示も示唆もない。
以上によれば,引用発明が本件補正発明の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされるとの構成を備えているといえないから,本件審決認定の一致点のうち,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされるとの構成を備えている
点を一致点として認定したことは誤りであり,本件審決は,相違点を看過したものである。
(2)

小括
以上のとおり,本件審決には,一致点の認定を誤り,相違点を看過し,こ
の相違点についての容易想到性の判断をせずに,本件補正発明の進歩性を否定した判断の誤りがあり,その結果,本件補正を却下する決定をした誤りがあるから,違法として取り消されるべきである。
2
被告の主張


一致点の認定の誤り及び相違点の看過の主張に対し

本件補正発明の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているときの意義について(ア)本件補正発明の第3のサブフレームの意義について
本件補正発明の特許請求の範囲(請求項1)の記載によれば,本件補正発明の
第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーション
は,
前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされている,第3のサブフレームにおける
D2D信号の送受信
と解釈するのが妥当である。
本件補正発明の特許請求の範囲及び本件明細書には,第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションが初期送受信であることの記載も示唆もないから,当該スケジューリング割当てにおけるスケジューリングは,初期送信のためのスケジューリング及び再送のためのスケジューリングのいずれも包含されると解釈されるべきである。したがって,第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーション
を,スケジューリング割当てによってスケジュールされている初期送受信であると限定解釈する原告の主張は,失当である。
(イ)

本件補正発明の前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためスケジューリング割当ての意義について本件補正発明の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているときにいう前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当ての構成は,前記第1のサブフレームにおけるとの文言が直後の前記D2Dオペレーションのみに係ることからすると,第1のサブフレームで実行されるD2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てを意味するものである。このように上記構成の前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションの文言を第1のサブフレームで実行されるD2Dオペレーションと解することは,本件補正発明の前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突するとき,前記D2Cオペレーションを前記第1のサブフレームにおいて実行し,前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップ(306)の構成(以下本件構成Dという場合がある。)にいう前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションの文言が第1のサブフレームで実行されるD2Dオペレーションを意味することとも整合する。
そうすると,本件補正発明の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているときは,スケジューリング割当てが第1のサブフレームで実行されるD2Dオペレーションのためのものであり,当該スケジューリング割当てによって,併せて第3のサブフレームがスケジュールされているときを含むものと解するのが相
当である。このように解釈すれば,本件補正発明においては,本件構成Dによって
D2Cオペレーションを第1のサブフレームにおいて実行
し,第1のサブフレームにおけるD2Dオペレーションはストップされ,本件構成E-1によって,当該第1のサブフレームにおけるD2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによって,併せて第3のサブフレームがスケジュールされているとき,第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションもストップすることにより,D2DオペレーションとD2Cオペレーションを規則的に実行することができるから,D2DオペレーションとD2Cオペレーションを規則的に実行されないことがあり得るという本件補正発明の課題を解決することができる。
したがって,本件補正発明の前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てが,前記第1のサブフレームにおいて,デバイス間のD2Dオペレーションで行われる旨の原告の主張は失当である。

引用発明が本件補正発明の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされるとの構成を備えていること引用例の記載([0082],[0178]~[0184],[0194]~[0198],[0202],[0204]~[0207],
図8)
によれば,
引用例には,
送信活性化割当て情報によるスケジューリング開始の指示と,
上位レイヤシグナリングによるデータの送信(再送又は初期送信)及びD2Dリンク受信成否情報の受信のためのサブフレーム間隔(a1,b1,c,d)の指示とによって,第1のデバイスは,データの送信(再送又は初期送信)及びD2Dリンク受信成否情報の受信のためのサブフレームを確保し,データの送信(再送又は初期送信)及びD2Dリンク受信成否情
報の受信を,送信解除割当て情報を受信するまで,繰り返し行うのであるから,送信活性化割当て情報によるスケジューリング開始の指示と,上位レイヤシグナリングによるサブフレーム間隔(a1,b1,c,d)の指示はいずれも,データの送信及び受信成否情報の受信に係るサブフレームをスケジューリングすること(第1のデバイスに無線リソースを割り当てること)及び/又はそのための情報であり,スケジューリング割当てといえる。そして,データの送信及び受信成否情報の受信に係るサブフレームは,スケジューリング割当てによってスケジュールされているといえるものであり,また,当該スケジューリング割当ては,再送のためのスケジューリングに関する情報ではなく,再送と初期送信の両方のためのスケジューリング割当てである。
したがって,引用例では,データの送信及び受信成否情報の受信に係るサブフレームは,送信活性化割当て情報によるスケジューリング開始の指示と,
上位レイヤシグナリングによるサブフレーム間隔
(a1,
b1,
c,
d)の指示によるスケジューリング割当てによってスケジュールされているといえる。そして,受信成否情報の受信のためのサブフレームml+d+c(1302)が当該スケジューリング割当てによってスケジュールされると,そのdサブフレーム後の,データの再送又は次のデータの送信がなされるサブフレームml+2d+c(1303)も,受信成否情報の受信のためのスケジューリング割当てがトリガとなって併せてスケジュールされており,データの再送又は次のデータの送信がなされるサブフレームml+2d+c(1303)は,受信成否情報の受信のためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているといえるから,引用発明の受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送又は次のデータの送信が為されるサブフレーム(サブフレームml+2d+c(1303))は,受信成否情報の受信のため
のスケジューリング割当てによってスケジュールされている第3のサブフレームに該当するということができる。この点に関し原告は,引用発明の受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送又は次のデータの送信が為されるサブフレーム(サブフレームml+2d+c(130
3))は,再送のスケジューリングに関する情報によってスケジューリングされているサブフレームにすぎず,スケジューリング割当てによってスケジュールされている
第3のサブフレーム
に該当しない旨主張するが,
引用発明の次のデータの送信は明らかに再送ではないから,原告の上記主張は失当である。

まとめ
以上によれば,引用発明の第1の基地局に対するUL受信成否情報の前記送信が決定された前記サブフレームにおいて第2のデバイスからの第1のD2Dリンクの受信成否情報の前記受信と重なり,第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの送信に対する第2のデバイスからの受信成否情報の受信がデータの送信からcサブフレーム後に為され,第2のデバイスからの当該受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送又は次のデータの送信が受信成否情報の受信からdサブフレーム後に為され,これらの動作が繰り返されるとき,受信しなかった受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへのデータを送信しないとの構成は,本件補正発明の前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップに相当するというべきである。
したがって,本件補正発明と引用発明が第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされるとの構成を備えている点で一致するとした本件審決の認定に誤りはない。
(2)

小括
以上のとおり,本件審決には,原告主張の一致点の認定の誤り及び相違点
の看過はないから,本件補正発明の進歩性を否定した判断に誤りがあり,その結果,本件補正を却下する決定をした誤りがあるとの原告の主張は理由がない。
したがって,原告主張の取消事由は,理由がない。
第4当裁判所の判断
1
本件明細書の記載事項について
(1)

