判例検索β > 昭和23年(オ)第85号
養子縁組無効確認請求
事件番号昭和23(オ)85
事件名養子縁組無効確認請求
裁判年月日昭和23年12月23日
法廷名最高裁判所第一小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁民集 第2巻14号493頁
原審裁判所名福岡高等裁判所
原審裁判年月日昭和23年7月14日
判示事項一 旧民法第八五一条第一号(新民法第八〇二条第一号)の意義
二 養子縁組の無効と民法第九三条但書
裁判要旨一 旧民法第八五一条第一号(新民法第八〇二条第一号)にいわゆる「当事者間に縁組をする意思がないとき」とは、当事者間において真に養親子関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指し、たとえ養子縁組の届出自体については当事者間に意思の一致があつたとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものに過ぎないときは、養子縁組は、効力を生じない。
二 養子関係の設定を欲する効果意思のないことによる養子縁組の無効は、絶対的のものであつて民法第九三条但書の適用をまつてはじめて無効となるのではない。
参照法条旧民法851条1号,新民法802条1号,新民法93条但書
裁判日:西暦1948-12-23
情報公開日2017-10-18 10:38:26
裁判所の詳細 / 戻る / PDF版
主 文
本件上告を棄却する
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人弁護士重田休助上告理由第一点について。
所論は、旧民法第八五一条第一号(新民法第八〇二条第一号)に当事者間に縁組をする意思がないときとは届出自体が当事者の意思に反する場合即ち届出其のものに瑕疵ある場合を指すものであると主張する。しかし、それは当事者間に真に養親子関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものであると解すべきは、言をまたないところである。されば、たとい養子縁組の届出自体については当事者間に意思の一致があつたとしても、それは単に他の目的を達するための便法として仮託されたに過ぎずして、真に養親子関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合においては養子縁組は効力を生じないのである。これと同趣旨に出でた原判決には、所論のような違法はなく、論旨は、それ故に理由がない。 同第二点について。
真に養親子関係の設定を欲する効果意思がない場合においては、養子縁組は旧民法第八五一条第一号(新民法第八〇二条第一号)によつて無効である。そして、この無効は絶対的なものであるから、所論のように原審が同第九三条但書を適用する必要もなく、又適用したものでもない。従つて、論旨は理由がない。 同第三点について。
所論指摘の各事実のみが、本件養子縁組を無効とする原判決の理由ではない。これらの事実と他の証拠を綜合して、原審は真に養親子関係の設定を欲する効果意思がないことを認定して養子縁組を無効としたものである。そして、原判決の挙げている証拠によればかかる事実の認定は、当裁判所においても肯認し得るところである。論旨は、結局原審の自由裁量権に属する証拠の取捨判断ないし事実認定に対する非難を加えるものであるから、上告適法の理由とはならない。
よつて民訴第四〇一条、第八九条、第九五条に従い主文のとおり判決する。 この判決は、裁判官全員の一致した意見である。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 眞 野 毅 裁判官 澤 田 竹 治 郎 裁判官 齋 藤 悠 輔 裁判官 岩 松 三 郎
トップに戻る

saiban.in