判例検索β > 平成25年(ワ)第20534号
損害賠償請求事件 不正競争 民事訴訟
事件番号平成25(ワ)20534
事件名損害賠償請求事件
裁判年月日平成27年9月11日
法廷名東京地方裁判所
裁判日:西暦2015-09-11
情報公開日2017-10-19 09:33:44
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平成27年9月11日判決言渡

同日原本交付

平成25年(ワ)第20534号
口頭弁論終結日

裁判所書記官

損害賠償請求事件

平成27年7月15日
判決
別紙当事者目録記載のとおり
主文1
原告の請求をいずれも棄却する。

2
訴訟費用は,原告の負担とする。
事実及び理由

第1
1
請求の趣旨
被告リブ・コンサルティング(以下被告リブ社という。),被告C(以下被告Cという。)及び被告A(以下被告Aという。)は,原告に対し,連帯して2735万3564円及びこれに対する被告リブ社,被告Cについては平成25年9月13日(被告リブ社及び被告Cに対する訴状送達の日の翌日)から,被告Aについては平成25年9月19日(被告Aに対する訴状送達の日の翌日)から,支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2
被告リブ社,被告C及び被告B(以下被告Bという。)は,原告に対し,連帯して8439万9726円及びこれに対する平成25年9月13日(被告リブ社,被告C及び被告Bに対する訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

3
被告リブ社,被告合同会社オートビジネス・コンサルティング(以下被告オートビジネス社という。),被告C及び被告Bは,原告に対し,連帯して2715万3534円及びこれに対する被告リブ社,被告C及び被告Bについては平成25年9月13日(被告リブ社,被告C及び被告Bに対する訴状送達の日の翌日)から,被告オートビジネス社については平成25年9月27日(被告オートビジネス社に対する訴状送達の日の翌日)から,支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4
被告リブ社,被告オートビジネス社,被告A及び被告Bは,連帯して8億9042万2233円及びこれに対する被告リブ社及び被告Bについては平成25年9月13日(被告リブ社及び被告Bに対する訴状送達の日の翌日)から,被告オートビジネス社については平成25年9月27日(被告オートビジネス社に対する訴状送達の日の翌日)から,被告Aについては平成25年9月19日(被告Aに対する訴状送達の日の翌日)から,支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

5
仮執行宣言

第2

事案の概要

1
前提となる事実等(証拠の摘示のない事実は,争いのない事実又は弁論の全趣旨から容易に認められる事実である。)
(1)当事者
原告は,平成21年5月に株式会社日本エル・シー・エーから会社分割の方法により設立された,住宅,建設,不動産業界,自動車関連業界,組織開発,人材育成等に関するコンサルティング事業を行う会社である。株式会社日本エル・シー・エーは,その後株式会社L’ALBAホールディングスと,さらに平成25年8月に株式会社エル・シー・エー・ホールディングスへと商号変更をした(商号変更の前後を問わず,以下エル社とい
う。)。原告は,エル社の傘下である株式会社インタープライズ・ホールディングス(以下IPHという。)の子会社であり,エル社の孫会社である。
被告Cは,平成2年1月にエル社に入社し,平成21年8月に同社取締役,平成22年8月には同社代表取締役となった。被告Cは,平成21年8月から平成25年1月までは原告の代表取締役でもあった。
被告Aは,平成14年4月にエル社に入社し,平成21年5月,同社から株式分割の方法により原告が設立されるに伴い,原告の取締役,平成22年5月に専務取締役となった。被告Aは,平成24年7月24日に自らが代表取締役となって被告リブ社を設立し,同月31日をもって原告の取締役を退任した。
被告Bは,平成8年4月に訴外日本水産株式会社に入社し,平成17年に同社を退社した後,エル社に入社し,平成21年5月に原告に転籍して,同社自動車事業部部長,平成23年に執行役員となった。被告Bは,平成24年8月6日に被告オートビジネス社を設立し,同月20日をもって原告を退職し,被告リブ社の取締役に就任している。
被告リブ社は,被告Aが,原告を退職する前の平成24年7月24日,同人によって設立された資本金300万円の株式会社であり,経営・事業に関するコンサルティング業務を主たる業務とする。同社の代表取締役は被告Aであり,被告Bもまた,原告を退職した後すぐに同社の取締役に就任している。
被告オートビジネス社は,被告Bが原告を退職する前の平成24年8月6日に,同人によって設立された資本金30万円の合同会社であり,被告リブ社と同様に経営・事業に関するコンサルティング業務を主たる業務とし,被告Cが原告の自動車事業部の事業部長をしていた経緯から,自動車関連会社のコンサルティングを行っている。
(2)

各業務委託契約等の締結
原告と被告リブ社,被告B,被告オートビジネス社は,平成24年7月31日ないし同年12月31日の間に,以下の①ないし⑧の業務委託契約(以下本件業務委託契約①ないし本件業務委託契約⑧といい,併せて本件各業務委託契約という。)を締結し,このうち④,⑤,⑦及び⑧を除く①ないし③及び⑥については債務弁済契約公正証書を作成した。


被告Cは,原告の代表者として,被告リブ社との間で,平成24年7月31日,別紙一覧表1記載の内容の業務(各会社に対するコンサルティング業務)につき,同年8月1日から別紙一覧表1記載の各会社との契約期間満了日まで原告が被告リブ社に対しこれを委託し,その報酬として,原告が被告リブ社に対し合計1293万6677円を支払う旨の業務委託契約を締結した。なお,別紙一覧表の状況欄記載のとおり,いずれのコンサルタント契約についても,上記業務委託契約締結当時,顧客における被告Aに対する個人的信頼が強いことや,コンサルティング支援内容の専門性が高く他のコンサルタントでは代替できないことから,既に契約締結当時において,被告Aの原告からの退職に伴って中途解約となる可能性が極めて高いことが指摘されていた。〔甲11の1〕また,被告A及び被告C(被告Cの代理人としてG〔以下Gとい
う。〕)は,同日,銀座公証役場において,上記金額のうち690万4065円につき強制執行認諾条項(第5条)付き債務弁済契約を締結し,債務弁済契約公正証書を作成した。〔甲11の2〕



被告Cは,原告の代表者として,被告Bとの間で,平成24年7月31日,別紙一覧表2記載の内容の業務(各会社に対するコンサルティング業務)につき,同年8月21日から別紙一覧表2記載の各会社との契約期間満了日まで原告が被告リブ社に対しこれを委託し,その報酬として,原告が被告Bに対し合計1億5345万4049円を支払うことを内容とする業務委託契約を締結した。〔甲12の1〕
また,被告B及び被告C(被告Cの代理人としてG)は,同日,銀座公証役場において,上記金額のうち7451万1566円につき強制執行認諾条項(第5条)付き債務弁済契約を締結し,債務弁済契約公正証書を作成した。〔甲12の2〕



被告Cは,原告の代表者として,被告オートビジネス社との間で,平成24年8月31日,別紙一覧表3記載の内容の業務(各会社に対するコンサルティング業務)につき,同年8月21日から別紙一覧表3記載の各会社との契約期間満了日まで原告が被告リブ社に対しこれを委託し,その報酬として,原告が被告オートビジネス社に対し合計2063万3285円を支払う旨の業務委託契約を締結した。〔甲13の1〕
また,被告C及び被告Bは,同日,銀座公証役場において,上記金額のうち1628万7574円につき強制執行認諾条項(第5条)付き債務弁済契約を締結し,債務弁済契約公正証書を作成した。〔甲13の2〕④

