判例検索β > 昭和40年(オ)第467号
家督相続人選定親族会決議無効確認請求
事件番号昭和40(オ)467
事件名家督相続人選定親族会決議無効確認請求
裁判年月日昭和42年4月28日
法廷名最高裁判所第二小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁集民 第87号341頁
原審裁判所名福岡高等裁判所
原審事件番号昭和38(ネ)808
原審裁判年月日昭和40年1月20日
判示事項新民法施行後における旧民法による家督相続人選定親族会決議無効確認の訴の利益の有無
裁判要旨新民法施行後は、旧民法によつてされた家督相続人選定親族会決議の無効確認を求める訴の利益はない。
参照法条旧民法951条,旧民法985条,民法附則23条,民法附則25条,民訴法225条
裁判日:西暦1967-04-28
情報公開日2017-10-18 07:15:53
裁判所の詳細 / 戻る / PDF版
主 文
本件上告を棄却する
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人菅野虎雄の上告理由第一点について。
旧民法九八五条によつて親族会がした家督相続人選定の決議が法律上当然無効であるときは、旧民法のもとでは、被相続人の親族は、親族会をして改めて家督相続人を適法に選定させるため、裁判所に親族会の召集を申請することができるとともに、自からも相続人に選定されることができる地位にあつた。ところで、旧民法上被相続人の親族が提起する親族会決議無効確認の訴が裁判所によつて容認されていたが、これは、形式的には、過去の法律関係の確認を求める訴のようであるが、実質的には、相続人が未決定であるため、右被相続人の親族が現在において前記のような法律的地位にあることの確認を求め、これに付随する一切の法律関係を一挙に解決するものとして、その確認の利益があるとされていたからである。 しかし、本件において、被相続人Dの死亡により昭和一二年九月一七日被上告人Bをその家督相続人に選定した親族会の決議が無効であるとしても、新民法附則二五条二項本文の規定により、右Dについては新民法による遺産相続が開始しているものとして取り扱われることになつて、相続人が未決定の状態が復活するものではないのであり、したがつて、上告人らは、もはや、前記旧民法のもとにおける被相続人の親族のような法律的地位にはないのみならず、この場合には新民法によつて相続人となつた者が直接その権利関係の具現を求めることで足りるのであるから、新民法下においては、被相続人の親族が親族会のした家督相続人選定の決議の無効確認を求める法律上の利益はないものと解するのが相当であり、これと同趣旨の原判示判断(第一審判決理由引用)は正当として是認すべきである。所論援用の最高裁判例は、本件に適切でなく、論旨は採用できない。 同第二点、第三点について。
旧民法九六六条、九九三条に規定する相続回復請求権についての二〇年の消滅時効期間は、相続権侵害の事実の有無にかかわらず、常に当該相続開始の時から進行するものと解すべきことは、当裁判所の判例とするところであり(最高裁昭和二三年(オ)第一号同年一一月六日第二小法廷判決、民集二巻一二号三九七頁、同昭和三七年(オ)第一二五八号同三九年二月二七日第一小法廷判決、民集一八巻二号三八三頁参照)、いまこれを変更する要を認めない。したがつて、本件において、上告人らがE、Fを経てDの相続権を取得したとしても、同人の死亡による相続の回復請求権は、相続開始の日である昭和一二年八月一三日から二〇年を経過した昭和三二年八月一三日時効により消滅しているものと解すべきであるから、上告人らの相続回復を求める本件予備的請求を排斥した原審の判断は正当である。論旨は、独自の法律的見解に立脚して原判示を非難するか、もしくは、原判決に影響を及ぼさないこと明らかな法令違反をいうにすぎないものであり、したがつて、違憲の主張もその前提を欠くものというべきであつて、いずれも、採るを得ない。 同第四点について。
原判決が援用する最高裁判例が所論大審院判例に反するところがないことは、その各判文上明瞭であるから、論旨は、その前提を欠くものであつて、採用に値しない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 奥 野 健 一 裁判官 草 鹿 浅 之 介 裁判官 城 戸 芳 彦 裁判官 石 田 和 外 裁判官 色 川 幸 太 郎
トップに戻る

saiban.in