本件明細書(甲3)には,次のような記載がある(下記記載中に引用する
図1及び図3については別紙1を参照)。

【技術分野】
【0001】
本発明は,デバイスツーデバイスオペレーションを処理する方法に関する。
【0004】
デバイスツーデバイス(D2D)通信は,(例,eNBによって手伝われて)初期化(例,接続確立,および/または,ピア発見)が実行された後に実現され得る。そして,一群のUEが,D2D通信に従ってお互いに直接通信(例,パケットを送受信)し得,eNBは,通信デバイス間で送信されるパケットを転送する必要がない。D2D通信に従って,UEは,ULリソース(例,eNBによって構成されるULサブフレーム)を介して,お互いに通信し得る。一般的に,D2D通信は,D2Dサービス(す
なわち,近接サービス(ProSe))として理解され得る。加えて,D2Dサブフレーム,D2D伝送,D2D通信およびD2Dディスカバリーは,それぞれ,サイドリンクサブフレーム,サイドリンク伝送,サイドリンク通信およびサイドリンクディスカバリーとして称され得る。
【0005】
UEは,D2Dオペレーションとデバイスツーセルラ(D2C)オペレーションを同時に(例,同じ時間間隔中に)実行し得る。その状況は,UEがeNBのセルのカバレージエリア内に有り,D2D通信とD2C通信の両方が当該セルによってサポートされている状況であり得る。しかし,D2DオペレーションはD2Cオペレーションによって影響され得る。例えば,UEは,ULサブフレームがD2Dオペレーションのためにスケジュールされているとき,D2C通信の所定のルールに従ってそのULサブフレームにおいてハイブリッド自動リピート要求(HARQ)をどのように送信するかを知らないことがあり得る。この問題は,D2C通信の,時分割複信(TDD)モードまたは周波数分割複信(FDD)モードにおいて発生し得る。この問題はまた,D2C通信のための他の伝送(例,UL制御情報および/またはULデータ)
が実行されるべきときに発生し得る。
D2DオペレーションおよびD2Cオペレーションは,規則的に実行されないことがあり得る。
【0006】
このように,D2DオペレーションとD2Cオペレーションとの間の衝突は,解決されるべき重要な問題である。

【発明の概要】
【0007】
本発明は,したがって,上述の問題を解決するために,デバイスツーデバイスオペレーションを処理するための方法を提供する。

【0009】
通信デバイスのためのデバイスツーデバイス(D2D)オペレーションを処理する方法は,ネットワークに対してデバイスツーセルラ(D2C)オペレーションを実行するための第1のサブフレームを決定するステップと,D2CオペレーションがD2Dオペレーションと衝突しないとき,第1のサブフレームにおいてD2Cオペレーションを実行するステップと,第1のサブフレームにおいてD2CオペレーションがD2Dオペレーションと衝突するとき,第1のサブフレームにおいてD2Cオペレーションを実行し,第1のサブフレームにおけるD2Dオペレーションをストップするステップと,を含む。

【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は,本発明の一例による無線通信システム10の概略図である。無線通信システム10は,簡潔に,ネットワークおよび複数の通信デバイスによって構成される。
図1において,
ネットワークおよび通信デバイスは,
単純に,無線通信システム10の構造を示すために利用されている。通信デバイスは,第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)等の通信標準において規定されたデバイスツーセルラ(D2C)通信に従って,ネットワークと通信し得る。実際には,ネットワークは,ユニバーサル移動通信システム(UMTS)における複数のノードB(NB)を含むユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)であり得る。他の例において,ネットワークは,ロングタームエボリューション(LTE)システム,LTE-アドバンスト(LTE-A)システムまたはLTE-Aシステムの進化形における複数の進化型NB(eNB)および/またはリレーを含む進化型UTRAN(E-UTRAN)であり得る。
【0013】

通信デバイスは,ユーザ装置(UE),低コストデバイス(例,マシンタイプ通信(MTC)デバイス),デバイスツーデバイス(D2D)デバイス,携帯電話,ラップトップ,タブレットコンピュータ,電子ブック,ポータブルコンピュータシステム,または,これらの組合せであり得る。加えて,D2C通信について,ネットワークおよび通信デバイスは,方向(即ち,伝送方向)に従って送信機または受信機として理解され得,例えば,上りリンクについて,通信デバイスは送信機であり,ネットワークは受信機であり,下りリンクについて,ネットワークは送信機であり,通信デバイスは受信機である。
【0014】
加えて,2つの通信デバイスは,初期化(例,接続確立および/またはピア発見)が実行された後,互いに直接通信し得る。例えば,初期化は,ネットワークによって手伝われ得る。すなわち,通信デバイスは,3GPP標準等の通信規格において規定されたD2D通信に従って,お互いに通信(例,信号/パケットを送信および/または受信)し得る。通信デバイスは,周波数分割複信(FDD)構成および/または時分割複信(TDD)構成に従って決定されたULサブフレームを介して,
お互いに通信し得る。
通信デバイスは,
他の通信デバイスおよびネットワークと同時に通信し得,
すなわち,D2D通信およびD2C通信が同時に実現される。
【0016】
図3は,本発明の一例による処理30のフローチャートである。処理30は,D2Dオペレーションを処理するために通信デバイスにおいて利用され得る。処理30は,コンパイルされてプログラムコード214となり得,以下のステップを含む。
【0017】
ステップ300:開始

ステップ302:ネットワークに対してD2Cオペレーションを実行するための第1のサブフレームを決定する。
【0018】
ステップ304:D2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突しないとき,D2Cオペレーションを第1のサブフレームにおいて実行する。
【0019】
ステップ306:D2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突するとき,D2Cオペレーションを第1のサブフレームにおいて実行し,D2Dオペレーションを第1のサブフレームにおいてストップする。
【0020】
ステップ308:終了
処理30に従って,通信デバイスは,ネットワークに対してD2Cオペレーションを実行するための第1のサブフレームを決定し得る。次に,通信デバイスは,D2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突しないとき,D2Cオペレーションを第1のサブフレームにおいて実行し得る。第1のサブフレームは,発見,通信および/または同期のためのD2Dサブフレームとして,ネットワークによって構成され得る。加えて,通信デバイスは,D2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突するとき,D2Cオペレーションを第1のサブフレームにおいて実行し得,D2Dオペレーションを第1のサブフレームにおいてストップし得る。言い換えると,D2Cオペレーションの優先度は,D2Dオペレーションの優先度よりも高い。もし,D2Cオペレーションが,
(例えば,
キャリアアグリゲーション(C
A)がサポートされているときに,例えば,同じセル(例,同じサービン
グセル)の,または,異なるセル(例,異なるサービングセル)の)同じサブフレームにおいて実行されるようにスケジュールされているならば,D2Dオペレーションはサブフレームにおいて実行されないことがあり得る。D2Cオペレーションは,ハイブリッド自動繰り返し要求(HARQ)フィードバックおよび/または物理UL共有チャネル(PUSCH)の送信を含み得る。一例において,HARQフィードバックは,物理UL制御チャネル(PUCCH)を介して送信され得る。一例において,ULパッケージ(例,UL共有チャネル(UL-SCH))と乗算された(multiplied

with)HARQフィードバックがPUSCHを介し

て送信され得る。D2Dオペレーションは,D2D信号(例,パッケージ)の送信を含み得,または,D2D信号(例,パッケージ)の受信を含み得る。このように,D2DオペレーションとD2Cオペレーションとの間の衝突は,上述に従って解決される。その結果,D2DオペレーションおよびD2Cオペレーションは,規則的に実行され得る。
【0021】
本発明の実現は,上述に限定されない。