被告Cは,原告の代表者として,被告リブ社との間で,平成24年9月30日,別紙一覧表4記載の内容の業務(各会社に対するコンサルティング業務)につき,同年9月21日から別紙一覧表4記載の各会社との契約期間満了日まで原告が被告リブ社に対しこれを委託し,その報酬として,原告が被告リブ社に対し合計635万7881円を支払う旨の業務委託契約を締結した。〔甲14〕



被告Cは,原告の代表者として,被告リブ社との間で,平成24年10月31日,別紙一覧表5記載の内容の業務(各会社に対するコンサルティング業務)につき,同年10月21日から別紙一覧表5記載の各会社との契約期間満了日まで原告が被告リブ社に対しこれを委託し,その報酬として,原告が被告リブ社に対し合計1021万6409円を支払う旨の業務委託契約を締結した。〔甲15〕



被告Cは,原告の代表者として,被告オートビジネス社との間で,平成24年11月26日,別紙一覧表6記載の内容の業務(各会社に対するコンサルティング業務)につき,同年11月21日から別紙一覧表6記載の各会社との契約期間満了日まで原告が被告リブ社に対しこれを委託し,その報酬として,原告が被告オートビジネス社に対し合計2873万6778円を支払う旨の業務委託契約を締結した。〔甲16の1〕また,被告C及び被告Bは,同日,銀座公証役場において,上記金額と同額につき強制執行認諾条項(第5条)付き債務弁済契約を締結し,債務弁済契約公正証書を作成した。〔甲16の2〕


被告Cは,原告の代表者として,被告リブ社との間で,平成24年11月30日,別紙一覧表7記載の内容の業務(各会社に対するコンサルティング業務)につき,同年11月21日から別紙一覧表7記載の各会社との契約期間満了日まで原告が被告リブ社に対しこれを委託し,その報酬として,原告が被告リブ社に対し合計1132万4176円を支払う旨の業務委託契約を締結した。〔甲17〕



被告Cは,原告の代表者として,被告リブ社との間で,平成24年12月31日,別紙一覧表8記載の内容の業務(各会社に対するコンサルティング業務)につき,同年12月21日から別紙一覧表8記載の各会社との契約期間満了日まで原告が被告リブ社に対しこれを委託し,その報酬として,原告が被告リブ社に対し合計889万8611円を支払う旨の業務委託契約を締結した。〔甲18〕


原告は,上記アに基づき,被告リブ社らに対し,業務委託報酬の支払をした。

(3)本件と関連する別件訴訟の概要

東京地裁平成25年(ワ)第3091号損害賠償請求事件(以下別件訴訟1という。)被告A,被告Bが原告となり,本件原告及びエル社を被告として訴えた名誉毀損損害賠償請求訴訟である。
被告Aらは,平成25年1月17日に,原告の当時の代表者であったD(以下Dという。)が,原告の従業員らに対し,メール(以下本件メールという。)により,①被告Aらが持株会を通じて原告の株式を取得するに当たり背任罪又は特別背任罪に当たる行為に関与したという事実を摘示し(以下摘示部分1という。),②被告Aらが原告に在職中に同社の従業員らに対し被告リブ社に移籍するよう促したという事実を摘示し(以下摘示部分2という。),③被告Aらが正しい情報を提供せずに被告リブ社へのコンサルティング契約の切替えを依頼したとの事実を摘示し(以下摘示部分3という。),④被告Aらは許諾の範囲を超えて原告の著作物を利用しているとの事実を摘示し(以下摘示部分4という。),これにより被告Aらの社会的評価を低下させたとして,名誉毀損の不法行為に基づく損害賠償として,原告及びエル社に対し連帯して,それぞれ550万円及び遅延損害金の支払を求めたものである。
平成26年11月11日,東京地裁は,①摘示部分1ないし4はいずれも被告Aらの社会的評価を低下させるものであるが,公共の利害に関する事実であり専ら公益を図る目的であったと認められる,②摘示部分1,同3については重要な部分において真実であることの証明があり,意見や論評の域を逸脱したものともいえない,③摘示部分2,同4については重要な部分において真実であることの証明があったとはいえず,真実と信じたことにつき相当の理由があるともいえないとして,被告A及び被告B各自に対し,本件原告,エル社において連帯して55万円及びこれに対する遅延損害金の支払を命じる判決をした。〔乙イ26〕これに対し,上記事件被告である本件原告,エル社が控訴したが(東京高裁平成26年(ネ)第6444号損害賠償請求控訴事件),東京高裁は,平成27年3月31日,控訴棄却の判決をした。〔乙イ28〕イ
東京地裁平成25年(ワ)第16785号業務委託料等請求事件(以下別件訴訟2という。)
被告リブ社が原告となり,本件原告に対して業務委託料等の支払を請求した事件である。
2
事案の概要
本件は,原告が,原告の代表取締役であった被告Cは会社のため善管注意義務ないし忠実義務を負い,被告Aも原告の専務取締役として被告C同様の義務を,被告Bも原告の執行役員として被告C及び被告A同様の義務を負っていたところ,本件各業務委託契約については,各契約締結の相手方である被告リブ社ないし被告オートビジネス社,及び,同社の代表者である被告Aないし被告Bの利益を図る目的のもとに,被告Aないし被告B,及び,これらの者と契約を締結した被告Cらで共謀の上,被告Aないし被告B,及び,被告Cは上記義務に背き,原告に帰属すべき利益を被告Aないし被告Bに不法に帰属させ,あるいはその利益を図り,被告リブ社ないし被告オートビジネス社へ利益を還流させる目的をもって本件各業務委託契約等を締結して原告に損害を与える共同不法行為を行ったところ,原告の損害額は,本件各業務委託契約に基づく業務委託料債務の55%相当額であるとして,原告に対し,(1)被告リブ社,被告C及び被告Aは,本件業務委託契約①,④,⑤,⑦及び⑧についての共同不法行為に基づく損害賠償として合計2735万3564円の支払義務があり,連帯して同額及びこれに対する民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を(請求の趣旨第1項),(2)被告リブ社,被告C及び被告Bは,本件業務委託契約②についての共同不法行為に基づく損害賠償として8439万9726円の支払義務があり,連帯して同額及びこれに対する民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を(請求の趣旨第2項),(3)被告リブ社,被告オートビジネス社,被告C及び被告Bは,本件業務委託契約③及び⑥についての共同不法行為に基づく損害賠償として合計2715万3534円の支払義務があり,連帯して同額及びこれに対する民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を(請求の趣旨第3項),(4)被告A,被告Bは,共謀して,原告のノウハウ,顧客情報等の営業秘密を不正に取得して使用し,原告所属のコンサルタントに対する引き抜き行為を行い,原告のそれとほとんど同じパンフレットや印刷物を作成・頒布し,あるいは,原告の社歴を被告リブ社あるいは被告オートビジネス社の説明に引用するなどして,その顧客に対し,既存の業務委託契約について原告を外して被告リブ社ないし被告オートビジネス社との間の直接契約に切り換えさせ,あるいは,原告との契約更新時にあたかも原告の社名が被告リブ社ないし被告オートビジネス社へ変更されたかのごとく説明するなどし,その結果誤認した顧客をして契約を締結させ,もって,被告A,被告B,被告リブ社及び被告オートビジネス社が利益を上げ,原告に対し8億9042万2233円の損害を与える不正競争行為(不正競争防止法〔以下不競法という。〕2条1項4号)ないし共同不法行為を行ったとして,損害賠償として,連帯して同額及びこれに対する民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を(請求の趣旨第4項),それぞれ求めた事案である。
3
争点

