判例検索β > 昭和26年(あ)第3179号
麻薬取締規則違反
事件番号昭和26(あ)3179
事件名麻薬取締規則違反
裁判年月日昭和28年6月19日
法廷名最高裁判所第二小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁刑集 第7巻6号1342頁
原審裁判所名東京高等裁判所
原審裁判年月日昭和26年6月20日
判示事項一 共同被告人の検察官に対する供述調書の証拠能力
二 共同被告人の麻薬司法警察官(麻薬統制主事)に対する供述調書の証拠能力
三 証拠能力のない書面を証拠としたことが、判決に影響しないと認められる一事例
裁判要旨一 共同被告人の検察官に対する供述調書は、被告人との関係においては、刑訴第三二一条第一項第三号にいわゆる被告人以外の者の供述を録取した書面に該当する。
二 共同被告人の麻薬司法警察官(麻薬統制主事)に対する供述調書は、被告人との関係においては、刑訴第三二一条第一項第三号にいわゆる被告人以外の者の供述を録取した書面に該当する。
三 証拠能力のない書面を証拠とした違法があつても、そこに記載された供述が、証拠とされた他の証拠能力ある書面に記載された供述と同一に帰するときは判決に影響のある違法があるとはいえない。
参照法条刑訴法321条1項2号,刑訴法321条1項3号,刑訴法379条
裁判日:西暦1953-06-19
情報公開日2017-10-17 14:41:55
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主 文
本件各上告を棄却する
理 由
被告人Aの上告趣意は事実誤認の主張であり同人の弁護人築山重雄の上告趣意は事実誤認と量刑不当の主張であつて、すべて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。 被告人Bの弁護人牛島定の上告趣意第一点及び第三点について。 原判決は第一審判決と同様刑訴三二二条の解釈適用を誤つたことは第二点で説明する通りであるけれども、それが憲法三七条の公平な裁判所の裁判に関する規定に反するものでないことは当裁判所の判例とするところである(昭和二二年(れ)一七一号大法廷判決。集二巻五号四四七頁)。また第一審裁判所が刑訴三二二条の解釈を誤つたとしても、本件において被告人に相被告人を審問する機会が与えられなかつたと言うことはできない。論旨は理由がない。
同第二点について。
共同被告人の検察官に対する供述調書は被告人の関係においては刑訴三二一条一項二号に該当し得る書面であつて、被告人以外の者の供述を録取した書面にあたるものである。従て第一審が刑訴三二二条に該当する書面として被告人についても、共同被告人についてしたと同じように刑訴三二二条の書面として証拠調をした上証拠としたのは刑訴法の解釈を誤つたものであり、原判決がこれを容認したのは第一審判決と同じ誤をおかした違法があるものと言わなければならないけれども、本件においては右書面は、刑訴三二一条一項二号の要件を具備するものと解せられるから右の違法は未だ以て原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認められない。また麻薬司法警察官に対する共同被告人の供述調書は刑訴三二一条一項三号にいう前二号に掲げる書面以外の書面中に含まれるものであるが、本件においては同号所定の要件を欠くから証拠とすることができなかつたものである。従てそれを証拠とした第一審判決には法令の違反があるけれども、右書面に記載された供述は検察官に対してなされた供述と内容において同一に帰するから右供述調書がなくても判示事実は認定できたのであつて、右の違法は原判決に影響あるものとは認められない。論旨は理由がない。
同第四点、第五点及び第六点について。
憲法三七条一項にいわゆる公平な裁判所の裁判については論旨第一点において説明したとおりであるから論旨第四点及び第五点は結局違憲に名を籍る訴訟法違反の主張に帰し、同第六点は量刑不当の主張であつて、右は何れも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
被告人Bの弁護人山口作之助の上告趣意について。
論旨第一点及び第三点は事実誤認の主張であり同第二点は所持についての独自の見解に基く法令違反の主張を出でないから、何れも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。 よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。
この判決は、裁判官全員一致の意見である。
昭和二八年六月一九日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 霜 山 精 一 裁判官 栗 山 茂 裁判官 小 谷 勝 重 裁判官 藤 田 八 郎 裁判官 谷 村 唯 一 郎
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