【0022】
プロセス30におけるD2DオペレーションとD2Cオペレーションとの間の衝突の定義は限定されない。一例において,もし,D2Dオペレーションが第1のサブフレームにおいて(例,通信デバイス自身によって,他の通信デバイスによって,または,ネットワークによって)スケジュールされていないならば,D2Cオペレーションは第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突せず,もし,D2Dオペレーションが第1のサブフレームにおいてスケジュールされているならば,D2Cオペレーションは第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突する。【0023】

一例において,D2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突し,第2のサブフレームがD2Dオペレーションによる第1のサブフレームに対応する再送サブフレームであるとき,処理30において通信デバイスはさらに第2のサブフレームにおけるD2Dオペレーション(例,再送)をストップし得る。すなわち,D2Dオペレーションのための再送は第2のサブフレームにおいて必要とされないことがあり得るので,通信デバイスは,第1のサブフレームおよび第2のサブフレームの両方においてD2Dオペレーションをストップする。一例において,D2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが第1のサブフレームにおけるD2Dオペレーションのためのスケジュール割当てによってスケジュールされているとき,処理30において通信デバイスはさらに第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションをストップ(例,スケジュール割当てをドロップ)し得る。すなわち,第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションは,第1のサブフレームにおけるスケジュール割当てによってトリガーがかけられるので,通信デバイスは,第1のサブフレームおよび第3のサブフレームの両方においてD2Dオペレーションをストップする。一例において,D2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突し,D2Cオペレーションが第4のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが,第1のサブフレームおよび第4のサブフレームにおけるD2Dオペレーションのためのスケジュール割当てによってスケジュールされるとき,処理30において通信デバイスはさらに第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションをストップし得る。すなわち,もし,衝突が,スケジュール割当てを運ぶ第1のサブフレームおよび第4のサブフレームにおいて発生するならば,通信デバイスは,第3のサブフレームにおいてD2Dオペレーショ
ンをストップする。
【0024】
このように,D2DオペレーションとD2Cオペレーションとの間の衝突は,上述に従って解決される。その結果,D2DオペレーションおよびD2Cオペレーションは,規則的に実行され得る。

【0057】
図14は,本発明の一例による処理140のフローチャートである。処理140は,D2Dオペレーションを処理するために通信デバイスにおいて利用され得る。処理140は,コンパイルされてプログラムコード214となり得,以下のステップを含む。
【0058】
ステップ1400:開始
ステップ1402:ネットワークに対してD2Cオペレーションを実行するための第1のサブフレームを決定する。
【0059】
ステップ1404:第1のサブフレームがD2D送信サブフレームでないとき,第1のサブフレームにおけるD2Cオペレーションの実行をストップする。
【0060】
ステップ1406:第1のサブフレームがD2D送信サブフレームであるとき,第1のサブフレームにおけるD2Cオペレーションを実行し,第1のサブフレームにおけるD2Dオペレーションをストップする。【0061】
ステップ1408:終了
処理140によれば,通信デバイスは,ネットワークに対してD2Cオペレーションを実行するための第1のサブフレームを決定し得る。次に,
通信デバイスは,第1のサブフレームがD2D送信サブフレームでないとき,第1のサブフレームにおけるD2Cオペレーションの実行をストップし得る。第1のサブフレームは,発見,通信および/または同期のためのD2D送信サブフレームとして,ネットワークによって構成され得る。加えて,通信デバイスは,第1のサブフレームがD2D送信サブフレームであるとき,
第1のサブフレームにおけるD2Cオペレーションを実行し得,
第1のサブフレームにおけるD2Dオペレーションをストップし得る。言い換えると,D2Cオペレーションの優先度は,D2Dオペレーションの優先度よりも高い。もし,D2Cオペレーションが,(例えば,キャリアアグリゲーション
(CA)
がサポートされているときに,
例えば,(例,
同じ
サービング)セルの,または異なる(例,サービング)セルの)同じサブフレームにおいて実行されるようにスケジュールされているならば,D2Dオペレーションはサブフレームにおいて実行されないことがあり得る。D2Cオペレーションは,HARQフィードバックおよび/またはPUSCHの送信を含み得る。一例において,HARQフィードバックは,物理UL制御チャネル(PUCCH)を介して送信され得る。一例において,ULパッケージ(例,UL-SCH)と乗算されたHARQフィードバックがPUSCHを介して送信され得る。D2Dオペレーションは,D2D信号(例,パッケージ)の送信を含み得る。このように,D2DオペレーションとD2Cオペレーションとの間の衝突は,
上述に従って解決される。
その結果,D2DオペレーションおよびD2Cオペレーションは,規則的に実行され得る。
【0062】
本発明の実現は,上述に限定されない。
【0063】
一例において,処理140において通信デバイスは,第1のサブフレー
ムが,D2Dオペレーションが何もないD2D送信サブフレームであるとき,第1のサブフレームにおいてD2Cオペレーションを実行し得る。一例において,第1のサブフレームがD2D送信サブフレームであり,第2のサブフレームがD2Dオペレーションに従う第1のサブフレームに対応する再送サブフレームであるとき,通信デバイスはさらに,第2のサブフレームにおけるD2Dオペレーション(例,再送)をストップし得る。すなわち,D2Dオペレーションのための再送は第2のサブフレームにおいて必要とされないことがあり得るので,通信デバイスは,第1のサブフレームおよび第2のサブフレームの両方においてD2Dオペレーションをストップする。一例において,第1のサブフレームがD2D送信サブフレームであり,第3のサブフレームが第1のサブフレームにおけるD2Dオペレーションのためにスケジュール割当てによってスケジュールされているとき,処理140において通信デバイスはさらに第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションをストップ(例,スケジュール割当てをドロップ)し得る。すなわち,第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションは,第1のサブフレームにおけるスケジュール割当てによってトリガーがかけられるので,通信デバイスは,第1のサブフレームおよび第3のサブフレームの両方においてD2Dオペレーションをストップする。一例において,第1のサブフレームがD2D送信サブフレームであり,第4のサブフレームがD2D送信サブフレームであり(このD2Dオペレーションもストップされる),第3のサブフレームが,第1のサブフレームおよび第4のサブフレームにおけるD2Dオペレーションのためのスケジュール割当てによってスケジュールされるとき,処理140において通信デバイスはさらに第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションをストップし得る。すなわち,もし,衝突が,スケジュール割当てを運ぶ第1のサブフレームおよび第4のサブフレームにおいて発生するならば,通信デバイ
スは,
第3のサブフレームにおいてD2Dオペレーションをストップする。【0064】
当業者は,上記の説明および実施例についての組合せ,修正および/または変更を容易に行い得る。推奨されたステップを含む上記の説明,ステップおよび/または処理は,ハードウェア,ソフトウェア,(ハードウェアデバイスと,コンピュータ命令と,ハードウェアデバイス上のリードオンリーソフトウェアとして存在するデータと,の組合せとして知られる)ファームウェア,電子システム,またはそれらの組み合わせであり得る手段によって実現され得る。上記手段の一例は,通信デバイス20であり得る。

