判例検索β > 昭和29年(あ)第399号
児童福祉法違反
事件番号昭和29(あ)399
事件名児童福祉法違反
裁判年月日昭和30年12月26日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁刑集 第9巻14号3018頁
原審裁判所名名古屋高等裁判所
原審裁判年月日昭和28年12月28日
判示事項児童福祉法第三四条第一項第六号の児童に淫行をさせる行為にあたる一事例
裁判要旨軽飲食店の経営者が一八歳未満の住込女中と客に数回に店の一室を提供し同女がそこで客に売淫していることを認識しながらこれを承認し同女が売淫につて得た対価を蒲団代等の名義で折半取得する行為はたとえ右売淫が児童である同女自らの意思に基く場合でも児童福祉法第三四条第一項第六号の児童に淫行をさせる行為に該当すると解するのが相当である。
参照法条児童福祉法34条1項6号
裁判日:西暦1955-12-26
情報公開日2017-10-17 14:28:46
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主 文
本件上告を棄却する
理 由
弁護人飯野豊治の上告趣意について。
自己の住所で軽飲食店を経営する者が、満一七歳の住込女中と客に数回に自宅の一室を提供し同女をしてそこで数回に数名の客に売淫をさせ、同女が売淫によつて得た対価を蒲団代等の名義で折半取得する行為はたとえ右売淫が児童である同女自らの意思に基く場合であつても児童福祉法三四条一項六号の児童に淫行をさせる行為に該当すると解するを相当とする。児童を一定の場所に泊めておいて暴力又は脅迫により或は前借金があるのに乗じて逃げられないようにし、客を取るべく余儀なくさせるような有形無形の情勢を行為者がつくり上げることはこの犯罪の構成上必しも常に必要な要件ではない。されば右と同趣旨にいでた原判決の同法条に関する解釈は相当であつて、所論違憲の主張は前提を欠き採用し難い。(第一審判決を見るに、その認定した事実の要旨は、被告人は肩書住所で軽飲食店を経営中判示A(昭和一〇年八月生当時満一七才)を住込女中として雇い入れ昭和二八年二月始頃同女をして自宅二階六畳の間に於て年令二十五、六才商人風の客に売淫せしめた他、同年五月二二日頃までの間数回に同所に於て数名の客に売淫せしめ以て児童に淫行をさせたものであるというにあり、同判決はこの事実を戸籍謄本、Aの検察官に対する供述調書、被告人の第一審公判廷に於ける供述によつて認める旨を示した上、なお、これらの証拠から、被告人が汁粉や蕎麦の客に自宅の一室を提供して宿泊せしめ、使用の児童が売淫によつて得た対価を蒲団代等の名義で折半して取得した事実をも窺知し得るとしてこれを認めていることは判文上明白である。第一審判決の認めた以上の事実の全体は、要するに、被告人は自己の住所で軽飲食店を経営中、右Aを住込女中として雇い入れ昭和二八年二月始頃当時満一七才であつた同女をして自宅二階六畳の間において年令二十五、六才商人風の客に売淫せしめた他、同年五月二二日頃までの間数回に同所において自宅の一室を提供し客に宿泊をもさせて数名の客に売淫せしめ同女が売淫によつて得た対価を蒲団代等の名義で折半し同児童に淫行をさせたものである、というにあるから、第一審判決の認定した事実は児童福祉法六〇条一項、三四条一項六号に当るのであつて、同判決を肯認した原判決には法の解釈を誤つた違法はない。
また記録を調べても刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。 よつて同法四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 昭和三〇年一二月二六日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 垂 水 克 己 裁判官 島 保 裁判官 河 村 又 介 裁判官 小 林 俊 三 裁判官 本 村 善 太 郎
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