判例検索β > 平成24年(わ)第5233号
強盗強姦、強盗強姦未遂、強盗、強姦、強制わいせつ被告事件
事件番号平成24(わ)5233
事件名強盗強姦,強盗強姦未遂,強盗,強姦,強制わいせつ被告事件
裁判年月日平成26年11月27日
裁判所名・部大阪地方裁判所  第3刑事部
裁判日:西暦2014-11-27
情報公開日2017-10-13 01:34:30
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主文
被告人を無期懲役に処する
未決勾留日数中330日をその刑に算入する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は,
第1

暴力団員を装って女性を脅迫して姦淫しようと企て,平成18年4月27日,大阪府東大阪市甲1甲2丁目甲3番甲4号所在の家電量販店乙1に電話をかけ,応対に出た同店従業員a(当時18歳)に対し,暴力団員を装い,

ブラックウォールの金澤っていうもんやけど。

山口組の組織で,女の子を連れ去って,風俗に売ったり,ビデオに撮ったり,そういう復しゅうをやってる組織がある。ブラックウォールがそういう組織。

コヤブが,以前,お前と付き合ってたときに,お金をだまし取られたって言ってる。コヤブがお前を無茶苦茶にレイプして,その状況をビデオに撮ってきてほしいと依頼してきた。ビデオを撮った後は,誰かにしゃべらないように殺されたり,風俗に売られたりする。コヤブが既に組織にお金を払ってるから,実行しなきゃいけない。

このことを知ってしまった以上,誰にも言ってはいけない。もししゃべった場合,友達や家族が,連れ去られて殺されたりする。お前自身も何されるか分からない。

警察の上の人間は,山口組の上の人間とつながってるから,もし警察に言っても,もみ消される。

などと申し向けた上,同月29日,aを呼び出し,大阪府東大阪市甲5甲6丁目甲7番甲8号甲9の当時の被告人方において,aに対し,

コヤブを問い詰めたら,うそだって分かったから,コヤブはボコボコにした。

依頼がうそだと分かっても,ブラックウォールが何をしているか知られたら,ビデオを撮らなあかん。

セックスすれば助かる。

セックスしないと,組織の人間に殺されるかもしれん。

などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖
がらせてその反抗を抑圧し,別表記載のとおり,同日から同年5月11日までの間,前記被告人方ほか1か所において,2回にわたり,強いて同人を姦淫し,
第2

前記脅迫によりaが極度に怖がっているのに乗じて,同人を姦淫するとともに,現金を強取しようと企て,同年6月上旬ころ,同人の携帯電話に宛てて,暴力団組織の幹部を装い,金澤はお前を助けるために会ってるのに,金澤がお金を出すのは筋違いだ。組織に助けてもらっているのだから,ターゲットのお前が払うのが普通ではないか。お前が支払った金額については,組織への上納金として評価を上げる。などと記載した電子メールを送信して,同人にこれを閲読させた上,同月19日,同市甲10甲6丁目甲11番甲12号ホテル乙2(以下乙2という。)において,同人に対し,

本部長からの指示やけど,上納金はいくら払えるんか。

とりあえず2万円払ってもらう。

などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,別表記載のとおり,同日から平成24年9月8日までの間,乙2ほか1か所において,22回にわたり,強いて同人を姦淫した上,同人から現金各1万円ないし7万円(合計46万円)を強取し,
第3

暴力団員を装って女性を脅迫して姦淫するとともに,現金を強取しようと企て,平成18年7月下旬ころ,大阪府所在の自宅にいたb(当時18歳)が所持する携帯電話に電話をかけ,応対に出た同人に対し,暴力団員を装い,

ブラックウォールの井口というんやけど。

お前をひどい目に遭わしてほしいって依頼を受けた。拉致って,ビデオに撮って,風俗で働かせて,外国に売り飛ばしてほしいっていう依頼や。何人もの男にレイプされている状況をビデオに撮られることになる。ブラックウォールは,ヤクザ組織なんや。人から依頼を受けて復しゅうする組織。

警察とか友達とか家族とかに言ったら,お前の家族や友達を殺す。

警察に言っても無駄やで,つながってるから。

助かるために誓約書を書かなきゃいけない。月に1回,俺とホテルに行かなあかん。

組織にお金も払わなあかん。

などと申し向けた上,同月下旬ころ,同人を呼び出し,乙2において,同人に対し,

1万円出してもらう。1万円が無理なときは5000円でもいいから。

などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,別表記載のとおり,同日から平成24年9月3日までの間,乙2ほか1か所において,6回にわたり,強いて同人を姦淫した上,同人から現金約5000円ないし1万円(合計約3万5000円)を強取し,
第4

暴力団員を装って女性を脅迫して姦淫するとともに,現金を強取しようと企て,平成18年7月下旬ころ,大阪府所在の当時のc1(当時18歳)方に電話をかけ,応対に出た同人に対し,暴力団員を装い,

ブラックウォールの金澤っていう者やけど。

山口組ってのは知ってると思うけど,そこの裏組織なんや。人から依頼を受けて復しゅうを実行する組織。依頼を受けるとターゲットをさらって,風俗で働かせたり,海外に売り飛ばしたりする。ある男が,お前のことを『レイプして,レイプしてる状況をビデオに撮って,顔に薬品を掛けてグチャグチャにして,最終的には殺してほしい。』って依頼してきたんや。組織は,既に報酬金を受け取ってる。

組織は,ターゲットの目の前で,平気で家族や友人を殺すことができる。電話を切ったら命の保証はないぞ。

助かるためには一定の条件が必要。誠意を見せるために1回会わないかん。

家族のこと全部知ってるから,もし話したら家族を殺す。一番仲いい友達も殺す。警察に言っても無駄や。警察の上と俺らの上はつながってるから。

などと申し向けた上,同年8月上旬ころ,同人を呼び出し,乙2において,同人に対し,

幹部に掛け合ったら,組織の指示に従えば,c2や家族の命は助けられるらしいわ。

月に1回,組織の担当者と体の関係を持って,お金も支払ってもらわなあかん。どうせやるなら若い奴の方がいいやろうけど,若い奴は無茶苦茶するし。

幹部に言われて,c2の担当は俺になったわ。

評価が良いと期間が短くなる。逆に評価が悪いと期間が長くなる。

などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,別表記載のとおり,同日から平成20年12月21日までの間,乙2において,5回にわたり,強いて同人を姦淫した上,うち4回にわたり,同人から現金各2000円(合計8000円)を強取し,
第5

暴力団員を装って女性を脅迫して姦淫するとともに,現金を強取しようと企て,平成18年12月上旬ころ,大阪府東大阪市甲13甲6丁目甲12番甲14甲15所在の洋服店乙3に電話をかけ,応対に出た同店従業員d(当時29歳)に対し,暴力団員を装い,

ブラックウォールの金澤というもんやけど。

山口組系の組織なんやけど。

コヤブが,お前にだまされたって言ってる。コヤブが組織に仕返しを依頼してきて,お前のことをレイプして,その状況をビデオに撮って,殺してほしいと言ってきてる。

こっちが調べた結果,コヤブの言っていることがうそだと分かった。

ただ,コヤブの話が本当かどうか調べるのに200万円かかってるから,そのお金を払ってほしい。払えないなら,お前を売り飛ばすこともできるんや。組織は,お前のことを,どうにでもできる。組織の存在を知ってしまったので,このままでは生かしておけない。

