判例検索β > 平成21年(行ケ)第10262号
審決取消請求事件 商標権 行政訴訟
事件番号平成21(行ケ)10262
事件名審決取消請求事件
裁判年月日平成22年9月14日
法廷名知的財産高等裁判所
裁判日:西暦2010-09-14
情報公開日2017-10-19 13:58:15
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平成22年9月14日判決言渡
平成21年(行ケ)第10262号審決取消請求事件
口頭弁論終結日

平成22年7月13日
判決原告
ジャス・インターナショナル株式会社

被告Y主文1
原告の請求を棄却する。

2
訴訟費用は,原告の負担とする。

第1

実及

び理由
請求

特許庁が,無効2008-890073号事件について,平成21年8月21日にした審決を取り消す。
第2

当事者間に争いのない事実

1
特許庁における手続の経緯
被告は,円の中に黒い目と口を配した人の笑顔様図形と,その下にSMILEYの欧文字を配した構成よりなる別紙
商標目録(1)
記載
の登録商標
(以
下本件商標という。)の商標権者である。
原告は,平成20年9月11日,本件商標について,無効審判(無効2008-890073号事件)を請求した(以下本件無効審判請求という。)。特許庁は,平成21年8月21日,

本件審判の請求は,成り立たない。

との審決(以下「審決」という。)をし,その謄本は,平成21年8月28日,原告に送達された。
2
審決の理由
審決の理由は,次のとおり,本件商標は,商標法4条1項7号,同15号,同19号並びに同法3条1項6号に違反して登録されたものでなく,同法46条1項1号の規定により無効とすることはできないというものである(別紙審決書写し参照)。
(1)

本件商標は,商標法4条1項7号の規定に違反して登録されたものと
はいえない。すなわち,

仮に本件商標が,請求人(原告)主張のとおりHが創作・著作したとする別紙商標目録記載(2)の引用図形に係る著作権に抵触する商標であるとしても,そのことをもって,本件商標が商標法4条1項7号の規定に違反して登録されたものであるとはいえない。


また,請求人(原告)の提出する証拠によっては,ハーベイ・ボール・ワールド・スマイル財団(以下ハーベイ・ボール財団という。)については,米国及び我が国において一財団としての活動の事実があるというにすぎず,引用図形がハーベイ・ボール財団の行う慈善活動を表示するシンボルとして知られていると認めることはできず,本件商標が国際信義に反して登録されたものであるとはいえない。スマイル・マークが1970年代に米国で流行したとしても,そのことによって,本件商標の登録が,国際信義に反するということはできない。

(2)

本件商標の登録は,不正の目的で商標登録を受けた場合(商標法

47条1項)には当たらないから,同法4条1項15号の規定に違反してされたことを理由に平成20年9月11日にされた本件無効審判請求は,本件商標の設定登録日である平成12年5月19日から5年以上経過後にされたものとして,不適法である。
(3)

商標法が使用許諾制度を採用していることからすれば,他人に使用権
を許諾しその使用料を取得することが,直ちに,不正の目的(商標法4条1項19号)に当たるということはできない。また,引用図形が,ハーベイ・ボール財団及びその関係者の業務に係る商品を表示する商標として広く知られているとは認められない。したがって,本件商標は,商標法4条1項19号の規定に違反して登録されたものであるとはいえない。
(4)

本件商標が商標法3条1項6号の規定に違反して登録されたとの無効
理由については,本件無効審判請求は,本件商標の設定登録日である平成12年5月19日から5年以上経過後にされたものであり,除斥期間が経過している。
第3

当事者の主張

1審決の取消事由に係る原告の主張
審決には,
(1)
商標法4条1項7号に係る判断の誤り
(取消事由1)(2)