【0068】
まとめると,本発明は,D2Dオペレーションを処理する方法を提供する。このように,D2DオペレーションとD2Cオペレーションとの間の衝突は,上述に従って解決される。その結果,D2DオペレーションおよびD2Cオペレーションは,規則的に実行され得る。

(2)

前記(1)の記載事項によれば,本件明細書の発明の詳細には,次のような
開示があることが認められる。

UEがeNBのセルのカバレージエリア内にあり,一群のUEがULリソース(例,eNBによって構成されるULサブフレーム)を介してお互いに通信し得るデバイスツーデバイス(D2D)通信とデバイスツーセルラ(D2C)通信の両方が当該セルによってサポートされている状況においては,UEはデバイスツーデバイス(D2D)オペレーションとデバイスツーセルラ(D2C)オペレーションを同時に実行し得るが,D2DオペレーションがD2Cオペレーションによって影響され,D2Dオペレーション及びD2Cオペレーションが規則的に実行されないことがあり得るところ,このようなD2DオペレーションとD2Cオペレーションとの間
の衝突は,解決されるべき重要な問題である(【0004】ないし【0006】)。

本発明は,上記問題を解決するため,ネットワークに対してデバイスツーセルラ(D2C)オペレーションを実行するための第1のサブフレームを決定するステップと,D2CオペレーションがD2Dオペレーションと衝突しないとき,第1のサブフレームにおいてD2Cオペレーションを実行するステップと,第1のサブフレームにおいてD2CオペレーションがD2Dオペレーションと衝突するとき,第1のサブフレームにおいてD2Cオペレーションを実行し,第1のサブフレームにおけるD2Dオペレーションをストップするステップと,を含む通信デバイスのためのデバイスツーデバイス(D2D)オペレーションを処理する方法を提供するものである(【0009】,【0011】)。このように第1のサブフレームにおいてD2CオペレーションがD2Dオペレーションと衝突するときに,D2Cオペレーションの優先度は,D2Dオペレーションの優先度よりも高くすることにより,上記衝突が解決され,その結果,D2DオペレーションおよびD2Cオペレーションは,規則的に実行され得る(【0020】)。

2
引用例の記載事項について
(1)

引用例
(米国特許出願公開第2014/0004867号明細書。
原文甲

1・訳文乙5)には,次のような記載があることが認められる(下記記載中に引用する図8及び図13については別紙2を参照)。

[0003]

本発明の例示的な実施形態は,一般に,デバイスツーデバ

イス(D2D)通信方法に関し,より詳細には,セルラーベースの無線移動通信システムにおいてD2D通信を実行するために必要なチャネル状態測定,データ送信/受信,及び電力制御方法に関する。
[0005]

D2D通信は,基地局を介さずに隣接する2つの機器間で直

接データ送信/受信が行われる通信方式である。すなわち,そのうちの一方がデータソース及びデータ宛先としてそれぞれ機能し,
互いに通信する。
[0006]

D2D通信が効率的に使用され得るユースケースについて

様々な議論がなされ得る。例えば,D2D通信は,ロックコンサートなどで観客に大量のデータ(例えば,ロックコンサートの番組及びミュージシャンに関する情報)を提供するローカルメディアサーバで使用され得る。[0007]

このとき,サービングセルに接続されたデバイスは既存のセ

ルラーリンクを用いて電話通信やインターネットアクセスなどを行うことができるが,D2D方式に従いD2D通信の通信相手として動作するローカルメディアサーバからの上述した大量のデータを直接送信/受信する。一方,D2Dリンクは,異なるサービングセル内のデバイス間,及び同じサービングセル内のデバイス間で確立され得る。
[0008]

上述したD2D通信におけるセルラーネットワークベースの

D2D通信方式は,他のデバイスと通信することを望むデバイスが,制御を行う中央ノード
(セルラーネットワークの基地局)にリンク確立を要求
し,中央ノードが,通信相手のデバイスが前記デバイスの周辺に位置している場合に,D2D通信のための無線リソースを割り当てることによって前記デバイスが通信相手デバイスとD2D通信を行うことを可能にする方式である。
[0009]

このとき,デバイスの全般的な動作は中央ノードによって管

理され,セルラーリンク又は別のD2Dリンクに割り当てられたD2D通信用の無線リソースは再利用することができる。
[0010]

従来技術の既存のセルラー方式の通信及び上述したD2D通

信には,多くの利点及び欠点が共存する。したがって,セルラー方式の移動通信と上述のD2D通信とを組み合わせた通信システムが,最終的に普及することが予想される。

[0011]

しかしながら,上述したD2D通信を行うために必要なD2

D通信の適応送信,スケジューリング,及び電力制御のような多くの技術は,現在のセルラーネットワークではサポートされない。
[0012]

したがって,本発明の例示的な実施形態は,関連技術の制限

及び不都合による1つ又は複数の問題を実質的に回避するために提供される。

[0126]
[0127]

D2D通信のデータ送信/受信方法
以下,
D2D通信のデータ送信/受信方法について説明する。

以下の説明では,デバイスと基地局との間の通信は周波数分割に基づいており,D2D通信はデバイスと基地局との間の通信に使用されるUL周波数帯域を使用すると仮定する。しかしながら,本発明の基本概念は他の方式にも適用可能である。
[0128]

以下の実施形態では,第1のデバイスから第2のデバイスへ

のリンク(第1のD2Dリンク)に基づいてデータの送信/受信方法を説明する。すなわち,以下の説明では,第1デバイスはD2D通信の送信デバイスであり,第2デバイスはD2D通信の受信デバイスである。他に定義されない限り,後述するように,第1デバイスから第2デバイスへのリンクのデータ送信/受信方式は,第2デバイスから第1デバイスへのリンク(第2のD2Dリンク)のデータ送信/受信にも同様に適用できる。[0129]

基本的に,第1のD2Dリンクと第2のD2Dリンクは独立

して動作し得る。しかしながら,第1のデバイスから第2のデバイスへのリンク(第1のD2Dリンク)が存在する状態で,第2のデバイスから第1のデバイスへのリンク(第2のD2Dリンク)が追加される場合のリンク間の接続動作,又は第1のD2Dリンクと第2のD2Dリンクが存在する状態でD2Dリンクが解放される場合のリンク間の接続動作については,以下の実施形態のうちの第5及び第6の実施形態で説明する。

[0130]

第1のデバイスから第2のデバイスへのリンクに対して,複

数のハイブリッド自動再送要求(HARQ)処理が存在し得る。HARQ処理の動作手順は同じであり,互いに独立して動作する。他に定義されない限り,1つのHARQ処理がここに説明される。
[0131]