警察や誰かにしゃべったり,メールしたりすれば,しゃべった相手と家族の命はないぞ。組織と警察はつながってる。

俺としては,命は助けたいと思っている。助けてやるから言うとおりにしろ。助ける代わりに,組織の人間と肉体関係を持たなあかん。信じるか信じないかはお前次第や。信じなければ,家族がどうなっても知らん。

などと申し向けた上,同日午後9時20分ころ,同人を呼び出し,乙2において,同人に対し,

月に1万円を払うように。

1万円払えないんやったら5000円でいいわ。

次から用意しておくように。

などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,別表記載のとおり,同日から平成24年6月10日までの間,乙2ほか1か所
において,9回にわたり,強いて同人を姦淫した上,うち8回にわたり,同人から現金各5000円ないし2万円(合計約9万5000円)を強取し,第6

暴力団員を装って女性を脅迫して姦淫するとともに,現金を強取しようと企て,平成20年1月18日,大阪府所在の当時の自宅にいたe1(当時26歳)が所持する携帯電話に電話をかけ,応対に出た同人に対し,暴力団員を装い,

ブラックウォールの姫田といいます。

暴力団の下の組織。山口組の系列。人から依頼を受けて,復しゅうする組織。女の子を売ったり,風俗で働かせたり,言いなりにさせる。コヤブっていう男が,痛めつけてほしいって依頼してきた。最終的には殺してほしいって言ってる。コヤブが,『e2にだまされてお金を貢がされたから仕返ししてほしい。』って言ってるけど,そういうことしたんか。

今も部下が見張ってる。さらう準備はできてる。

誰にもしゃべるな。

警察と組織はつながってるから。警察に電話した時点で,すぐに組織に連絡が来るから。しゃべったら,お前もお前の家族も殺しに行く。

うそかほんまか関係ないんや。組織がお金を受け取ってるから実行する。

ただ,助けてほしいと言うから,幹部にお願いして,幹部の許可は取った。

お前を助けるために,俺がかなりのお金を出している。だから,お前も組織にお金を払わなければいけない。

などと申し向けた上,同日,同人を呼び出し,乙2において,同人に対し,

助かるためには幹部とセックスしないといけない。助けるためにお金も必要。

などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,別表記載のとおり,同日から平成21年8月9日までの間,乙2において,6回にわたり,強いて同人を姦淫した上,同人から現金5000円ないし10万円(合計約17万5000円)を強取し,

第7

暴力団員を装って女性を脅迫して姦淫するとともに,現金を強取しようと企て,平成20年7月12日ころ,大阪府東大阪市甲13甲6丁目甲6番甲6号甲16所在の携帯電話機販売店乙4に電話をかけ,応対に出た同店
従業員f(当時21歳)に対し,暴力団員を装い,

山口組のブラックウォールっていう組織の者なんやけど。

ブラックウォールっていうのは,山口組の中の組織で,依頼を受けて仕返しをするところや。

コヤブが,おたくと付き合ってて貢がされたって言ってる。

コヤブが組織に復しゅうしてほしいって頼んでるんや。

今すぐに拉致して,海外に売り飛ばすこともできる。いつでもさらえる。

警察に言ったら,警察と組織がつながってるから分かるし,言った時点で,おたくの家族とかも全部殺しに行くから。

自分らは,1回頼まれてお金もらってるから,拉致しないといけない。本当であろうと,うそであろうと,どうでもええんや。そしたら,一生親には会えない。部下は,あんたのことを殺せと言ってる。

助けてほしければ,2000万円払え。それが無理なら俺と寝れるか。

前に同じような子がいて,彼氏に言って,言ったのが組織にばれて,彼氏もその女の子も死んだし,お母さんが交通事故に遭って下半身不随になった。

などと申し向けた上,同日,同人を呼び出し,乙2において,同人に対し,

期間は2年間。

組織に払うお金を払わなければいけない。

月に1万円。

払えないなら1000円でも2000円でもいいけど,ゼロっていうのは許されない。

などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,別表記載のとおり,同日から平成21年10月12日までの間,乙2ほか1か所において,14回にわたり,強いて同人を姦淫した上,同人から現金各約1000円(合計約1万4000円)を強取し,第8

暴力団員を装って女性を脅迫して姦淫しようと企て,平成21年2月28日ころから同年3月7日ころまでの間,数回にわたり,大阪府所在の当時のg1(当時13歳)方及び同人が所持する携帯電話に電話をかけ,応対に出た同人に対し,暴力団員を装い,

ブラックウォールの金澤っていうんやけど。

ブラックウォールは,山口組の系列の組織や。

ブラックウォールは,人から依頼を受けて復しゅうをする組織。人から依頼を受けて,ターゲットを殺したり,風俗や海外に売ったりする。

コヤブって人に依頼されたんや。コヤブがg2と付き合ってて,g2に浮気されたらしいわ。その仕返しに,g2を殺してほしいって依頼してきたんや。コヤブは,組織に多額の金を振り込んでる。幹部は,依頼どおりにg2の命を狙えと言っているんや。

g2は,組織のことを知ってしまった。組織の幹部は,『秘密を知られた以上,g2を生かしておくわけにはいかない。』と言っている。命を助けてほしいなら,お金払うか体売るかのどっちかや。

g2はそんな大金持ってないだろうから,体で払うしかないやろ。

このこと言ったら,親とか家族を殺すからな。友達に言ったら,友達も殺すからな。

などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,同月8日,乙2において,強いて同人を姦淫し,
第9

暴力団員を装って女性を脅迫して姦淫するとともに,現金を強取しようと企て,平成21年5月13日午後0時30分ころ,奈良県所在の当時のh(当時21歳)方に電話をかけ,応対に出た同人に対し,暴力団員を装い,

ブラックウォールの金澤という者やけど。

ブラックウォールは,山口組の下の組織なんや。

依頼があったら潜入捜査とかして,女のことを調べて,復しゅうするのがウチの仕事。

風俗やAVで働かせた後に,海外に売る。

オオガが,あんたに大金貢がされて,だまし取られたって言ってて,復しゅうしてくれって,ウチに依頼してきたんや。

とりあえず部下が連れ去ることになった。

今から行くことになった。

組にとっては,ほんまかうそかは関係なくて,金になれば何でもええんや。依頼人の依頼は絶対やらないかん。

そうなったら,あんた,今の生活はなくなるし,家族にも会われへんようになるかもしれん。

助かる条件は,ブラックウォールに身を捧げること。ブラックウォールにお金を渡すこと。恋愛しないこと。

期間は5年。

この話を誰かにしたらあんただけじゃなくて,親の命もないかもしれへんし,変な動きをしたら,母親の体を不自由にすることだってできる。

今,誰にも言わんと俺の言うとおりにしないとひどい目に遭う。

などと申し向けた上,同日午後4時ころ,同人を大阪府東大阪市甲13甲6丁目甲6番甲17号カフェ甲18に呼び出し,同所において,同人に対し,

月1回ホテルに行って組織の人間とセックスする。お金は月1回5000円。ほんまは1万円出してほしいけど学生やから5000円にしてもらう。ホテルでの行為が評価される。評価がCより下に下がったら命はない。