同条1項15号に係る判断の誤り(取消事由2),(3)同条1項19号に係る判断の誤り(取消事由3),(4)同法3条1項6号に係る判断の誤り(取消事由4)がある。
(取消事由に共通する前提事情)
(1)被告は,スマイル・マークの著作者ではないこと
被告は,仏国のフランス・ソワール紙が1970年当時にスマイル・キャンペーンを行った際のスマイル・マークを盗用して,その商標登録をした者にすぎず,著作権者ではない。なお,1968年ころ被告を含む3人のフランス人が,アメリカ旅行をした際にスマイル・マークを見て,帰国後に3人の名前でフランスでの商標登録の出願をしようと約束したが,被告が単独でスマイル・マークの商標登録出願をした旨の雑誌記事がある。
また,被告は,すべてのスマイル・マーク関連商標について,米国特許庁により拒絶されている。
さらに,被告は,米国PeopleWeekly誌において,

自分はスマイルを創作・著作したことはなく,商標登録をしただけだ。

と告白している。
(2)

米国人Hがスマイル・マークの著作者であること

スマイル・マークは,1963年に米国人Hが創作,著作したものである。すなわち,Hの故郷である米国マサチューセッツ州ウスター市の2つの保険会社が合併する際,両社の社員の融合を図るために保険会社の副会長が,当時ウスター州でグラフィック・デザイナーをしていたHにバッジやカード,ポスター等に使える小さなシンボルマークの制作を依頼した。Hは,同依頼に基づきスマイル・マークを制作した。当初,同保険会社は,バッジを顧客に配布していたが,バッジの人気が全米に広まり,米国民1億人の胸にスマイル・バッジが着けられた。2001年(平成13年)4月12日,Hが死去したときには,全世界の新聞でスマイルの生みの親の死去として紹介された。
ハーベイ・ボール財団は,
スマイル・マークの基本マーク(DESIGNEDBYHARVEYR.BALLUSA1963と一体となったもの)を米国で商標登録し,我が国においても著作権登録をしている。
(3)

日本でのスマイル・マークの登場

日本においては,1970年(昭和45年),ニコニコ・マーク,ラブ・ピースの大流行とともに,スマイル・マークの人気が高まった。文具メーカーがスマイル・マークを使用し,文具等の企業26社がラブ・ピース・アソシエーションを作り,大規模な共同宣伝を行った。その結果,人気が高まり,スマイル・マークは,知らない者がいないほど著名になった。
(4)

被告の日本での権利主張
他方,被告は,平成9年ころ,来日し,当時の代理人であった株式会社イングラム(以下イングラム社という。)と共同で記者会見を行い,

スマイルは自分が『著作権』と商標権を有している。

無断使用者には断固たる処置を行う。

旨宣言し,同時に平成9年2月11日付け及び同年4月10日付けの日本経済新聞において,全面広告による警告を行った。そのため,スマイル・マーク関連商標を使用していた日本の企業約30社は,多額の支払を強要された。
イングラム社は,平成10年,株式会社エフエム東京に対し,

被告及びイングラム社が,詐欺ビジネスを行っている。

旨の放送が営業妨害又は信用棄損に当たると主張して,損害賠償等を求める訴訟を提起した。2審の東京高等裁判所は,平成12年1月19日,被告はスマイル・マークの創作者でも著作権者でもなく,
スマイル・マークの商標権を有しておらず,
『国際的詐欺ビジネスの様相を見せ始めている』と形容することも,あながち不当ではないなどと指摘して,
イングラム社敗訴の判決を言い渡し
(東
京高等裁判所平成11年(ネ)第5027号事件),これが広く新聞報道された。
(5)