(1)本件各業務委託契約の締結が不法行為に当たるか
(2)被告らによる営業秘密の使用等の不正競争行為ないし共同不法行為の成否(3)損害発生の有無及びその額
第3
1
争点に関する当事者の主張
争点(1)(本件各業務委託契約の締結が不法行為に当たるか)について
〔原告の主張〕
(1)被告C,被告A及び被告Bは,業務内容,事業地域からして原告と明確に競合関係に立つ新会社である被告リブ社,被告オートビジネス社を設立し,原告が得るべき利益を不法に得ようと考えて,原告がコンサルティング契約に基づき委託会社から受領する金額のうち利益の95%相当額を,被告B,被告A,及び同人らが代表取締役を務める被告リブ社,被告オートビジネス社へ支払う旨の本件各業務委託契約を締結したばかりか,その一部につき利益を確実に帰属させるために強制執行認諾条項付き公正証書を締結することを合意した。
被告Cは,原告の代表者として原告の利益を追求し自社に損害を与えることのないよう業務を執行しなければならないのに,被告A及び被告Bとともに上記行為に及んだことは,原告に対する不法行為である。
以上のとおり,上記被告らの行為は,共同不法行為に該当する。
(2)被告Aと被告Cは,原告においては,原告から独立した従業員との間で業務委託契約を締結する場合,その業務委託料は基本的に粗利の40%までの範囲で定めており,粗利の95%の料率は法外な金額であることを十分に認識していた。なお,上記金額が法外な金額であることは,そもそも算定根拠となる粗利額には,外注費が控除されているものの,原告側において負担する販売費(販売促進費・広告費等)及び一般管理費(人事・経理・役員などの人件費,人事・経理・役員等が入居する事務所を運営するための費用〔光熱費,家賃,減価償却費等〕租税公課,福利厚生費,通信費等)が一切控除されていないことからも明らかである。
〔被告らの主張〕
(1)原告の主張については,否認ないし争う。
(2)被告リブ社の代表取締役である被告Aは,原告の専務取締役の任に当たっていたが,独立してコンサルティング会社である被告リブ社を設立することを決意し,エル社及び原告との間で,エル社を実質的に支配していたE(エル社の元代表取締役であるDの実子。以下Eという。)を介して退職に当たっての条件について協議した。そして,エル社と被告Aは,その協議において,平成24年6月下旬ころまでに,以下のような認識を共有するに至った。


原告の業務について中心的な役割を果たしていた被告Aが退職することになれば,原告の他のコンサルタントらも退職の意向を表明する可能性が高い。


被告Aの退職と同時期に原告の他のコンサルタントらが大量に退職するような事態となった場合,コンサルティングサービスの特殊性に鑑み,原告が顧客の大半を喪失してしまうおそれがあり,ひいてはエル社が上場廃止基準に抵触するおそれがある。



そこで,仮に,原告のコンサルタントらが大量に退職するような事態となったとしても,エル社の上場が維持できるよう,顧客と原告とのコンサルティング契約は維持し,被告Aや他の退職するコンサルタントらにコンサルティングサービスの業務委託(再委託)をするという形をとって,原告に売上が計上されるようにした方がよい。



そのためには,退職するコンサルタントらが他のコンサルティング会社に就職するなどして拡散してしまうことのないよう,相当の業務委託料(再委託料)を支払うことを提示する必要がある。

以上のような認識に基づき,エル社が,原告に,同月29日,コンサルタントらに対して被告Aが退職することになった経緯等に関する説明会を開催させたところ,原告のコンサルタントらの大半は,同年7月下旬までに,被告Aと行動を共にしたいと希望した。
この大量の退職意向を受け,エル社は,その顧問弁護士らから,退職を希望するコンサルタントらの退職時期をできるだけ遅らせるよう努力すべきであるなどと助言されたこともあって,原告の当時の代表取締役である被告Cや,被告Aらに,退職を希望するコンサルタントらのうち,自動車コンサルティング事業部のコンサルタントらには平成24年8月20日まで,異業種コンサルティング事業部のコンサルタントらには同年11月20日まで,住宅・不動産コンサルティング事業部のコンサルタントらには平成25年2月20日まで,それぞれ原告に在籍してもらいたいと説得させた。
そうしたところ,退職を希望するコンサルタントらの大半は,そのような退職時期を受け入れることとなった。
(3)その後,被告Aは,平成24年7月31日付けで,原告の取締役を辞任し,退職することとなったが,前記の共通認識に基づき,原告と,被告Aが設立した被告リブ社との間で,被告Aがコンサルタントとして関与していた顧客に対するコンサルティングサービスについて,業務委託契約が締結されることとなった。その際に作成された確認書(乙イ3)には,被告リブ社が受け取る業務委託料についても明記されており,その内容は事前にエル社及び原告の各取締役会が確認し,エル社の顧問弁護士らによる監修も経たものであった。
このように,エル社及び原告の代表取締役である被告Cが,単独決済により被告リブ社との業務委託契約を締結したものではない。また,その後に,原告と被告リブ社らとの間で締結された本件各業務委託契約の内容も,前記確認書(乙イ3)の内容に沿ったものにすぎない。
このため,原告の当時の代表取締役である被告Cと被告Aらが共謀して,原告に損害を与えることを知りながら,原告と被告リブ社とが顧客から受注した契約の利益の95%相当額を被告リブ社等へ支払わせる旨の業務委託契約を締結したなどということはない。
以上のような経過を経て,被告リブ社は,原告の顧客に対するコンサルティングサービスを行うこととなったものであり,本件各業務委託契約の締結が不法行為に当たることはない。
2
争点(2)(被告らによる営業秘密の使用等の不正競争行為ないし共同不法行為の成否)について

〔原告の主張〕
(1)原告の顧客情報は,以下のとおり営業秘密に該当するからその使用等について不正競争行為が成立するか,少なくとも不法行為に該当する。ア
秘密管理性
原告の顧客情報は,それぞれの従業員がパスワードでアクセスを行うものであり,秘密として管理されている。
そのうえ,原告では,重要な顧客情報のほとんど全てを顧客とのコンサルティング業務委託契約に基づいて取得するところ,個々の従業員は,当該情報をコンサルティング業務の遂行に必要な限度で使用・利用することが許されているにすぎないことから,当然に顧客から与えられた情報が秘密保持の対象となるべきものであることを認識している。そして,業務委託等により原告以外の第三者に対して業務が再委託されて顧客情報を開示する必要がある場合には,当該業務委託先とは秘密保持条項の記載のある業務委託契約書を締結することにより原告から限定的に開示されることになるのであるから,これにアクセスする者は,少なくとも原告の顧客情報が秘密として管理されていることを認識していることは疑う余地がない。したがって,原告の顧客情報は,秘密として管理されている。

