判例検索β > 昭和24年(れ)第1790号
強盗、窃盗
事件番号昭和24(れ)1790
事件名強盗、窃盗
裁判年月日昭和24年11月22日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁集刑 第14号773頁
原審裁判所名東京高等裁判所
原審裁判年月日昭和24年3月23日
判示事項一 勾留手續の違法と判決の合憲性
二 新少年法第五二條、舊少年法第八條の規定の意義と新舊の刑の變更がない場合における行爲時法の適用
裁判要旨一 勾留手續に違法があつたとしても其爲に第一審の訴訟手續が全部違法であり且つ無効であるとはいえないばかりでなく、第一審とは別個の訴訟手續である原審の手續までが違法無効となるべきいわれはない。加之原審の手續は保釋中に行われたものであるから、被告人に對する勾留が所論の如き違法があつたとしても原審判決に影響を及ぼさないことが明かである從つて所論の如き違憲違法はない。論旨は理由がない。(昭和二三年(れ)第六五號同年七月一四日大法廷判決參照)
二 新少年法第五二條並に舊少年法第八條は何れも少年に對する刑を成年に對する刑と異つたものにしようとしているものであるから少年に對する特別法の性質を有する實体規定であるといわなければならない。そして犯罪後の法律により刑の變更があつた場合は其輕きものを適用すべきことは刑法第六條によつて明らかであるが、新少年法第五二條と舊少年法第八條とは同趣旨であつて刑の變更は無いから、原決において行爲時法である舊少年法を適用したことは相當であつて所論の如き違法はない。
参照法条舊刑訴法91條,舊刑訴法411條,憲法34條,少年法52條,刑法6條,舊少年法8條
裁判日:西暦1949-11-22
情報公開日2017-10-17 15:12:07
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主 文
本件上告を棄却する
理 由
弁護人向江璋悦の上告趣意は末尾に添附した別紙書面記載の通りである。 弁護人向江璋悦上告趣意第一点について。
しかし仮に本件勾留が所論の如き違法であるとしても、それは他の方法によつて救済を求むべきものであつて、勾留手続に違法があつたとしても其為に第一審の訴訟手続が全部違法であり且つ無効であるとはいえないばかりでなく、第一審とは別個の訴訟手続である原審の手続までが違法無効となるべきいわれはない。加之原審の手続は保釈中に行われたものであるから、被告人に対する勾留が所論の如き違法があつたとしても原審判決に影響を及ぼさないことが明らかである従つて所論の如き違憲違法はない。論旨は理由がない(昭和二三年(れ)第六五号同年七月一四日大法廷判決参照)。
同第二点について。
論旨は少年法は少くとも旧少年法第三章刑事処分及び新少年法第四章少年の刑事事件の部分に関する限り少年に対する特別の刑事訴訟法規であるから別段の規定のない以上判決当時の法律である新少年法第五二条によるべきものであると主張する。しかし新少年法第五二条並に旧少年法第八条は何れも少年に対する刑を成年に対する刑と異つたものにしようとしているものであるから少年に対する特別法の性質を有する実体規定であるといわなければならない。そして犯罪後の法律により刑の変更があつた場合は、其軽きものを適用すべきことは刑法第六条によつて明らかであるが、新少年法第五二条と旧少年法第八条とは同趣旨であつて、刑の変更は無いから、原判決において行為時法である旧少年法を適用したことは相当であつて所論の如き違法はない。論旨は理由がない。 同第三点について。
しかし本件は強盗窃盗であるから、刑法第一四条の制限内において併合罪の加重をすると五年以上二〇年以下の懲役刑となるので、これを不定期刑として言渡すとしてもその短期は五年である。(旧少年法第八条一項本文新少年法第五二条第一項本文)。 そこで言渡すべき不定期刑の短期を五年以下のものとするには勢い酌量減軽を施さなければならない。原判決はかようなわけで酌量減軽をしたものと思はれるが、酌量減軽をしたからとて言渡すべき不定期刑の短期を最低限の二年六ケ月としなければならないという理由はなく、又その長期を強盗の法定刑の短期の五年未満としなければならないという理由はない。論旨に引用した大審院判例は、定期刑について酌量減軽をする場合に関するものであつて、不定期刑の言渡をする際にその長期が、法定刑の短期未満のものでなければならないなどとはいうていない。所論は右判例を誤解し独自の主張をするものであるから採用できない。 よつて最高裁判所裁判事務処理規則第九条第二項及び旧刑事訴訟法第四四六条により主文の通り判決する。
以上は裁判官全員一致の意見である。
検察官 竹原精太郎関与
昭和二四年一一月二二日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎 裁判官 井 上 登 裁判官 島 保 裁判官 河 村 又 介 裁判官 穂 積 重 遠
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