判例検索β > 昭和38年(オ)第174号
土地建物明渡請求
事件番号昭和38(オ)174
事件名土地建物明渡請求
裁判年月日昭和41年4月5日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別判決
結果破棄差戻
判例集等巻・号・頁集民 第83号27頁
原審裁判所名福岡高等裁判所  宮崎支部
原審事件番号昭和36(ネ)96
原審裁判年月日昭和37年11月5日
判示事項一 処分の権限を有しない者のした期間の定めのない建物賃貸借と民法第六〇二条
二 いわゆる短期賃貸借と借家法第一条第一項の適用の有無
裁判要旨一 処分の権限を有しない者のした期間の定めのない建物賃貸借は、民法第六〇二条の期間を超えない、いわゆる短期賃貸借に該当すると解するのが相当である。
二 建物についてなされたいわゆる短期賃貸借において建物が競落されて他に所有権が帰属した場合、賃貸借は終了する旨の約定があるときには、該約定は借家法第一条第一項に反する賃借人に不利な特約として同法第六条により無効なものと解すべきである。
参照法条民法602条,借家法1条,借家法6条
裁判日:西暦1966-04-05
情報公開日2017-10-18 07:18:15
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主 文
原判決中上告人敗訴部分を破棄する
右部分につき本件を福岡高等裁判所に差し戻す。
理 由
上告代理人片山克次の上告理由(一)(イ)、(二)及び(三)について。 原審の認定判断したところによると、Dの死亡による相続財産の管理人である訴外Eは、昭和三元年九月一九日、上告人との間に相続財産中の本件建物について賃貸借契約を締結したが、右Eは処分の権限を有しないこと及び右賃貸借契約書の文言等によれば、本件建物の賃貸借契約には期間を定めていないが、民法六〇二条所定の賃貸借期間としての効力を生じ、ただしその期間内においても右建物が競落されて所有権が他に帰属したようなときには終了する旨を約定したものと認めるのが相当であるから、上告人の賃借権は昭和三二年一二月二七日における被上告人の競落による所有権取得と同時に消滅したものというべきである、というのである。 ところで、処分の権限を有しない者のした期間の定めのない建物賃貸借は民法六〇二条所定の期間を超えないいわゆる短期賃貸借に該当すると解するのが相当であるが(昭和三九年六月一九日第二小法廷判決、民集一八巻五号七九五頁参照)、かかる短期賃貸借にも借家法一条一項の適用を否定すべき理由はないから、一時使用の為めの賃貸借である等他に借家法の適用を排除する事由の認定されていない本件にあつては、建物が競落されて所有権が他に帰属したようなときは賃貸借は終了する旨の前記約定は、右借家法一条一項の規定に反する賃借人に不利な特約として、同法六条により無効なものと解すべきである。従つて右約定を有効とする前提に立つた上で、被上告人の競落による所有権取得と同時に上告人の賃借権が消滅したと解した前記の原判決は違法であつて、論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。 よつて、その余の論旨に対する判断を省略し、民訴法四〇七条により、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 横 田 正 俊 裁判官 五 鬼 上 堅 磐 裁判官 柏 原 語 六 裁判官 田 中 二 郎 裁判官 下 村 三 郎
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