スケジューリングは,初送のためのスケジューリングと再送

のためのスケジューリングとに分けられ得る。ここで,再送は,初送を介して送信されたデータを再送するオペレーションであり,再送の送信フォーマットは,初送の送信フォーマットと同一又は異なり得る。
[0133]

ここで,送信フォーマットは,リソース割当て情報,変調及

び符号化情報,冗長バージョン情報,プリコーディング情報等の組合せを含み得る。データが複数のトランスポートブロックを含むとき,上述したプロセスがそれぞれのトランスポートブロックに適用され得る。

3)[0178]第3の実施形態
次に,本発明に係るデータ送信/受信方法の第3の実施形態

について説明する。
[0179]

図8は,本発明に係るD2D通信のデータ送信/受信方法の

第3の実施形態を示すサブフレームタイミング図である。
[0180]

第3の実施形態では,第1の基地局810により第1のデバ

イス811に送信される2種類の送信割当て情報831がある。1つのタイプはスケジューリング開始を示す送信活性化割当て情報であり,もう1つのタイプはスケジューリング終了を表す送信解除割当て情報である。[0181]

第1のデバイス811が送信割当て情報(活性化又は解除)

を受信すると,第1のデバイスはa1サブフレーム後に第1の基地局にUL受信成否情報832を送信する。a1の値は特定の値に予め設定してもよいし,第1の基地局が上位レイヤシグナリングを介して特定の値を第1のデバイスに通知してもよい。
第1の基地局は,
送信割当て情報の送信後,

UL受信成否情報のサブフレームを復調する。
[0182]

第1のデバイスが送信活性化割当て情報を受信すると,第1

のデバイスは,送信活性化割当て情報に基づいてデータ833を生成し,第2のデバイス821にデータ833を送信する。第1のデバイスが新しい送信活性化割当て情報を受信すると,第1のデバイスは,以前に受信された送信活性化割当て情報を無視して,新たな送信活性化割当て情報に基づいてデータを生成し,第2のデバイスに生成されたデータを送信するように構成することができる。
[0183]

送信活性化割当て情報は,リソース割当て情報,変調及び符

号化情報,送信プリコーディングマトリクス情報,巡回シフト情報,電力制御情報,HARQ処理番号情報,キャリア指示情報,周波数ホッピング指示情報,ULインデックス情報,DL割当てインデックス情報,チャネル状態要求情報,リソース割当てフォーム情報,SRS要求情報,プリコーディングマトリクス決定情報,DL電力オフセット情報,プリコーディング情報,スクランブル情報,レイヤ数情報,アンテナポート情報等の組み合わせを含んでもよい。第1の実施形態の送信割当て情報に関連して言及したように,送信活性化割当て情報は,システム構成及び送信フォーマットに従って,リソース割当て情報や変調及び符号化情報等のコア情報を除いた残りの情報を選択的に含むように構成することができる。
[0184]

第1のデバイスが送信解除割当て情報を受信すると,送信解

除割当て情報に対するUL受信成否情報を送信したサブフレームの後,第1のデバイスは第2のデバイスにもはやデータを送信しない。
[0185]

送信活性化割当て情報は,リソース割当て情報,変調及び符

号化情報,送信プリコーディングマトリクス情報,巡回シフト情報,電力制御情報,HARQ処理番号情報,キャリア指示情報,周波数ホッピング指示情報,ULインデックス情報,DL割当てインデックス情報,チャネ
ル状態要求情報,リソース割当てフォーム情報,SRS要求情報,プリコーディングマトリクス決定情報,DL電力オフセット情報,プリコーディング情報,スクランブル情報,レイヤ数情報,アンテナポート情報等の組み合わせを含んでもよい。上述した情報のうち一部の情報の値が特定の値に設定することができる。第1の実施形態の送信割当て情報に関連して言及したように,送信解除割当て情報は,システム構成及び送信フォーマットに従って,リソース割当て情報や変調及び符号化情報等のコア情報を除いた残りの情報を選択的に含むように構成することができる。
[0194]

第2のデバイスは,第1のデバイスによって送信されたデー

タ833が成功裏に復調されたかどうかに従って,D2Dリンク受信成否情報843を第1のデバイスに直接送信する。D2Dリンク受信成否情報は,ACKとNACKの2つの状態を指示する。
[0195]

第2のデバイスが,第1のデバイスによって送信されたデー

タ833を成功裏に復調した場合,D2Dリンク受信成否情報843はACKである。第2のデバイスが,第1のデバイスによって送信されたデータ833を成功裏に復調しなかった場合,D2Dリンク受信成否情報843はNACKである。
データが複数のトランスポートブロックを含むとき,
D2Dリンク受信成否情報はそれぞれのトランスポートブロックに対してACKとNACKの2つの状態を指示する。
[0196]

第1のデバイスが第2のデバイスから受信した最新のD2D

リンク受信成否情報がACKである場合,第1のデバイスは初送データを第2のデバイスへ送信する。第1のデバイスが第2のデバイスから受信した最新のD2Dリンク受信成否情報がNACKである場合,第1のデバイスは再送データを第2のデバイスへ送信する。ここで,再送は,冗長バージョン情報の変更と,最新の受信した送信活性化割当て情報を使用してデータを生成するオペレーションである。ここで,冗長バージョン情報は何
回再送がなされたかに応じて特定の値に予め設定される。第1のデバイスは,送信活性化割当て情報を受信すると,第1のデバイスが送信活性化割当て情報を受信した後に送信される,最初のデータに関して,データは,初送データとしていつも生成され送信される。あるいは,第1のデバイスは,送信活性化割当て情報を受信すると,第1のデバイスが送信活性化割当て情報を受信した後に送信される,最初のデータを,初送データ又は再送データとして決定し,決定された初送データ又は再送データをNDI情報によって指示し,データを生成して送信し得る。ここ,第1のデバイスが初送か再送かを決定するとき,第1のデバイスは,最新の受信したD2Dリンク受信成否情報を使用し得る。
[0202]

第1の基地局はサブフレームm1において送信活性化割当て

情報831を第1のデバイスに送信し得る。第1のデバイスがサブフレームm1において送信活性化割当て情報831を受信すると,第1のデバイスはサブフレームm1+a1においてUL受信成否情報832を第1の基地局に送信する。第1のデバイスはUL受信成否情報を送信したサブフレームのb1サブフレーム後に(サブフレームm1+a1+b1において)最新の受信した送信活性化割当て情報に従ってデータを生成し,データ833とNDI情報834を第2のデバイスに送信する。ここで,b1の値は特定の値に予め設定してもよいし,第1の基地局が上位レイヤシグナリングを介して特定の値を第1のデバイスに通知してもよい。ここで,データが初送データか再送データかをNDI情報を介して区別する手法としてトグルスキームが想定され,送信活性化割当て情報が受信された後の最初のデータが送信されるとき,NDI情報は0と想定される。
[0204]

