判例検索β > 昭和25年(オ)第350号
家屋明渡請求
事件番号昭和25(オ)350
事件名家屋明渡請求
裁判年月日昭和27年5月27日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別判決
結果破棄差戻
判例集等巻・号・頁民集 第6巻5号568頁
原審裁判所名仙台高等裁判所  秋田支部
原審裁判年月日昭和25年9月22日
判示事項新民法附則第四条により新法の遡及効を認め得ない一事例
裁判要旨旧民法施行当時、子と家を異にする母が、親権者母たる資格において子の法定代理人として締結した賃貸借には、新民法附則第四条によつて新民法を適用すべきでない。
参照法条民法附則4条,民法818条2項,民法824条,旧民法884条,旧民法877条2項
裁判日:西暦1952-05-27
情報公開日2017-10-18 09:36:26
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主 文
原判決を破棄し本件を仙台高等裁判所に差し戻す。
理 由
上告代理人毛利与一同金森義徳の各上告理由は、後記のとおりである。 上告代理人毛利与一の上告理由第三点及び第六点について。
原判決は、佐藤Dが駒橋Eの親権者母たる資格において右Eの法定代理人として、(一)昭和二〇年八月被上告人(控訴人)B1に対し本件家屋の一部(二階六坪及び階下三坪)を賃貸し、(二)昭和二二年一月被上告人(控訴人)B2に対し前記家屋中階下八坪を賃貸した各事実を確定した上、被上告人等は借家法一条一項によつて右賃貸借を上告人(被控訴人)に対抗できるとの理由の下に上告人の本訴請求を排斥した。右確定事実によると、本件賃貸借がなされた当時は、民法第四編及び第五編が改正される以前の旧民法が施行されていた時代であつたのである。そして旧民法の規定によれば、親権を行う母は、未成年の子の財産に関する法律行為につきその子を代表したのであるが、子に対し親権を行う母は家に在ル母であることを要件とした(旧民法八八四条八七七条二項)。ところが、本件の佐藤Dは駒橋Eと氏を異にするのであるから、同人の家ニ在ル母とは認められない。従つて旧民法によれば、DはEの親権者母として同人の法定代理人たる資格を有しなかつたものと言わなければならない。そして本件のような場合に関しては、民法附則に新旧いずれの法規を適用するかにつき明文はなく附則四条本文によつても遡つて新法を適用すべきものとは認められないので、行為時法たる旧民法の適用ある場合と解しなければならない。それゆえ、佐藤Dが駒橋Eの親権者母たる資格において、右Eの法定代理人として本件家屋を被上告人等に賃貸したことを理由として上告人の本訴請求を排斥した原判決は、法令の解釈を誤つたか、理由不備の違法あるものと言うべきである。 よつて、上告代理人等のその他の論旨を判断するまでもなく本件上告を理由あるものと認め、民訴四〇七条一項に従い原判決を破毀して本件を原裁判所に差戻すべきものとし、主文のとおり判決する。
この判決は、裁判官全員の一致した意見によるものである。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井 上 登 裁判官 島 保 裁判官 河 村 又 介 裁判官 小 林 俊 三 裁判官 本 村 善 太 郎
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