判例検索β > 昭和48年(あ)第2464号
昭和二五年東京都条例第四四号集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例違反
事件番号昭和48(あ)2464
事件名昭和二五年東京都条例第四四号集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例違反
裁判年月日昭和50年12月26日
法廷名最高裁判所第二小法廷
裁判種別決定
結果棄却
判例集等巻・号・頁集刑 第198号1025頁
原審裁判所名東京高等裁判所
原審裁判年月日昭和48年10月3日
判示事項一、許可条件違反のだ行進を指導した場合につき可罰的違法性を欠くなどとして昭和二五年東京都条例第四四号集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例五条の罪の成立を否定した一審判決を破棄した原判決に対する違憲(二一条、三一条違反)の主張が単なる法令違反の主張として不適法処理された事例
二、条件付許可処分の違憲(三一条、二一条違反)の主張が欠前提とされた事例
参照法条憲法21条,憲法31条
裁判日:西暦1975-12-26
情報公開日2017-10-17 14:06:18
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主 文
本件上告を棄却する
理 由
弁護人福田徹の上告趣意第一について
所論は、昭和二五年東京都条例第四四号集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例(以下本条例という。)は、集団示威運動等につき許可制をとつている点において憲法二一条、三一条に違反すると主張する。
しかし、本条例の許可制は、その実質において届出制と異なるところがない(最高裁昭和三五年(あ)第一一二号同年七月二〇日大法廷判決・刑集一四巻九号一二四三頁、昭和四〇年(あ)第一〇五〇号同四一年三月三日第一小法廷判決・刑集二〇巻三号五七頁参照)のであるから、所論は、前提を欠き、適法な上告理由にあたらない。
弁護人福田徹の上告趣意第二及び同今村嗣夫の上告趣意第一点の一について 所論は、憲法二一条、三一条違反をいうが、その実質は、本条例三条一項但書による許可条件違反のだ行進を指導した五条所定の罪の成否に関し、原判決の示した法律判断を論難する単なる法令違反の主張に帰し、適法な上告理由にあたらない。 弁護人小池健治の上告趣意について
所論は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。
弁護人今村嗣夫の上告趣意第一点の二について
所論は、本件条件付許可処分は、条件付与の手続及びその内容のいずれにおいても憲法三一条、二一条に違反すると主張する。
しかし、本条例三条一項但書により付された各条件は、個々独立の意味を有し、個々に構成要件を補充しているものである、(昭和四五年(あ)第一四九五号同五〇年九月二六日第二小法廷決定参照)ところ、本件で違反したとされる許可条件は、だ行進の禁止という定型的条件であつて、所論のように付与条件り決定が専ら警察官の大幅な裁量にゆだねられていたものとも認められない。そして、集団示威行進等の集団行動は、表現の一態様として憲法上保障されるべき要素を有するものであるが、だ行進のような行為は、このような思想の表現のため不可欠のものではなく、これを禁止しても憲法上保障される表現の自由を不当に制限することにならないのである(最高裁昭和四八(あ)第九一〇号同五〇年九月一〇日大法廷判決参照) 所論は、前提を欠き、適法な上告理由にあたらない。
同弁護人の上告趣意第一点の三、(1)について
所論は、本条例五条のうち、三条一項但書の規定によつて付された条件に違反した集団行動の指導者等を処罰する規定は、罰則の再委任であつて、地方自治法一四条一項五項の委任の限界を超えるから、法律上の根拠を欠き、憲法三一条に違反すると主張する。
しかし、本条例は、三条一項但書において、公安委員会が付しうる条件の範囲を具体的に規定するとともに、五条において、右三条一項但書に基づいて定められた条件に違反した集団行動の指導者等に対して罰則を定めているのであつて、所論のように罰則を定める権限を公安委員会に再委任したものとはいえず、地方自治法一四条五項の委任の趣旨に反するものではない(最高裁昭和二七年(あ)第四五三三号同三三年七月九日大法廷判決・刑集一二巻一一号二四〇七頁、昭和四五年(あ)第一四九五号昭和五〇年九月二六日第二小法廷決定参照)。所論は、前提を欠き、適法な上告理由にあたらない。
同弁護人の上告趣意第一点の三、(2)について
所論は、違憲(三一条違反)をいうが、原審でなんら主張、判断を経ていない事項に関する違憲の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。 よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
昭和五〇年一二月二六日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 本 林 讓 裁判官 岡 原 昌 男 裁判官 大 塚 喜 一 郎 裁判官 吉 田 豊
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