判例検索β > 平成18年(あ)第2178号

パチンコ店員強殺事件

強盗殺人,建造物侵入,窃盗,窃盗未遂,死体遺棄被告事件
事件番号平成18(あ)2178
事件名強盗殺人,建造物侵入,窃盗,窃盗未遂,死体遺棄被告事件
裁判年月日平成21年6月9日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁集刑 第296号751頁
原審裁判所名東京高等裁判所
原審裁判年月日平成18年9月29日
判示事項死刑の量刑が維持された事例(パチンコ店員強殺事件)
裁判日:西暦2009-06-09
情報公開日2017-10-17 13:54:44
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主文
本件上告を棄却する
理由
弁護人岩井信の上告趣意のうち,憲法31条違反をいう点は,死刑制度が憲法の同規定に違反するものでないことは当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号同23年3月12日大法廷判決・刑集2巻3号191頁,最高裁昭和32年(あ)第2247号同36年7月19日大法廷判決・刑集15巻7号1106頁)とするところであるから,理由がなく,その余は,判例違反をいう点を含めて,実質は事実誤認,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
なお,所論にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認められない。
付言すると,本件は,被告人が,Aと共謀の上,第1

ぱちんこ店の従業員を殺

害して店のかぎを強取し,そのかぎを使って店に侵入して売上金等の現金を窃取することを企て,群馬県伊勢崎市内にあるぱちんこ店の従業員(当時47歳)を殺害して店のかぎを強取し,強取したかぎを用いてその店内に侵入して現金300万円等を窃取し,殺害した従業員の死体を河川に投棄し(強盗殺人建造物侵入窃盗死体遺棄),第2

そのわずか1か月余り後に,再び同様の犯行を企て,同県

太田市内にあるぱちんこ店の従業員(当時25歳)を殺害して店のかぎや同人の所持金等を強取し,強取したかぎを用いてその店内に侵入したが,金庫を解錠できなかったため現金を窃取することができず,殺害した従業員の死体を同じ河川に投棄した(強盗殺人建造物侵入窃盗未遂,死体遺棄)という事案である。強盗殺人2件という事案自体重大であって,犯行の罪質は極めて悪い。被告人は,定職に就かずぱちんこ店に入り浸って生活をするうちに金銭に窮し,同じく金銭に窮していた共犯者と共に,金欲しさから,第1の事件を起こし,大金を入手するや,遊興費等に費消し,再び同様の犯行を企て,第2の事件を敢行したものであって,その犯行経緯や犯行動機に酌むべき点は全くない。各殺害の態様は,各被害者の首に巻き付けたロープを共犯者と共にこん身の力で引っ張り続け,各被害者を苦しみと絶望のうちに息絶えさせたものであって,残忍極まりない。2名の尊い生命を奪った結果は甚だ重大であって,遺族らの処罰感情も厳しい。相次いでぱちんこ店従業員を殺害した本件が地域社会に与えた影響も軽視することはできない。そして,被告人は,各犯行を発案して主導的役割を果たした共犯者から誘われてこれに加担したものではあるが,共犯者の提案や指示に従ったほか,犯行の準備段階において重要な役割を果たしており,特に第2の事件では,襲うぱちんこ店を提案したり,被害者を襲う場所を提案したりするなどしている。さらに,各事件の実行行為の面においては積極的にこれに加担し,主体的に犯行を遂行しており,犯行により得た現金については共犯者と折半している。
これらの事情に照らすと,被告人が犯行時25歳と比較的若年であって交通事犯による罰金以外に前科がなく,犯行を反省,悔悟していること,被告人の両親が第1の被害者の母親に謝罪し,見舞金100万円を支払っていること,第1のぱちんこ店に50万円を弁償していることなど,酌むべき事情を十分考慮しても,被告人の罪責は誠に重大であり,被告人を死刑に処した第1審判決を維持した原判断は,やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない。
よって,刑訴法414条,396条により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。検察官中村明
(裁判長裁判官
田原睦夫

公判出席
堀籠幸男

裁判官

裁判官

藤田宙靖

近藤崇晴)
裁判官

那須弘平

裁判官

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