判例検索β > 昭和43年(オ)第689号
家屋明渡請求
事件番号昭和43(オ)689
事件名家屋明渡請求
裁判年月日昭和46年12月7日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁集民 第104号569頁
原審裁判所名大阪高等裁判所
原審事件番号昭和38(ネ)1784
原審裁判年月日昭和43年3月19日
判示事項借家法一条の二に基づく解約を理由とする家屋の明渡訴訟において当事者の明示の申立額(五〇〇万円)をこえる立退料(一〇〇〇万円)の支払と引換えに明渡請求を認容することを相当と認めた事例
裁判要旨(省略)
参照法条借家法1条ノ2
裁判日:西暦1971-12-07
情報公開日2017-10-18 06:59:23
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主 文
本件上告を棄却する
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人中村直美の上告理由第一点について。
被上告人が、昭和二八年八月一日訴外株式会社D商会から本件建物を買い受け、同年六月三〇日訴外Eからその敷地一六九坪五合二勺を買い受けた旨の原判決の判断は、その挙示する証拠関係に照らして肯認できるところである。そして、本件建物の一部である本件店舗部分の上告人に対する賃貸人が被上告人であること当事者間に争いのない本件においては、所有権取得登記の有無にかかわらず本件建物およびその敷地の所有者が被上告人であると認めたうえ、解約申入の正当事由として主張されている本件建物取毀しの必要性があるか否かを判断することができるものというべきであり、所論引用の大審院判例は本件と事案を異にし、本件に適切でない。したがつて、被上告人が本件建物およびその敷地の所有者であるとし、本件建物の取毀しの必要性を、他の諸般の事情とあいまつて借家法一条ノ二の正当事由にあたると判断した原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。 同第二点について。
被上告人は、本件建物取毀し後、原審認定の建物を建築する予定である旨の原審の判断は、その挙示する証拠関係に照らして首肯でき、原判決に所論の違法はない。所論は、原審の認定しない事実をあわせ主張して、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実認定判断を非難するにすぎず、論旨は採用しえない。
同第三点について。
原審が適法に確定した当事者双方の利害関係、その他諸般の事情のもとにおいては、判示解約の申入は、被上告人が上告人に対し立退料として金一、〇〇〇万円を提供することを条件として正当事由を具備した旨の原審の判断は、首肯することができる。論旨は、原審の認定しない事実が存在することを前提として、右金額が低きに失する旨原判決の右判断を非難するにすぎず、採用することはできない。 同第四、五点について。
本件建物の倒壊の危険性についての原判決の判断は、その挙示する証拠関係に照らして首肯することができ、その過程に所論の違法はない。また、被上告人としては、本件建物のような老朽建物を賃貸して賃料を得る程度ではとうてい採算がとれない旨の原判決の判断も、被上告人が本件建物を取毀して高層ビルに建築し直す計画を立てるに至つた思考の経緯として容易に首肯することができる。原判決に所論の違法は認められず、論旨は、いずれも採用することができない。 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 天 野 武 一 裁判官 田 中 二 郎 裁判官 松 本 正 雄 裁判官 関 根 小 郷
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