判例検索β > 昭和46年(オ)第185号
家屋明渡等請求
事件番号昭和46(オ)185
事件名家屋明渡等請求
裁判年月日昭和46年10月14日
法廷名最高裁判所第一小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁集民 第104号41頁
原審裁判所名東京高等裁判所
原審事件番号昭和45(ネ)231
原審裁判年月日昭和45年12月7日
判示事項借家法七条二項にいう「借賃ノ増額ニ付当事者間ニ協議調ハザルトキ」にあたる事例
裁判要旨賃貸人のした賃料増額の意思表示に対し、賃借人が書面をもつてこれに応じかねる旨を回答し、増額の意思表示のあつた月の賃料についても従前の額に従つて供託をしている等の判示の事情があるときは、賃貸人と賃借人との間において借賃の増額につき協議が調わなかつた場合にあたる。
参照法条借家法7条
裁判日:西暦1971-10-14
情報公開日2017-10-18 06:59:36
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主 文
本件上告を棄却する
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告人の上告理由第一、第二点について。
原判決の確定するところによれば、被上告人は、上告人が昭和四三年六月二一日に到達の書面をもつてした所論賃料増額の意思表示に対して、同月三〇日上告人に到達の書面により、これに応じかねる旨を回答し、増額の意思表示のあつた同年七月分と八月分の賃料についても従前の額に従つて供託をし、本訴においても右増額の意思表示の効果を争つている、というのであるから、上告人と被上告人との間には借賃の増額について協議が調わなかつたことが明らかであり、このことをもつて、原判決は、被控訴人は控訴人のした前記賃料増額の請求を争つているのであるからと判示したものである。原判決になんら所論の違法はない。論旨は採用することができない。
同第三、第四点および第七点について。
原審の確定した事実関係のもとにおいては、上告人は従前の額によるかぎり賃料を受領しない旨を明らかにし、しかも、被上告人においてこれを提供しても当然受領を拒絶するものと認められる旨の原審の認定判断は、正当として是認するに足りる。そして、原審は上告人と被上告人との間の本訴提起に至るまでの賃料増額および家屋明渡の請求に関する従来の経緯に照らして、右の認定判断をしたのであつて、上告人が賃料の受領拒絶の意思を明示的に明らかにしたと認定したのではないから、受領拒絶の意思を明らかにした時期を認定しなかつたからといつて所論の違法を生ずるものではなく、原判決になんら所論の違法はない。論旨は採用することができない。 同第五、第六、第八、第九、第一〇、第一一点および追加上告理由について。 原判決と記録を精査してみても原判決の判断の過程には、なんら所論の違法は認められない。所論はいずれも原判決を正解しないことに基づくもので、採用することができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 岩 田 誠 裁判官 大 隅 健 一 郎 裁判官 藤 林 益 三 裁判官 下 田 武 三 裁判官 岸 盛 一
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