他の幹部だと,期間を延長して解放しないことがある。自分であれば,約束は守るし,暴力も振るわない。だから,自分にした方がいい。

最初の印象が大事やから今から行けるか。もし行けるなら,組織に高い評価を付けてもらう。

などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,別表記載のとおり,同日から平成22年12月18日までの間,乙2ほか1か所において,27回にわたり,強いて同人を姦淫した上,うち15回にわたり,同人から現金各5000円又は1万円(合計11万円)を強取し,
第10

前記脅迫により,同人が極度に怖がっているのに乗じて,同人から現金
を強取しようと企て,平成23年5月下旬ころ,大阪市甲19区甲20甲21丁目甲6番甲22号甲23のカフェ乙5(以下乙5という。)又はその周辺において,同人に対し,

期間を短くしてもらったんやから,組織にお金を払わなければいけない。ほんまやったら,もっと組織にお金を払わなければいけなかった。

感謝の気持ちで組織に26万円払えるか。

などと申し向け,26万円を支払わなければ,以後も被告人に継続して強姦されるとともに現金を強取される旨脅迫し,同年6月19日ころ,乙5において,同人から現金26万円を強取し,
第11

暴力団員を装って女性に強いてわいせつな行為をしようと企て,平成2
1年5月21日,数回にわたり,大阪府所在の当時のi1(当時14歳)方及び同人が所持する携帯電話に電話をかけ,応対に出た同人に対し,暴力団
員を装い,ブラックウォールの金澤っていうんやけど。ブラックウォールっていうのは暴力団。山口組って知ってると思うけど,その系列。コヤブっていう男から依頼を受けた。コヤブは妹と付き合ってて,その間に多額のお金を取られたって言っている。コヤブは,うちの組織に,妹を拉致してほしいなどと仕返しを依頼してきた。妹がそんなことをする子じゃないと言うなら,コヤブを捕まえて吐かせる。ただ,コヤブが既にお金を振り込んでいるから,そのお金をコヤブに返さなければいけない。その代わり,このことをi2が知ったから,妹を拉致って,体を売ったり,海外に売ったりする。そうすると,5000万円くらいになる。i2にも知られたから,両方合わせると1億円になる。こっちは,それだけの利益になるから,今回だけ何もせえへんということはできない。

コヤブを捕まえるけど,コヤブがうそと吐いたら,体を売ってもらわなあかん。

家族とかに話したら殺すからな。

などと申し向けて脅迫した上,同月22日,iを呼び出し,同府松原市甲24甲6丁目甲25番甲12号先路上に停車中の自動車内において,同人に対し,左手で同人の右手首をつかんで引っ張り,同人に自己の陰茎を着衣の上から触らせるなどし,もって強いてわいせつな行為をし,
第12

暴力団員を装って女性を脅迫して姦淫しようと企て,平成21年6月中
旬ころ,奈良県所在の自宅にいたj1(当時21歳)が所持する携帯電話に電話をかけ,応対に出た同人に対し,暴力団員を装い,

ブラックウォールの井口というんやけど。ブラックウォールっていうのは,暴力団で,山口組の下の組織。

ブラックウォールは,復しゅうを請け負っている裏の組織なんや。うちの組織は,依頼を受けると,ターゲットになった女の子を誘拐して,レイプしているところをビデオに撮ったり,海外や風俗に売り飛ばしたりしている。

オオガっていう男から依頼を受けた。オオガは,j2と付き合っていたときに,j2にだまされて大金を貢がされたらしい。

オオガは,組織に対して,既に多額の報酬を払っている。だから,組織としての復しゅうを実行しなければいけない。オオガが,お前の家の場所も知っているから,今すぐにでも拉致する準備はできている。

この話を警察や家族にしたら,お前の命も家族の命もない。

などと申し向けた上,同月中旬ころ,jを呼び出し,大阪府東大阪市甲13甲6丁目甲12番甲14号甲26所在のレストラン乙6(以下乙6という。)において,同人に対し,オオガを問い詰めたら,うそをついていたことを認めた。オオガは,組織の人間が半殺しにした。組織の幹部は,『うそか本当か関係ないから,復しゅうを実行しろ。』と言っていたが,俺が幹部に掛け合った。j3が組織の指示に従えば,命を助けてやるという話になった。助かるためには,組織の人間と月に1回セックスして,組織に対して,月に1万円を払わなければいけない。組織には,俺の他に若い男もいる。j3とは別に,もう一人ターゲットの女の子がいて,その子は,若い方を選んだが,多額のお金を巻き上げられて,暴力も振るわれている。俺が担当になったら,決められたことだけすればいいし,暴力も振るわない。などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,別表記載のとおり,同月下旬ころから同年11月14日までの間,乙2ほか1か所において,3回にわたり,強いて同人を姦淫し,
第13

暴力団員を装って女性を脅迫して姦淫するとともに,現金を強取しよう
と企て,平成22年3月9日午前11時ころ,大阪市甲27区甲28甲6丁目甲2番甲11号甲29所在の洋服店乙7に電話をかけ,応対に出た同店従業員k1(当時26歳)に対し,暴力団員を装い,

ブラックウォールの金澤という者やけど。

ブラックウォールって山口組が管轄してる組織なんやけど。

ブラックウォールっていうのは,人からお金をもらって復しゅうをする組織なんや。組織は,ターゲットになった人を風俗や海外に売り飛ばしたり,殺害したりする。

コヤブから,k2が結婚詐欺をしたので,仕返しをしてほしいって頼まれたんやけど,身に覚えはあるか。

もし事実がなくても,報酬をもらって依頼を受けている以上,何もしないわけにはいかない。

依頼を受けたらやることが絶対。幹部は『やれ。』って言ってる。ほんまは今日さらいに行くことになってるのを,今止めてる。

助かりたいんやったら組織の指示に従わなければいけない。指示に従わなければ,お前やお前の家族の命がないと思え。

この話を警察に言っても,それが山口組のところに回ってきて,助かることはできない。もし警察に言ったら,お前やお前の家族,お前の彼氏に危害を加える。一番最初に本人には行かない。家族や大切な人から順番に殺すことになる。などと申し向けた上,同人を呼び出し,同日午後8時30分ころ,大阪市甲19区甲20甲21丁目甲6番甲22号甲30所在の乙8において,同人に対し,

月に1万円を払うのと,月に1回のセックスが条件や。1万円払えないときは,事前に言ってくれたら俺が立て替えとく。払えるときは多く払うように。

5年間,月に1回,組織の人間とセックスをすることになる。

俺が担当になるか,若いけど乱暴な組員どっちがいいか。

などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,別表記載のとおり,同月14日から同年7月10日までの間,同区甲20甲4丁目甲4番甲31号所在のホテル乙9(以下乙9という。)において,4回にわたり,強いて同人を姦淫した上,うち2回にわたり,同人から現金1万円(合計2万円)を強取し,
第14

暴力団員を装って女性を脅迫して姦淫するとともに,現金を強取しよう
と企て,平成22年7月19日午前11時ころから同日午後零時ころまでの間,大阪府東大阪市甲13甲6丁目甲6番甲6号甲16所在のアクセサリー店乙10に電話をかけ,応対に出た同店従業員l(当時21歳)に対し,暴力団員を装い,

