判例検索β > 平成24年(わ)第557号
窃盗
事件番号平成24(わ)557
事件名窃盗
裁判年月日平成24年9月28日
裁判所名・部神戸地方裁判所  第2刑事部
裁判日:西暦2012-09-28
情報公開日2017-10-13 01:35:10
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平成24年9月28日宣告
平成24年第557号

裁判所書記官
窃盗被告事件
判決主文
被告人を懲役1年4月に処する
理由
(罪となるべき事実)
被告人は
第1

平成23年11月4日,神戸市

区通
丁目


号所在の


式会社BC店において,同店店長Dが管理し,店内に陳列していた粘着カーペットクリーナー1本(販売価格178円)を窃取し
第2

平成24年3月6日,神戸市

区通
丁目


号所在のE薬局

において,同店店長Fが管理し,店内に陳列していたシャンプーセット2点(販売価格合計1596円)を窃取し
たものである。
(証拠の標目)
省略
(補足説明)
判示第1の事実について,弁護人は,被告人には万引きをする意思はなかったのであり,窃盗の故意がなかった旨主張する。そこで,同事実について窃盗の故意を認めた理由を説明する。
まず,当事者間に争いのない事実として,被告人が,被害店舗内で陳列されていた粘着カーペットクリーナー(以下この項において被害品という。
)を手に取った後,その代金を支払わないで被害店舗を出て,外に駐輪していた自転車の前かごに持っていたリュックサックを置いたころ,警備員のGに声をかけられたこと,告人はGと共に再び被害店舗内に入り,被
リュックサックから被害品を取り出してGに手渡したことが認められる。そして,Gは,捜査段階で以下の趣旨の供述をしている。すなわち,Gは,告人が被害店舗に入るころから被告人の行動を注視していたところ,被
被告人が,害品を右手で取った後,内を移動し,りを見回してから,被


左手に持っていたリュックサックの中に被害品を入れ,ファスナーを右手で閉めたのをはっきり見たというのである。
このGの供述は,被害品がリュックサックに入っていたことを自然に説明するものであり,具体的で,内容に不合理な点がない。Gの供述は常識的に考えて十分信用できるものであり,その供述内容に沿う事実が認められる(なお,被告人は,自分がしたのは,右手に持っていた被害品を,リュックサックを持っていた左手に持ち替えただけであり,それがGの言うような動作に見えたのではないか,いう趣旨の供述をしている。かし,と

Gは警備員として被告人が万引きをするかどうかを注視していたのであり,単に左手に被害品とリュックサックを一緒に持つことと,リュックサックの中に被害品を入れてファスナーを閉めることを見間違えるとは考えられない。。

そうすると,被告人は,被害店舗内で被害品をリュックサックに入れてチャックを閉め,代金を支払わずに同店舗を出たということになるから,このとき被告人が窃盗行為をしている認識を持っていたことは明らかであり,そのように認められる。
この点に関する被告人の供述は,以下のような趣旨のものである。すなわち,被告人は,自転車のかぎをかけわすれていたことを思い出したから被害店舗を出ただけで,すぐかぎを締めて,すぐ戻って代金を支払えばいいかなと思っていたのであり,害品がリュックサックに入ったとしたら,被
左手に持っていた被害品とリュックサックを一緒に自転車の前かごに置いたとき,リュックサックの口が開いた状態だったので入ったことぐらいし
か考えられないが,明確な記憶があるわけではない,というのである。しかし,被告人の供述は,あいまいな部分もある上,その内容自体,自転車のかぎをかけるためとはいえ商品を持ったまま被害店舗を出ることに抵抗を感じていなかったという部分はやや不自然であるし,被告人がファスナーを開けたままリュックサックを持ち歩いており,それと一緒に持っていた被害品が,前かごに置いた際に偶然中に入ってしまう,という部分は,余りに不自然であって,被害品がリュックサックに入っていたことを説明できているとはいえない。この点に関する被告人の供述は常識的に考えて信用できない。
その他,弁護人の主張や被告人の供述を検討しても,先に述べた判断を左右するものはない。
(累犯前科)
省略
(法令の適用)
罰条
判示第1及び判示第2につきいずれも刑法235条

刑種の選択

いずれも懲役刑を選択


刑法56条1項,57条(判示第1及び判示第2のい

犯加重
ずれの事実も,累犯前科1及び2の双方との関係で再
犯なので,それぞれ再犯の加重)
併合罪加重

刑法45条前段,47条本文,10条(犯情の重い判
示第2の罪の刑に法定加重)

訴訟費用
刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担)

(量刑の理由)
被告人は,前記累犯前科1及び2を有しているほか,平成13年6月にも窃盗窃盗未遂,恐喝の各罪で懲役3年,執行猶予4年に処せられたことがあり,窃盗罪ないしこれを含む罪により3度も懲役刑の判決を受けて
いる。そうであるのに,被告人は,最終刑の執行終了から約1年6か月余りで判示第1の万引きの犯行に及び,これが発覚したにもかかわらず,更にその約4か月後に判示第2の万引きの犯行に及んでいる。被告人の規範意識には大きな問題があり,窃盗行為に対する常習性も認められる。被告人は所持金を使うのが惜しくて判示第2の犯行に及んだことを認めており,判示第1の犯行の動機も同様のものと推認されるところである。本件各犯行の動機は自己中心的なものであるといわざるを得ず,被告人が余裕のない経済状況に置かれていたことを踏まえても,特別に有利な事情があるとまでいうことはできない。
一方で,被告人は,判示第2の犯行については犯罪事実を認めている。しかし,この点を被告人の反省の姿勢の現れととらえて有利に考慮するとしても,同人が判示第1の事実について前記のような不自然な弁解に終始していることにも照らすと,その程度には限界がある。
そうすると,各被害品は高額とはいえず,後に被告人によって買い取られていること,被告人は体に病気を抱えていることなど被告人のために酌むべき事情を考慮しても,主文の程度の刑はやむを得ない。
(検察官:原島一郎,国選弁護人:氏家都子各公判出席)
(求刑

懲役1年6月)

平成24年9月28日
神戸地方裁判所第2刑事部

裁判官

三上潤
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