判例検索β > 平成8年(あ)第826号

木曽川殺人事件

強盗殺人,死体遺棄,窃盗,強盗致傷被告事件
事件番号平成8(あ)826
事件名強盗殺人,死体遺棄,窃盗,強盗致傷被告事件
裁判年月日平成13年9月20日
法廷名最高裁判所第一小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁集刑 第280号427頁
原審裁判所名名古屋高等裁判所
原審裁判年月日平成8年7月2日
判示事項死刑事件の量刑が維持された事例(木曽川殺人事件)
裁判日:西暦2001-09-20
情報公開日2017-10-17 13:56:45
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主 文
本件上告を棄却する
理 由
弁護人石井誠一郎,同手島康子の上告趣意のうち,憲法13条,36条違反をいう点は,死刑制度がこれらの規定に違反するものでないことは当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号同23年3月12日大法廷判決・刑集2巻3号191頁)とするところであるから,理由がなく,その余は,憲法違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であり,被告人本人の上告趣意は,事実誤認,量刑不当の主張であって,いずれも適法な上告理由に当たらない。
なお,所論にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認められない。付言するに,記録によれば,本件各犯行中,強盗殺人に係る2件の事件のうち,第1の事件は,交際中の外国人女性への送金や自ら犯した窃盗の被害者への弁償金の工面に窮した被告人が,勤務先の同僚(当時26歳)を殺害してその給料を強取しようと企て,金属バットで同人を殴打して殺害し,現金を強取した上,その死体にコンクリートブロック1個を結びつけて,橋の欄干から川に投棄して遺棄したという事案である。また,第2の事件は,被告人が,第1の事件で予期に反して現金約4000円しか強取できなかった上,前記女性から送金の催促を受けるなどしたことから,第1の事件の約2週間後に,深夜1人で営業しているラーメン屋台の店主(当時58歳)を狙って売上金を窃取することとし,もし顔を見られるなどした場合には同人を殺害してでも売上金を強取しようと企て,屋台の荷物を積み込んだ自動車内を物色中,同人に発見されたため,所携の前記金属バットでその頭部を殴打し,ひん死の重傷を負わせて,現金を強取した上,同人を既に死亡したものと思い込んで,前同様の方法により川に投棄し,水中で前記傷害により死亡させて殺害したという事案である。これらの各犯行は,何ら落ち度のない被害者2名の生命を奪ったもので,犯行の結果が極めて重大であるだけでなく,その態様も冷酷,非道なものである。また,被告人は,各犯行について様々な隠ぺい工作をするなどしており,犯情は悪質であり,被害者らの遺族の被害感情も非常に厳しいものがある。以上のような犯行の罪質,動機,態様,結果等に照らすと,被告人の罪責は誠に重大であり,被告人のために酌むべき事情を考慮しても,原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は,やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない。
よって,同法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
検察官佐竹靖幸 公判出席
(裁判長裁判官 藤井正雄 裁判官 井嶋一友 裁判官 町田 顯 裁判官 深澤武久)
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