第1のデバイスは,データ及びNDI情報が送信されたサブ

フレームm1+a1+b1からcサブフレーム後(サブフレームm1+a1+b1+c)にD2Dリンク受信成否情報843を復調する。ここで,
cの値は,特定の値に予め設定されていてもよいし,第1の基地局が,上位レイヤシグナリングを介して特定の値を第1のデバイスに通知してもよい。第1のデバイスは,D2Dリンク受信成否情報が受信されたサブフレームm1+a1+b1+cからdサブフレーム後に(サブフレームm1+a1+b1+c+dで)データ835及びNDI情報836を第2のデバイスに送信する。ここで,dの値は,特定の値に予め設定してもよいし,第1の基地局が上位レイヤシグナリングを介して特定の値を第1のデバイスに通知してもよい。ここで,第1のデバイスによって受信されたD2Dリンク受信成否情報の状態はNACKであると想定される。
それに応じて,
第1のデバイスは再送データを生成し,NDI情報をトグルさせずにデータ及びNDI情報を第2のデバイスに送信する。
[0205]

第2のデバイスは,D2Dリンク受信成否情報が送信された

サブフレームm2+a2+b2+cからdサブフレーム後(サブフレームm2+a2+b2+c+d)にデータ835及びNDI情報836を復調する。ここで,dの値は特定の値に予め設定してもよいし,第1の基地局が上位レイヤシグナリングを介して特定の値を第1のデバイスに通知してもよい。第2のデバイスは,データ及びNDI情報を受信したcサブフレーム後に(サブフレームm2+a2+b2+2c+dにおいて)D2Dリンク受信成否情報844を第1のデバイスに送信する。ここで,D2Dリンク受信成否情報の状態はACKであると仮定する。
[0206]

第1のデバイスは上記のプロセス
(844,
837,
838,

及び845)を,最新の受信した送信活性化割当て情報に従って,送信解除割当て情報を受信するまで繰り返す。第2のデバイスは上記のプロセス(837,838及び845)を最新の受信した受信活性化割当て情報に従って,受信解除割当て情報を受信するまで繰り返す。
[0207]

第3の実施形態において,第1の基地局は第1のデバイスに

a1,b,c及びdの値を上位レイヤシグナリングを介して通知してもよい。さらに,a1,b,c及びdの各値の通知は上位レイヤシグナリングを介して直接提供されてもよく,a1,b,c及びdの各値は上位レイヤシグナルされた値から導出されてもよい。例えば,第1の基地局は第1のデバイスにデータ再送間隔を上位レイヤシグナリングを介して通知してもよいし,a1,b,c及びdの各値はデータ再送間隔の半分に設定されてもよい。

5)第5の実施形態
[0226]

次に,本発明に係るデータ送信/受信方法の第5実施形態に

ついて説明する。
[0227]

第5の実施形態では,第3の実施形態に従い,第1のデバイ

スが第2のデバイスにD2Dデータを送信する状態(D2Dのデータ送信が第1のD2Dリンクを介して行われる状態)で,第2のデバイスが第1のデバイスにD2Dデータを送信するリンク(第2のD2Dリンク)が追加的に活性化される処理が説明される。第5の実施形態は,基本的に第3実施形態の処理を踏襲するので,第5実施形態と第3実施形態の相違点を中心に説明する。
[0228]

図12及び図13は,本発明に係るD2D通信のデータ送信

/受信方法の第5の実施形態を示すサブフレームタイミング図である。[0232]

まず,第1のデバイスが第1の基地局から受信された第2の

D2Dリンクの受信活性化割当て情報に対するUL受信成否情報を送信するサブフレームと,第1のD2Dリンクのデータが送信されるサブフレームとが重なる場合,あるいは,第2のデバイスが第2の基地局から受信された第2のD2Dリンクの送信活性化割当て情報に対するUL受信成否情報を送信するサブフレームと,第1のD2Dリンクのデータが受信されるサブフレームとが重なる場合の,第2のD2Dリンク及び第1のD2Dリ
ンクのデータ送信/受信処理が,図12を参照して説明される。
[0246]

次に,第1のデバイスが第1の基地局から受信された第2の

D2Dリンクの受信活性化割当て情報に対するUL受信成否情報を送信するサブフレームと,第1のD2Dリンク受信成否情報を受信するサブフレームとが重なる場合,あるいは,第2のデバイスが第2の基地局から受信された第2のD2Dリンクの送信活性化割当て情報に対するUL受信成否情報を送信するサブフレームと,第1のD2Dリンク受信成否情報が送信されるサブフレームとが重なる場合の,第2のD2Dリンク及び第1のD2Dリンクのデータ送信/受信処理が,図13を参照して説明される。[0247]

図13では,第1のD2DリンクのNDI情報及び第2のD

2DリンクのNDI情報に対して割当てスキームが使用されると仮定する。[0248]

第1の基地局は,サブフレームm1+d+c-a1(130

1)にて第1のデバイスに第2のD2Dリンクの受信活性化割当て情報を送信してもよい。第1のデバイスがサブフレームm1+d+c-a1にて第2のD2Dリンクの受信活性化割当て情報を受信すると,第1のデバイスはサブフレームm1+d+c(1302)にて第2のD2Dリンクの受信活性化割当て情報に対応するUL受信成否情報を第1の基地局に送信する。この時点で,前記サブフレームm1+d+c(1302)は,上述の第3の実施形態によれば,第1のD2Dリンクの受信成否情報が第2のデバイスから受信すべきサブフレームと重なることがある。すなわち,第2のD2Dリンクの受信活性化割当て情報に対するUL受信成否情報が第1の基地局から受信される(判決注・
第1の基地局から受信されるは,第1の基地局に送信されるの誤記と認める。)サブフレームが,第1のD2Dリンクを介して送信されるデータの受信成否情報が第2のデバイスから受信されるサブフレームと重なった場合,第1のデバイスは,前記第2のデバイスから受信成否情報を受信するよりも,第2の基地局(判決注・
第2の基地局は第1の基地局の誤記と認める。)から受信された
第2のD2Dリンクの受信活性化割当て情報に対するUL受信成否情報の送信を優先的に行う。
[0249]

第1のデバイスは,サブフレームm1+dで第2のデバイス

から(判決注・第2のデバイスからは,第1のデバイスからの誤
記と認める。)第2のデバイスへと送信された第1のD2Dリンクのデータについての受信成否情報を受信していないため,無駄な電力消費を防止するため,第1のデバイスは,UL受信成否情報が送信されたサブフレームからdサブフレーム後のサブフレームm1+2d+c(1303)では第1のD2Dリンクのデータを送信しなくてもよい。第1のデバイスは,第1のD2Dリンクのデータについての受信成否情報をサブフレームm1+2d+2cにて受信した後,第1のD2Dリンクのデータについての受信成否情報に基づいて,サブフレームm1+3d+2cにおいて第1のD2Dリンクのデータを第2のデバイスに送信してもよい。
[0250]

