判例検索β > 平成17年(あ)第1901号

宮城の貸金業者強盗殺人等事件

強盗殺人,死体遺棄,殺人,詐欺被告事件
事件番号平成17(あ)1901
事件名強盗殺人,死体遺棄,殺人,詐欺被告事件
裁判年月日平成21年6月23日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁集刑 第296号883頁
原審裁判所名仙台高等裁判所
原審裁判年月日平成17年7月26日
判示事項死刑の量刑が維持された事例(宮城の貸金業者強盗殺人等事件)
裁判日:西暦2009-06-23
情報公開日2017-10-17 13:54:43
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主文
本件上告を棄却する
理由
弁護人大熊裕起の上告趣意のうち,死刑制度に関して憲法13条,31条,36条違反をいう点は,死刑制度が憲法のこれらの規定に違反しないことは当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号同23年3月12日大法廷判決・刑集2巻3号191頁,最高裁昭和26年(れ)第2518号同30年4月6日大法廷判決・刑集9巻4号663頁,最高裁昭和32年(あ)第2247号同36年7月19日大法廷判決・刑集15巻7号1106頁)とするところであるから,理由がなく,その余は,憲法違反,判例違反をいう点を含め,実質は事実誤認,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。被告人本人の上告趣意は,事実誤認,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
なお,所論にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認められない。
付言すると,本件は,被告人が,(1)

自己と同じ暴力団に所属する共犯者4名

と共謀の上,やはり同じ暴力団に所属する被害者が組織から行方をくらませたことなどに憤激し,同人に制裁を加えるべく,同人を鉄パイプ等を使用するなどして多数回にわたって殴るなどするうちに,同人を殺害することを決意し,同人を自動車でひき,更に殴るけるなどの暴行を加えた上,海中に投棄するなどして殺害したという殺人,(2)

上記と同じ共犯者4名と共謀の上,貸金業等を営んでいた被害者

を殺害して,被告人及び共犯者の一人が被害者に対して負っていた債務を免れるとともに同人の所持金を奪おうと企て,同人の首を絞めて殺害して債務を免れ,所持金を奪い,その死体を海中に投棄したという強盗殺人死体遺棄,(3)
共犯者2

名と共謀の上,その共犯者の一人の実母から合計2400万円余りの現金をだまし取ったという詐欺の事案である。
(1)及び(2)は,わずか1か月足らずの間に2名の尊い命を奪った重大な犯行であり,その態様は,(1)については,助命を懇願する被害者に対して,せい惨な暴行を加えて殺害したものであり,(2)については,周到に犯行方法に関する謀議を重ねた上で被害者を殺害した計画的なものであって,いずれも極めて冷酷非情といわざるを得ない。債務を免れ,かつ,現金を手に入れるという(2)の犯行の目的も,身勝手というほかない。これらの犯行の凶悪性,残忍性が社会に与えた衝撃は大きく,各被害者の遺族の処罰感情もしゅん烈である。そして,被告人は,暴力団内で共犯者らに対して上位の地位にある者として,共犯者らに指図するなどして上記各犯行を主導し,実行に及んでいるのであり,上記各犯行においていずれも中心的な役割を果たしている。(3)の犯行についても,態様は悪質であり,被害額も大きい。
以上の諸事情に照らすと,被告人に罰金前科しかないこと,共犯者との刑の均衡などを考慮しても,被告人の刑事責任は極めて重大であり,被告人を死刑に処した第1審判決を維持した原判断は,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
検察官奥村丈二
(裁判長裁判官
田原睦夫

公判出席
堀籠幸男

裁判官

裁判官

藤田宙靖

近藤崇晴)
裁判官

那須弘平

裁判官

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