有用性・非公知性
原告の顧客情報が事業活動に使用・利用されるものであることは明らかであるから,有用性を有し,かつ顧客情報は,原告従業員において守秘義務の対象となり,原告から業務委託を受ける第三者もまた原告に対して守秘義務を負うことからすれば,非公知性も認めることができる。

不正使用・開示行為
被告A及び被告Bは,原告が保有する営業秘密を,将来的に被告リブ社及び被告オートビジネス社で使用・利用して,原告の顧客を奪い取る意思を以って取得した。そして,被告A及び被告Bは,原告の取締役ないし執行役員として原告との関係で守秘義務を負う立場にありながら,入手した原告の顧客情報を利用し,当該顧客とのコンサルティング業務委託契約を原告から契約当事者を移行させるなどして,予め設立した被告リブ社及び被告オートビジネス社を通じて不正な利益を得ており,まさに営業秘密の不正な使用,開示を行っている。

共同不法行為
上記被告らの行為につき,仮に不競法に定める不正競争に該当しなかったとしても,被告らの行為が原告に対する不法行為を構成することは明らかである。

(2)被告らによるその他の不法行為

原告のコンサルタントの大量引き抜き
被告Aと被告Bは,共謀のうえ,被告Aが設立する被告リブ社へ原告の
コンサルタントのあらかたを一斉に引き抜き,不法に被告リブ社らの利益を図る目的で,Bらと共に,平成24年6月29日のコアデイ(いわゆる全社会議の日)の前(同月18日から同月28日までの間)に原告のコンサルタントらを統括する地位にある部長やマネージャーと面談し,引き抜きに向けた根回しを行った(甲32の1,2,甲35の2)。
そして,被告Aは,同月26日,被告Aらの意図を了知した被告Cと事前のすり合わせを行ったうえで(甲35の2),同月29日のコアデイにおいて,原告のコンサルタントらに対して,L’ALBAホールディングスに原告の株式を返還することになったが,経営コンサルティング事業を知らない株主や経営陣がコンサルティング事業をできるはずもないため,原告の株式を返還することで原告の存続が危ぶまれる,今後も経営コンサルティング事業を存続させるのであればAが独立してコンサルティング事業を引き継ぐしかない,

原告からリブ社へ売上金額の95%で業務委託契約を結んでいる。これは公正証書をまいているから問題がない

旨を説明し,原告のコンサルタントの不安をあおるとともに,あたかも原告やエル社が被告リブ社と業務委託契約書を締結することを承諾しているかのように誤信させて,被告リブ社への移籍を勧誘した。
その後も,被告Aらは,原告のコンサルタントが被告リブ社へ移籍するように,それぞれの意向を把握しながら,移籍を明確に述べないコンサルタントについては個別に面談するなどして根回しを行い(甲34の1),その結果,平成24年7月27日ころ,原告のコンサルタント59名のうち57名が原告を退社する意向を示し,その後の最終確認でも,原告のコンサルタントの49名が原告を退社する意向を示し,同人らは,被告リブ社へ直接または被告オートビジネス社を経由して被告リブ社へ移籍し,あるいは,原告を退社して被告リブ社から業務を請け負うこととなった。これにより,原告は,最も重要な財産である人材を大量に喪失し,コンサルティング事業の縮小を余儀なくされ,原告の顧客から業務委託契約を解約されるなど,多大な損害を被った。他方,被告リブ社は,その設立者である被告Aらの行為によりコンサルタントという重要な財産を不法に得た。
被告A及び被告Bの上記引き抜き行為は,①原告のコンサルタントのあらかたを一斉に引き抜こうとしたこと,②被告A及び被告Bは原告の専務取締役等に在任中,かかる引き抜き行為に及んでいること,③綿密に計画を立てたうえで,秘密裏に引き抜き行為に及び,被告オートビジネス社を経由させるなどの工作をしていること,④最終的に原告のコンサルタント59名のうち49名が原告を退職するに至ったが,引き継ぎ業務が行われなかったこと,⑤原告のコンサルティング事業は部門を整理し,大幅に縮小することを余儀なくされたことなどからすると,社会的相当性を逸脱し,不法行為が成立することは明らかである。

原告の著作物の利用又は虚偽の情報提供等による原告の顧客の奪取被告A及び被告Bは,被告リブ社のパンフレットとして原告のものと酷似したパンフレットやホームページを作ると共に,平成24年8月ころから公開したホームページ上においては,原告の支援実績を被告リブ社での実績のように示し(甲19の1ないし甲23の2),被告リブ社が原告を承継したかのような表現で紹介したり,原告の支援実績やコンサルティング事例を,被告リブ社での実績のように示したりした。
また,原告では,平成22年1月からめざましコラムやSSレポートを作成して原告の顧客等へ配布していたところ(甲24の1,2,甲26の1),被告リブ社はその続き番号からめざましコラムやSSレポートを作成し,被告リブ社設立前のものも自社作成のものとして原告の顧客等へ配布し(甲25の1,2,甲26の2),原告が被告リブ社へ移行したのではないかと誤認させた。
さらに,被告リブ社とエル社及び原告とは資金関係はなく,原告の事業の分離や譲渡等も行った事実がないにもかかわらず,被告A及び被告Bは,平成24年8月1日ころより,原告の顧客に対して,

