判例検索β > 昭和43年(オ)第1118号
家屋明渡等請求
事件番号昭和43(オ)1118
事件名家屋明渡等請求
裁判年月日昭和44年5月20日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁民集 第23巻6号974頁
原審裁判所名東京高等裁判所
原審事件番号昭和40(ネ)448
原審裁判年月日昭和43年7月31日
判示事項土地賃貸借の期限付合意解約と借地法一一条
裁判要旨土地賃貸借の期限付合意解約は、合意に際し賃借人が真実解約の意思を有していると認めるに足りる合理的客観的理由があり、かつ、他に右合意を不当とする事情の認められないかぎり、借地法一一条に該当しない。
参照法条借地法11条
裁判日:西暦1969-05-20
情報公開日2017-10-18 07:03:07
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主 文
本件上告を棄却する
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人小野孝徳の上告理由、上告代理人高橋明雄の上告理由について。 原審は、その挙示の証拠に基づき、上告人、被上告人間の身分関係、本件土地賃貸借契約成立時の事情とその後の経過、昭和二八年三月一五日上告人、被上告人間に本件契約(甲一号証の契約)が成立するにいたる経緯、その成立時の事情、その後の経過、賃借人である上告人の経済状態等諸般の事実関係を詳細認定した上、昭和二八年三月一五日上告人、被上告人間に成立した本件契約は、昭和二一年六月以来存続している本件土地賃貸借について、あらたに昭和三四年四月一日までの期限を設定し、その期限の到来とともに賃貸借契約を解約するという期限附合意解約と解するのが相当である旨、並びに右期限附合意解約をするについて、上告人としては、被上告人の立場を了解し、ここで当初の残存期間を主張して親戚関係に不和を来たすよりは、むしろ穏便に事を納め、数年の間に約旨の認める転貸料や建物譲渡代金等を資金として他に転出するつもりで種々考量の上で任意にこれを承認したものであること、本件契約が錯誤に基づくものであるとか、上告人の窮迫、軽率、無経験に乗じてなされたものであるとかの上告人の主張は認められない旨判示しているが、原判決の右の事実の認定並びに判断は、すべて正当として支持することができる。
思うに、従来存続している土地賃貸借につき一定の期限を設定し、その到来により賃貸借契約を解約するという期限附合意解約は、借地法の適用がある土地賃貸借の場合においても、右合意に際し貸借人が真実土地賃貸借を解約する意思を有していると認めるに足りる合理的客観的理由があり、しかも他に右合意を不当とする事情の認められないかぎり許されないものではなく、借地法一一条に該当するものではないと解すべきであるところ、原審確定の前記事実関係のもとでは、本件期限附合意解約は右に説示する要件をそなえているものと解するのが相当であるから、本件期限附合意解約は有効であつて、本件土地賃貸借契約は、期限の到来によつて解約され、上告人は被上告人に対し本件土地を明け渡す義務があるものというべく、これと同旨の原判決の判断は正当である。
原判決に所論の違法はなく、論旨は、原審の認定にそわない事実を主張し、独自の見解に立つて、適法になされた原審の事実の認定、それに基づく正当な判断を非難するに帰し、採用することができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 松 本 正 雄 裁判官 田 中 二 郎 裁判官 下 村 三 郎 裁判官 飯 村 義 美 裁判官 関 根 小 郷
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