判例検索β > 昭和40年(オ)第272号
家屋明渡請求
事件番号昭和40(オ)272
事件名家屋明渡請求
裁判年月日昭和42年5月2日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別判決
結果その他
判例集等巻・号・頁集民 第87号407頁
原審裁判所名東京高等裁判所
原審事件番号昭和31(ネ)1749
原審裁判年月日昭和39年11月26日
判示事項借家の所有権移転登記と借家法第一条
裁判要旨甲から乙へ家屋所有権が譲渡により移転したる後、甲から右家屋を賃借して引渡を受けた丙は、その後に右所有権移転登記を受けた乙に対し、右賃借権を以て対抗することができる。
参照法条民法177条,借家法1条
裁判日:西暦1967-05-02
情報公開日2017-10-18 07:15:50
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主 文
原判決中上告人A1に対する部分を破棄する
右破棄部分につき本件を東京高等裁判所に差し戻す。
本件その余の上告を棄却する。
前項につき上告費用は上告人A2、上告人A3、上告人A4の負担とする。
理 由
上告代理人海野普吉、同竹下甫、同高橋竜彦の上告理由第一点について。 本件不動産について、被上告人と上告人A2との間に昭和二九年一二月四日売渡担保契約が成立し、本件不動産は被上告人の所有となり、約定弁済期の経過により被上告人への所有権の帰属は確定的となつた旨説示し、上告人らの代物弁済の予約の主張を排斥した原判決の判断は、その挙示する証拠、事実関係から肯認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は、原判決の認定にそわない事実を主張し、独自の見解に立つて、原判決の適法な事実の認定、それにもとづく正当な判断を非難するに帰し、採るを得ない。
同第二、第三点について。
所論摘示の原判決の判断説示は、その適法に確定した事実関係にもとづき、正当として肯認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は、原判決の認定にそわない事実を主張し、独自の見解に立つて、正当な原判決を非難するに帰し、採るを得ない。
同第四点について。
原判決は、上告人A1は昭和三〇年一月一日上告人A2から本件建物を賃借したと抗弁するけれども、上告人A2はその以前に本件建物を売渡担保として被上告人に所有権を移転していたものであるので、所有者でない以上、同上告人からの賃借をもつて被上告人に対抗し得ない筋合である旨判旨するものであるところ、本件記録によれば、上告人A1は、昭和三〇年一月一日上告人A2から本件建物を賃借して引渡をうけた旨及び当時被上告人は本件建物の右所有権取得登記をしていなかつた旨を主張するものであることが認められるし、被上告人が本件建物の右所有権取得登記をしたのが、昭和三〇年二月二五日であることは原判決の適法に確定するところであるから、もし、上告人A1の主張する本件建物の賃借、引渡の事実が認められるとすれば、上告人A1は、右賃借引渡の後に右所有権取得登記をした被上告人に対し、右賃借権をもつて対抗することができるものと解するのが相当である。してみれば、この点の審理を尽くさないで、前記のように判示し上告人A1の右賃借権にもとづく抗弁を排斥した原判決には、法律の解釈適用を誤つたか、審理不尽、理由不備の違法があるものといわなければならない。
したがつて、この点論旨は理由がある。
そこで、原判決中上告人A1に対する部分を破棄し、更に審理をつくさせるため、その部分につき本件を原審に差し戻すのを相当とし、その余の本件上告は、すべて理由がないから棄却すべきものと認める。
よつて、民訴法四〇七条、三九六条、三八四条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 柏 原 語 六 裁判官 田 中 二 郎 裁判官 下 村 三 郎
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