事件番号 | 昭和46(ク)50 |
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事件名 | 人身保護請求棄却の決定に対する特別抗告 |
裁判年月日 | 昭和46年3月26日 |
法廷名 | 最高裁判所第一小法廷 |
裁判種別 | 決定 |
結果 | 棄却 |
判例集等巻・号・頁 | 集民 第102号369頁 |
原審裁判所名 | 神戸地方裁判所 明石支部 |
原審事件番号 | 昭和45(人)1 |
原審裁判年月日 | 昭和46年1月20日 |
判示事項 | 人身保護法に基づく救済請求を決定をもつて棄却することと憲法三二条・八二条 |
裁判要旨 | 人身保護法に基づく救済請求を同法一一条により決定をもつて棄却することは憲法三二条・八二条に違反しない。 |
参照法条 | 憲法52条,憲法82条,人身保護法11条 |
裁判日:西暦 | 1971-03-26 |
情報公開日 | 2017-10-18 07:00:11 |
本件抗告を棄却する。 抗告費用は抗告人の負担とする。 理 由 公開の法廷における対審および判決によることが憲法上要請される裁判は、裁判所が当事者の意思いかんにかかわらず終局的に事案を確定し当事者の主張する実体的権利義務の存否を確定することを目的とする純然たる訴訟事件の裁判に限られるものと解すべきであつて、非常応急的な特別の救済制度として定められた人身保護法上の裁判がそれにあたらないことは、当裁判所の判例に照らして明らかである(昭和二六年(ク)第一〇九号・同三五年七月六日大法廷決定・民集一四巻九号一六五七頁、昭和三六年(ク)第四一九号・同四〇年六月三〇日大法廷決定・民集一九巻四号一〇八九頁、昭和三七年(ク)第二四三号・同四〇年六月三〇日大法廷決定・民集一九巻四号一一一四頁、昭和四一年(ク)第四〇二号・同四五年六月二四日・民集二四巻六号六一〇頁、昭和三二年(オ)二二七号・同三三年五月二八日大法廷判決・民集一二巻八号一二二四頁参照)。それゆえ、原審が公開の法廷における対審を経ることなく決定をもつて抗告人の請求を棄却したことが憲法に違反するとする論旨は、理由がなく、採用することができない。また、その余の論旨は、違憲に藉口して原決定の単なる法令違反ないしその不当を主張するものにすぎず、民訴法四一九条ノ二所定の適法な特別抗告理由にあたらない。 よつて、本件抗却を棄却し、抗告費用は抗告人に負担させることとし、主文のとおり決定する。 昭和四六年三月二六日 最高裁判所第二小法廷 裁判長裁判官 村 上 朝 一 裁判官 色 川 幸 太 郎 裁判官 岡 原 昌 男 裁判官 小 川 信 雄 |