エル社の株式処理などで融通を利かせたのでエル社から承諾を得て,原告の事業部門を分離独立して被告リブ社を設立した。

などと,あたかも正式に事業譲渡がなされたかのような虚偽の事実を述べて,原告の顧客に対して,原告から被告リブ社へ契約を切替えるように依頼した(甲35の4,甲38~40,42)。
被告A及び被告Bは,これらの行動により,原告の顧客らをして被告リブ社を原告と誤認混同させ,被告リブ社への契約切替えまたは被告リブ社との新規契約締結をさせるに至り,原告に財産上の損害を生じさせた。他方,被告リブ社は,不法にコンサルティング業務委託報酬という財産を得たものであるから,被告らには不法行為が成立する。
〔被告らの主張〕
(1)不正競争行為につき
情報に秘密管理性が認められるためには,当該情報にアクセスできる者を制限する(アクセス制限)とともに,同情報にアクセスした者にそれが秘密であることが認識できることが必要であるところ,原告の主張する顧客情報は,原告の従業員であれば,誰でもアクセスできる情報であったし,顧客情報が他の情報と区別して秘密であることが認識できる状態にあったとは認められない。
原告の主張する顧客情報には秘密管理性が認められない。
(2)共同不法行為につき
本件各業務委託契約の締結に至る過程は上記1〔被告らの主張〕記載のとおりであり,被告らにおいて,原告のコンサルタントの引き抜きを行った事実はない。
また,被告Aと被告Bが,被告リブ社を原告と誤認混同させるような言動に及んだことはないし,エル社及び原告の各取締役会の承諾を得ていた範囲を超えて,原告において使用していた印刷物等を作成・頒布したこともない。もとより,被告リブ社にとって,財務状況が著しく悪いエル社の子会社である原告と誤認されることにはデメリットしかなく,被告リブ社は,逆に,原告との資本関係等がないこと等を強調して説明していたものである。一方で,平成24年8月9日にエル社の代表取締役に就任したDも,前記のような経過を把握した上で,コンサルティングサービスに代わる新しい事業である不動産投資事業をエル社の傘下に置き,同事業に全力を傾けないといけない旨述べていた。ところが,エル社は,平成25年1月16日,Dを原告の代表取締役に就任させた上で,突如として被告リブ社との業務委託契約等を一方的に解約するとともに,退職を希望していたが平成25年2月20日までは説得により原告に留まることとなっていたコンサルタントらの退職の意思表示を撤回させ,さらには,既に被告リブ社に入社していたコンサルタントらを呼び戻そうと目論んで,原告の従業員約30名及びエル社の子会社である株式会社COSMOの従業員約20名,並びに被告リブ社のコンサルタントら約30名に対して,虚偽の事実をもって被告Aらの名誉を毀損する本件メールを一斉送信した。エル社側がこのような不法行為に及んだのは,Dら経営陣が,コンサルティングサービスを継続するための努力を怠りつつ,それに代わる新しい事業をエル社の傘下に置くことにも失敗したことを誤魔化し,株主代表訴訟が提起されるのを免れようとしたためである。なお,原告は,被告リブ社との業務委託契約等を一方的に解約しながら,顧客に対してコンサルティングサービスを提供する陣容を整えていなかったため,原告の顧客へのコンサルティングサービスは,被告リブ社において継続することを余儀なくされた。
以上のとおりであり,被告らにおいて不法行為を行ったことはない。3
争点(3)(損害発生の有無及びその額)について

〔原告の主張〕
(1)本件各業務委託契約に関連する不法行為に基づく損害
コンサルティング業務の委託において,通常の業務委託契約であれば,そのコンサルタント・フィーはどんなに多く見積もっても40%を超えることはないから,その差額分,すなわち,被告らの共謀によって95%もの業務委託料の支払を余儀なくされたことによって,通常の業務委託料率40%との間に生じた差額分55%相当額については,原告が被った損害であると認められる。
これらを,本件各業務委託契約の各当事者及び被告Cらにおいて,連帯して,請求の趣旨第1項ないし第3項記載のとおり支払うことを求める(請求の趣旨第1項ないし第3項)。
(2)不正競争行為ないし共同不法行為による損害
前記のとおり,被告らは,原告における自動車部門,韓国部門,住宅部門,SS(サービスステーション)部門及び事業・人材開発部門に所属する従業員のほとんど全員を引き抜き,原告の同事業部門を事実上閉鎖に追いやった。これは,被告リブ社あるいは被告オートビジネス社を原告と混同させて原告の下にある顧客との契約関係を奪い取り,その利益を独り占めにせんとするものであって不正競争に当たることは多言を要しない。これにより,原告は,主要な売上・利益をほとんど喪失しており,グループ全体においても会社存亡の危機に直面している。
その損害の算定については,原告の各事業部門における過去3年の実績の平均値を取ると,自動車部門1億0165万6196円,韓国部門2737万2391円,住宅部門1億3646万4963円,SS部門2161万7501円及び事業・人材・組織開発その他の部門969万6360円の営業利益が計上されているから,これを基にすれば,どんなに少なく見積もっても,原告においては近接した将来の3年間は同程度の利益が計上されたことは疑いない。
したがって,原告の各部門の1年間の営業利益の合計額の3年分に相当する8億9042万2233円が原告の損害というべきであり,これを被告らにおいて連帯して支払うよう求める(請求の趣旨第4項)。
〔被告らの主張〕
いずれも否認ないし争う。
第4
1
当裁判所の判断
証拠(甲1~64,乙ア1~20の2,乙イ1~29,証人F〔以下Fという。〕,被告C,被告A)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められ,この認定を左右するに足る的確な証拠はない。

(1)エル社は,平成20年頃に債務超過に陥り,資金調達に苦慮した結果,エル社の保有する原告の株式に譲渡担保権を設定するに至った。これが実行された結果,原告の発行済み株式の過半を第三者が保有するに至り,原告の経営に不安を感じた当時のエル社幹部及び被告Aらが協議し,原告の役員である被告C,被告A,被告Bらにおいて,平成22年9月に役員持株会を設立した上で,第三者が保有する原告の株式を,当時エル社と関係が深かったHill&Partners株式会社を通じて買い戻し,同持株会で原告の株式の60%を保有することとした。〔乙ア19,乙イ1,乙イ12〕
(2)しかし,平成24年2月頃までに,前記原告の役員による持株会設立ないし株式保有を巡って,被告Aとエル社との間で対立が生じ,エル社からはEが派遣されて被告Aらとの調整に当たってきたが,その後も調整が難航したため,同年6月頃には,被告Aは,原告を退職し取締役も退任する決意をするに至った。
(3)平成24年7月頃,当時エル社の監査役であったFは,E,Gとともに,原告と被告Aとの間での退職の交渉にA与するようになった。なお,Fは,平成26年3月には,原告の代表取締役に就任している。〔甲63〕(4)平成24年5月頃における原告の状況について,エル社の顧問弁護士であるL弁護士(以下L弁護士という。)は,同年10月9日付けAとの合意に関する報告書と題する書面(以下本件報告書という。)において,エル社と被告Aとの交渉は