さらに,第1のデバイスはサブフレームm1+2d+c(1

303)において第1のD2Dリンクのデータを送信してもよい。このとき,
第1のデバイスは第1のD2Dリンクのデータ(すなわち,サブフレーム1303のデータ)を初送又は再送し,第2のD2Dリンクの受信活性化割当て情報を受信した後の最初の送信となる。すなわち,第1のデバイスは,新規の受信活性化割当て情報(第2のD2Dリンクの受信活性化割当て情報)が受信された後に最初に送信される第1のD2Dリンクのデータが常に初送又は再送にて送信されるように構成されてもよい。
(2)

前記(1)の記載事項によれば,引用例には,次のような開示があることが
認められる。

従来技術の既存のセルラー方式の移動通信とD2D通信(他のデバイスと通信することを望むデバイスが,制御を行う中央ノード(セルラーネッ
トワークの基地局)にリンク確立を要求し,中央ノードが,通信相手のデバイスが前記デバイスの周辺に位置している場合に,D2D通信のための無線リソースを割り当てることによって前記デバイスが通信相手デバイスとD2D通信を行うことを可能にするD2D通信方式によるD2D通信)とを組み合わせた通信システムにおいては,D2D通信を行うために必要なD2D通信の適応送信,スケジューリング及び電力制御のような多くの技術が,現在のセルラーネットワークではサポートされないという問題がある([0008],[0010],[0012])。

本発明の例示的な実施形態は,関連技術の制限及び不都合による1つ又は複数の問題を実質的に回避するために提供される([0012])。
3
一致点の認定の誤り及び相違点の看過について
原告は,引用発明は,本件補正発明の前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップの構成(本件構成E-1)を備えていないから,本件審決認定の一致点のうち,両発明が上記構成を備える点で一致すると認定したのは誤りであり,本件審決には相違点の看過がある旨主張するので,以下において判断する。
(1)

本件補正発明の
第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているときの意義についてア(ア)

本件補正発明の特許請求の範囲(請求項1)の記載によれば,本件
補正発明は,ネットワークに対するデバイスツーセルラ(D2C)オペレーションを実行するための第1のサブフレームを決定するステップ(302)と,前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突しないとき,前記D2Cオペレーションを前記第1のサブフレームにおいて実行するステップ(304)と,前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突するとき,前記D2Cオペレーションを前記第1のサブフレームにおいて実行し,前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップ(306)(本件構成D)と,を備え,前記方法はさらに,前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップ(本件構成E-1)を備える通信デバイスのためのデバイスツーデバイス(D2D)オペレーションを処理する方法を含むことの記載がある。上記記載から,本件構成E-1は,前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突するとき,前記D2Cオペレーションを前記第1のサブフレームにおいて実行し,前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップ(本件構成D)を前提とし,さらに付加されたステップであると理解できるから,本件構成Dと本件構成E-1とは関連付けて解釈すべきものである。
そうすると,本件構成E-1の前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているときとは,本件構成Dの前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,前記D2Cオペレーションを前記第1のサブフレームにおいて実行し,前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップが行われた場合において,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているときを意味するものであり,本件構成E-1は,このときに,前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップを備えることを規定したものと解される。このように本件構成E-1のステップでは,前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーション及び前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのいずれもがストップされると解される。
このような解釈は,本件明細書の【0023】における第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションは,第1のサブフレームにおけるスケジュール割当てによってトリガーがかけられるので,通信デバイスは,

第1のサブフレームおよび第3のサブフレームの両方においてD2Dオペレーションをストップする。

との記載と整合するものである。
以上の本件補正発明の特許請求の範囲(請求項1)の文言及び本件明細書の上記記載から,本件構成E-1の前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションは前記第1のサブフレームで実行されるD2Dオペレーションを意味するものと解されるから,本件構成E-1の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているときとは,スケジューリング割当てが第1のサブフレームで実行されるD2Dオペレーションのためのものであり,当
該スケジューリング割当てによって,併せて第3のサブフレームがスケジュールされているときを含むものと解するのが相当である。
(イ)

次に,本件補正発明の特許請求の範囲(請求項1)には,本件構成
E-1の
前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーション
の内容を規定する記載はない。
また,本件明細書には,D2Cオペレーションが第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションと衝突し,第2のサブフレームがD2Dオペレーションによる第1のサブフレームに対応する再送サブフレームであるとき,処理30において通信デバイスはさらに第2のサブフレームにおけるD2Dオペレーション(例,再送)をストップし得る。すなわち,D2Dオペレーションのための再送は第2のサブフレームにおいて必要とされないことがあり得るので,通信デバイスは,第1のサブフレームおよび第2のサブフレームの両方においてD2Dオペレーションをストップする。(【0023】)との記載があり,この記載は,第2のサブフレームにおけるD2Dオペレーションは,(例,再送)の送受信であることを示すものといえる。一方で,第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションについては,本件明細書全体をみても,再送の送受信を除外する記載も示唆もない。
そうすると,本件構成E―1の前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションは,前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによって,併せてスケジュールされている初期送受信又は再送の送受信の双
方が含まれるものと解するのが相当である。

これに対し原告は,①本件補正発明の特許請求の範囲の記載及び本件明細書の記載においては,初期送受信のサブフレームと再送サブフレームを区別しており,再送という文言が用いられていない第3のサブフレームは,初期送受信のサブフレームを意味するものであるから,本件構成E-1の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているときにいうスケジューリング割当てによってスケジュールされた前記D2Dオペレーションは,初期送受信であること,②本件明細書の【0023】記載の第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションは,第1のサブフレームにおけるスケジュール割当てによってトリガーがかけられるとは,第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションが,第1のサブフレームにおけるスケジュール割当てによってスケジュールされることを意味すること,③本件補正発明の特許請求の範囲の文言,本件明細書の【0023】の記載及び技術常識によれば,本件構成E-1の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするとは,第1のデバイスが,第2のデバイスとの初期送信(前記D2Dオペレーション)のためのス
ケジューリング割当てを用意したが,そのスケジューリング割当てを前記第1のサブフレームにおいてD2Dオペレーションで第2のデバイスに対して送信することをストップすることを意味することからすれば,本件構成E-1の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているとは,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおいて第1のデバイスがD2Dオペレーションで行った,第1のデバイスと第2のデバイスとの初期送信(前記D2Dオペレーション)のためのスケジューリング割当てによってスケジュールされていることを意味する旨主張する。
しかしながら,上記①の点については,前記ア(イ)のとおり,本件構成E―1の前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションは,前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによって,
併せてスケジュールされている
初期送受信又は再送の送受信の双方が含まれるものと解するのが相当であり,これを再送の送受信に限定する理由はない。
次に,上記②及び③の点については,本件補正発明の特許請求の範囲及び本件明細書のいずれにおいても,本件構成E-1の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てがデバイス間のD2Dオペレーションで行われることや,スケジューリング割当てを行う主体が第1のデバイスであることについては記載も示唆もないから,理由がない。かえって,前記ア(ア)のとおり,本件構成Dと本件構成E-1とは関連付けて解釈すべきものであり,本件構成E-1の前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションは第1のサブフレームで実行されるD2Dオペレーションを意味するものと解され,しかも,本件補正発明においては,本件構成Dにより,当該第1のサブフレームで実行されるD2Dオペレーション前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーション(