ブラックウォールの金澤と言います。

山口組の表に出てない組織があって,依頼を受けて金額に応じて仕返しをするという組織がある。

コヤブが,あなたと付き合って,あなたにだまされてお金取られたから,仕返ししてほしいって言ってる。

本部長や組織の幹部は,事実だろうがうそだろうが実行する。何もなくて済むということはない。何人かでさらって強姦して,風俗店で働かせて,海外に売り飛ばす。その様子をビデオに撮って依頼人に渡す。実行されるのが今日。このことが他の人に漏れたら,ウチの組織は警察ともつながってるし,言ったことがばれた瞬間に助けることはできなくなる。あなたにも,あなたが話した相手にも危害が及ぶ。

助かる条件としては,決められた期間,月1回,組織の人間と肉体関係持って,言うことを聞くように。

その相手を俺にすることができる。

他の奴だと,暴力を振るうかもしれない。

などと申し向けた上,同日午後7時20分ころ,同人を乙6に呼び出し,同所において,同人に対し,期間は2年間。ホテルに行って,決められた項目をこなさなきゃいけない。会ったときに二人で合わせて1万円を幹部に提出しなければいけない。お金がなければ,3000円から5000円くらいの間で出してくれればいい。

1円も払わないことは許されない。

などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,同月31日から同年12月11日までの間,乙9において,別表記載のとおり,6回にわたり,強いて同人を姦淫した上,同人から現金各約3000円(合計約1万8000円)を強取し,
第15

前記脅迫により,同人が極度に怖がっているのに乗じて,同人から現金
を強取しようと企て,平成23年1月ころ,乙9において,同人に対し,

俺が幹部にお金を積んで交渉したから,期間を短くしてもらった。月1回のホテルでのセックスは,3月までにしてやる。期間を短くしてもらったんだから,組織に10万円払わなければいけない。

などと申し向け,10万円を支払わなければ,平成24年6月に至るまで,被告人に継続して強姦されるとともに現金を強取される旨脅迫し,平成23年7月2日午前11時ころ,大阪市甲19区甲20甲21丁目甲6番甲22号所在のカフェ乙11において,同人から現金10万円を強取し,第16

かねて大阪府東大阪市甲32甲6丁目甲12番甲12号所在の洋菓子店
乙12に電話をかけ,応対に出た同店従業員m1に対し,暴力団組織関係者を装い,

コヤブという男がm2さんからお金をだまし取られたことで復しゅうするよう依頼を受けた。

旨申し向けていたものであるが,暴力団組織関係者を装ってm1を脅迫して強姦するとともに,現金を強取しようと企て,平成22年8月ころから同年10月11日までの間に,数回にわたって同店又は同人使用の携帯電話などに電話をかけ,応対に出た同人(当時19歳又は20歳)に対し,暴力団組織関係者を装い,俺は,依頼を受けて人を殺したり,仕返しをするブラックウォールの金澤透というんやけど,コヤブを実際に拷問にかけたら,コヤブがうそをついてた。そのコヤブが乙13の背の高い女から乙13のメンバーの資料を買ったら,その中にm2さんがあったらしく,そのコヤブはm2さんを見るために店に行った。理由はどうであれ,そのときに仕返しをするターゲットをm2に決めたらしい。ここで俺の言葉を信じずに生活したら,本当にびくびくして暮らさなあかん。自分の部下に親を車で跳ねさせなければならない。m2も風俗に売り飛ばさなあかんようになるかもしれない。俺は助けてあげたいと思う。助けてほしいか。

会社が山口組とくっついているから,俺の単独ではできないので幹部を説得しなければならない。ただでは助けれない。

前にもこういうことがあったときは,女性が山口組の幹部と肉体関係を持っていて,幹部が気に入ったために女性と会う回数を増やしたところ,その女性がそのことを他人に話したのでその女性の夫が殺された。期限の間を頑張れば,危害を与えられることもないし,期限が終われば日常生活に戻れる。

何とか幹部を説得したわ。2年は厳しいから2年半で説得した。

などと申し向け,同年10月11日,同人を乙5に呼び出し,m1に対し,

会うのが月に1回,そのときに1万円をもらう。そのお金は,本部長に支払うお金である。肉体関係も持たなあかんけど俺でいいか。

などと申し向けた上,同日,大阪府東大阪市甲32町甲3丁目甲21番甲12号甲33の当時の被告人方において,m1の携帯電話に宛てて,件名にブラックウォール東京本部統括本部長坂上史晃,本文に本来ターゲットを助けるなど有り得ない事だ。しかし金澤がどうしてもと言うので許可をした。最後まで精一杯努力をし金澤に尽くす事だ。金澤がいなければお前は生きてはいけないぞ,金澤に見捨てられないように頑張る事だ。などと記載した電子メールを送信し,同日,m1にこれを閲読させるなどして,被告人が指定する期間,定期的に被告人に会って現金を支払うとともに,被告人との性交に応じなければ,m1らの生命,身体等に危害を及ぼす旨脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,平成22年11月1日から平成24年9月14日までの間,乙9において
1
別表記載のとおり,2回にわたり,強いて同人を姦淫しようとしたが,陰茎が勃起しなくなったため,その目的を遂げなかったものの,現金各1万円(合計2万円)を強取し,

2
別表記載のとおり,4回にわたり,強いて同人を姦淫した上,現金各1万円(合計4万円)強取し,

第17

暴力団員を装って女性を脅迫して姦淫するとともに,現金を強取しよう
と企て,平成23年1月中旬ころ,大阪市甲34区甲35甲6丁目甲6番甲11号甲36所在の化粧品店乙14に電話をかけ,応対に出た同店従業員n(当時23歳)に対し,暴力団員を装い,

ブラックウォールの金澤というんやけど。

ブラックウォールというのは,依頼を受けて仕返しをする組織で,後ろに山口組がついてるんや。

コヤブって男が依頼してきた。コヤブがおたくに貢がされたって言ってる。

このままだとおたくを連れ去って海外に売り飛ばさなければならなくなる。家族も殺さなければならないかもしれない。今日がさらう日だから,帰る途中だったり,いつさらわれてもおかしくない。組織のターゲットになったら逃げられない。

ほんまかうそかは関係ないんや。うちの組織は上が言うことが正しい。上が復しゅうしろって言えば,やらざるを得ない。

本当は助けることはできない。何もないじゃ無理なので,その代わりに,やらなきゃいけないことがある。幹部と月に1回ホテルに行ってもらわなあかん。

もし近くの交番とかに行ったとしても,ブラックウォールとか山口組が後ろで警察とつながってるから,言っても意味がない。誰かに話したら家族を殺す。おたくにも危害が及ぶことになる。

などと申し向けた上,同日午後9時ころ,nを乙5に呼び出し,同所において,同人に対し,

他の幹部やったら,暴力を振るったり,避妊しない可能性もある。俺やったら,そんなことはしない。どうや。

月に1回,組織に1万円を払わなきゃいけない。

4000円なら4000円でも構わんけど,0円っていうのはあかん。

期間は3年。

などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,同年2月中旬ころから平成24年7月下旬ころまでの間,乙9において,別表記載のとおり,5回にわたり,強いて同人を姦淫した上,同人から現金各約2000円ないし5000円(合計約1万7000円)を強取し,
第18