Aの退職・社員の大人数の退職可能性・業務委託契約を行って売り上げを維持することを前提として交渉が進められた。

と記載し,Aの取締役としての競業避止義務を理由に,Aの新会社とIPC(判決注;原告)取引先との契約をさせない方向も検討されたが,すでにAがやめる方向での調整が行われており,会社もそれを認める方向で進めたいとの意向であること,A以外の社員に競業避止義務を求めることは難しいこと等から,最終的には,契約の範囲を特定することによって,その限りで競業避止義務を解除し,Aに退職してもらう方向で調整することとなった。IPCとクライアントとの現存する契約についての契約期間満了後の扱いについては,最終的にはクライアントの意思に任せることとなったが,仮に契約満了後に再度契約が取れなかったとしても,2年間は上場維持のための売り上げが確保できることになっているとの説明がされていた。,また,社員の大半がやめる可能性があることは,本業が空洞化することから問題ではないかとの検討もされたが,社員流出は止められない状況とのことだった。そこで,一斉にやめるのではなく,段階的にやめるような調整をおこなうことで,時間的猶予を得て,その間に社員への説得を図ったり,別の社員を入れる等の調整を図ることで対応せざるを得ないこととなった。また,社員がばらばらにやめることは,IPCとクライアントとの契約が履行できない結果となり,その損害賠償等を考えると避けるべきであるとの判断から,社員はやめるとしてもある程度まとまっていてほしいとのラルバの意向もあった。と記載した。〔乙イ2〕(5)E,D,Fらも出席した平成24年6月4日の原告における定時取締役会において,被告Aに対して原告としては慰留を行ってきたが同人の退職の意向が強く,Eと被告Aとの面談を設定すること,原告の新役員体制を決定することが確認された。〔乙ア13〕
そして,Eと被告Aとの更なる協議の結果,被告Aは,役員持株会の保有する原告株式をエル社に戻す(譲渡する)のであれば,原告を退職する意向を明確にした。これを受けて,Eらは,被告Aが退職すると原告の多くの社員が退職してしまう可能性が高いところ,その場合には上場会社が事業活動を停止した場合又はこれに準ずる状態になった場合との上場廃止基準に抵触するところから,Eらは,被告Aとの間で,原告の社員が大量退職する事態が起こったとしても,原告の上場が維持できる方法を協議することとした。〔乙イ1,乙イ11〕
(6)平成24年6月29日,原告の全社員(ただし,後記のとおり,出席できなかったコンサルタントが数名存在した)を集めた会議(コアデイ)が開かれ,同会議において,被告Cは,被告Aとともに,被告Aが同年7月末をもって退職することとなった経緯及び原告の役員持株会の保有する株式がエル社に引き継がれることとなることについて説明した。
また,被告Bにおいて,コアデイに参加していない者(自動車事業部のコンサルタントであるNほか2名)に対する説明を行うためのフォローリストも作成し,これらの者に対して同旨を伝えた。〔乙イ5の1~乙5の6,乙イ10,乙イ21〕
なお,Dは,被告Bが作成した120629コアデイ参加者リストの同年7月2日における進捗状況のファイルにつき,後にこれをDにおいて再度保存するに当たり,【根回し状況一覧】とのタイトルを付加して保存した。〔甲34の1,乙イ5の2,乙12〕
(7)平成24年7月2日の定時取締役会において,Eらは,被告Aの退任を受けた原告における新たな役員体制について話し合った。〔乙ア15〕(8)平成24年7月25日頃,原告に所属するコンサルタントに対しアンケートが行われたところ,多くのコンサルタントが被告Aと同時期に退職する意向を示した。コンサルタントの意見の中には,多くの企業がコスト削減に注力している中でコンサルタント業務にお金を払うのは,そのコンサルタントを信頼しているからであり,被告Aらが退社した後に原告に将来性を感じることができない,とするもの(乙ア14の1),原告は

7割位がAさんの影響力で成り立っていると感じるのにそのAさんが経営を外れるという意志決定が,現場では理解しかねる。

として被告Aと行動を共にするとするもの(乙ア14の3),クライアントや社員とのスタンス・方向性が分からない人,ここまで経営を事実上してきたAさんを出さざるを得ない組織の下でやっていくことにクライアントや社員の事を考えると出た方が良いと考える,

事実上の事業運営者であったAさんを出さざるを得ないという意思決定が理解出来ません。

とするもの(乙ア14の7),何の実績もない新会社の方が,経営への意志反映ができない今のL’ALBAより魅力を感じるからとするもの(乙14の8),会社ブランドに引かれた(判決注;ママ)わけでも,ノウハウに引かれた(判決注;ママ)わけでもないとして被告Aと共に同年8月1日をもって退社する意志が固いとするもの(乙ア14の11),長期安定した株主構成を期待できない状況からは早期に離れたい,過去の4ないし5年の変動ぶりはクライアントに不安を与え続けた,とするもの(乙イ16の2),当時の状況で原告の株式を100%エル社が保有することとなると,事業の成長を推進すること,クライアントの支援,社員の生活を守ること等に疑問が残る,とするもの(乙イ16の2)などがある。
(9)平成24年7月24日,被告Aは自らが代表取締役となって被告リブ社を設立した。
この被告リブ社の設立について,L弁護士は,本件各業務委託契約につき