はストップされているのであるから,第1のサブフレームにおいて,第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションがスケジューリング割当てによってスケジュールされているという事態を想定することができない。原告がいうような第1のデバイスが,第2のデバイスとの「初期送信(前記D2Dオペレーション)のためのスケジューリング割当てを用意した」というだけでは,前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションがスケジューリング割当てによってスケジュールされているとまではいえない。
したがって,原告の上記主張は,採用することはできない。
(2)

引用発明における本件構成E-1に相当する構成の有無について
引用例の記載([0181],[0207],[0248],[0249]及び図13)によれば,引用発明においては,図13に示すように,上位レイヤシグナリングとして基地局から受信するサブフレームの間隔であるc及びdに基づいて,第1の基地局(1310)に対するUL受信成否情報を送信するためのサブフレーム(m1+d+c(1302)を決定し,)第1の基地局(1310)に対するUL受信成否情報の送信が決定された前記サブフレーム(m1+d+c(1302))において第2のデバイス(1321)からの第1のD2Dリンクの受信成否情報の受信と重なるとき,第1の基地局に対する前記送信を前記サブフレーム(m1+d+c(1302)において実行し,)前記サブフレーム(m1+d+c(1302))における第2のデバイス(1321)からの前記受信をストップし,さらに,第1の基地局(1310)に対するUL受信成否情報の前記送信が決定された前記サブフレーム(m1+d+c(1302))において第2のデバイス(1321)からの第1のD2Dリンクの受信成否情報の前記受信と重なり,第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの送信(m1+d,m1+2d+c,m1+3d+2c)に対する第2のデバイスからの受信成否情報の受信がデータの送信からcサブフレーム後に為され(m1+d+c,m1+2d+2c,m1+3d+3c),第2のデバイス(1321)からの当該受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送(NACKの場合,NDI=1)又は次のデータの送信(ACKの場合,NDI=0)が受信成否情報の受信(m1+d+c,m1+2d+2c,m1+3d+3c)からdサブフレーム後に為され(m1+2d+c,m1+3d+2c,m1+4d+3c),これらの動作が繰り返されるとき,受信しなかった受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへのデータを送信(再送(NACKの場合)又は次のデータの送信(ACKの場合)をしないことが開示されていることが認められる。また,引用例の[0181]には,引用発明の第1の基地局(1310)に対するUL受信成否情報の前記送信が決定された前記サブフレーム(m1+d+c(1302))は,第1のデバイスにおいてプリセット又は上位レイヤシグナリングを介して通知されたa1の値に基づいて決定されることが開示されていることが認められる。
そうすると,引用発明の第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの送信に対する第2のデバイスからの受信成否情報の受信がデータの送信からcサブフレーム後に為され,第2のデバイスからの当該受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送又は次のデータの送信が受信成否情報の受信からdサブフレーム後に為され,これらの動作が繰り返されるときにおいては,上位レイヤシグナリングとして基地局から受信するサブフレームの間隔であるc及びdに基づいて,データの送信(再送又は次のデータの送信)が,前回のデータの送信の受信成否情報の受信のdサブフレーム後としてスケジュールされており,受信成否情報の受信が当該受信成否情報に係るデータの送信のcサブフレーム後としてスケジュールされているということができるから,引用発明の第2のデバイスからの当該受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送又は次のデータの送信と第2のデバイスからの第1のD2Dリンクの受信成否情報の受信とは,一方に対するスケジューリング割当てにより,そのcサブフレーム後あるいはdサブフレーム後に,他方がスケジュールされている関係にあるものと認められる。
ここで,本件補正発明の本件構成E-1のうち第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているときは,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによって,併せてスケジュールされているときを含み,第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションのためのスケジューリングは,初期送信のためのスケジューリング及び再送のためのスケジューリングの双方が含まれることは前記(1)アのとおりであるから,引用発明の第2のデバイスからの当該受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送又は次のデータの送信は,本件構成E-1の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているときの第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションに相当するといえる。そして,引用発明の受信しなかった受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへのデータを送信しないことは,本件構成E-1の前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップすることに相当するといえる。
したがって,引用発明の第1の基地局に対するUL受信成否情報の前記送信が決定された前記サブフレームにおいて第2のデバイスからの第1のD2Dリンクの受信成否情報の前記受信と重なり,第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの送信に対する第2のデバイスからの受信成否情報の受信がデータの送信からcサブフレーム後にされ,第2のデバイスからの当該受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送又は次のデータの送信が受信成否情報の受信からdサブフレーム後にされ,これらの動作が繰り返されるとき,受信しなかった受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへのデータを送信しないは,本件構成E-1の前記D2Cオペレーションが前記第1のサブフレームにおいて前記D2Dオペレーションと衝突し,第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされているとき,前記第3のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションをストップするステップに相当するということができるから,引用発明は,本件構成E-1に相当する構成を備えていることが認められる。

これに対し原告は,①引用例には,リソース情報をコア情報として含むべきスケジューリング割当てによるスケジューリング(初期送信のためのスケジューリング)については何ら記載がないから,引用発明の受信成否情報の受信に基づく第2のデバイスへの第1のD2Dリンクのデータの再送又は次のデータの送信が為されるサブフレーム(サブフレームml+2d+c(1303))は,再送のスケジューリングに関する情報によってスケジューリングされているサブフレームにすぎず,スケジューリング割当てによってスケジュールされている第3のサブフレームに該当しないこと,②引用例には,引用発明において,D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てが基地局とデバイスとの間のD2Cオペレーションとして送受信されることが記載されているにすぎず,D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てが,デバイス間のD2Dオペレーションとして送受信されることについては,開示も示唆もないことによれば,引用発明が本件構成E-1の第3のサブフレームが前記第1のサブフレームにおける前記D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てによってスケジュールされるとの構成を備えているといえない旨主張する。
しかしながら,上記①の点については,第3のサブフレームにおけるD2Dオペレーションのためのスケジューリングは,初期送信のためのスケジューリング及び再送のためのスケジューリングの双方が含まれることは前記(1)ア(イ)のとおりであるから,その前提において理由がない。
また,上記②の点については,本件補正発明の特許請求の範囲(請求項1)の記載中には,D2Dオペレーションのためのスケジューリング割当てが基地局とデバイスとの間のD2Cオペレーションとして送受信されることを除外する記載はない。
したがって,原告の上記主張は採用することができない。
(3)

小括
以上によれば,本件審決の一致点の認定に誤りはないから,本件審決にお
ける一致点の認定の誤り及び相違点の看過を理由に本件補正発明の進歩性を否定した本件審決の判断に誤りがあるとの原告主張の取消事由は,その前提において,理由がない。
4
結論
以上のとおり,原告主張の取消事由は理由がないから,本件審決を取り消すべき違法は認められない。
したがって,原告の請求は棄却されるべきものである。

知的財産高等裁判所第4部

裁判長裁判官

大鷹一郎
裁判官

古河謙一
裁判官

岡山忠広
(別紙1)

図1

図3

(別紙2)

図8

図13

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