判例検索β > 昭和30年(オ)第778号
土地明渡請求
事件番号昭和30(オ)778
事件名土地明渡請求
裁判年月日昭和33年10月24日
法廷名最高裁判所第二小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集等巻・号・頁民集 第12巻14号3213頁
原審裁判所名東京高等裁判所
原審裁判年月日昭和30年6月20日
判示事項旧農地調整法第二条にいう農地にあたらないとされた事例。
裁判要旨昭和八年頃所有者において建物の敷地にするために水田を埋め立てた土地六八坪を空地のまま放置するうち、その隣家に居住する者が所有者の承諾の下にこれを自家用野菜の栽培のために耕作して今日に至り、その間対価の支払をなしたことがあつても、耕作者は他に生業をもち、右土地以外に土地を耕作せず、終始農会の会員ではなく収穫物の供出をしたこともないような場合には、右の土地は旧農地調整法第二条にいう農地に該当しないと解するのが相当である。
参照法条農地調整法(昭和20年法律64号による改正後のもの)2条
裁判日:西暦1958-10-24
情報公開日2017-10-18 07:36:59
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主 文
本件上告を棄却する
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人吉井晃の上告理由第一点について。
原判決は、本件土地合計六八坪は元所有者Dにおいて昭和八年頃建物の敷地とする目的で水田を埋立てた土地であり、その後その地上に移築すべき適当な古家がないため、荒廃するにまかせ空地のまゝ放置されていたところ、昭和一三年頃、その隣家に居住する上告人において所有者の承諾を得て右土地を自家用の野菜を栽培する目的で耕作のために利用し、爾来その耕作を続けて今日に至り、その間に土地耕作の対価若干を所有者に支払つたことがあること、本件土地の貸借については契約証書も賃料領収の書面も作成されなかつたこと、上告人はかねて小料理屋および鍛冶業を生業とするもので、本件土地以外に土地を耕作せず、終始居住地の農会の会員ではなく収穫物を供出をしたこともないこと等の事実を認定し、これら諸般の事実関係から、本件土地は旧農地調整法二条にいう農地に該当しないと判断したのであるが、右認定の事実関係の下においては、本件土地は右にいう農地に当らないと解するのが相当であるから、原判決に所論のような違法はなく、論旨は採用することができない(所論援用の判例は本件に適切でない)。
同第二点について。
本件土地の隣地に所在する上告人居住の家屋およびその敷地を上告人が買い受けたことも、本件土地が右敷地と一体をなす土地であることも、すべて上告人が原審において主張せず原判決の確定しない事実であるから、所論前段はその前提を欠くことに帰する。また、原判決確定の事実関係の下において、被上告人の本訴請求を権利の濫用と認めることはできない。されば所論はすべて採用することができない。 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 小 谷 勝 重 裁判官 藤 田 八 郎 裁判官 河 村 大 助 裁判官 奥 野 健 一
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