暴力団員を装って女性を脅迫して姦淫するとともに,現金を強取しよう
と企て,平成23年3月30日午後3時ころ,大阪府所在の当時の自宅にいたo1(当時20歳)が所持する携帯電話に電話をかけ,応対に出た同人に対し,暴力団員を装い,

ブラックウォールの金澤です。

ブラックウォールは,復しゅうを専門にしている組織だ。コヤブという男から,o2に復しゅうしてほしいと依頼されている。コヤブは,お前と付き合っていたが,お前にふられて,金を巻き上げられたと言っている。コヤブは,お前をメチャクチャにしているところをビデオに撮ってほしいって言ってる。

コヤブが言ってることが,本当だろうが,うそだろうが,お前を売ったら金になるから関係ない。お前をさらって売れば1億円の価値がある。

誰かに話せば,お前だけでなく,言った相手も危ない。韓国に住んでいる家族にも危険が及ぶ。組織と警察が関わってるから,警察に言っても無駄だ。

などと申し向けた上,同日午後7時ころ,o1を呼び出し,乙5において,同人に対し,

依頼者は,着手金をもう振り込んだ。

コヤブの言うことが本当だったら,お前は,組織にさらわれて売られる。お前の言うことが本当だったら,上の人間に,お前を助けてもらえるよう頼んでみる。

などと申し向けた上,同年4月10日午後8時ころ,前記自宅にいたo1の携帯電話に電話をかけ,同人に対し,

助ける代わりに組織の人間とホテルに行ってセックスして,お金を払わなければいけない。

お前を助けるために,俺が組織に金を払ったから,お前も金を払わなければならない。何千円でもいいから。

じゃあ3000円は払ってもらうから。

旨申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,同月17日,乙9において,強いて同人を姦淫するとともに,同人から現金3000円を強取し,第19

暴力団員を装って女性を脅迫して強姦するとともに,現金を強取しよう
と企て,平成23年8月8日午後2時ころ,大阪市甲34区甲37甲21番甲38所在の洋菓子店に電話をかけ,応対に出た同店アルバイト店員p1(当時23歳)に対し,暴力団員を装い,

p2という奴はおるか。山口組って分かるか。大友連合の井口という者やけど。吹田市のオオガって知ってるか。

オオガがお前と平成22年10月から二,三か月付き合っていて多額のお金を貢いだと聞いている。それでお前を誘拐してひどい目に遭わせてほしいと270万円で依頼を受けた。警察にこのことを言うと警察に知り合いがおるから確認が取れるぞ。人にしゃべったら家族とか彼氏,お前の命もないぞ。助けてほしいなら俺が上の者に掛け合ってやってもいい。上に確認したらお前を助けれるかもしれない。助けてほしいなら月に1回,ホテルでお前の担当になった者に奉仕しないといけない。以前,無実の女の子がターゲットにされ,もっと上の組織の人が担当して,4年か5年の期限だったが,月1回会うというペースから週1回会うというペースになり,その女の子も3年間は頑張ったが精神的に参って彼氏にこのことを相談したらしく,そしたら彼氏が警察に相談してそのことを知った組織がその女の子と彼氏を殺したという話がある。などと申し向けた上,同日午後7時ころ,同人を乙5に呼び出し,同人に対し,俺が組織からお前を守ってやる。そのためには一定期間組織の指示に従わなければならない。月1万円を組織に渡せるか。とりあえず担当は俺になったが代わることもある。担当に月1回会い,満足させるような奉仕をしたら,担当が報告書を書いて組織に上げる。評価がAからDまであり,AかBの評価が付かなければ助けられないかもしれない。将来はないと思え。などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,同月21日から平成24年9月18日までの間,乙9において,別表記載のとおり,14回にわたり,強いて同人を姦淫した上,うち13回にわたり,同人から現金各1万円(合計13万円)を強取し,
第20

暴力団員を装って女性を脅迫して姦淫するとともに,現金を強取しよう
と企て,平成23年11月11日午後1時30分ころ,大阪市甲34区甲39甲4番甲31号甲40所在のアクセサリー店乙15に電話をかけ,応対に出た同店従業員q(当時24歳)に対し,暴力団員を装い,

大友連合の井口といいます。

大友連合っていうのは山口組系の暴力団や。

ある男から依頼を受けたんや。

オオガは,おたくと8月まで付き合ってて,お金をだまし取られた,めちゃくちゃにしてほしいって言ってるんや。

お金も振り込まれてるから,今日か明日にでもお前を帰り道にさらうことができるんや。

お前をさらって,大勢の男で襲って,風俗に売り飛ばすんや。

お金が振り込まれているから,さらう準備もできてる。

うそでも本当でも,お金が振り込まれているので実行する。

このことは誰にも言ったらあかん。誰かにしゃべったらお前と家族の命はない。警察と組織がつながってるから,警察にしゃべればすぐにばれる。

助かる条件は,月に1回ホテルで幹部の相手をすること。それと,組織への貢献金として,月に1万円を払うこと。貢献金は,組織の幹部に渡される。

などと申し向けた上,同月12日午後7時30分ころ,qを大阪市甲34区甲35甲6丁目甲6番甲11号甲41所在の乙16に呼び出し,同所において,同人に対し,オオガの話はうそやった。ただ,うそかほんまか関係ないんや。組織は,お金をもらってる以上,お前をさらわなあかんねん。さらわれたら,大勢の男にマワされてビデオに撮るから,そのビデオを見て楽しんどるみたいや。組織のことを知ってしまった以上,ただでは帰されへん。ターゲットになった女の子が助かることはありえない。風俗で働かせて,その後,海外に売れば,お前はAランクやから高く売れるんや。

月に1回ホテルで俺の相手をして,月に1万円を渡せば助けてもいいって組織が言ってるんやけど,頑張れるか。

最低は2年半くらいやってもらわんとな。

などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,同月27日から平成24年6月16日までの間,乙9において,別表記載のとおり,8回にわたり,強いて同人を姦淫した上,同人から現金各1万円(合計8万円)を強取し,
第21

暴力団員を装って女性を脅迫して強姦するとともに,現金を強取しよう
と企て,平成24年5月15日午前10時30分ころ,大阪市甲34区甲42甲6番甲6号甲43所在のペット用品店乙17に電話をかけ,応対に出た同店従業員r(当時22歳)に対し,暴力団員を装い,

大友連合の井口だ。

大友連合は山口組系の暴力団である。

オオガが昨年末お前と2か月付き合っていた。そのとき百何十万円貢がされた。貢いだ金はどうでもいいが,悔しいから復しゅうしたいと言って,お前をターゲットにしてほしいと依頼してきた。