原告が支援しているボランティア活動等

原告が支援しているハーベイ・ボール財団は,次のようなボランティア活動をしている。

平成14年11月18日,伊勢神宮において,俳優三上眞一氏参加のスマイルの集い(高齢者対象)を支援した。


平成14年12月6日,俳優児玉清氏参加のスマイル・チャリティーゴルフコンペにおいて,10万円を福祉施設に寄付した。

平成14年12月26日,俳優中村雅俊氏参加のスマイルの集まりにおいて,7万円を老人ホームに寄付した。

平成15年2月,伊豆大島での俳優磯村みどり氏参加のスマイルの集いにおいて,福祉へ寄付した。オ
平成15年4月1日,手話グループの会の集いを支援した。


平成15年4月,音楽家天地総子氏参加の老人ホーム訪問を支援した。


平成15年5月10日,タレント森末慎二氏参加のスマイル若者集会を主催した。

平成15年5月24日,俳優愛川欽也氏参加のスマイル集会を
支援した。


平成16年7月23日,財団法人エイズ予防財団と共催で,渋谷駅ハチ公前において,エイズ予防キャンペーンを行った。


平成16年7月25日,原宿竹下通りにおいて,エイズ・キャンペーンを行った。

平成16年8月15日,原宿竹下通りにおいて,夏休みの青少年健全育成安心の町スマイル・タウン宣言を舛添要一会長参加で行った。


平成17年10月1日,オカモトと共同で,ストップザ・エイズ
の目的でスマイル・コンドームを発売した。


平成17年10月19日,新宿歌舞伎町において,オカモトと共催してエイズ・コンサートを開催した。


平成17年12月1日,ニュースJAPAN(フジテレビ)の報道キャンペーンに協賛した。

平成17年12月2日,目ざましテレビ(フジテレビ)のエイズ・キャンペーンに協賛した。

平成20年8月15日,原宿竹下通りにおいて,スマイル・キャンペーンを行った。

平成21年5月3日,サウンドアートフェア南知多を実施した。

平成21年8月29日,米国大使館において,スマイル・キャンペーン実施等多数の活動を行った。
(個別的な取消事由の主張)
(1)取消事由1(商標法4条1項7号に係る判断の誤り)
本件商標は,商標法4条1項7号に違反して登録されたものであるから,無効である。

スマイル・マークは,Hによって,創作・著作され公表されたものであるから,これを,創作者・著作者とは何らの関係もない一個人である被告が,創作者・著作者の承諾を受けずに登録出願してその設定登録を受けることは,公正な商取引秩序を乱し,国際的な商取引秩序,国際商道徳に反し,社会の一般道徳観念にも反する。


スマイル・マークは,前記のとおり,米国の1970年代を代表する歴史的意義を有しており,Hの息子のCが代表者を務めるハーベイ・ボール財団などを通じ,慈善活動・ボランティア活動に活用されている。したがって,スマイル・マークが,一個人により独占的な権利として保有されることは,
スマイル・マークの有するイメージや国際性に反し,
米国政府等に対する関係で国際信義に反する結果になる。

(2)

取消事由2(商標法4条1項15号に係る判断の誤り)

スマイル・マークは,その創作・著作者である故H及び同人の正当な承継人,殊にハーベイ・ボール財団及びその関係団体の業務又はそれらの者から許諾を得て業務を行っている者の業務(他人の業務)に係る商品を表示するものとして,我が国又は外国におけるキャラクター・マーチャンダイジング業界に関係する業者(一次需要者)や商品の購入者(二次需要者)の間に広く認識されている。したがって,本件商標をその指定商品に使用しても他人の業務に係る商標と混同を生ずるおそれがあり,本件商標は,商標法4条1項15号の規定に違反して登録されたものであるから,
無効である。
(3)

取消事由3(商標法4条1項19号に係る判断の誤り)

また,本件商標は,被告によって不正の目的をもってライセンス目的で使用されており,商標法4条1項19号の規定に違反して登録されたものであるから,無効である。
(4)

取消事由4(商標法3条1項6号に係る判断の誤り)

本件商標は,商標法3条1項6号の規定に違反して登録されたものであるから,無効である。
2
被告の対応
被告は,適式な呼出しを受けながら,本件口頭弁論期日に出頭せず,答弁書その他の準備書面も提出しない。

第4
1
当裁判所の判断
当裁判所が認定した事実経過
証拠(当裁判所において顕著な事実を含む,当庁平成21年(行ケ)第10267号事件,同第10339号事件)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(1)

日本においては,昭和45年ころから,アメリカで既に大流行してい
たスマイル・マークに似たニコニコ・マーク,ラブ・ピースが
流行した。
(2)

