判例検索β > 平成11年(あ)第591号

大阪の相場師強盗殺人事件

強盗殺人,死体遺棄,詐欺,銃砲刀剣類所持等取締法違反,火薬類取締法違反被告事件
事件番号平成11(あ)591
事件名強盗殺人,死体遺棄,詐欺,銃砲刀剣類所持等取締法違反,火薬類取締法違反被告事件
裁判年月日平成16年9月13日
法廷名最高裁判所第二小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁集刑 第286号121頁
原審裁判所名大阪高等裁判所
原審裁判年月日平成11年3月5日
判示事項死刑の量刑が維持された事例(大阪の相場師強盗殺人事件)
裁判日:西暦2004-09-13
情報公開日2017-10-17 13:56:14
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主 文
本件各上告を棄却する
理 由
被告人Aの弁護人池田直樹,同小田幸児,同岸上英二の上告趣意のうち,憲法13条,31条,36条違反をいう点は,死刑制度がその執行方法を含め憲法に違反しないことは当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号同23年3月12日大法廷判決・刑集2巻3号191頁,最高裁昭和26年(れ)第2518号同30年4月6日大法廷判決・刑集9巻4号663頁)とするところであるから,所論は理由がなく,その余は,判例違反をいう点を含め,実質は事実誤認,量刑不当の主張であって,適法な上告理由に当たらない。
被告人Bの弁護人高木甫,同中道武美の上告趣意のうち,憲法9条,13条,31条,36条違反をいう点は,死刑制度が憲法に違反しないことは上記のとおりであるから,所論は理由がなく,その余は,事実誤認,量刑不当の主張であり,同被告人本人の上告趣意は,事実誤認の主張であって,いずれも適法な上告理由に当たらない。
なお,所論にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認められない。付言すると,本件各犯行中,強盗殺人死体遺棄事件は,被告人両名が,仕手筋として知られる投資顧問会社の社長であるC(当時43歳)をら致して多額の現金を強取し,その犯跡を隠ぺいするため同人を殺害することを企て,これを実行する過程で同人を含む2名を殺害したという重大事犯である。すなわち,被告人両名は,外1名と共に,まず,同社従業員D(当時23歳)をマンションの一室に引き入れた上,Cの自宅を聞き出し,その自宅前で外出先から帰宅した同人をら致し,上記マンションの一室に連れ込んで両手,両足をビニールひもで緊縛するなどしてその反抗を抑圧した上,同人の所持していた現金40万円を強取するとともに,同人をして現金1億円を調達させてこれを強取した。そして,被告人らは,手足を緊縛されて無抵抗の状態にあるC及びDに対し,相次いで,3人がかりでテレビ用の同軸ケーブル等をその頸部に巻き付け長時間絞め付けるなどして殺害し,さらに,両名の死体をコンクリート詰めにした上,土中に埋めて遺棄したものである。このように,本件の罪質は,極めて悪質であり,何ら落ち度のない被害者2名の生命を奪ったという結果も,非常に重大である。また,本件は,多額の現金獲得をもくろんだ計画的犯行であって,動機及び犯行に至る経緯に酌量の余地はなく,犯行態様も,冷酷,非情,残忍であり,犯跡隠ぺいのため大がかりな死体遺棄に及んでいるなど,犯情は悪質である。そして,被告人両名は,いずれも強盗殺人の犯行に積極的に関与して重要な役割を果たしたものである。これらの事情に加え,各遺族の被害感情,社会に与えた影響等に照らすと,被告人両名が被害者らのめい福を祈っていること,被告人Aに前科はなく,同Bにも罰金前科しかないことなど,被告人両名のために酌むべき事情を十分考慮しても,被告人両名の罪責はいずれも誠に重大である。したがって,被告人両名を死刑に処した第1審判決を維持した原判断は,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。
よって,刑訴法414条,396条により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
検察官吉川興治 公判出席
(裁判長裁判官 福田 博 裁判官 北川弘治 裁判官 滝井繁男 裁判官 津野 修)
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