判例検索β > 昭和27年(あ)第3799号
電気事業法違反
事件番号昭和27(あ)3799
事件名電気事業法違反
裁判年月日昭和29年12月3日
法廷名最高裁判所第二小法廷
裁判種別判決
結果その他
判例集等巻・号・頁刑集 第8巻13号2065頁
原審裁判所名大阪高等裁判所
原審裁判年月日昭和27年5月10日
判示事項電気事業法施行当時同法に違反した行為と刑の廃止
裁判要旨電気事業法第三八条違反の所為は、公益事業令が昭和二七年一〇月二四日かぎり失効した後においては、刑の廃止があつたものとして免訴すべきである。
参照法条刑法6条,刑訴法422条5号,刑訴法337条2号,電気事業法(昭和6年法律61号)38条,公益事業令(昭和25年政令343号)附則2項,公益事業令(昭和25年政令343号)附則21項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)1項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)2項,電気及びガスに関する臨時措置に関する法律(昭和27年法律341号)
裁判日:西暦1954-12-03
情報公開日2017-10-17 14:33:50
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主 文
原判決中被告人の有罪部分を破棄する
被告人を免訴する。
理 由
弁護人片寄秀、同甘糟勇雄の各上告趣意は、末尾添付の別紙書面記載のとおりである。職権をもつて調査するに、原判決が自判により有罪と認定した本件公訴事実は、被告人は昭和一四年一月頃奈良県生駒郡a町大字b寺所在のb寺国宝保存工事事務所の技手に就任し、庶務主任として庶務一般の外特に壁画模写等に関する事務を担保しているものであるが、電気事業者であるA株式会社の承諾を得ずに、昭和二四年一月一七日頃電気工事請負人Bに、右b寺金堂東入口北側に設けてあつた配電室の配電線から新たに配電線二本を分散させ、これを配電盤二基に連結した上金堂内に導き入れて丸型コンセントを取付け、更にテーブルタツプ二基に連結して電気座布団のコード一六本を差し込み得るような電気工事をなさしめ、以つて濫りに電気工作物の施設を変更したものである、というのであつて、原判決はこれを公益事業令附則二一項、電気事業法三八条に該当するものとして、被告人を罰金五百円(二年間執行猶予)に処したのである。しかるに、右電気事業法は昭和二五年政令三四三号公益事業令(昭和二〇年勅令五四二号に基く命令)附則二項によつて廃止され、同令は同年一二月一五日から施行されたが、同令附則二一項は

この政令の施行前にした行為に対する罰則の適用については、第二項及び前項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

と規定していたところ、昭和二七年法律八一号ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律によつて、昭和二〇年勅令五四二号に基く命令(いわゆるポツダム命令)は、別に法律でその廃止または存続に関する措置がなされない場合においては、同法施行の日たる昭和二七年四月二八日から起算して一八〇日間に限り法律としての効力を有するものとせられたが、右一八〇日間の最終日たる同年一〇月二四日までに公益事業令に関する立法上の措置は何らなされることなくして経過したのである。従つて同令は右一〇月二四日限り失効したものと解すべきであり、前示本件公訴事実については犯罪後の法令により刑が廃止されたときに当るものというべきである(昭和二六年(れ)二三一六号、同年(れ)一五一五号、同二七年(あ)一六七六号、いずれも同二九年一一月一〇日大法廷判決参照)。
よつて、弁護人等の上告趣意につき判断をなすまでもなく、刑訴四一一条五号により原判決中被告人の有罪部分を破棄し、同四一三条但書、四一四条、三三七条二号により被告人に対し免訴の言渡をなすべきものとし、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
本件公判には検察官佐藤欽一が出席した。
昭和二九年一二月三日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 栗 山 茂 裁判官 小 谷 勝 重 裁判官 藤 田 八 郎 裁判官 谷 村 唯 一 郎 裁判官 池 田 克
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