その後,同マークの流行は収まったが,原告は,米国では米国人Hが
スマイル・マークの創作者であるとされていたことから,平成10年以降,米国のハーベイ・ボール財団をライセンス元とするスマイル・マークのライセンス契約を締結し,許諾されたスマイル・マークに関するサブ・ライセンス契約を締結し,現在まで,日本における同マークの商品化事業を継続してきた。そして,原告は,米国のハーベイ・ボール財団の日本支部として,スマイル・マークに係る事業を行っている有限会社ハーベイ・ボール・スマイル・リミテッドの社会的活動を支援している。
(3)

他方,フランス人である被告は,平成9年ころ,来日し,当時の代理
人であったイングラム社と共同で記者会見を行い,イングラム社は,平成9年2月11日付け及び同年4月10日付けの日本経済新聞において,

スマイルマークは登録商標です。

私を勝手に使わないで!

日本においてスマイルマークを使用される場合は,Y氏及び弊社の事前承認が必要となります。

などとする全面広告による警告を行った。その後,当時のイングラム社について

詐欺ビジネスを行っている。

旨放送したエフエム東京に対し,イングラム社は,営業妨害又は信用棄損に当たるとして東京地方裁判所に提訴したが,2審(東京高等裁判所平成11年(ネ)第5027号事件)において,平成12年1月19日,敗訴判決の言渡しを受けた。同判決は,①被告は日本においてスマイル・マークの出願をしている者にすぎず,第三者に対して差止請求をし得る商標権者ではなく,
スマイル・マークの創作者でも著作権者でもない,②被告がスマイル・マークの創作者,著作権者であり,スマイル・マークが登録商標であるなどとする広告内容は虚偽であり,
イングラム社の許諾なしに
スマイル・マークを使用することができないことを前提として,イングラム社が,同人との間でライセンス契約を締結するよう宣伝することは,被告の詐欺的商法に加担したと言われてもやむを得ない,③被告又はイングラム社の商法について国際的詐欺ビジネスの様相を見せ始めていると形容することも,あながち不当ではないというべきであるなどと認定して,イングラム社の請求を棄却した。同判決は,日本国内において広く新聞報道された。2
商標法4条1項7号に係る判断の誤りについて
(1)原告は,本件商標を構成する図柄が,第三者(故H)の有する著作権の範囲に含まれることを理由に,本件商標は,商標法4条1項7号に該当する商標である旨主張する。
しかし,原告の主張は,以下のとおり理由がない。
すなわち,登録商標に係る図柄等について,第三者の有する著作物に係る支分権(複製権,翻案権等)の範囲内に含まれることがあったとしても,商標法及び著作権法の趣旨に照らすならば,そのことのみを理由として当然に当該商標が商標法4条1項7号所定の公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標に該当するものということはできない。
そうすると,
仮に,
本件において,
原告が主張するとおり,
1963年に故Hが引用図形
(別紙
商標目録記載(2)引用図形参照)を著作,創作したものであり,本件商標がその著作権の範囲内に含まれるとしても,そのことのみをもって本件商標が,商標法4条1項7号に該当するとはいえない。
また,原告が主張するとおり,1960年代後半から1970年代に,米国でスマイル・マークが流行し,我が国においてもスマイル・マークがブームを招いたという事情を併せて考慮しても,①H自身は,スマイル・マークについて商標登録をする意思もなく,第三者が自由にスマイル・マークを使用することを容認し,金銭的な見返りを求めていなかったものと窺えること(当裁判所に顕著な事実・当庁平成21年(行ケ)第10339号事件),②原告がスマイル・マーク関連商品の商品化事業を日本で進めるようになったのは,平成10年2月2日にハーベイ・ボール財団との間でスマイル・マークのライセンス契約を締結してから以降のことであり(当裁判所に顕著な事実・当庁平成21年(行ケ)第10267号事件,同第10339号事件),さらに,本件訴訟の原告の主張によっても,原告が支援しているハーベイ・ボール財団の日本支部による慈善活動等が日本国内において行われるようになったのは平成14年以降のことであるから,被告には,平成8年12月17日の本件商標の出願当時において,原告主張の慈善活動等によって形成されたスマイル・マークの良好なイメージに便乗する意図はなかったと認められることに照らせば,本件商標が,商標法4条1項7号所定の商標に該当するものであると認めることはできない。(2)