それが本当かうそかは知ったことではない。もう組織がお前を誘拐する準備はできている。組織がターゲットにしたからにはもう逃げられない。誘拐したらどこかの風俗に連れて行って働かされる。数年たったらフィリピンかどこか外国に飛ばす。風俗やフィリピン連れて行かれたら家族にも会われへん。助けてほしいか。助ける代わりに,組織の人間と月に1回ホテルに行かなければならない。月に1回ホテルに行くんであれば,周りとか家族には何もしない。自分がやくざだと信じられないのであれば,お前の家族に怪我を負わせて証明する。お前が周りの人に言って周りの人が警察に言えばすぐ分かるから,その言った人を殺す。警察に言ったとしても二,三年は守ってくれるけど,警察も暇じゃないから五,六年たったら無理。その後復しゅうするぞ。五,六年たって結婚してたらお前の子供をお前の目の前で殺したる。などと申し向けた上,同月16日午後1時ころ,同人を大阪市甲34区甲39甲44番甲45号所在のカフェ乙18に呼び出し,同人に対し,前にターゲットになった他の子を幹部が助けようとしたことがある。月1でホテルに行って指示命令全部頑張っていた。しかし,彼氏を作って彼氏に言って,彼氏が警察に言った。だから組織が彼氏を殺した。彼氏を作るのはいいが,彼氏に大友連合のことを話したらいけない。

今の時代,ちょっと交通事故に遭っても死ぬ場合がある。大友連合のことを警察に言った場合,言った人を殺すことになる。さらに,お前に子供ができたらお前の目の前で子供を殺したる。

などと申し向け,同月22日午前11時30分ころ,同人を同区甲35甲6丁目甲6番甲11号所在の甲46の喫茶店乙19に呼び出し,

毎月1万円持ってこい。毎月ホテルに行ったとき集金するから。組織に渡すみかじめ料みたいなものやから。

などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に畏怖させてその反抗を抑圧し,同年6月2日午後0時43分ころ,乙9甲47号室において,強いて同人を姦淫した上,同人から現金1万円を強取し,
第22

暴力団員を装って女性を脅迫して姦淫するとともに,現金を強取しよう
と企て,平成24年7月下旬ころ,大阪府東大阪市甲13甲6丁目甲6番甲48号甲49所在の洋服店乙20に電話をかけ,応対に出た同店従業員s(当時21歳)に対し,暴力団員を装い,

関西連合の清水っていうもんやけど。

ヤマガミが,お前と付き合ってて,お前に,お金をだまし取られたから,俺の組織に,多額のお金を振り込んで,お前に復しゅうしてほしいって言ってる。関西連合っていうのは,表に出るようなヤクザじゃなくて,企業ヤクザや。闇の組織なんや。依頼が来たら,女の子を連れ去って,レイプしているところをビデオに撮ったり,風俗や海外に売り飛ばしたり,殺したりする。ヤマガミから依頼を受けたから,お前をさらって風俗や海外に売り飛ばす。

俺の部下が調査したら,『そんなことするような子じゃない。』って言ってきた。

ただ,ヤマガミが既に報酬を払ってるから,俺らの組織として,復しゅうを実行するしかないんや。

助けるってことになっても,何もしないというわけにはいかない。組織の人間とホテルに行ったりしないといけないけど,頑張れるか。

絶対,警察に言わないように。

もし誰かに話したら,家族の命はない。お前の命もないし,家族の命もない。

などと申し向けた上,同日,sが所持する携帯電話に電話をかけ,同人に対し,

組織にお金を納めた方が評価が高くなる。

俺が上と掛け合って,俺と2人で合わせて1万円を払えばいいってことにしてもらったから。できる分だけ払うように。

などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,同年8月3日,乙9において,強いて同人を姦淫した上,同人から現金4000円を強取し,
第23

暴力団員を装って女性を脅迫して強姦するとともに,現金を強取しようと企て,平成24年9月8日午前10時45分ころ,大阪府八尾市甲50甲3丁目甲11番甲51所在の洋服店に電話をかけ,応対に出た同店従業員t1(当時21歳)に対し,暴力団員を装い,

俺は,サカマキ連合のヤクザしている者なんやけど。

今年の3月,4月に山神という男がt2という奴と付き合って,t2に金を貢がされた。

うちの組織は,依頼を受けて,女の子をさらって売って,体を使う仕事で働かせ,何年か働かせて要らんようになったら海外に売り飛ばすということをやってる。その山神がうちにt2をさらって,売り飛ばしてほしいと依頼してきた。

助かりたいんか助かりたくないんかどっちや。助かりたいんか。

この件を警察とかに言っても無駄やから。俺ら警察とも関わっているから。

警察に言わんと俺を信じて頑張るんやったら助けたる。これは誰にも相談したらあかん。前におったターゲットの女が,婚約者と相談して,その婚約者と一緒に警察に言いに行ってしまった。結局,婚約者の男は組織に殺されて,女は行方不明になった。もし警察に言いに行ったり,俺を裏切ったら,俺じゃなくて組織が周りの人に危害を加えるかもしれん。お前が勝手に警察に言ったり,誰かに相談したりして俺を裏切ったら,組織が,お前の家族をお前の目の前で殺したり,友達に危害を加える。組織はターゲット本人じゃなくて周りに行く。などと申し向けた上,同日午後8時30分ころ,同人を乙5に呼び出し,同人に対し,

ターゲットにされた人はほんまは助からへんのや。

助かりたいんやったら,月に1回ホテルに行ってもらう。幹部の指示があるから,月に1回体を使ってそれをする。これを月に1回,最低4年は続けてもらう。

これは,t2が普通の生活を取り戻すためや。

相手は俺なんやけどな。

幹部には最低でも毎月1万円を払わなきゃいけない。出せるときは1万円を出してくれ。これは,t2が頑張っているというのを幹部に見せるための金だから。幹部は金を払ってればそれほど言ってこない。

などと申し向けるなどして脅迫し,同人を極度に怖がらせてその反抗を抑圧し,同月10日午後1時13分ころ,乙9甲47号室において,強いて同人を姦淫した上,同日午後5時ころ,大阪市甲27区甲52甲3丁目甲2番甲53号所在の株式会社乙21銀行乙22支店ATMコーナー内において,同人から現金
1万円を強取し,さらに,同月29日午後1時35分ころ,乙9甲54号室において,強いて同人を姦淫した上,同日午後6時ころ,同市甲19区甲20甲21丁目甲4番甲7号甲55において,同人から現金1万円を強取した。
(証拠の標目)
省略
1
争点について


弁護人は,判示第1,第8,第11及び第12以外の各事実について,被告人が各被害者に対して行った脅迫は,社会通念上一般的に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものとはいえないから,強盗強姦罪又は強盗罪は成立せず,強姦罪及び恐喝罪,又は恐喝罪が成立するにとどまると主張する。


被告人が各被害者に対して行った脅迫の内容や方法は,ほぼ共通している。初回の姦淫又は金員の強取に至るまでの脅迫の内容等は,概ね,次のとおりである。

被告人は,氏名や電話番号その他の被害者の個人情報を他の被害者から入手することのできた被害者に対しては,これを利用してその携帯電話又は自宅の固定電話に電話をかけ,暴力団員又はその関係者であると名乗り,入手していた情報を伝える(b,c,e,h及びoに対する脅迫)一方,こうした情報がない被害者に対しては,被害者の勤務する店舗に電話をかけ,同じく,暴力団員又はその関係者であると名乗り,言葉巧みにそのやりとりの中で被害者から個人情報を聞き出し,これを事前に把握していたかのように装って伝えるなどし(a,d,f,k,l,m,n,p,q,r,s及びtに対する脅迫),いずれについても,暴力団組織が被害者の身辺を調査したと信じ込ませた。


