判例検索β > 昭和26年(あ)第118号
窃盗
事件番号昭和26(あ)118
事件名窃盗
裁判年月日昭和27年8月5日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁刑集 第6巻8号969頁
原審裁判所名大阪高等裁判所
原審裁判年月日昭和25年10月7日
判示事項刑訴施行法第五条の合憲性
裁判要旨刑訴施行法第五条は、憲法第三七条第三項に違反しない。
参照法条憲法37条3項,刑訴施行法5条
裁判日:西暦1952-08-05
情報公開日2017-10-17 14:49:23
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主 文
本件上告を棄却する
理 由
弁護人臼井源喜の上告趣意第一点について。
憲法三七条三項はすべての被告事件を必要的弁護事件としなければならないという趣旨ではなく、如何なる事件を必要的弁護事件とするかは、専ら刑訴法によつて決すべき問題であること、当裁判所の判例(昭和二四年(れ)六〇四号同二五年二月一日大法廷判決)に示されているとおりである。この理を推せば、ある種の事件につき、ある審級において、ある条件の下に弁護人を必要とするか否かを定めることも亦法律に委ねられているものと解しなければならない。そうだとすれば刑訴施行法五条が、新法施行の際まだ公訴が提起されていない事件について、被告人からあらかじめ書面で弁護人を必要としない旨の申出があつたときは、簡易裁判所においては、新法施行の日から一年間は、新法二八九条の規定にかかわらず、弁護人がなくても開廷することができる、と規定したことを以て憲法三七条三項に違反するものということはできない。従つて右刑訴施行法第五条に則つてなされた本件第一審判決並にこれを認容した原判決には所論のような違法も違憲もなく論旨は理由がない(前記判例並に昭和二四年新(れ)五三六号同二五年四月二五日第三小法廷判決参照)。
同第二点について。
憲法三七条二項前段は、刑事被告人はすべての証人に対して審問する機会を充分に与えられる旨規定しているに過ぎないのであつて、尋問の形式や時期までを規定したものでないこと、当裁判所の判例(昭和二四年(つ)九三号同二五年三月六日大法廷決定)の示すとおりである。また共同被告人は共同審理の際に相互に反対訊問の機会を与えられているのであるから、他の共同被告人との関係において、その供述に証言としての証拠能力を否定すべき理由がないことも明らかである(昭和二三年(れ)七七号同二四年五月一八日大法廷判決及び昭和二六年(れ)一三三号同年六月二九日第二小法廷判決参照)。それ故本件第一審において裁判長から被告人に対し共同被告人に反対訊問を為すことを促さなかつたとしても、又現実に反対訊問がなされなかつた共同被告人の供述を罪証に供したとしても、憲法三七条二項に違反するといういわれはなく(昭和二六年(れ)九一九号同年一一月三〇日第二小法廷判決参照)、第一審判決を維持した原判決にも所論のような違憲はない。論旨は理由がない。
なお記録を調べてみても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。 よつて刑訴四〇八条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 昭和二七年八月五日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井 上 登 裁判官 島 保 裁判官 河 村 又 介 裁判官 本 村 善 太 郎
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