また,原告は,本件商標の登録が米国政府等に対する関係で国際信義
に違反する旨主張する。
しかし,原告の主張は理由がない。すなわち,上記(1)で認定した事情のほか,本件において,原告が主張する引用図形(別紙商標目録(2)引用図形参照)が本件商標の登録査定(平成12年5月19日設定登録)当時の米国において,人気キャラクターであることを超えて,平和のシンボルや慈善活動に使用されるものとして著名であったと認めるに足りる証拠もないことに照らすならば,たとえスマイル・マークが1970年代の米国において大流行したという歴史的事実があったとしても,本件商標の使用が米国政府等に対する関係で国際信義に反するという理由により本件商標が商標法4条1項7号に該当する商標であるということはできない。よって,これと同旨の審決の判断に誤りはなく,この点に係る原告の主張は理由がない。
3
商標法4条1項15号に係る判断の誤りについて
原告は,本件商標が商標法4条1項15号に該当すると主張する。しかし,原告の主張は理由がない。すなわち,前記認定説示のとおり,原告がスマイル・マーク関連商品の商品化事業を日本で進めるようになったのは,平成10年ころ以降のことであるから,平成8年12月17日の本件商標の登録出願時において,
原告が支援した慈善活動やボランティア活動による
スマイル・マークの良好なイメージに被告が便乗する意図を有することはあり得なかった。また,前記のとおり,本件訴訟の原告の主張によっても,原告支援のスマイル・マークに係る慈善活動等が日本国内においてされるようになったのは,平成14年以降のことであるから,本件商標の登録査定時(平成12年5月19日設定登録)において,原告が支援していた慈善活動等によるスマイル・マークの良好なイメージに被告が便乗する意図をもって本件商標の登録を受けたものであると認めることはできず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。そうすると,たとえ被告がスマイル・マークの著作者・創作者ではなく,前記1認定のとおりイングラム社敗訴等に係る事実経過があるとしても,本件商標の登録が不正の目的で商標登録を受けた場合(商標法47条1項)に当たると認めることはできない。
よって,本件商標の設定登録の日から5年の除斥期間が経過したことにより,商標法4条1項15号を理由とする無効審判請求は不適法であるとした審決の判断に誤りはなく,原告の主張は理由がない。
4
商標法4条1項19号に係る判断の誤りについて
原告は,本件商標は,被告によって不正の目的をもってライセンス目的で使用されており,商標法4条1項19号の規定に違反して登録されたものであるから,無効であると主張する。
しかし,原告の主張は,理由がない。すなわち,前記2及び3で説示したところによれば,たとえ前記1認定のイングラム社敗訴等に係る事実経過があるとしても,本件商標は,不正の目的をもって使用をするものであるとは認められないから,商標法4条1項19号の規定に違反して登録を受けたものであるとはいえない。よって,これと同旨の審決の判断に誤りはなく,原告の主張は理由がない。

5
商標法3条1項6号に係る判断の誤りについて
原告は,
本件商標は,
商標法3条1項6号にも該当すると主張する。
しかし,
原告による無効審判請求時(平成20年9月11日)には,本件商標の設定登録の日(平成12年5月19日)から5年以上が経過しているから,商標法3条1項6号を理由とする無効審判請求は,商標法47条1項により不適法である。
よって,
これと同旨の審決の判断に誤りはなく,
原告の主張は,
理由がない。

6
結論
以上によれば,原告主張の取消事由はいずれも理由がない。その他,原告は縷々主張するが,いずれも理由がない。よって,原告の本訴請求は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。

知的財産高等裁判所第3部

裁判長裁判官
飯村敏明齊木教朗武宮英子
裁判官

裁判官
(別紙)

商標目録

(1)登録第4383223号商標(無効2008-890073号事件)(ア)商標の構成

(イ)登録出願日:平成8年12月17日
(ウ)設定登録日:平成12年5月19日
(エ)指定商品:第34類

たばこ,喫煙用具(貴金属製のものを除く。),マッチ

(2)引用図形
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