そして,さらに,たたみかけるように,暴力団組織が,第三者から依頼を受け,被害者を拉致し,強姦し,風俗店で働かせ,海外に売る計画であ
るなどと強烈な内容の脅迫文言を申し向けた上,被告人としては,被害者を助けたいと考えており,そのためには被告人と性交渉し,組織に金員を支払わなければならないと説明した。また,組織のことを口外した場合,口外した相手や被害者の家族や友人を殺す,警察と組織はつながっているから,警察に話しても無駄であるなどと申し向けた。

さらに,一旦電話を切った後,被害者に対し,時間を置いて繰り返し電話をかけたり,喫茶店等に呼び出したりした上,上記の内容を繰り返し申し向けた。


以上に加え,暴力団幹部又は被告人の部下をかたって,被害者の携帯電話に電子メールを送ったり(k,m,n,p,q及びrに対する脅迫),他の被害者に被告人の部下に成りすます電話をかけさせたり(h,q及びrに対する脅迫)することもあった(なお,継続的な犯行の被害者に対しては,初回の姦淫及び金員の強取の後も,このような電子メールを頻繁に送信した。)。
このように,被告人は,巧妙な手口で脅迫内容に真実味を与えるとともに,
強烈な脅迫内容を申し向けることにより,被害者にもし本当だったらという強い不安を感じさせ,かつ,家族等他の者へ相談ができない心理状態に陥れた上で,たたみかけるようにして被害者を追い詰めている。その結果,18歳から29歳までの若い女性である被害者らは,冷静な判断が困難な状況に追い込まれ,被告人の話す内容を信じ込み,その結果として,恐怖のあまり,被告人と性交渉等をし,金員を交付するという被告人の提案に応ずる以外に,選択肢がなくなってしまっている。
被害者の中に,特段,判断能力に乏しかったり,臆病だったりする者はいないと思われるにもかかわらず,一連の脅迫後,屈辱的な行為を伴う被告人との性交渉等を受け入れていることは,被害者が被告人の提案に応じざるを得ない状態に陥っていたことを示すものであり,被告人の脅迫の内容がその
ような状態に陥らせるに十分だったことを示すともいえる。
以上によれば,被告人の各被害者に対する脅迫行為が,社会通念上一般的に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものであったことは明らかである。弁護人は,脅迫から姦淫又は強取までに時間的間隔があるから,冷静に判断をし,助けを求めるなどすることができ,反抗を抑圧する程度の脅迫とはいえないと主張する。しかし,被告人は,初回の脅迫から姦淫又は金員の強取まで,繰り返し電話をかけたり,喫茶店等に呼び出したり,暴力団幹部を名乗る電子メールを送信したりし,さらに脅迫を加えている。むしろ,時間がたつほど,被告人の話を信じ,一層恐怖を感じるように仕向けているといえる。
また,弁護人は,金員を手渡ししていること,交付する金員に名目があること,被害が長期間にわたっていること,交付する金額や性交渉等をする期間について被告人と交渉を行っている被害者がいること等を指摘して,強盗ではなく,恐喝に相当すると主張する。しかし,被告人は,暴力団組織が存在するものと信じ込ませて,自分の意のままに被害者に金員を交付させており,金額や性交渉等をする期間についても最終的には自ら決定しているから,反抗を抑圧するに足りる程度の脅迫があったといえる。


以上の基本的な判断を前提に,考慮すべき個別の事情のある事件につき,補足して説明する。

oに対する脅迫について
oは,韓国人で,被害に遭う約半年前に来日し,大学で日本語教育を受けていた。その日本語の能力は,他の被害者と比べると劣っていたと考えられる。実際にも,後述するように,被告人から電話でされた脅迫の内容を正しく聞き取っていない部分がある。しかし,被告人は,聞き取りやすいように繰り返し話すなどしており,oも被告人の脅迫を大筋として理解していたと認められる。そうすると,oに対する脅迫も,前記のとおり,
反抗を抑圧するに足りる程度のものといえる。

sに対する脅迫について
sは,捜査官に対し,最初に電話を受けた時点では半信半疑であったと供述している。また,その後の電話でも,被告人との間で性交渉等をする期間について交渉を行っている。しかし,sは,繰り返し電話を受けることで組織の存在を信じたと供述している。仮に疑問が残っていたのだとしても,被告人の指示に従わないことで家族や友人らが殺されるという最悪の事態を回避するため,被告人と性交渉等をし,金員を交付せざるをえない状況に追い込まれていたといえるから,sが反抗を抑圧された状態にあったことは明らかである。そうすると,被告人の脅迫行為が反抗を抑圧するに足りるものであったことについて,疑問は生じない。


tに対する脅迫について
tは,最初の被害を受けた後,被告人の指示に反して,被害を友人に打ち明けている。しかし,被害を打ち明けたのは,被害による精神的苦痛に耐えられなくなったからであり,友人に口止めをしていることからしても,tが被告人の話を信じ,被告人と性交渉等をし,金員を交付せざるをえない状況に追い込まれていたことは明らかである。そうすると,被告人の脅迫行為が反抗を抑圧するに足りるものであったことについて,疑問は生じない。

2
その余の事実認定について


脅迫文言について

被告人は,公訴事実に示された脅迫文言の一部を否認している。
しかし,各被害者は,それぞれ,被告人から電話で脅された内容を,その時の心情を含めて具体的に供述している。被害者は,暴力団員又はその関係者を名乗る人物が,自分に危害を加えるなどと話すのを聞いたのであるから,電話の内容を注意深く聞かざるを得なくなっているはずだし,そ
の内容は強く印象に残ると考えられる。また,被害の実情からみて,脅迫文言の一部という些細な事柄について,あえて虚偽の供述をすることは考え難い。脅迫文言に関する被害者の供述は,全体として信用性が高いといえる。これに対し,被告人は,多数の被害者に極めて多数回の脅迫電話をかけており,その内容を正確に覚えているとは考え難い。そうすると,信用性が高いと考えられる被害者供述に反する被告人の供述の信用性には,基本的に疑問があると考えられる。この観点を踏まえ,以下,必要に応じ,個別の事件について補足する。

被告人は,a,b,c,d,e,f,g,i,k,m,n,r,s及びtに対し,被害者やその友達及び家族に危害を加えるなどと言ったのであり,殺すなどとは言っていないと供述する。
しかし,被告人は,助からない抹殺するなどと死を連想させる
強烈な脅迫文言も用いている。あえて殺すという直接的な表現を避けた理由について,合理的な説明もない。そして,前記の観点を踏まえると,被告人の供述は信用できない。


判示第7の事実につき,被告人は,fに対して

助けてほしければ,2000万円払え。

などと申し向けた事実はないと供述する。しかし,fが2000万円をどうにか工面できないか考え,それが無理と分かり,被告人の指示に従わざるを得ないと考えたという供述は,具体的で信用性が高い。そして,前記の観点を踏まえると,被告人の供述は信用できない。


