判例検索β > 平成13年(あ)第1205号

連続幼女誘拐殺人事件

誘拐,殺人,死体損壊,死体遺棄,わいせつ誘拐,強制わいせつ被告事件
事件番号平成13(あ)1205
事件名誘拐,殺人,死体損壊,死体遺棄,わいせつ誘拐,強制わいせつ被告事件
裁判年月日平成18年1月17日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁集刑 第289号15頁
原審裁判所名東京高等裁判所
原審事件番号平成9(う)1437
原審裁判年月日平成13年6月28日
判示事項死刑の量刑が維持された事例(連続幼女誘拐殺人事件)
裁判日:西暦2006-01-17
情報公開日2017-10-17 13:55:51
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主 文
本件各上告を棄却する
理 由
弁護人田鎖麻衣子の上告趣意のうち,死刑に関して憲法36条違反をいう点は,当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号同23年3月12日大法廷判決・刑集2巻3号191頁,最高裁昭和26年(れ)第2518号同30年4月6日大法廷判決・刑集9巻4号663頁)に徴して理由がない。同上告趣意のその余は,事実誤認、単なる法令違反の主張であり,被告人本人の上告趣意は、事実誤認の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。 なお,所論にかんがみ記録を調査しても,被告人に責任能力があるとした原判決の認定は,正当として是認することができ,刑訴法411条を適用すべきものとは認められない。付言すると,本件は,昭和63年8月から平成元年7月にかけて,埼玉県内において,自己の性的欲求を満たすために,当時4歳から7歳のいたいけない女児5名を次々と誘拐し,うち4名の被害者をその日のうちに殺害した上,3名の死体を損壊あるいは遺棄し、残る1名の被害者にはわいせつ行為をしたという事案である。被告人は,反抗を重ねるほどに計画性を強めており,各殺人の主たる動機は,女性性器を思うままに見たり,触るなどしたいという性的欲求や死体等を撮影して自分だけの珍しいビデオテープを持ちたいという収集欲に基づく誠に自己中心的かつ非道なもので,およそ酌量の余地がない。殺害の態様は,いずれも人を疑うことを知らない被害者を,巧妙に誘い掛けて自己の運転する自動車に乗せ,遠く離れた山中や人目に付かない場所まで連れ込んだ上,いきなり押し倒して,抵抗するすべもない幼い女児の首を力いっぱい絞め続けて絶命させるという甚だ冷酷かつ残忍なものである。殺害された被害者は合計4名に及び,生じた結果は極めて重大である。殺害後も死体にわいせつ行為を行って,これをビデオカメラで撮影したり,死体を切断して損壊し,あるいは山中に遺棄するなどの非情な行為に及び,更には被害者の家族へ遺骨や犯行声明文等を送り付けるなどしており,一連の凶悪な犯行が社会に与えた衝撃は甚大で,遺族らの被害感情が非情に厳しいのも当然のことである。以上のような犯情に照らすと,本件各犯行についての被告人の刑事責任は極めて重大である。そうすると,本件の背景に被告人が先天性の前腕の障害に悩んできた経緯があり,前科はなく,捜査段階では事実を認めていたこと,被告人の母親において,殺人の被害者の遺族に対し,慰謝の一部として計800万円を送付していることなど,被告人のために酌むことができる情状を十分考慮しても,原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。 よって,刑訴法414条,386条により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 藤田宙靖 裁判官 濱田邦夫 裁判官 上田豊三 裁判官 堀籠幸男)
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