本スキームは事業譲渡であるとして,対価を算定すべきとの意見もあったが,Aとの合意のみを見れば,総会決議が必要な事業譲渡ではないと判断。

としている。〔乙イ25〕
そして,同月27日にエル社の支配株主であり債権者でもあるH(以下Hという。)から,同月末日までに原告の株式を被告Aらの役員持株会がエル社に譲渡しないのであれば,刑事告訴をするとの強い申し入れがあり,エル社及び原告としては,同月末までに役員持株会の原告の株式をエル社に戻す(譲渡する)ことを最優先課題とせざるを得なくなった。仮に被告Aとの合意ができないままで被告Aが原告を退社した場合,原告の株を役員持株会が保有したままで社員の大半が退社することになり,その結果,原告と顧客との契約は債務不履行となってしまい損害賠償請求を受けるほか,原告の活動がほぼできなくなる事態が予想された。〔乙イ2〕
なお,Fは,後記同年9月13日のエル社役員のミーティングにおいて,上記Hの申し入れをHさん事件と表現し,被告A以外のコンサルタントとの間での退職条件を調整中にこれが起きたため他のコンサルタントの退職に関しても被告Aに関するものと同様の契約を結ばざるを得なかった旨を述懐している。〔乙ア16,乙イ12〕
(10)平成24年7月31日,原告とリブ社,原告と被告Bは,本件業務委託契約①及び②を締結し,その際,被告Aの要望で,同業務委託契約に関し公正証書が作成された。そして,被告Aは同日原告の取締役を退任した。Fらにおいても,遅くともその頃までには,被告Bも退職予定であることを認識していた。〔証人F〕
また,同日付けで,被告A,エル社,原告,エル社の親会社であるIPH(株式会社インタープライズ・ホールディングス)との間(エル社,原告,IPHの代表者はいずれも被告C)で,確認書(以下本件確認書という。)が作成された。本件確認書の第6条において,本件確認書の当事者間において,被告Aが原告及びIPHに在籍中に業務として作成した著作物(経営レポート,提案書,及びコンサルティング資料等)の知的財産権は原告又はIPHに帰属することを確認した上で,原告及びIPHは,被告A又は被告Aの設立した被告リブ社による当該著作物の使用を許諾する旨が定められた。また,本件確認書の内容は,エル社,原告及びIPHに在籍中の各取締役会も確認の上のものであるとして確認書の署名押印がされ,Fもその内容を了解している。〔乙イ3,甲63〕
同日付けで,原告と,原告の社員でコンサルタントである,I及びJとの間でも,それぞれ,同人らが同年8月20日をもって原告を退職する(第1条)とした上で,被告Aとの間の本件確認書とほぼ同内容の確認書(以下本件確認書と併せ,本件確認書等という。)が締結された。原告とIらとの確認書には,それぞれ,本件業務委託契約②の別紙と同一の別紙が添付されている。〔乙イ18の1,2〕
なお,本件業務委託契約②は自動車関連事業を営む顧客を対象とするコンサルティングに関するものであり,同契約においては,協業者として,被告Bと共に委託業務を遂行する原告社員が13名指名されている。〔甲12の1,第1条,別紙1〕
また,本件業務委託契約①については平成25年1月末日分までの,本件業務委託契約②については平成25年8月末日分までの業務委託報酬について,強制執行認諾条項付きの公正証書が作成された。〔甲11の2,甲12の2〕
(11)平成24年7月31日,役員持株会の保有する原告の株式について,エル社に対する譲渡がされた。その結果,原告の株式はエル社が100%保有する状態となった。〔乙イ1,18頁〕
同日以降も,被告Aらは,本件各業務委託契約に基づく委託事務を行うため,原告の事務所の一部を借りることで家賃・清掃料・電気料の一部を負担するほか,事務用品の費用も負担することとなった。〔乙イ1,乙イ6〕(12)被告Bは,平成24年8月6日に被告オートビジネス社を設立し,同月20日をもって原告を退職し,被告リブ社の取締役に就任した。
そして,同月20日,原告のコンサルタントのうち21名が退職し,10日ほど被告オートビジネス社に在籍した後,被告リブ社に移籍した。Dは,この事実を平成24年9月末頃に知ったとしている。〔乙イ12,8・10・11頁〕
(13)平成24年8月31日,本件業務委託契約③が締結された。また,本件業務委託契約③につき平成25年6月末日までの業務委託報酬について,強制執行認諾条項付きの公正証書が作成された。〔甲13の2〕
(14)平成24年9月13日のエル社の常勤役員臨時ミーティングにおいて,D,F,被告Cら出席のもと,業務委託契約を締結することで原告の役員に責任が及ぶか否かについて話し合いがされ,1年以内に原告と顧客との間の契約がなくなり急激な売上,利益の減少となると,役員の責任は免れないのではないか,既存の顧客との契約継続について最大限の努力をしないと,原告及びエル社の役員は善管注意義務違反となるのではないかとの意見が出された。〔乙ア16〕
平成24年9月30日に,本件業務委託契約④が締結された。(15)L弁護士の本件報告書では,IPCの主要事業はコンサルタント事業であることから,IPCの社員がほとんどいなくなるということは,本業を失ったと判断され,その点からの上場廃止が問題となる可能性があることから,IPCの社員が急激にいなくなることは避けなければならない。11月・2月の社員退社に関しては,既定事項ではなく,最短で予想される退社時期を示したものと理解し,それまでにラルバ(判決注;エル社)の資金状況が改善された上で,メンバーが残っても良いと考えるような環境の整備ができれば,社員に対してIPCに残留することによるメリットを提示でき,社員退社が防げる可能性がある。,特に2月は住宅関係のチームの退社が問題となっているが,住宅関係はIPCの事業の柱の1つであることや,H氏が予定している事業との関係があること,中心がK氏であること等から,退社を防ぐことは努力により十分に可能であると考える。と記載されている。〔乙イ2〕
そして,平成24年10月頃に,DやFは,被告Aに対し,平成25年2月20日までは原告に残留することに応じた原告の住宅不動産コンサルティング事業部の社員約20名に対し,退職日を遅らせるように頼むなどした。しかし,その頃までには,エル社が役員持株会から原告の株式60%を取得する際に,原告に留保されている資金については月額500万円を超えてエル社が取得しないとの約束をしたにもかかわらず,これを反故にしているとの不安が,原告の社員の間で広がっている状況にあった。〔乙イ20〕(16)平成24年10月31日,本件業務委託契約⑤が締結された。(17)平成24年11月20日,原告において異業種事業を行うコンサルタント8名が退職した。〔乙イ12〕
(18)平成24年11月26日に,本件業務委託契約⑥が締結された。また,本件業務委託契約⑥につき平成25年7月末日までの業務委託報酬について,強制執行認諾条項付きの公正証書が作成された。〔甲16の2〕
そして,その後,平成24年11月30日に本件業務委託契約⑦が,平成24年12月31日には本件業務委託契約⑧がそれぞれ締結された。(19)平成25年1月16日,原告において臨時株主総会が開かれ,被告Cは,議決権を行使できる唯一の株主であるエル社により,原告の代表取締役及び取締役を解任され,後任の取締役にDが選任された。〔甲8〕
同日,Dは,本件各業務委託契約に基づき業務を行っていた被告A,被告Bらを原告の銀座オフィスから退去させた。〔乙イ10,11頁〕
Dは,同月17日に,原告の従業員らに対し,本件メールを送信した。本件メールには,HD(判決注;エル社)は,あくまでAさん個人と退職に係る諸条件についてのみ話をしてきており,それらがAさん以外のメンバーにも一律に適用される,といった事態は,全く認識していませんでした。そのような状況で,IPC(判決注;原告)にとって不利な条件の契約書が,IPCとリブとの間で,いくつも締結されてしまいました。,【HDがお金を搾取するといった誤解】もうひとつ,HDとIPCのサイフが一緒になれば,皆さんがせっかく頑張って稼いだ収益が全部吸い取られてしまうのではないか,という懸念をお持ちかと思います。確かに4年前か5年前くらいの一時期,そういったことが行われたことがあるというように私も聞いております。ただ,CさんやAさんが,当時のHD役員たちと交渉された成果もあって,ここ数年は,グループの資金繰りがどんなに厳しくても,IPCのお金を使わざるを得ないときは,必ずCさん,Aさんに相談し,承諾があってからしか使っておりません。お客様からの前受金に手をつけることもありませんし,上場維持費についても,上場会社としてやっていくために最低限必要な額として,月500万円だけ頂き,それ以上の費用を求めることもしていません。私も,たとえ100%子会社であっても,その会社の皆さんが必死に努力して稼いだお金を,親会社が勝手に使うことは,あってはならないと考えますし,今後もその原則に従ってグループ運営を進めていく方針です。などと記載されている。〔乙イ26〕本件メールの作成には,Dのほか,Fも関与している。〔乙イ12,39頁〕
(20)平成25年2月8日,被告A及び被告Bは,原告に対し,別件訴訟1を提起した。〔乙ア19〕
(21)平成25年2月20日,原告のコンサルタント20名が退職した。〔乙イ12,8頁〕
(22)

被告リブ社は,原告に対し同年6月25日,別件訴訟2を提起した。〔乙
ア19〕
(23)原告は,平成25年8月2日,本件訴訟を提起した。
(24)本件各業務委託契約には,第6条(知的財産権)として,1.乙(判決注;被告A,被告B,被告リブ社,被告オートビジネス社ら各契約当事者)の本件委託業務の実施により新たに開発されたノウハウ及び商品の著作権その他の知的財産権(以下,知的財産権等という)の帰属については,以下のとおりとする。(1)甲(判決注;原告),乙又は顧客が単独で行った開発から生じた知的財産権等については,当該開発を行った者に単独に帰属するものとする。(2)甲,乙又は顧客が共同で行った開発から生じた知的財産権等については,当該開発を行った者の共有とし,その持分比率は開発に対する貢献度に応じて定める。2.前項により,乙にその全部又は一部が帰属した知的財産権等は,第7条(判決注;第7条は権利の保証に関する条項であり,報酬に関する定めは第2条にある)に定める報酬の全額支払を条件として,乙から甲に譲渡されるものとする。ただし,乙は当該著作物等を使用(現存のまま閲覧・参照すること),複製,二次的著作物作成その他の形式で利用することができる。と,第8条(顧客情報)として,

