判例検索β > 昭和36年(オ)第223号
退院請求
事件番号昭和36(オ)223
事件名退院請求
裁判年月日昭和37年4月12日
法廷名最高裁判所第一小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁民集 第16巻4号833頁
原審裁判所名水戸地方裁判所
原審裁判年月日昭和36年2月6日
判示事項一 精神障害者の拘束につき人身保護法による救済請求が理由ありとされた事例
二 人身保護規則第三七条所定の処分は裁判所の自由裁量によるか
裁判要旨一 精神障害者の入院につき、法定の被選任資格なくして選任された保護義務者の同意があつても、右入院は精神衛生法第三三条に定める正当の手続によらない身体の自由の拘束に当り、これに対する救済の請求は、人身保護法第二条及び人身保護規則第四条に定める要件に適否する。
二 人身保護規則第三七条所定の処分は、裁判所の自由裁量による。
参照法条人身保護法2条,人身保護法16条3項,人身保護規則4条,人身保護規則37条,精神衛生法20条2項,精神衛生法33条
裁判日:西暦1962-04-12
情報公開日2017-10-18 07:27:22
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主 文
本件上告を棄却する
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告人の上告理由第一点について。
家庭裁判所が、精神衛生法二〇条二項四号の規定に基づいて精神障害者の保護義務者を選任するには、精神障害者の扶養義務者のうちから選任すべきであるところ、所論Dは本件被拘束者たる被上告人の扶養義務者でなかつたことは、原審の確定した事実によつて明らかであるから、同人を被上告人の保護義務者に選任した所論家庭裁判所支部の審判は違法であり、その違法は顕著であるといわなければならない。されば、上告人が被上告人を拘束するにつき、たとえ右Dの同意を得た事実があつても、同人はもともと保護義務者となる資格を有しなかつたのであるから、上告人の本件拘束は、精神衛生法三三条に定める正当の手続によつたものでないことが明らかであり、従つて、被上告人の本件救済の請求は人身保護法二条及び人身保護規則四条所定の要件に適合するものというべきであるから、これを認容した原判決には所論の違法は認められない。それゆえ論旨は採用しがたい。
同第二点について。
所論民訴三九五条一項六号(同条六項とあるは誤記と認められる)違背をいう点は、結局原審の適法にした事実認定の非難に帰するから採ることができず、人身保護規則三七条違反をいう点は、所論のような処分をするか否かは、原審裁判所の自由裁量に属するものであること右規定上明らかであるから、論旨は採用しがたい。 よつて、人身保護規則四二条、民訴九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第一小法廷 裁判長裁判官 高 木 常 七 裁判官 斎 藤 悠 輔 裁判官 入 江 俊 郎 裁判官 下 飯 坂 潤 夫
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