判例検索β > 平成29年(わ)第175号
覚せい剤取締法違反等
事件番号平成29(わ)175
事件名覚せい剤取締法違反等
裁判年月日平成30年6月18日
裁判所名・部福岡地方裁判所  小倉支部
裁判日:西暦2018-06-18
情報公開日2018-07-20 12:00:09
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事件番号

平成29年

第416号,

第719号
事件名
覚せい剤取締法違反,国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律違反(変更後の訴因

国際的な協力の下に規制

薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律違反)
詐欺被告事件
宣告日
宣告裁判所

平成30年6月18日
福岡地方裁判所小倉支部
主文
被告人を懲役7年及び罰金200万円に処する
未決勾留日数中350日をその懲役刑に算入する。
その罰金を完納することができないときは,金1万円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
被告人から金180万円を追徴する。
理由
(罪となるべき事実)
第1

被告人は,Aと共謀の上,平成23年5月14日,北九州市a区bc丁目d番e号のB店において,真実は,クレジットカードに付帯して発行されるETCカードを名義人であるAが自ら利用する意思はなく,同カードを被告人に交付して利用させる意図であるのにその情を秘し,Aが同カードを自ら利用するかのように装って,同カードの申込みを兼ねたCカードの入会申込書を,B店従業員Dを介して,広島県福山市f町g番h号の株式会社Eへ提出し,有料道路での自動料金収受システム機能を有するA名義のFETCカードの発行方を申し込み,同月28日頃,横浜市i区jk丁目l番地m所在の株式会社F(現G株式会社)業務センターカードセンター審査担当係員らをして,発行されたFETCカードをAが他人に交付することなく自ら利用するものと誤信させて同カードの発行手続をとらせ,よって,同年7月3日頃から同月11日頃までの間に,福岡県遠賀郡n町op番q-r号の同人方において,同社が同カードの発行及び発送業務等を委託したH株式会社担当者から郵便局員を介して同カード1枚の交付を受け,もって人を欺いて財物を交付させた。
第2

被告人は,I組に所属する暴力団員であるが,暴力団員の入居が認められていないアパートの賃借権を不正に取得しようと考え,被告人の実子であるJと共謀の上,平成26年6月17日,福岡県遠賀郡n町s町t番u号のアパートKの駐車場に駐車中の自動車内において,L株式会社から前記アパートの賃貸借契約の審査及び契約締結等を委託されているM株式会社N支店従業員Oに対し,暴力団員の入居が認められていない前記アパートに関し,真実は,Jにはそのアパートを使用する意思がなく,賃貸借契約締結後は,暴力団員である被告人が使用する意図であるのにその情を秘し,あたかもJが使用するかのように装って,同人が,前記K202号室の賃借方を申し込み,O及び同支店テナント営業課長Pをしてその旨誤信させ,よって,同月21日,北九州市a区vw丁目x番y号Qビル1階の同支店事務所において,Jを賃借人として同室を同年7月22日から平成28年7月31日までの間賃貸する旨の賃貸借契約を締結させた上,平成26年7月22日,前記支店事務所において,Oから同室の鍵を受け取るなどして同室の引渡しを受け,賃借権を不正に取得し,もって人を欺いて財産上不法の利益を得た。

第3

被告人は,Jと共謀の上,平成26年6月17日,福岡県遠賀郡n町z町α番β号のR信用金庫S支店において,同人が,同支店店員Tに対し,真実は開設する普通預金口座を自ら利用する意思がなく,交付を受ける同口座の預金通帳等を被告人に譲渡する意図であるのに,その情を秘し,Jが同口座を自ら利用するかのように装って,同人名義の普通預金口座の開設及び同口座開設に伴う預金通帳等の交付を申し込み,T及び同支店次長Uにその旨誤信させ,よって,同日,同所において,TからJ名義の総合口座通帳1通の交付を受けるとともに,同年7月中旬頃,北九州市γ区δε丁目ζ番η号のV株式会社W支店において,同社従業員を介して,同口座にかかるキャッシュカード1枚の交付を受け,もって人を欺いて財物を交付させた。
第4
1
被告人は,
営利の目的で,みだりに,平成27年4月13日,福岡県遠賀郡n町大字θι番κのX店駐車場に駐車中の自動車内において,Yに指示して,Zに対し,覚せい剤であるフエニルメチルアミノプロパンの塩酸塩の結晶約1グラムを代金2万5000円で譲り渡し,

2
薬物犯罪を犯す意思をもって,別表(別表は省略)記載のとおり,同年1月2日頃から同年5月6日頃までの間,Yに指示して,甲に対し,福岡県遠賀郡λ町μν丁目ξ番ο号の乙株式会社丙センターほか1か所において,覚せい剤様のもの入り宅配便合計7個を鹿児島県奄美市π町大字ρσ番τ丁棟の甲方に宛てて発送し,情を知らない宅配便配達員に同所へ配達させて甲に受領させる方法,及び,北九州市a区υ町φ番χ号の戊店付近において,直接,甲に引き渡す方法で,覚せい剤様のもの合計約78グラムを覚せい剤として代金合計180万円で譲り渡し,
もって,覚せい剤を譲り渡す行為と薬物犯罪を犯す意思をもって薬物その他の
物品を規制薬物として譲り渡す行為を併せてすることを業とした。(証拠の標目)
(累犯前科)
(法令の適用)

省略
省略
省略

(量刑の理由)
量刑判断の中心となるのは判示第4の犯行である。被告人は,知り合いを仲間に誘い入れ,小分けや配達・発送の指示を与えて,判示のとおり,覚せい剤等の密売を続け,その害悪を社会に拡散させることで収益を上げていたもので,態様は悪質であり,犯行を主導した被告人の責任は重大であるが,密売の規模や役割分担の仕方等からすれば,組織性が高かったとまではいえず,同種事案(覚せい剤の業としての譲渡,共犯,組織的,薬物の量が1ないし100グラム)の量刑傾向(懲役7年をピークとする。
)の中では,やや軽い部類に属する。
そこで,被告人が,親族らを巻き込んで判示第1ないし第3の詐欺に及んだことや,累犯前科があること,他方で,被告人が本件各事実を認めて反省の弁を述べていること等を考慮し,主文の刑を科すこととした。
(求刑:懲役9年及び罰金200万円,追徴180万円

弁護人の科刑意見:懲役

5年6月及び相当額の罰金,相当額の追徴)
平成30年6月18日
福岡地方裁判所小倉支部第1刑事部

裁判長裁判官

松藤和
裁判官

向井亜
裁判官

髙野将博紀子人
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