判例検索β > 昭和37年(オ)第707号
家屋明渡請求
事件番号昭和37(オ)707
事件名家屋明渡請求
裁判年月日昭和39年3月10日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁集民 第72号431頁
原審裁判所名高松高等裁判所
原審裁判年月日昭和37年4月10日
判示事項借家法の適用されない社宅と認められた事例。
裁判要旨会社が従業員の福利厚生施設の一つとして、一般の建物賃貸借における賃料より低廉な使用料で、その従業員に限つて使用させている等原判示の如き事情(原判決理由参照)がある社宅の使用については、たとえ、入居願書の提出や社宅規則がなくても、借家法の適用はない。
参照法条民法601条,借家法3条
裁判日:西暦1964-03-10
情報公開日2017-10-18 07:22:38
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主 文
本件上告を棄却する
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告人の上告理由(一)1ないし3について。
所論中、原判決は憲法二二条に違背する旨の主張があるけれども、右はその実質は単なる法令違背(民法一条二項、同六〇一条、借家法並びに事実誤認に対する経験則違背等)を主張するに帰するもので、その主張の前提を欠き、論旨は採るを得ない。そして原判決が本件家屋の使用関係についてなした各認定は、その挙示の証拠関係からこれを肯認し得る。なお右認定せる事案関係によれば、原判決が本件家屋の使用関係は借家法の適用を受ける一般の賃貸借関係と異なり、判示の如き社宅使用に関する特殊の契約関係であつて、上告人は昭和三四年三月三日その退職とともに右家屋を明渡す義務がある旨判示したことは正当として肯認し得られ、また当裁判所判例(昭和二八年(オ)第七九七号、同三〇年五月一三日第二小法廷判決、民集九巻六号七一一頁参照)の趣旨に合致するものというべく、所論は、原審の認定判示にそわない事実を主張し、かつ独自の見解に立つて原判決を非難し、或は原審の適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰し、論旨は採るを得ない。
同(二)1について。
原判決は所論の如く本件家屋の使用料は、役職別に定められる前は一ケ月一、五〇〇円であつた旨認定しているけれども、右は一般の建物賃貸借における賃料より低廉の使用料であつたこともまた原判決の認定するところであり、原判決の本件家屋の社宅としての使用関係についての判示につき、所論の如き理由齟齬の違法は存せず、論旨は採るを得ない。 同(二)2について。
所論は、結局原審の証拠の取捨判断の違法を主張するに帰するもので、原審がD証人の証言内容をその挙示する一審証人Eの第一回証言をもつて排斥したことはこれを肯認し得る、論旨は採るを得ない。
同(二)3について。
原判決の所論判示は正当としてこれを肯認し得、そして原判決が本件家屋の使用関係を判示の如き社宅使用関係と判示したことも、その認定せる事実関係からこれを肯認し得るところである。原判決に所論の如き理由齟齬の違法は存せず、論旨は採るを得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 五 鬼 上 堅 磐 裁判官 石 坂 修 一 裁判官 横 田 正 俊 裁判官 柏 原 語 六 裁判官 田 中 二 郎
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