甲,乙及び協業者は,本契約に関連して得られた顧客の情報については,顧客の事前の承認を条件として,甲,乙及び協業者が使用できるものとする。

と,それぞれ定められている。〔甲11の1(第8条中の協議者を除く),甲12の1,甲13の1,甲14,15,16の1,甲17,18〕
2
争点(1)(本件各業務委託契約の締結が不法行為に当たるか)について
(1)上記1で認定した事実によれば,原告と被告らとの本件各業務委託契約の締結には,以下の事情があったと認められる。すなわち,上記各業務委託締結当時,役員持株会が保有する原告の株式をエル社に譲渡すること,及び被告Aらが原告を退職することが明らかとなると,これに伴って原告所属のコンサルタントが大量に退職することが予想されたところ,一時に大量のコンサルタントが退職することとなると,原告の事業の継続及び上場維持が危ぶまれる事態が想定されたこと,そこで,原告においてこうした事態を防止すべく,原告社員の退職を一部にとどまらせ退職時期も遅らせつつ,原告と顧客との契約について,少なくとも原告と顧客との間の契約の存続期間中においては,本件各業務委託契約に基づいて顧客との契約が維持され,原告においても相当額の売上があるとの外形を保つ必要があったことから,原告の役員のほかエル社から派遣されたE,Fらと被告Aらとが交渉を重ねた上でその条件について合意した結果,平成24年7月31日から同年12月31日に至るまで,合計8回にわたり,本件各業務委託契約が締結されたものであることが認められる。
そうすると,双方の真摯な合意が反映されたものと認められる本件各業務委託契約につき,その締結が不法行為に該当するものとは到底認めることができないというべきである。
(2)この点に関して原告は,本件各業務委託契約に基づく報酬が売上げの95%に相当するのは異常に高額である旨主張する。
しかし,本件各業務委託契約は,前記(1)のとおり,社員の大量退職を防止して相当額の売上げを保ちながら原告の事業を継続し,上場維持を図るという原告の要請に基づくものであって,業務委託報酬の売上げにおける割合についても,双方協議を重ねた上で合意されたものであり,被告リブ社らが建物賃料・電気代等の一部を負担していることをも勘案すれば,本件各業務委託契約の報酬が不相応に高額であるものとは認められず,その締結につき被告Aらにおいて不法行為に該当することとなる事情も認められない。
したがって,原告の上記主張は採用することができない。
3
争点(2)(被告らによる営業秘密の使用等の不正競争行為ないし共同不法行為の成否)について

(1)不正競争行為・共同不法行為の成否につき

原告は,被告らにおいて原告の営業秘密である顧客情報を不正に使用等した不正競争行為等が存する旨主張する。
しかし,原告は,社内における顧客情報の存在及びその管理状況について,何ら客観証拠を提出しないところ,本件全証拠を精査しても,原告の主張する顧客情報につき,秘密として管理されていたものと認めることはできない。
そうすると,その他の要件について判断するまでもなく,営業秘密の使用等の不正競争行為に関する原告の主張は,理由がないというべきである。


また,原告は,被告A及び被告Bは,原告会社の営業秘密である顧客情報を利用して,原告の顧客との契約を被告リブ社らとの契約に切り替えさせたものであり,また仮に不正競争行為に当たる事実が認められないとしても,被告らの行為は共同不法行為に当たる旨主張する。
しかし,前記のとおり原告の主張する顧客情報につき秘密管理性を認めることができないことのほか,被告らにおいて,原告の営業秘密に該当する事実を不正に取得,使用した事実を認めるに足る証拠はない。また,不競法に定める不正競争行為が存しない場合に不法行為が成立する場合があるか否かに関しては,市場における競争は本来自由であるべきところ,一定の範囲の行為についてのみ不正競争行為としてこれを規制する不競法の趣旨に照らせば,同法において規制の対象とならない行為については,当該行為が自由競争の範囲を逸脱し,ことさら相手方に損害を与えることのみを目的として行われたなど,同法が規律の対象とする利益とは異なる法的に保護された利益を侵害するなどの特段の事情が存在しない限り,一般不法行為を構成することはないというべきであるが,本件においては,本件全証拠を精査しても,上記特段の事情を認めることができないというべきである。
したがって,原告の上記主張は理由がない。
(2)その他の不法行為の成否につき
ア原告は,被告Aらにおいて,原告のコンサルタントの大量引き抜きという不法行為を行った旨を主張する。
しかし,上記1で認定した事実によれば,平成24年6月29日の原告におけるコアデイにおいて,原告の社員に対し,被告Aが近い将来退職することのほか,役員持株会が保有する原告の株式がエル社に譲渡されることとなる旨が併せて説明されたところ,原告のコンサルタントに対するアンケートの回答にあるとおり,原告のコンサルタントの大部分は,被告Aがいない状態となった原告においては適切なコンサルタント業務を継続するのは困難であると認識しており,また,エル社が完全に原告の支配権を握った場合,原告の会社としての将来に著しい不安を覚えていたなどの事情が認められる。そして,被告Aが退職して半年余りが経過した平成25年1月17日に,Dが原告の社員に対し,エル社と原告との関係を説明する本件メールを送信してもなお,同年2月20日に20名もの原告のコンサルタントが退職したのは,エル社と原告との関係などについてのDらの説明に納得できなかったことによるものとみるほかない。
そうすると,原告のコンサルタントの大量退職は,専ら,被告Aが退職せざるを得なかったことと,エル社が原告の支配権を握ることに対する不安によるものであり,原告の主張する,被告らにおける原告のコンサルタントの引き抜きを行ったとする事実について,これを認めることはできないというべきである。

この点に関して原告は,被告A,被告Bが原告のコンサルタントに対
する引き抜きを行ったことの証拠として,コンサルタントに対する根回しを行った旨を示すコアデイ参加者リスト(甲34の1)等を提出するが,上記1で認定したとおり,これらリストに【根回し状況一覧】とのタイトルを付したのはDであることのほか,平成24年6月29日のコアデイの後のコンサルタントに対するアンケートの回答をみても,前記アのとおり,コンサルタントは被告Aがいなくなり,エル社の完全子会社となった後の原告の将来に不安を覚えて退職に至ったものであり,これは平成25年2月20日に至っても多くの退職者が出ていることからも裏付けられているというべきである。
したがって,原告の上記主張は採用することができない。
(3)原告は,被告らは原告の著作物を無断で利用し,被告リブ社らが原告を承継したかのような虚偽の情報提供等により原告の顧客を奪う違法行為を行った旨を主張する。
しかし,Fもその内容を了解した上で,原告において被告Aらとの間で締結された本件確認書等によれば,被告Aらが原告在籍中に著作した著作物等については,原告,被告らにおいて共同で利用できる旨が定められており,原告の提出する証拠のうち,原告の著作物ないし原告における支援実績等を示すものは,いずれも本件確認書等に基づき被告リブ社らの名称を付したものと認められ,その他,被告らにおいて,被告らが原告の事業を承継したかのような虚偽の情報提供をした事実も認めることができない。したがって,原告の上記主張はその前提を欠くというべきであり,採用することができない。
4
結語
以上によれば,原告の請求はいずれも理由がないから,これを棄却するこ
ととし,主文のとおり判断する。

東京地方裁判所民事第40部

裁判長裁判官

東海林保
裁判官

今井弘晃
裁判官

瀬孝
(別紙)
当原事者告目録
株会イタプイ・ンルィグ
式社ンーラズコサテン

同訴訟代理人弁護士

水野晃同島本泰宣同柴崎菊恵被告
株式会社リブ・コンサルティング

被告
合会オトジスコサテン
同社ービネ・ンルィグ

被告A被告B
上記被告3名訴訟代理人弁護士

榎園同竹田被利浩真告C
同訴訟代理人弁護士

髙橋正樹同佐藤大

別紙省略
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