判示第13の事実につき,被告人は,kに対して結婚詐欺という文言は用いていないと供述する。
しかし,kが供述する脅迫文言の中には,繰り返し結婚詐欺という言葉が現れており,聞き間違いや誤解の可能性は低く,その供述は信用できる。そして,前記の観点を踏まえると,被告人の供述は信用できない。

判示第18の事実につき,被告人は,oに対して,被告人との性交渉が,ブラックウォールのことを誰にも言わない証明で,助ける条件である旨の説明はしていない,他の被害者に対するのと同じ内容の脅迫をしたと供述する。
oは,来日して約半年しかたっておらず,被告人の脅迫を大筋として理解していたとしても,たたみかけるように話す被告人の会話のすべてを聞き取れていたとは言い難い。他方,被告人の供述は,他の被害者に対するのと同じ内容の脅迫をしたというものである。各被害者に対する脅迫の内容がほぼ同じであることは,前記のとおりである。そうすると,前記の観点を考慮しても,この被告人の供述は特に信用することができる。

判示第23の事実につき,tは,被告人が組織に払ったという金額について,170万円か270万円のいずれかの金額を言われたとあいまいな供述をしている。そうすると,被告人の脅迫中,この点については,合理的な疑いをいれない程度の証明に至っていないというべきである。

以上で検討したところによれば,前記オ及びカの点を除き,概ね,各被害者が供述するとおりの脅迫があったと認められる。



被害金額について

被告人は,判示第10の事実につき,hから交付を受けたのは26万円ではなく,多くとも10万円であったと供述する。
しかし,hは,金額が26万円になった理由,分割ではなく一括で払うことにした心情を具体的かつ詳細に供述している。そして,この供述は,銀行の預金口座からの出金状況によって裏付けられている。また,hには,あえて虚偽を述べる理由も見あたらない。hの供述は信用できる。これに対し,被告人の供述は,一連の犯行で交付を受けた最高額が10万円であったという記憶であるというにとどまり,hから交付を受けた金額について具体的に覚えているわけではない。そうすると,信用できるhの供述の
信用性に影響を及ぼすものではないといえる。
したがって,判示第10の事実につき,被告人がhから交付を受けたのは26万円と認められる。

判示第17の別表事実3に記載の金額について,nは,被害金額を明確には覚えておらず,2000円であった可能性もあると供述しているから,被害金額が約3000円であることにつき合理的な疑いがあるといわざるを得ない。そこで,確実に認められる2000円の限度で被害額と認めた。

判示第22の事実について,sは,被害金額を明確には覚えておらず,4000円であった可能性もあると供述しているから,被害金額が約5000円であることにつき合理的な疑いがあるといわざるを得ない。そこで,確実に認められる4000円の限度で被害額と認めた。

(累犯前科)
被告人は,平成11年10月6日名古屋地方裁判所一宮支部において強姦,住居侵入,強制わいせつ,恐喝,強盗の罪により懲役8年に処せられ,平成19年4月8日その刑の執行を受け終わった。この事実は検察事務官作成の捜査報告書(乙124)によって認める。
(法令の適用)
被告人の判示第1,第8及び第12の各所為はいずれも(判示第1及び第12はそれぞれ包括して)刑法177条前段に,判示第2ないし第7,第9,第13,第14及び第17ないし第23の各所為はいずれも(判示第2ないし第7,第9,第13,第14,第17,第19,第20及び第23はそれぞれ包括して)刑法241条前段に,判示第10及び第15の各所為はいずれも刑法236条1項に,判示第11の所為は刑法176条前段に,判示第16の所為は同1の点につき包括して刑法243条,241条前段に,同2の点につき包括して刑法241条前段に(この強盗強姦未遂罪と強盗強姦罪は包括一罪として,刑法10条により犯情の重い強盗強姦罪の刑で処断する。),それぞれ該当する。判示第2ないし第
7,第9,第13,第14及び第16ないし第23の各罪について,各所定刑中いずれも無期懲役刑を選択する。前記の前科があるので刑法56条1項,57条により判示第8,第10ないし第12及び第15の各罪の刑についてそれぞれ再犯の加重をする(ただし,判示第8,第10,第12及び第15の各罪の刑については刑法14条2項の制限内で加重する。)。以上は刑法45条前段の併合罪であるところ,刑法46条2項,10条により,犯情の最も重い判示第2の罪について被告人を無期懲役に処し,他の刑を科さない。刑法21条を適用して未決勾留日数中330日をその刑に算入する。
(量刑の理由)
本件は,被告人が,13歳及び14歳の中学生を含む10代から20代の20名の女性を脅迫し,そのうちの17名に対して強盗強姦(うち2名に対してさらに強盗)を,2名に対して強姦を,1名に対して強制わいせつを行った事案である。上記のとおり,被害者が極めて多数であることや,年少者も対象にしていることなど,それ自体から,悪質性が際立った犯行といえる。しかも,被告人は,あらかじめ他の被害者から入手した被害者の個人情報を利用し,あるいは,巧みな話術を用いるなど,巧妙な方法を駆使して,被害者に暴力団組織から狙われていると信じ込ませた上,複数人で強姦するとか,海外に売るなどと強烈な内容の脅迫を加え,さらに口外すれば被害者の友人や家族が殺されることになるなどと脅し,被害者を被告人の指示に従わざるを得ない状況に追い込んでいる。そして,あたかも被告人が被害者の救い主であるかのように装い,被害者を自分の意のままに行動させた。被害者は,精神的に支配された状態に置かれ,その期間は,長いものでは6年半にも及んでいる。そして,多くの被害者が,その間,繰り返し,屈辱的な行為を含む性交渉や金員の交付を強いられており,姦淫回数は合計143回(うち未遂2回),現金を奪った回数は合計122回,被害金額は合計161万9000円に上っている。犯行は,被害者の尊厳を踏みにじる,極めて卑劣なものである。被害者らは,長期間の被害により人生を大きく狂わされ,あるい
は,大きな恐怖や苦しみを受けたことにより,今なお,精神的に苦しんでいる。すべての被害者が被告人に対する厳重な処罰を求めているのも,至極当然といえる。
また,被告人は,同様の手口で若い女性を強姦するなどした前科を有しており,これにより長期間服役したにもかかわらず,仮釈放からわずか20日余りで再び判示第1の犯行に着手し,その後,次々に犯行を重ねている。更生に努めるべき立場にありながら,このような犯行に及んだことは,強い非難に値する。以上によれば,被告人の刑事責任は重大であり,本件は,強盗強姦罪で処断されるべき事案の中で最も重い部類に属するものといえる。
被告人が基本的に犯行を認め,事実関係について積極的に供述していることや,弁護人を通じて示談に努め,実際に,強制わいせつの被害者に対し50万円を弁償して示談を成立させたほか,示談までには至っていないものの5名の被害者に対し合計290万円の被害弁償をしていることは,それなりに評価することができる。しかし,その責任の重大さからすれば,これらの事情が,刑の選択に影響するとは到底考えられない。
以上からすると,被告人には,法定刑の上限である無期懲役をもって臨むのが相当である。
(求刑

無期懲役)

平成26年11月27日
大阪地方裁判所第3刑事部

裁判長裁判官


裁判官


裁判官

八石野郁朗寺健太木あゆみ
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