判例検索β > 昭和56年(オ)第498号
損害賠償
事件番号昭和56(オ)498
事件名損害賠償
裁判年月日昭和56年10月8日
法廷名最高裁判所第一小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁集民 第134号39頁
原審裁判所名東京高等裁判所
原審事件番号昭和53(ネ)2758
原審裁判年月日昭和55年11月25日
判示事項一 女児の逸失利益をパートタイム労働者を除く女子全労働者の平均給与額によつて算定することの当否
二 女児の得べかりし利益の喪失による損害賠償額を算定するにあたり平均給与額の五割相当の生活費を控除することの当否
三 将来の得べかりし利益を現在価額に換算するための中間利息控除の方法とライプニツツ式計算法
裁判要旨一 交通事故により死亡した女児の得べかりし利益の喪失による損害賠償額を算定するにあたり、賃金センサスによるパートタイム労働者を除く女子全労働者・産業計・学歴計の表による各年齢階級の平均給与額を基準として収入額を算定しても不合理なものとはいえない。
二 交通事故により死亡した女児の得べかりし利益の喪失による損害賠償額を算定するにあたり平均給与額の五割相当の生活費を控除しても不合理なものとはいえない。
三 ライプニツツ式計算法は、交通事故の被害者の将来の得べかりし利益を現在価額に換算するための中間利息控除の方法として不合理なものとはいえない。
参照法条民法709条,自動車損害賠償保障法3条
裁判日:西暦1981-10-08
情報公開日2017-10-18 06:50:37
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主 文
本件上告を棄却する
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人下光軍二、同鈴木真知子の上告理由第一点について
交通事故により死亡した幼児(当時満八歳の女児)の将来の得べかりし利益の喪失による損害賠償額を算定するにあたり、賃金センサスによるパートタイム労働者を除く女子全労働者・産業計・学歴計の表による各年齢階級の平均給与額を基準として収入額を算定したとしても、交通事故により死亡した幼児の将来の得べかりし収入額の算定として不合理なものとはいえないこと、及び右得べかりし利益の喪失による損害賠償額を算定するにあたり右平均給与額の五割相当の生活費を控除したとしても、不合理なものといえないことは、いずれも当裁判所の判例の趣旨とするところであり(前者につき最高裁昭和五四年(オ)第二一四号同年六月二四日第三小法廷判決・裁判集民事一二七号二一九頁、後者につき同昭和四三年(オ)第六五六号同年一二月一七日第三小法廷判決・裁判集民事九三号六七七頁各参照)、ライプニツツ式計算法が交通事故の被害者の将来の得べかりし利益を現在価額に換算するための中間利息控除の方法として不合理なものとはいえないことも当裁判所の判例とするところであつて(最高裁昭和五〇年(オ)第六五六号同五三年一〇月二〇日第二小法廷判決・民集三二巻七号一五〇〇頁)、これと同旨の原判決に所論の違法はない、論旨は、違憲の主張を含め、ひつきよう、独自の見解に基づいて原判決の損害賠償額算定の違法をいうものにすぎず、採用することができない。 同第二点について
慰藉料の額は、裁判所の裁量により公平の観念に従い諸般の事情を総合的に斟酌して定めるべきものであることは当裁判所の判例とするところであり(最高裁昭和五一年(オ)第九五二号同五二年三月一五日第三小法廷判決・民集三一巻二号二八九頁)、原審の適法に確定した事実関係のもとにおいて原審の算定した慰藉料の額が著しく不当なものということはできない。論旨は、違憲をいうが、その実質は原審の裁量に属する慰藉料の算定を非難するものにすぎず、採用することができない。 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 中 村 治 朗 裁判官 団 藤 重 光 裁判官 藤 崎 萬 里 裁判官 本 山 亭 裁判官 谷 口 正 孝
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